2010年4月6日火曜日

円筒分水、ご近所の文化財

わが町の有形文化財、「久地円筒分水」にある桜が満開になるのを毎年楽しみにしています。水辺にあるので気温が低いからか,ここの桜はわりと長いこと咲いてくれます。














「 円筒分水 」っていうのは人工の分水システムで、独特なデザインはまるでミステリーサークルのようでもありインドのリンガ神のようでもあります。むかし円筒分水がここにあることも知らずに偶然出くわしたので、ものすごくびっくりしました。

昔々このあたりが農村地域で、見渡すかぎりの水田だったころ、村と村の間で川から田んぼにひく水をめぐって、しょっちゅう大バトルがおこっていたそうです。その頃の多摩川沿いにあった農村の暮らしでは、盆と正月にしか白米をお腹いっぱい食べられなかったそうで、白いご飯はごちそうだったんだそうです。稲作といえばお水がなきゃ始まらないので真剣なバトルにもなるわけです。

そこでこのような独特な円形の分水システムをつくり、どの村にも同じ水量が流れるようにした・・・とのこと。まさに「平和的解決」という言葉をカタチにしたようなデザインです。
円筒分水の中心部分の底は川とつながっていて、そこに水が流れ込む仕組みになってます。

川から流れ込んだ水が中心からあふれでて、さらに外側の円から360度、同じ水量がながれでて支流へと平等に分配されてたそうです。

これは水耕栽培システムにも応用できそうだと、いつも思います。








よく晴れた日には、分水の水面に満開の桜が映って、とてもきれいです。桜が咲くと、たくさんの人たちが花見にきますが、おひとりさんやご夫婦が多く、思い思いに桜を愛でています。














円筒分水は「二ヶ領用水」という川に流れこんでます。二ヶ領用水の浄化のためにコイがいっぱい住んでいますが、最近ではナマズがグングン増えてるようでユラユラと泳いでるのをよく見かけます。














昔いちめんの水田だった二ヶ領用水沿いは、いまでは住宅地へと変わりましたが、この川沿いには、いろんな野良動物が出現します。冬にはカモがたくさん渡来するし、人通りのすくない夜に散歩すると、ハクビシンやタヌキの家族なんかとも出くわします。

2010年4月5日月曜日

グリーンゼブラの乱形果パラダイス

エアルームトマトの「 グリーンゼブラ 」です。

オシリが黄色くなったら調理用としてOK、全体が黄色っぽくなったら完熟だそうですが、HPSランプで育てているので色がさっぱりわかりません。

米国のとあるサイトで、エアルーム・トマトの種がいろいろと売られていて、見た目のオモシロさでグリーンゼブラを育ててみようと決めた、いわばジャケ買い状態でした。
グリーンゼブラ独特の色目とガラを食材として楽しむのが一般的なので、生食向きではなく、ドレッシングと和えてサラダのアクセントにしたりトマトソースにして食べるそうです。
つまり甘いトマトではないようです。





フルーツのようにチョー甘いミニトマトの「アイコ」が恋しくなってきたような気がします。アイコは、つるつると長く伸びるツル系トマト品種なので、ものすごく手に負えなくなって、ボサボサになってしまった苦い経験があります。とはいえ培養液を濃くすればするほど甘いトマトがスズナリになってくれて、ご近所さんには「あまい・ウマい」の大人気なミニトマトでした。


あいかわらずの乱形果っぷりです。
いくつのトマトがくっついてしまったのか・・・

それぞれがテニスボールくらいの大きさになってきてしまいました。

これも乱形しほうだい・・・


乱形(果)になる気マンマンの、雌しべがたくさんついてる乱形(花)たちです。

エアルームは固定種なのでF1品種とちがって自家採種できます。一番はげしい乱形果の種は、次回のために忘れずにとっておこうと思います。
冬に暖房など入れずにトマトを育てると、糖の代謝がにぶくなって栄養過多のモンスター花に育ちやすくなるそうです。




じゃあトマトは真夏のほうが、大きくて甘いトマトがスズナリに穫れるようになるのかといえば、残念ながらまったく逆です。トマトは、もともとアンデス高原原産の植物だけあって、日本の雨量の多いムシ暑い夏がものすごく苦手で、とっとと休眠してしまいます。


