2010年8月27日金曜日

初秋にさく花とフロリゲン

まだまだまだまだ暑い日が,終わりそうもないです。夜になれば秋の虫たちが大合唱をはじめているというのに、この暑さはイッタイいつまでつづくんでしょうか???

とはいうものの、日はドンドン短くなっています。光周性で花芽(はなめ・かが)をつける植物たちは花を咲かせて秋の準備を始めてます。

葛(くず)の花です。マメ科です。和菓子になったり,風邪薬になったり、ダイエットに効いたり、白髪を黒くしたり、ひどくヤッカイモノにされたり、フリ幅の広い植物です。

クズが短日植物かどうかはハテナ?ですが、

親せきの「ダイズ」は典型的すぎる短日植物ですね。




どんなにクソ暑い日がつづこうとも、光周性で花が咲く植物は、日が短くなったことを葉っぱで感じて「花成りホルモン=フロリゲン」と呼ばれてるものの生成・分泌をはじめます。


ところで・・・花が咲くことと,花がいっぱい咲くこととは、ちょっとハナシが別ですよね。

植物がチッ素を吸いすぎて葉っぱに硝酸がたまりすぎると、花芽がナカナカつきにくいことから、その昔は「チッ素自体がフロリゲンかな?」と考えたヒトもいたそうです。土壌では、梅雨の頃に減った微生物が、夏になるころには、またまた活性化してきてゾロゾロと増えてくるんだそうです。

ということは、土壌中の無機チッ素は微生物たちにガツガツ食べられていって減ってしまいます。

植物は「チッ素が吸えなくなってきたなぁ・・・」となると、栄養バランスの変化から植物ホルモンのバランスも変わって「栄養生長」から子孫を残すための「生殖生長」へ切りかわっていくんだそうで。

葉っぱのなかのチッ素成分=硝酸イオンが少ないと、植物ホルモンの「エチレン」が増えますし。
エチレンは実の肥大には効果がないですが、実が熟するのをそろえてくれるので、収穫時期のバラツキを少なくしてくれます。でも合成エチレンは効きが強すぎて使い方が悪いと、実が熟すのが早くなってリンゴなんかは、果肉がボケてオイシくなくなってしまうこともあるそうです。
(なので開花期の活力剤には、効き目のおだやかな天然エチレンが入ってるものが,多いんです。)

そして秋には種子を落として、冬には大地へ還っていくというサイクルなんですね。

しかし!

日の長さとか肥料の比率を変えるというのは、あくまでも花芽をつきやすくする条件ではあります。

が、

「花芽」をつかせる直接的なものは、「フロリゲン」がお出ましになんないと始まらないっってことのようです。







この「フロリゲン」の抽出に成功すれば、植物の光周性をシカトしたって、まだまだ小さな苗にだって花を咲かせることができちゃうそうです。
ところが、「フロリゲン」の抽出には、まだどなたも成功されてません。近いとろまではいってるそうですが・・・

ってぇことで、つづきはまた今度〜。