2011年2月23日水曜日

子どもは遊ぶの大好き! 植物も同じでした

最近メジロたちが、めっきりウチに遊びにきてくれなくなったと思っていたら、近くの梅の花に夢中らしいです。
甘い香りと蜜で、昆虫や鳥や爬虫類たちに花粉を運んでもらおうとする植物の知恵のひとつです。

なるほどなるほど。植物はかしこいんだな! と思っていたらこんな動画を見つけました。



イタリアの植物神経学者「ステファノ・マンキューゾ博士 Stefano Macuso」が、あのゴアさんの講義で有名な、TEDで、講義した様子です。

アホがバレない程度に、この講義の内容をバックリと説明すると・・・

「ノアの箱船」に植物が乗っけてもらえなかったことを話のマクラに、人類がいかに植物の存在を軽んじて、その知能がながいこと理解されてこなかったか・・・なんて感じで講義は始まります。

ルネッサンス時代の書物では、地球上に存在するモノのなかで、もっとも知能が高いのは・・・「学のある人間」とされてます。ところが博士によれば、植物には動物よりも優れた感覚を持つそうです。例えば、「root apex = 根端」とよばれる根っこの先端は、50種類もの化学物質を識別できるそうです。

そして、いつぞや紹介したDavid Attenborough博士が、自身のドキュメンタリー番組のなかで、海原で遭遇したクジラを前に感動とともにコメント、
「クジラは、地球上でもっとも大きなイキモノです・・・」にステファノ博士は反論します。
「それは完璧にマチガイでーす! セコイアなど高さ50メートルにもなる樹木と比べれば、クジラなんて小人みたいなもんでーす!!! 」・・・あ〜、その通りですね。学者さんでさえ、目の前にある、まぎれもない事実をつい忘れてしまうことがあるんですねぇ〜。


かの、アリストテレスは「魂を持つもの」の定義として、「動くもの」と「感じるもの」と述べてます。そこで博士は、04:30くらいから「ハエトリグサ」が、ナメクジが葉っぱに触れたのを「感じて」、パクッと「動いて捕らえる」様子を紹介します。
ここでひと言、「すまないね、ナメクジくん。」











はたまた豆の苗の葉っぱが太陽の光を追いかけて、ダンスしてるように動いたり、ヒマワリの幼い苗は、まるで動物の子どもたちがジャレ合うようにクネクネと遊んでいるそうです。

・・・植物は動いたり、感じたりするどころか、遊んだり、眠ったり、昆虫や鳥、爬虫類とコミュニケーションさえしてるんですね!

そして、1880年に植物学はビッグバンをむかえます。ダーウィンが「植物の運動力」という本を発表したのです。

















この著書の中の、ひとつのセンテンスでは、「植物は、あたかも下等動物のようなふるまいをする」とダーウィン。

確かに植物の根端がのびていく様子は、まるでヘビの動きそのものです。



そして、おハナシは、根の驚異のネットワーク力に進みます。
「一本のライ麦には、どのくらいの根があるか?」
根の草本数は : 13,815,672本
根の根端の数は : 11,483,271本
トータルの長さは : 622キロメートル
総面積は : 237平方メートル
にもなるそうでっす!!

根が張り広がる様子は、まるでインターネットとおなじです。植物は地中ひろく複雑に「根ットワークス」ともいうべき「根」を張りめぐらせて、生き残ろうとするそうです。
さらに植物の計算能力などを活用すれば、植物と機械を組み合わせた「ハイブリッド・ロボット」もできてしまうそうなんですねぇ〜。


ということで、高等動物である「ニンゲンさま」は、ようやく生き物として認識もされてこなかった「植物たち」の知能と感度の高さに、気がつける時代になった・・・ってことなのでしょうか???

最後にステファノ博士は、先ほどの「気の毒なナメクジ」が、ハエトリグサから無事にデロデロと脱出したクダリで、このスバラシイ講義をシメていらっさいます。
オサレですね〜!!