流通用のトマトには「秋夏トマト」と「冬春トマト」があります。7月ごろからのトマトは、糖度が下がり商品価値が低くなってしまいます。なので真夏のトマトの生産は、涼しく雨量のすくない「高冷地」と指定された地域でしかおこなわれてません。
高冷地でない地域でも、趣味の家庭菜園なら真夏になったって庭やベランダでトマトはつくれますが、気温が30℃以上あると休眠してしまうので、思ったより花が咲いてくれません。


「冬春トマト」は、その反対に冬から春にかけて「ビニールハウス」など施設栽培されているトマトです。このグリーンゼブラも「冬春トマト」ってことになります。冬の方が寒くて空気が乾燥しているので病気も出にくいし、EC値を高くできるので糖度が高いトマトがつくりやすいと言われてます。

そういうわけでトマトにかぎらず、夏野菜やハーブなどの室内栽培は7月〜9月上旬をはずしたほうが病害虫のトラブルも少ないし生長も早いので経済的だし管理もラクだと思います。


2010年4月2日金曜日

ホワイトハウスのオーガニック菜園

昨日、こんな記事を見つけました。


〜 ミシェル・オバマ大統領夫人の要望で、現在ホワイトハウスにあるオーガニック菜園を春の作付けにむけて、さらに500平方フィート(約50㎡)ほど、拡張することになりました。

2010年、豪雪に見舞われたにもかかわらず、ホワイトハウスのオーガニック菜園の作物はとても生育がよく、3月上旬まで収穫がつづきました。

「この菜園では、レタスにホウレンソウ、カブ、ニンジン、サラダ菜などのコンスタントな収穫が楽しめました。そもそもこの菜園をはじめたきっかけは、シーズンを通して収穫を楽しめる菜園が、ワシントンD.C.でも実現できるっていうデモンストレーションを兼ねていたんです。」と、ホワイトハウスのシェフ、サム・カスさんは言います。 

〜 省略 〜



ホワイトハウスのあるワシントンD.C.は、日本だとちょうど宮城県の仙台市と同じくらいの緯度です。あ〜冬は寒そうだな、畑は大変だ。と思いました。

シェフのサム・カスさんは、厳しい冬対策にHoop House、日本でいうビニールハウスを建てて野菜たちを育てたそうです。Hoop Houseのなかで野菜たちは、思いのほかスクスクと順調に育ち、厳冬のなかでもトータルで22Kgほどの収穫高が実現したので、うれしいやらびっくりやらだったそうです。それでも夏の間の収穫量には及ばないそうですが,寒さにあたった野菜は甘みがまして、おいしくなりそうですね。

去年の春、オバマ大頭領婦人は「ローカルフード=地産地消」の大切さと、安全な食材への関心を高めてもらいたいと、ホワイトハウスに1100立方フィート(約100㎡)のオーガニック菜園をつくっちゃったそうです。この菜園では、ホワイトハウスの厨房からのリクエストされた野菜をだいたい55種類、オーガニック種子から実生で育てているそうです。



もともとアメリカでは、健康や食の安全にたいして関心が高く、「有機農法」で育てられた野菜や果物はもちろんとても人気があります。日本でもオーガニックブームなのは同じですが、アメリカで化学肥料の多施肥が起こした災難は、日本よりも遥かに深刻な事態だったようです。

18世紀から「無機肥料=化学肥料」が急激に使われるようになり、そのころのアメリカ南部ではコットン栽培がさかんでメインの稼ぎ頭でしたが、化学肥料の過剰施肥のせいで土壌がどんどん酸化し、連作障害を起こし収量がどんどん減ってしまっていたそうです。

それを救ったのが皮肉なことに、アフリカから奴隷として連れてこられた先祖をもつ黒人の「ジョージ・ワシントン・カーヴァー農業博士」だったそうです。

カーヴァー博士は、肥料食いのコットン栽培から、当時見向きもされなかったピーナッツやサツマイモの栽培を提案してアラバマの農業を救いました。ピーナッツにいたっては、はじめは家畜のエサにしか利用されていませんでしたが、今では日本にさえピーナッツバターがあるくらいです。これはカーヴァー博士のおかげだったんです。

