それからさらに、ヤシガラにたくさん含まれてる塩分やカリウムと、生長阻害物質をクレンジングして、どんなヤサイでもトラブルなく育てられるような信頼度のたかい養液栽培培地へと生まれ変われるようになったのは1990年代なんだそうです。
ちなみにハイドロポニックスでいっちばんメジャーな培地、ロックウール栽培が始まったのは1960年代だそうでっす。
英語では「Coco Substrate」とか「Coco Media」と呼ばれてます。
さらにココ培地のバックリとした種類は2つあって、ココの繊維メインでつくられてるものが「Coco Slab」、ヤシガラを細かく粉砕したものが「Coco Coir」です。
Coco Slab(ココ・スラブ)ってほうは、ホウキの穂先のようなゴワゴワしたヤシガラの繊維を、そのなの通り「スラブ(厚板)状」にしてバッグに入れて売られていて、空気をいっぱい含めて、保水性と保肥性があんましありません。
Coco Coir(ココ・コイヤー)は、細かく粉砕されたヤシガラなので保水性と保肥性が高めです。
そして、ココ培地が日本ですこしずつ知られるようになったのは、さらに最近のことなので「ココ、ココヤシ、ココピート、ヤシガラ、ヤシガラピート」などなど、いろんな名前で流通してます。
ココ培地で養液栽培するのは、カンタンです。水耕用の肥料レシピで培養液をあげて、ココ培地が乾いたら、培養液をあげる、だけです。それだけでビギナーのガーデナーでも、培養液だけの水耕栽培よりも、糖度や味,風味がよくなるので、欧米で人気が急上昇しました。
それはそうなんですが、ココ培地のクセをキチッと知れば知るほど、ココ栽培がさらにタノシくなるのはマチガイなくって、例えば、ココ栽培で気をつけることのマストなトップ項目が「 きっちり塩ぬき・アクぬきをしてある 」なんです。
さらにふみこむと、「粒の大きさ」から「繊維質がどれだけ多く含まれてるか」「滅菌の方法」「腐植がどれだけ進んでるか」のチガイで、保水性とか保肥性なんかの差が出てくるので、肥料の濃さや水やりの回数まで、ベストな管理が変わってきたりもします。
ただ、ココ栽培で共通して気をつけることは「ココ培地では、培養液の循環はNG! ワンウェイ方式で、一度あげた培養液は捨てる!!!」でっす。
・・・そして、「 ハイドロポニックス用のココ培地 」という前提で、一歩ふみこんだ栽培管理方法のポイントとは?
今回プチ実験に使ったのは、未使用の「 CANNA COCO培地」です。これはココ・コイヤーのタイプで、モチロン塩分・カリウムをクレンジングして、さらに特殊発酵させて生長を阻害する成分や病害菌に消えてもらってます。
そしてズバリ! 今回の実験結果は!!!
液相率 = 67%
個相率 = 6.7%
気相率 = 27%
比重 = 0.81
でした。(一度しか計ってないので、とてもバックリした数値です。メーカー保証の数値じゃありません。)
ちなみに、園芸用土を使った培養土や畑など土壌の理想的な三相分布は・・・
液相率 = 30% 固相率 = 40% 気相率 = 30% 比重 = 1
だそうですが、養液栽培の培地とはナニカと条件がちがうので、ココ培地の場合は「気相率と液相率」、言いかえると、「ココ培地には、どれだけスキマがあるのかな?」に注目しました。
そして、今回わかったことは、「ココ培地は、水分をタップシ含めるから経済的で、空気もバッチシキープできるから、根っこがよく張って、ゲンキでオイシく育つ培地なんだね〜」です。
つまり、保水性が高いから水耕よりも培養液が少なめですむし、酸素も豊富だから根毛もよく伸びてミネラルが効いてチッ素が消化しやすくなって病気に強くなってオマケに果実が大きくオイシくなれる要素が大きいっちゅ〜ことです。
(ちなみに、比重・・・つまり培地の密度は「1」くらいがイチバン根っこの張りがよくって安定感があるそうです。「比重1」の土は、ほどよく湿った状態で100mlの重さが100gになります。ココ培地の比重は「0.81」と、ちょっと軽めですが、使っているうちに少しずつ圧縮気味になっていくので、理想の範囲だと思います。)
そして培地の気相率が分かったら、次はナニに注目したらいいのかっていうと・・・
ズバリ!「湿度」です。
ちなみに温度と光量は、その植物にベストな設定になってるという前提です。
トマトだと日中の温度が20℃〜27℃、光量は4万〜6万ルクス、
イチゴだと18〜25℃、2万〜4万ルクスだと言われてます。
ということで、次回は「気相率が分かったら、湿度に気をつかうと、タノシくなるよ・・・」です。