2011年2月22日火曜日

ナニゲに元気なハオルチア

やっと,晴れました。
今朝は、ネコもワンコもニンゲンも、お散歩したり、ひなたぼっこしたりイキイキとして見えました。ウツウツと曇った日がつづくと、太陽のありがたさがイッソウ身にしみます。



久々のオブツーサです。ふと気がつけば、冬のあいだにワサワサと新芽が伸びてました。
日の光に透かしてみると、ホントにキレイな多肉です。














食べられるサボテン「サラダ菜」も、オブツーサと同じ「ハオルチア」の仲間です。

新芽がニョキニョキ、
トラ刈りの坊主頭のように伸びてきてます。

この新芽を摘んで、土に差しておくと
かなり高い確率で根づきます。

そのため多肉スペースが
ドンドンこのコのクローンで埋まっていきます。







高酸化作用が豊富に含まれていて、花粉症や抗がん作用も認められてるそうなので、とっとと食べればいいんですが、もうそこにあることだけでお腹イッパイになってしまうのは、ホビーガーデナーが陥りやすいジレンマかもしれません。

2011年2月18日金曜日

無機 or 有機よりも、前ムキに・・・

明日2月19日は、月暦では「雨水」です。
雨音で目覚めた今朝でしたが、もうお日様がでてます。あたたかな風がほわっと吹くたびに、土の香りがします。夕方からは気温が下がって寒くなるそうですが、昼間は春を感じる陽気になりそうですね。

で、そんな今日は「満月」です。植物は、草丈の伸びがゆるやかになって、花が咲きやすくなる生殖生長的な生長をするそうです。月の引力の影響からか、植物体内の水分が根っこのほうから地上部のほうへ集中するので、だそうですが、茎や葉に樹液が多いので傷口などの回復がおそくなる頃なので、剪定や挿し木、芽摘みには不向きなんだそうです。

そのかわり、満月のころは「種まき」に向いてるので、インドア派のホビーガーデナーさんは、


今週末あたりそろそろトマトなんかの夏野菜の種まきにトライしてみては、いかがでしょうか???












いまなら夜間の温度もグッと下がって害虫や病気もまだ活発でないから、光量に温度と湿度さえ適度に保てば、ナイーヴな生長期もトラブル少なめで育てやすいと思いますし、ウマくいけば、ゴールデン・ウィークの連休には、一番果の春トマトが味わえるかもしれません。











さてさて、二番果のイチゴたちも

いよいよ赤く色づいてきました。















根っこもよく動いているからなのか、朝には葉つゆがでています。植物は、光合成してない夜の間にも根っこは水分を吸収しつづけるので、光合成が始まる朝になると、吸いすぎてオーバーフロー気味になった水分を「水孔=すいこう」からペペッと排出します。





なので、朝に葉つゆが出てるかどうかは根っこがゲンキかどうかのバロメータになります。
葉つゆは新しい葉っぱに多く見られます。古い葉っぱには、あんましでてません。水分・養分を新しい葉っぱへ集中的に送るから。だそうですが、この葉つゆには肥料養分も含まれてます。ココ培地や培養土など固形培地の養液栽培をしてる場合、新しい葉っぱに出た葉つゆが乾いたあとが茶色く変色してきたら、培地中のEC値が高いんだそうです。なので新しい葉っぱのフチが焼けてたら、培養液のEC値をいったん薄くしたほうが無難です。



さて、こちらは草丈40cmほどになったトマトです。湿度を60%くらいにキープしてると、ココ培地の乾きはゆっくりです。
培養液をガツッとあげた次の日は、トマトもイチゴも葉つゆがバシバシでます。




植物は、ナニはさておき肥料の三大要素である「チッ素・リン酸・カリウム」をとりあえず最優先で吸ってしまってから、体内のバランスなんかを整えるために、カルシウムやマグネシウム、それに微量ミネラルを吸うそうです。


