2020年4月28日火曜日

たのしく復習!? “The Basics of Hydroponics〜 培地編 その4〜”

培地について〜腐植した植物繊維でできた有機培地編〜

その2 : ソイルレス・ポッティングミックス(ピートモス主体の培土) 





ソイルレス・ポッティングミックスである「 キャナ テラ・プロフェッショナル 」とは、植物由来の泥炭であるピートモスを主体にミックスした培養土のことですが、ピートモスについてもこれまで幾度となく説明してきたことがありますので、リンクでご紹介します。

  1. ピート? ピートモス? その1とその2
    https://desktopfarmer.blogspot.com/2011/05/1.html

    https://desktopfarmer.blogspot.com/2011/06/2.html
  2. CANNA TERRAのオフィシャル動画の日本語字幕バージョン

《 キャナ テラ・ヴェガと生長期 について》


《 キャナ テラ・フローレスと開花期〜収穫期について 》








CANNA TERRA Professionalのメリットをサクッとご紹介


クリーンで栄養価の高い果菜類が、多収穫できるキャナ・テラ プロフェッショナル


酸性で無酸素状態のピート層には、そもそも病害菌が住み着けないので、とてもクリーンです。そして、ピート層から採掘したピートモスにカルシウムを加えてpH値を弱酸性にするため、キャナ・テラにはすでに約半年分のカルシウムが補われています。

複合肥料でネックとなるカルシウムを配合する必要がなくなるので、キャナ・テラの肥料はワンパートですむのです。


最高品質のポッティング・ミックスであるキャナ・テラのピートモスは、水苔(スパグナム属)のみが堆積した泥炭層から、ブロックカット法で採掘された長繊維質の最高グレードのガーデンピートのみを使用しています。平均的なポッティング・ミックスよりも長期間、保水性、保肥性、通気性を高いまま保つことができます。









ハイドロポニックにはないメリットで、勝手においしく育つキャナ・テラ プロフェッショナル

  1. 「炭素は肥料!!!」
    燃料としても使われるピートモスは炭素を多く含みます。ロックウールなどハイドロポニック用の培地とちがい、植物は培土から炭素を吸収することができます。植物の体をつくるタンパク質の約50%は炭素(C)なので、キャナ・テラで育つ植物は、空気中の二酸化炭素以外にも、キャナ・テラ培土からも炭素を豊富に得ることができます。
    炭素が豊富ならばチッソ過多にならないので、がっしりとコンパクトで丈夫に、さらに果実の糖度が高まります。
  2. 水溶性の腐植酸が、野菜の栄養価を高める
    抗酸化作用が高い腐植酸は、美容や健康食品の業界でも高い注目を集めています。
    キャナ・テラ培土で育てると、腐植酸の含有量が高い高機能で付加価値の高い野菜を手軽に育てることができます。この点も、ハイドロポニック栽培にはないメリットです。

CANNA TERRA Professional のデメリット?


湿地帯のピート・ボグには、大量のCO2が貯蔵されているうえ、生態系の宝庫といわれるほど数多くの種類の動植物が生息しているので、ピートモスを採掘しすぎることは、大気中のCO2を増加させ、湿地帯の貴重な生態系を破壊してしまうことが指摘されています。





近年の異常気象、山火事の多発、酷暑や台風被害を思えば、あらゆる天然資源の過剰な採掘、伐採、乱獲は、思っていたよりもすぐさま人々の生活を脅かすことを身にしみて感じています。一方で、農業や園芸で消費されるピートモスの年間使用量は、新たに堆積するピート層の量よりも少ないという調査結果も出されてます。問題は、燃料用に採掘されるピートモスの消費量だとのことです :


CANNA TERRA Professional栽培のポイント




  1. キャナ・テラ培土には、保水性と保肥性があります。そして、養液土耕栽培にカテゴライズされます。そのため「再循環システム」や「DWCシステム」のような、培養液を再循環させるハイドロポニックの栽培システムには向かない培土です。キャナ・ココ培地とおなじく、Run-to-Wasteといった掛け流し式の栽培方法のみが可能です。
  2. 有機培地である キャナ・テラ培土 にはpHの緩衝作用があるため、ハイドロポニックほど、培養液のpH値に神経をとがらせる必要はありません。
    しかし、
    キャナ・テラ培土専用肥料のテラ・ヴェガとテラ・フローレスを多めに与える場合、培養液のpH値が下がりすぎてしまうので、クリスタル・アップのようなpHを上げる活力剤などで5.8に調整してから与えます。

    オーガニック肥料であるバイオ・ヴェガとバイオ・フローレス
    キャナ・テラ培土で使うことができますが、こらちはpH調整の必要はありません。
  3. キャナ・テラ培土でも、水の与え過ぎは根の生長を妨げます。生長期は、やや乾かし気味で管理し、開花期以降には少しずつ水やりを多くしていきます。
    ピートモスは、カラカラに乾かしてしまうと固くなりすぎてしまうので、目安としては与えた水を50%吸収したときに水やりをします。水やり前と水やり後の重さを測っておくと、与えた水の重量を簡単に知ることができます。
  4. PK肥料の与え過ぎに気をつけましょう。キャナ・テラ培土の主体であるピートモスには、カルシウムがふくまれています。カルシウムはリン酸と結合しやすいため、PK肥料を与えすぎると、根が吸収できないリン酸カルシウムに変わってしまい、カルシウム不足になってしまいます。また、培土のEC濃度が上がり根が傷みやすくなってもしまいます。
    植物に肥料過剰などの症状が出てしまったら、水、または肥料を加えず活力剤のみの培養液でよく洗い流し、それ以降しばらくは、薄めの肥料培養液で管理します。
  5. レタスなど葉もの野菜や、穀類などの一斉に収穫する場合は、好みによって収穫前にキャナ・テラ培土をフラッシングすることができます。収穫の1〜2週間前にポットの底から排水される水のEC値が、水道水とおなじくらい低くなるまで、キャナ・テラ培土をジャージャーと洗い流してください。
    フラッシングのときに根を傷めないために、水温が15℃以下、30℃以上の極端な冷水、温水は使わないようしてください。
  6. ピートモスを主体としたキャナ・テラ培土は、再利用には向きません。しかし、お庭の菜園スペースや土壌の表面にまくと、土壌改良に役立つほか菜園で育つ花や野菜のCO2源にもなります。