博士は子どもの頃から植物と会話したり、近所の人から萎れてしまいそうな植物をあずかっては元気にしてあげる才能があったそうです。

カーヴァー博士の偉大な貢献で、いったんは化学肥料の入れ過ぎをなくして有機肥料をつかい土壌を健全に保つ農法が広がりましたが、第二次世界大戦後には、ふたたび収量と効率を重視した化学肥料の過剰施肥と農薬の過剰散布が当たり前となり、このときは飲料水に硝酸窒素が大量に流れ込んだり、作物の残留窒素がハンパなく過剰になり、赤ちゃんや家畜の亜硝酸窒素による突然死や、硝酸窒素が揮発してサイレージが爆発しちゃったりもしました。なにより畑の収量はどんどん減少してひどいことになったそうです。有機農法の大切さを訴える学者さんもいらっしゃいましたが、化学肥料や農薬メーカーの圧力で「うそつき」のレッテルを貼られつづけてしまったそうです。


そんなこんなで今日では、当たり前のように有機農法は高い評価を得ていますし、完全な有機農法ではなくても、化学肥料にしろ有機肥料にしろ、やみくもに土壌にぶち込めばいいものではない、農薬を使いすぎると害虫に効かなくなってくる、ということが常識になりつつあります。
日本の昔ながらの民間有機農法は、ものすごくレベルが高く世界中で起きている土壌汚染問題も解決できてしまうかもしれないので、これからドンドン世界に向けて発信されていくといいなぁと思っています。



2010年4月1日木曜日

もう4月です。

今日から4月です、久しぶりに春らしいあたたかさになりました。
開き悩んでいた桜の花も,今日で一気に咲きすすみそうです。桜の木に囲まれた公園では園児たちがお花見をしてました。

木イチゴの花が、次々に咲いてます。去年は咲くにまかせていて、あんまり結実しなかったので毎朝ユビでナデナデして受粉させてます。
木イチゴは、たしか一年に一度しか咲かなかったと思います。バラ科なので、けっこうタフです。

そのへんの道ばたを気をつけて見ていると、野良木イチゴがチラホラ自生していて、この時期は、この花が咲くので、とっても見つけやすいです。

小さなトゲがいっぱいあるので、わしづかみにすると後悔します。






先月までは,グロウルームで箱入りムスメだった
エアルームトマトの「タイニー・ティム」です。

グロウスペースの都合で、いまはベランダにお引っ越しです。この時期の赤い実がめずらしいのか、さっそく小鳥に食べられてしまいました。

どうりで毎朝チキチキ騒がしいと思ってました・・・





スイートイエローバイオレットというスミレです。
とっても香りがよくて、砂糖漬けにしてスイーツの飾り付けにも使われるそうです。

地植えして4年ほど、やっとコンスタントに毎年咲いてくれるようになりました。









バラの鉢のヘアリーベッチです。
もうどっちが本命か分からないほど、ヘアリーベッチが大繁殖です。このままで本当にバラによいのかどうか・・・なにごとも経験ですから5月くらいまでは、このままで様子を見ます。










バラの無農薬栽培の最大の敵は、チュウレンジバチです。ニームも効かない・木酢液も効きません。農薬を使いたくないなら、発生したらユビで取るしかありません。
こいつさえ発生しなければ、無農薬栽培でも花がいっぱい咲くのにと毎年思います。




2010年3月31日水曜日

満月とアメリカミズアブ

昨日の30日は満月でした。
満月のときは、開花期モードの生殖型生長をするので、タネまきや挿し木をすると根量の多いよい苗に育ち、大きく育ったプラントは開花がすすみ結実もしやすくなるそうです。

ぎゃくに新月のころは生長期モードになるので、窒素が多すぎると開花しにくく実も玉のびしなくなります。若い苗は肥料過剰だとひょろっと徒長しやすくなったりもするので、海藻由来の活力剤やリンカリ肥料をうすめにあげると、開花や実の肥大を促したり、徒長を止めてガッシリと太い茎に育てられるそうです。

満月からなのか、「アメリカミズアブ」がグロウルームにやってきました。














別名「便所アブ」なんて名前がつけられちゃうくらい、生ゴミや下肥が大好きです。

家では生ゴミを「シマミミズ」くんたちに食べてもらって、いわゆる「ミミズコンポスト」をつくってますが、暑さが嫌いなミミズくんたちは、5月を過ぎた頃からミミズボックスから大脱走を始めます。暑くなったある日突然、ナポリタン・スパゲッティのようなミミズくんたちのカタマリができていて、ビジュアル的にはさすがに厳しいものがあります。