なので、たとえば葉っぱが内側にまるまってきたり乱形花が多かったり茎が太すぎたらチッ素へらそうかな、とかトップの新しい葉が黄色くなってきたらマグネシウム不足だよ、とか花が実をつけずに落ちちゃうなら光やリン酸不足だよ・・・などなど、毎日真剣に葉っぱの表情をみつめながら植物の言いたいことがわかる生産者さんなら、高価な活力剤なんかがなくても、オイシく安心・安全な最高の作物が作れるんだと思いますし、実際カリスマ・ファーマーさんは、難解な化学の知識もきちっと押さえながら、霊能力者なみの植物の気持ちを察する直感力と、1年365日植物のことばかり考えてるグロウ・バカ的な研究心をお持ちです。


たとえば18世紀の米国で、子どもの頃から植物の病気を治すチカラがあった天才農業学者のカーヴァー博士も、ものすごい品種改良種をつぎつぎに誕生させて世界をあっと言わせた園芸の魔法使いと評されたバーバンクさんも、独自の方法で植物と会話できたそうですが、そのウラには、何百という種類の植物を育て、数万本という苗を観察しつつ、気の遠くなるような回数の実験を重ねた結果だそうでっす。


やっぱし根気よくこつこつと、1%の才能と99%の努力が奇跡をおこすんですね〜。










2011年2月17日木曜日

ビールつながりな、とある一日。

ついウッカリと、こんなものをGETしてみました。

いったい、これは???











じつはこれは、自家製ビールづくりがさかんな欧米で、消毒したボトルを乾かす時につかうボトル・ドライング・スタンドでっす。

ビールをビンに詰める前には、なん十本というビンを、消毒したあとに水切りせねばならんそうなのですが、その時にボトルをさかさにして乾かせるスタンドだそうです。

が、ワタシ的には、オサレなワインボトルやガラスビン、はたまた液体洗剤や肥料など、詰めかえるために洗ったボトルが乾くまでの置き場に、長年ホトホト困り果てていました。プラッチックのボトルは軽いのでコロコロ・カラカラあっちにこっちに転がりまくるんですよね。
なので、このドライング・スタンドをめっけた時は運命を感じました。ザンネンながらニッポンでは販売されてません。
( Beer Bottle Drying Treeでクグレば、ヒットします。)


そして、(本来は)ビールのビンを乾かすスタンドGETに浮かれていると、ぬわぁんと今度はヨーロッパからこんなデリシャスなギフトが届きました〜!!!


オランダのグルメでっす!

さすがオランダ!

地ビールといっしょに、ハイネケンのコースターがついてました。



それにオランダの名産チーズたち。

ウマそうなゴーダチーズに、

でで〜んっとホールのエダムチーズです。

生まれてはじめて見ました。こんなデカイチーズ。








エダムチーズは、パンやクッキー、ビスケットなどに粉にして練りこむとウマいんだそうです。タイムリーなことに、手作り石けんにつかう苛性ソーダで、本格ドイツのパンがつくれると教えていただいたので、エダムチーズのプレッツェルづくりにトライしてみようかな〜と思ってます。

モチロン、このウマそ〜なビールたちのおつまみとして・・・







2011年2月15日火曜日

ココヤシ培地のプチ実験〜その4〜

ワタシの住む川崎では、この冬はじめて雪が積もりました。なので、今朝は歩道の雪かきから1日が始まりした。ふだん雪が降らない地域で降られると、スリップや転倒などに気をつけないといけなくなりますが、いつもは軽いアイサツだけですれ違う近所の方とも雪かきでの連帯感が生まれ、会話がはずむのがナンとも楽しくもあります。


そして今ではもうお日様がポカポカとゲンキです。


凍てつく一夜から解放されてバラもうれしそうです。










ということで、ほどよい湿度は植物をマックスに育てるためのポイントのひとつで、その適度な湿度をさらに活かすには、培地の気相率・・・根っこのまわりの酸素量も気にしたら、さらにGoodだね。だから気相率を気にしてみるのもいかがでしょうか? なんですが

