2020年4月17日金曜日

“The Basics of Hydroponics〜 培地編 その3〜 ココ培地の再利用方法”

培地について〜腐植した植物繊維でできた有機培地編〜

その1 : ココ培地(ヤシガラ、ココピート) 

ココ培地については、いままでいくども説明をしてきましたので、耳にタコ的な感覚もあるかと思いますので、今回はキャナ・ココ培地の再利用方法について説明したいと思います。

CANNA Coco培地については、こちらを見てください。

  1. CANNA COCOについてのQ &A
    https://desktopfarmer.blogspot.com/2018/02/canna-cocoq-a.html
  2. CANNA COCOのオフィシャル動画の日本語字幕バージョン








CANNA Coco培地を再利用しよう!


あらゆるココピート製品のなかで、トップ・クオリティーであるキャナ・ココ培地は、再利用してこそ、そのすばらしさを実感できます。

蒸気殺菌をしていないから、再利用でも実力を発揮できるCANNA Coco培地
一般的なココピートとはちがい、原料加工から製品化までの全プロセスを独自のクリーンな設備でおこなっているキャナ・ココ培地は、蒸気殺菌の必要がありません。

蒸気殺菌した一般的なココ培地は、雨に濡れた段ボール箱に似ている。
ココ培地は植物繊維なので、高温の蒸気で殺菌消毒処理をしてしまうと、繊維がフックラとやわらなくなってしまい、空気をたくさん含めなくなってしまいます。
たとえば段ボール箱のボール紙は、波状に加工することでクッション性を高めてありますが、ボール紙を濡らすと、やわらかくふくらんでモロくなり、多層構造がベチャっと崩れてしまうのに似ています。

腐植して、さらに根に優しく進化するCANNA Coco培地
そしてココ培地は植物繊維なので、栽培している期間に植物の根っこから分泌される根酸や培養液に触れているうちに、少しずつ、少しずつ腐植がすすんで分解し、ココ繊維の角が崩れてなめらかになります。

蒸気殺菌加工したココ培地の場合は、ここでさらに繊維が崩れてしまい、すき間がほとんどなくなって粘土のように細かくなるので、根づまりしやすくなりますが、CANNA Coco培地の場合は、多孔構造を保ったまま、繊維がほどよく丸くなるうえに腐植成分が増えるので、植物の根にとって、さらに理想的な培地に進化します。







CANNA Coco培地の再利用メソッド


どちらの方法でもOKなので、実践しやすい方法で再利用にチャレンジしてください。


  1. 栽培終了目安の最低2週間前から、キャナザイムを通常の2倍濃度にして与えます (水1Lに対して、キャナザイム5ml)キャナザイムは、枯死した根の分解を早めます。
  2. 栽培が終了したら、Coco培地から植物を抜き取ります。培地に残った大きな根を中心にとりのぞくほか、手でぬける根をできるかぎり抜き取ってください。細かすぎる根は、残しておいても大丈夫です。
  3. 培養液の肥料濃度を濃くしていた場合は、Coco培地にはまだ肥料成分が残ってしまっています。ポットにCoco培地を入れたまま、流した水が透明になるまで、水道水で、よく洗い流してください。
  4. ここで、減った分のCoco培地をポットに足します。
  5. 肥料成分を洗い流したあとは、カルシウムとマグネシウムを補給してバッファリングをします。水道水に CalMagurt(500〜1000倍) を加えた希釈液を Coco培地にゆっくりと注ぎ、培地全体にいきわたらせます。CalMagurtの希釈液は、ポットの底からしっかり排水されるまで、かならず十分な量を注いでください。
  6. これでCoco培地は、再利用への準備が完了しました。新たに苗を植えることができます。
  7. CANNA Coco培地繊維の分解速度やコンディションから、再利用は2回まで、または、連続(植えかえしつつ)か 継続(植えっぱなし)での使用で、だいたい一年間を目安にしてください。






栽培中に病害虫が発生してしまった場合は、再利用を避けてください。

病気や害虫が発生してしまった場合は、室内栽培での使用にはむきませんので、庭やベランダでの家庭菜園スペースにすき込んでください。保水性をうしない、かたくしまった培養土や土壌がフックラとみずみずしさを取り戻します。

または、日々の生ゴミを極上堆肥に変えてくれるミミズ・コンポスト箱にも最適です。ミミズは、植物繊維がたっぷりのココ培地が大好きです。コンポスト内の余分な水分も吸収してくれるので生ゴミの腐敗を防ぎ、ミミズも増えます。




「今年は、ゆっくり見られなかったな・・・」葉桜となった近所のソメイヨシノの下を通るたびに、そう感じます。









幹線道路が通される前は、きっと一面の田んぼを潤していたであろう小川の護岸は、ピンク色のヒメツルソバと、黄色いセイヨウカラシナで美しく彩られていました。春にしか見られない花々の色彩・・・いいもんですねぇ。