・・・が、なんということでしょう!
今年の秋のはじまり、9月ごろにポイッとなげたトマトから勝手に芽生えたミニトマト「千果」のF2品種(=F1品種の果実から穫れた種子)が寒空のしたで、それはそれはモリモリと育っています。
※F1品種は、原種または固定化した異品種どうしを掛け合わせてできた品種のことです。一代交配ともいいますが親品種のすぐれた特性(優性遺伝子)だけを引き継ぐため、均一な生長、品質、多収穫となりやすくなります。ところがF1品種に実った種子はF2品種となりますが、F2にはF1品種で交配させた親のよくない特性(劣性遺伝子)が強くでます。なのでF1品種は自家採種ができません。とはいえ「優性/劣勢」というそれぞれの特徴は、あくまでもニンゲンの都合でしかないことが多いということも言えます・・・たとえば「味がマズい、生長がおそい、収穫量が少ない」などなどです。
もうほぼ固定種化してるんじゃないかと思うほど、強いミニトマトの「千果」。
室内でそだってるくせに寒さにめげてる「イエローミミ」や「アイコ」をながめるたびに「欲張って、そんなにいろいろな品種に手を出さないで、次からは千果だけを育てればいいんじゃないの?」というスルドイ指摘を必死の思いでスルーしています。
思ったように育ってくれなくても、またはどんなによい結果が出たとしても、分かった気にならず、試行錯誤しながらも、とにかく育てつづけることは大切だと思います。どんなに完ぺきな栽培方法があったとしても、詳しいヒトが身近にいたとしても、植物は生き物。実際に育てていくプロセスのなかではじめて理解できることのほうが、たっっっくさんあるはず・・・と自分自身を説得する今日このごろでした。
夏に手が終えないほど繁殖していた雑草たちが一雨ごとに枯れていくなか、あざやかに映えるピンクの花の群生は「ヒメツルソバ」です。園芸店でも売られているグランドカバー用の花きですが、勝手に生えてきたヒメツルソバは年々確実にテリトリーを広げています。
カスケードホップの根元で、バサッと葉っぱを広げているのは、今年の春タネをまいてウッカリ収穫を忘れて枯れていった「赤カラシ菜」から落ちたタネから勝手に発芽したF2品種です。
買って撒いたF1のカラシ菜よりも、ものすごくデカク育ちました。「このままココで自生してしまえば、テマヒマなしで赤カラシ菜が食べられる!」とモクろんでいます。
自生しているF2千果トマトの「勝手に育つ感」に味をしめ、「赤カラシ菜」につつぎ「枝豆/大豆」もわざと収穫せずにタネが落ちるのを待っています。
↑この大豆は日本の気候に適したDNAをもつ固定種なので、自生しやすい特性を持ちます・・・ってことは、来年の春はなんにもしなくても「あたり一面、枝豆パラダイス!」となることでしょう。(現実は、そんなに甘くないと思いますが。)
花は咲くもののマメが実る気配が皆無です。
そんなヒヨコ豆のちかくで、テントウムシの幼虫がサナギになろうとしています。成虫になって冬を越すんでしょうか?
えも言われぬ悪臭をそえて、ホップのアロマを台無しにしている「マルカメムシ」です。
おそるおそるこの枯れ葉を手に取ってみると、恐ろしい光景が!!!
うわあぁぁ!!! これはサムすぎる〜!!!
ところで、かわいいホップたちのために発酵肥料やらマルチングやらを土に入れるようになってから、勝手に生えてくる植物の顔ぶれが少しずつ変わってきています。
痩せた土によく生えるイネ科やキク科の雑草植物は相変わらずですが、腐植質が好きな「ノイバラ」がニョキニョキと生えてきました。
ホップが植えられているあたりは人通りがゼロなので「シジュウカラ」たちの格好のたまり場になっています。彼らが落としたフンから芽生えたのかもしれません。
日光が弱くなる冬のあいだ、すこしでも多くの光をGETしようとフラクタル状に葉を広げた赤カラシ菜です。寒いのはツライのですが、植物たちや昆虫たちのタフでしたたかな生命力に魅せられる季節でもあります。