「フライパン片手にイチイチ気相率なんて計ってるヒマはないわよ!」


という、ご多忙なヒトには、こんな方法でインスタントにバックリとした「気相率」が分かるんだそうです。



土をにぎってみて、割れ方で判断


1. 指の間から、じわわっと水がしみ出るまで片手で培地をギュギュ〜ッと、にぎりまっす。
2. 培地の固まりを親指でかるく押してみて、指のあとができて割れるなら「気相率は16%で、重たくてベタッとしすぎ」
3. ポロッと割れるようなら「気相率は、理想的な24%」
4. 培地は固まるけど、手の平をひらいたら、パラパラッと崩れるのは「気相率は30%で、乾きすぎの軽すぎ。」



そして、この方法いがいにも、土壌や露地栽培なら、出てきたカビの色で判断できるそうです。
赤いカビ・・・気相率が高く、軽く乾いた土。
白いカビ・・・水分と空気のバランスがよい、ちょうどいい土。
青いカビ・・・水分が多く空気が少ない、気相率の低い重たい土。



もう取り憑かれたように、「 もっとちゃんと知りたいわよ! 」 というヒトは、どうぞこのプロフェッショナルな知恵がつまったこちらの本をおススメします。



















ということで、グロウランプの光やCO2、肥料に活力剤、そして培地に温度計などなど、カワいい植物たちへ、ひた向きに捧げている愛情をさらにさらに活かすには「湿度」も気にするといいよ、なんですがグロウルームのイチゴたちは、湿度管理してから葉っぱの老化が遅くなりました。女性の肌には、乾燥が大敵ですが、それは植物の葉っぱにとっても同じなようです。



最後に、ココヤシ培地がロックウールと大きくちがう点に、「CEC=塩基置換容量、陽イオン交換容量」が高いってことがあります。CECってのは、一口で言えば「アルカリ(陽)イオンをくっつけるパワー」で、水素・アンモニア態チッ素・カリウム・マグネシウム・カルシウムが陽イオンなので、これらをキープできる能力ってことになります。

培地のCECが高いと、なににメリットがあるのかっていえば、バックリいうと「緩衝性(かんしょうせい)というクッションのような役割をしてくれるから、pH値とEC値が安定するし、肥料も効きがよくなるし、根っこが肥焼けしにくくなる。」ってことです。

そして、土壌や培地のCECの高さとなる要素のひとつが「腐植質」がどのくらいあるか??? だそうで、有機物の分解がすすむとできる「腐植質」には「フミン酸・フルボ酸なんかの腐植酸」つまり酸性の有機酸がたっっっくさん含まれるので、アルカリ性の肥料をペタッペタッとくっつけるチカラがあるんですねぇ〜。
だから、ハイドロポニックス用の有機活力剤には「フミン酸・フルボ酸」なんかが入ってるのがあって、それをあげると培地の保肥性が高くなって根っこにもヤサシくなるんですね〜。

んで、このココヤシ培地のCECのおかげで、根っこは好きな時に培地に引っかかってるカリウムやマグネシウム、カルシウムなんかのアルカリ性の肥料を水といっしょに吸えるわけですが、ちょっと気をつけたいのがココヤシ培地には「もともとカリウムが多いよ」ってことです。なのでココ栽培では培養液を溜めたり・循環させたりするハイドロ・システムがNGです。