バラの上で休むミズアブくんです。

夏バテしたミミズくんに変わって生ゴミ処理を引き受けてくれるのが「アメリカミズアブ」の幼虫たちです。

生ゴミをいじっているとミズアブの成虫がブーーンとやってきて、あっというまにスゴい数のタマゴを産みつけていきます。






ミズアブの幼虫が孵ると、はっきり言ってウジ虫なので見た目がかなりグロいですが、生ゴミの処理能力はハンパないです。ミミズよりもたっさくん食べるし、コバエやゲジゲジなんかも減るのでメリットは大きいです。

まぁただ、ウジ虫がイッパイになるので見た目がキビシいし、ミミズとは共生できないみたいなのでミミズコンポストのファンからは嫌われています。ちなみに成虫のエサは、アブらしく「花の蜜」です。

ミズアブの幼虫のサナギです。幼虫は湿ったトコロがスキですが、サナギになる時には乾いた場所に移動します。年末の大掃除の時に庭のガーデニング用具をどかすと、このサナギがカラカラとイッパイ出てきました。














このサナギたちのちょっぴり悲しい現実も目にしました。はれてサナギから羽化しても、飛べないヤツが割と多いのです。よく見ると羽が変形してしまっていて、飛んでもクルクルと回転して落ちてしまいます。そのコたちのほとんどは「ナメクジ」のエサになってしまいます。

生ゴミからつくったコンポストは、庭木にマルチングしたりしてます。

このレタスの土にも、混ぜて使いました。
土に混ぜたコンポスト以外、とくに肥料はあげてなくても、こんなに大きくなるし虫もついてません。

味もとってもマロヤカでおいしいです。

2010年3月30日火曜日

「 密売 」で入手しました。

見ているだけでココロがほぐれて血行がよくなる、オサレなオサレな「 密売東京 」から、注文していたモノが、とうとう届きました・・・















ありそうでなかった、遊びゴコロあふれる「 Green Maker 」、これは付箋です。

活字アディクト、

「本の虫」の私には、

たまらなく大好物な一品です。

私の愛読書「ミニ雑草図鑑」です。
酔っぱらった勢いで入った本屋さんで、気がついたら買っていました。行きずり的な出会いでしたが、ものすごく重宝してる本です。

目次をみるのがめんどくさいので、よく見る雑草の所には手当たりしだいポストイットをはってました。








さっそくポストイットから「Green Maker」に張りかえてみました。

この違和感のなさは、スゴい!

このまま本屋さんに並べてしまっても「そういう装丁の本」なんだと、ダレもが思ってしまうにちがいありません。











この「Green Maker」をおつくりになった「 yuruliku.com 」さんのサイトを拝見すると、完成までの道のりは、それはそれは山あり谷ありだったようです。

「Green Maker」のほかにもノート型のバッグだとか文具てぬぐいだとか、となりのひとが持っていたら、思わずつっこまずにはいられないオモしろ・タノしい文具雑貨が勢ぞろいです。4月から新生活をむかえる人には、ぴったりかもしれません。

2010年3月29日月曜日

ジャンボいちご・まんぷく2号穫れました

今月の課題だった「 イチゴ・玉伸び作戦 」は、なんとか光が見えてきました。

イチゴの実がでかくならなかったのは、やっぱし肥料が足りなかったからみたいです。肥料濃度を濃くしたら、なんとか玉伸びして、ちょっとは「子どもの手の平ほどの大きなイチゴがなります。ジャンボいちご・まんぷく2号」というキャッチコピーに近づけました。


イチゴは、花が咲きそろってきたピークの時には、EC値を2.0くらいにまで濃くするそうですが、私は先月までその半分くらいのEC値にしか、してませんでした。

イチゴはいろいろとコツがあって、「オウチでイチゴ狩り」までの道のりは珍道中です。


ほかの実も、これから大きくなってくれるといいな。と期待がふくらみます。














しかし、最近アブラムシが増えてきました。
まだ目立った害はでてませんが、気持ち的には早くなんとか減らしたいと思います。

葉っぱに硝酸イオンがたまりすぎると、樹液のpH値が酸性に傾いてムシがつきやすくなるそうです。なのでカルシウムを溶かした弱アルカリ性の水を葉面散布して様子を見ることにしました。
ココ培地に肥料成分がたまりすぎてムシが集まってきてる場合もあるので、ひとまずココ培地を弱酸性の水で洗い流しました。














あとは、気休めに「 重曹 + クエン酸 」の炭酸ガス掃除をしてみました。
















炭酸ガスを発生させるとハムシが窒息するようです・・・