ヤシガラにカリウムが多いのは、もともと果実にはカリウムがため込まれますし、そのうえ、ココナツを実らせるヤシの木は海水が吸えちゃうからなんですね〜。海水には塩分もたくさん含まれますが,カリウムやマグネシウムなんかの肥料ミネラルも豊富なので、ヤシの木は海水をジュ〜ッと吸った後は、ミネラルだけいただいて塩分をペペッと吐き出したり、葉っぱにためてから葉っぱを落としたりして塩分をコントロールしてるそうです。なので、ヤシガラを養液栽培用のスペシャルなココ培地するには、「イオウ、カリウムと塩分」をクレンジングして、そして根っこの生長をジャマするアクも抜かねばならんのです。
そんなこんなで、インドやスリランカの内陸部で農産物として真水で育てられるヤシの木のココナツのカラのほうが、ココ培地にはベターだったりもします。

そして、ココ培地に多めに含まれてるカリウムは「根肥え・実肥え」とも言われてて、大事な大事な養分ですが、あんまりカリウムが多すぎると、根っこはカルシウムが吸えなくなっちゃいます。カルシウムっては肥料の三大要素には入れてもらえてませんが、実は多量要素で,カリウムと同じくらいの量か、それ以上に必要だったりもします。ちなみに、マグネシウムが多すぎるとカリウムの吸収をジャマする作用があったりします。なので、ココ培地専用につくられてる肥料は、カリウムが少なめでカルシウムとマグネシウムが多めだったりします。

また、ココ培地のCECの高さ=保肥性ゆえに、例えば寒すぎるとかで植物の根っこがグングン伸びてないスランプ状態の時に、培養液をバシバシあげすぎてると、ココ培地のなかの肥料が吸われないままドンドンたまってっちゃうので、ダンダンとEC値が高くなって肥料焼け気味になってっちゃうこともあります。

(ちなみに、CECが高くて保肥性と保水性があるのは、ヤシガラを細かくしたココ・コイヤーのほうです。繊維だけでできた亀の子タワシのような感触のココ・スラブは、同じココ培地でもCECが低く保肥性と保水性がありません。なので、ココ・コイヤーとココ・スラブでは、おなじココ培地でも培養液管理のコツがちがいます。培養液を節約できてカンタンで有機成分や微生物がよく効くのはココ・コイヤーのほうです。繊維質のココ・スラブは、培養液の成分に影響が少ないので、培養液のかけ流しなど施設栽培などでのオートマチックなシステムに向いてます。)


2011年2月14日月曜日

ココヤシ培地のプチ実験〜その3〜

ということで、突然にココ培地の気相率が気になってしまったのは、「イチゴの葉っぱが去年みたいにデッカくならない! なんでだ?」と思ったからで、

ザンネンな脳みそをふりしぼって考えてみると、「 そういえば去年は、アホみたいに湿度を気にしてたなぁ・・・」と思いだしました。冬は乾燥するので、とくに湿度管理がキーポイントになってくるんですね〜。




大きな花や実をつけさせるには、まず大きな葉っぱがあることが前提で、葉を大きくするには「湿度管理」が必須なんだそうです。

「 まず空気や水温、そして光量はベストな条件だとして・・・お日様があたってる日中に湿度が60%〜70%くらいあると、植物は気孔を閉じなくてもすむので、活発に呼吸もするしCO2もよく吸うから光合成運動もできるんだよ。
そんなベストな環境のうえに、もしも根っこのまわりの水分と養分、それに酸素がほどよくあるなら根っこは休まずによく動くよ。根っこが動けば水分・養分の吸収も活発になれるから、あげた肥料がムダにならないし、効きにくいカルシウムなんかも、よく吸ってくれるんだね。カルシウムは細胞壁の成分だから、たっっっくさん必要なんだね。だから細胞分裂が活発なトップにいくほどカルシウム不足の症状が出やすいし,そうなると新葉がちっちゃくなっちゃうんだね。ほどよい空気を含める培地の気相率は、24%くらいだよ。」

だそうです。ドナタのお言葉かは、また明日・・・。



















湿度と光合成の関係ですが・・・
たとえば、お日様がポカポカあたっていても、空気が乾燥しすぎちゃってると、葉っぱは水分をムダ使いしたくないので、葉裏の気孔を閉じて水分の蒸散をふせぐんだそうです。気孔が閉じれば、呼吸や光合成もおヤスミしちゃいます。だから,もし空気が乾燥してると、せっかくの日光や肥料も、あんまし活用されてないってことも言えるようです。

ちなみに「湿度と気相率」の数値の組み合わせてしだいで、根っこがのびたり花が咲きそろったり実が肥大したり風味がよくなったりと、いろいろとコントロールにコツがあるそうです。

「・・・培地の気相率が30%くらいのちょっと乾き気味の時は、根毛や根っこがよく伸びるんだよ。だから生長期や収穫期のときには、気相率を30%くらいにしたら生長が速くなったり丈夫になったり、はたまた味や風味の向上にも効果あるよね。」
そして、培地の「 気相率 」を高くするには,単に水やりをすこし控えるだけでOKです。培地が乾いてくれば、気相率は上がるし、水やりの直後ならば気相率はグッと下がります。




「あと、ツボミがついて花が咲いてるときは、湿度が低いほうが咲きそろうから40%〜60%くらいの湿度にするといいよ。」

「大事なのは、朝イチバンにお日様がでたら換気して、まずは湿度を40%までググッッッと下げようね。虫やカビが出やすくなっちゃうから。湿度が40%まで下がったら,すかさず60%くらいまでキチンと上げようね。」


そして、さっそくミスト加湿器で湿度管理スタートです。












朝いちばんで湿度を40%まで下げて、すぐさま60%〜70%にもどして日中キープ!

という湿度管理にしてたら、ハダニも消えて葉っぱがピーンと立ってきました。朝には葉つゆがよくでます。

葉っぱも大きくなってきた・・・かな?
まだわかりません。









トマトの葉っぱは、根っこが肥料や水をよく吸ってると、朝には葉っぱに葉つゆがよくついて、1日のうちでも葉っぱが開いたり閉じたり色が濃くなったり薄くなったりと、表情がよく変わるんだそうです。
最近は、寒さに負けず、葉っぱがよく動くようになってきました〜。

「エアレーション・システム」や、「循環式やエアロポニックス・システム」なんかの「水耕栽培」では、培養液だけで育てるので、培地の「気相率」があてはまりませんが、それでも湿度を60%くらいにキープしたほうが、モチロン養分吸収UPに効果があります。

なので、日当りや肥料なんかは問題ないのに、いまいちスクスク伸びないな〜、というヒトは,一度湿度を気にしてみてはいかがでしょうか???

ちなみに、60%〜70%の湿度が適度なのは、トマトや葉ものヤサイ、そしてイチゴなどですが、湿度が高すぎてしまう植物もああるようです。なので、よく分からない場合は、40%〜60%の範囲での湿度管理をおススメします。

ということで次回は、

モットお手軽 ! カンタン! ダレでもできるよ!
フライパンなしでも気相率を計ろう!!!

の紹介で〜す!


2011年2月10日木曜日

ココヤシ培地のプチ実験〜その2〜

ココ培地が、栽培用培地としてバラの生産に使われはじめたのは1980年代ころからで、わりと最近のこと。
それからさらに、ヤシガラにたくさん含まれてる塩分やカリウムと、生長阻害物質をクレンジングして、どんなヤサイでもトラブルなく育てられるような信頼度のたかい養液栽培培地へと生まれ変われるようになったのは1990年代なんだそうです。

ちなみにハイドロポニックスでいっちばんメジャーな培地、ロックウール栽培が始まったのは1960年代だそうでっす。

英語では「Coco Substrate」とか「Coco Media」と呼ばれてます。

さらにココ培地のバックリとした種類は2つあって、ココの繊維メインでつくられてるものが「Coco Slab」、ヤシガラを細かく粉砕したものが「Coco Coir」です。
Coco Slab(ココ・スラブ)ってほうは、ホウキの穂先のようなゴワゴワしたヤシガラの繊維を、そのなの通り「スラブ(厚板)状」にしてバッグに入れて売られていて、空気をいっぱい含めて、保水性と保肥性があんましありません。
Coco Coir(ココ・コイヤー)は、細かく粉砕されたヤシガラなので保水性と保肥性が高めです。

そして、ココ培地が日本ですこしずつ知られるようになったのは、さらに最近のことなので「ココ、ココヤシ、ココピート、ヤシガラ、ヤシガラピート」などなど、いろんな名前で流通してます。
ココ培地で養液栽培するのは、カンタンです。水耕用の肥料レシピで培養液をあげて、ココ培地が乾いたら、培養液をあげる、だけです。それだけでビギナーのガーデナーでも、培養液だけの水耕栽培よりも、糖度や味,風味がよくなるので、欧米で人気が急上昇しました。

それはそうなんですが、ココ培地のクセをキチッと知れば知るほど、ココ栽培がさらにタノシくなるのはマチガイなくって、例えば、ココ栽培で気をつけることのマストなトップ項目が「 きっちり塩ぬき・アクぬきをしてある 」なんです。

さらにふみこむと、「粒の大きさ」から「繊維質がどれだけ多く含まれてるか」「滅菌の方法」「腐植がどれだけ進んでるか」のチガイで、保水性とか保肥性なんかの差が出てくるので、肥料の濃さや水やりの回数まで、ベストな管理が変わってきたりもします。

ただ、ココ栽培で共通して気をつけることは「ココ培地では、培養液の循環はNG! ワンウェイ方式で、一度あげた培養液は捨てる!!!」でっす。

・・・そして、「 ハイドロポニックス用のココ培地 」という前提で、一歩ふみこんだ栽培管理方法のポイントとは?














今回プチ実験に使ったのは、未使用の「 CANNA COCO培地」です。これはココ・コイヤーのタイプで、モチロン塩分・カリウムをクレンジングして、さらに特殊発酵させて生長を阻害する成分や病害菌に消えてもらってます。

そしてズバリ! 今回の実験結果は!!!

液相率 = 67%
個相率 = 6.7%
気相率 = 27%
比重 = 0.81

でした。(一度しか計ってないので、とてもバックリした数値です。メーカー保証の数値じゃありません。)



ちなみに、園芸用土を使った培養土や畑など土壌の理想的な三相分布は・・・

液相率 = 30% 固相率 = 40% 気相率 = 30% 比重 = 1

だそうですが、養液栽培の培地とはナニカと条件がちがうので、ココ培地の場合は「気相率と液相率」、言いかえると、「ココ培地には、どれだけスキマがあるのかな?」に注目しました。

そして、今回わかったことは、「ココ培地は、水分をタップシ含めるから経済的で、空気もバッチシキープできるから、根っこがよく張って、ゲンキでオイシく育つ培地なんだね〜」です。

つまり、保水性が高いから水耕よりも培養液が少なめですむし、酸素も豊富だから根毛もよく伸びてミネラルが効いてチッ素が消化しやすくなって病気に強くなってオマケに果実が大きくオイシくなれる要素が大きいっちゅ〜ことです。
(ちなみに、比重・・・つまり培地の密度は「1」くらいがイチバン根っこの張りがよくって安定感があるそうです。「比重1」の土は、ほどよく湿った状態で100mlの重さが100gになります。ココ培地の比重は「0.81」と、ちょっと軽めですが、使っているうちに少しずつ圧縮気味になっていくので、理想の範囲だと思います。)

 そして培地の気相率が分かったら、次はナニに注目したらいいのかっていうと・・・

ズバリ!「湿度」です。


ちなみに温度と光量は、その植物にベストな設定になってるという前提です。








トマトだと日中の温度が20℃〜27℃、光量は4万〜6万ルクス、
イチゴだと18〜25℃、2万〜4万ルクスだと言われてます。















ということで、次回は「気相率が分かったら、湿度に気をつかうと、タノシくなるよ・・・」です。