2010年10月14日木曜日

ココ培地の使いかた〜その1〜

ココナッツの実の殻、つまり「ヤシガラ」をキレイに洗って細かく粉砕したものが「ココ培地」で、養液栽培で使える数少ない有機培地として人気があります。海外のアーバンガーデナー達は、培養液だけで育てる水耕栽培を「ハイドロポニックス」ということにひっかけて、ココ培地での養液栽培を「ココポニックス」なんて呼んでいたりもします。

ココ培地は均一に水分や養分や空気をキープできるので、ク溶性の固形肥料を元肥に混ぜ込んで水だけあげてるよりも、水耕栽培用肥料の培養液をあげたほうが、はるかにカンタンで楽しめます。しかもココは天然有機の繊維質なので、培養液だけの水耕よりも、何倍も働き者で長生きな根毛がでてきてくれます。水耕でも空気の多いエアロポニックスなら根毛がでてくるんですが、ココなど有機培地のなかの根毛の方が、ハルカにたくさんのリン酸や微量ミネラルが吸えるそうです。

つまり、水耕栽培と土耕栽培のイイトコ取りが手軽にできちゃうことが、ココ培地の最大の魅力です。

さてさて、流通しているココ培地の形態をバックリとわけてみると、カラッカラに乾燥・圧縮してレンガみたいになってるタイプのものと、乾燥させずに水分を含んでフッカフカで、すぐに使える袋づめタイプのものがあります。

そこで、ココ培地についてポット(植木鉢)へのセッティングから、苗の定植/水やり/そしてココ培地の再利用方法まで説明してみようと思いますー。

まずは乾燥・圧縮してあるタイプのココ培地の使いかたです。
STEP: 1 まずはタップリの水道水でココ培地を戻します。
水に戻したココ培地だけでもいいんですが、植えこむ植物がまだ小さい場合や弱ってる場合は、根っこがまだ水分をそんなに吸えないので、ココ培地が加湿気味になったり・・・

はたまた、数ヶ月経った頃にポット(植木鉢)の底の方に分解されたココ培地がギュ〜ッと圧縮されていって「水分過剰&酸素不足」になることがあるので、通気性と排水性がよくなるパーライトを30%ほど混ぜ込んでいます。日本の湿気が苦手な植物を育てる場合も、パーライトを最大50%までミックスすると有効です。





STEP:2
水で戻したココ培地とパーライトを、よ〜く混ぜてからポットにセットしました。














すでに大きく生長した苗をお店で買ってきた場合や植えかえする場合は、根っこを水洗いしながら培養土や古い根っこをやさしく落として、ポットの底にココ培地を1/3ほど入れてから、苗をポットにセットして、根っこのまわりにマンベンなく行き渡るようにしながらココ培地をパラパラと入れていきます。特別なスキルや道具などはいりません、くわしい植え込みかたは、また次回〜!!!



さぁ!!!つぎに、乾燥・圧縮させてないココ培地の使いかたです。
STEP:1ポット(植木鉢)のそこに、大粒のハイドロボールを敷きつめます。

ハイドロボールは、ポットの底の排水性をキープするためなので、

その量は、ポットの底が隠れるくらいで十分です。











STEP:2 ココ培地をセットします。


これで終わり!!!

基本的には、このココ培地にはパーライトはいらないそうですが、

好みでパーライトを20%〜50%いれてもOKです。











ココ培地の準備は、これで終わりでーす。

2010年10月13日水曜日

クダモノトケイソウの実

クダモノトケイソウにはたくさん花が咲きましたが、実が着いたのはふたつでした。わざわざワタシがいないときにパカアッと咲いてしまっていて、気がついた時は花がしぼんでしまってました。指で受粉させないと、やっぱし結実しなかったです。
ザンネン!!

それでも結実した実は、順調に玉のびしてくれてます。


土が乾いたら、吸収性のいい水耕栽培用のベース肥料の液肥をあげていて、









エネルギーになるリンカリ肥料と、実を大きくしたりウマ味をふやすアミノ酸、カルシウム、マグネシウムなどの活力剤をうすめにして、ほぼ毎朝、葉面散布してます。


 葉面散布されるのがメイワクそうなカマキリです。
お腹がふくらんでるので、多分女子だと思います。

来週の土曜日は満月なので、彼女のOKがでれば、このクダモノトケイソウにタマゴを産んでくれるかもしれません。

2010年10月12日火曜日

秋の野の草

週末の雨でアスファルトの上は、ところどころ「キンモクセイの花」でオレンジ色に染まっていました。
先週は、満開のキンモクセイの香りとともに

スタートしたようなものでしたが、

もう散ってしまいました。ザンネン。









カラスウリの実がオレンジに色づいてくると、ますます秋を感じます。
というより、オレンジ色になってはじめて「あっ、カラスウリだ!」とそこにあったことに気がつきます。

カラスウリの葉っぱは、かわいらしいハート形で雄株と雌株にわかれる「雌雄異種=しゆういしゅ」なので、このオレンジの実は雌花にしかつかないそうです。


調べてみてはじめて知りましたが、カラスウリって、なかなかマニアックな花を咲かせるんですねー。


こちらも雌雄異種の野草、「カナムグラ/ジャパニーズ・ホップ」です。
いちおう西洋ホップの親せきなんですが、ビールの風味つけに使われるようなスンバらしい香りはありませんが、利尿作用などの薬効はあります。

葛と競うように、木々や電柱などに手当り次第に巻きつくので、秋が深まるにつれ、斜面一面が葛とカナムグラしかないという事態が毎年起こります。


ちなみに、日本から旅立った「葛=kudzu」は米国でスゴいことになってます、という写真はこちらです。
あちらの国からしたら、カンペキに迷惑な外来種な「葛」ですが、まぁブラックバスのお返しということで・・・相殺???




ちょうど出穂(しゅっすい)したばかりの「ススキ」です。

ススキはイネ科で、「ケイ酸」や「カルシウム」が不足した土壌に生えては、それらを補ってくれるそうです。

ムダに存在する草など、きっとひとつもないんでしょうね。






といいつつ、「コイツだけは生えてきてほしくない〜」と思います。
「ヘクソカズラ」
その名のとおりニオイがビミョ〜なので、できれば触れたくありません。
が、冬に枯れるまで放置しておくと、手ではちぎれないほど死ぬほど固いツルだけが残ってしまってジャマでジャマで・・・
花はかわいいし、一応生薬として薬効もあるそうなんですが。




秋雨前線とともに、元気なのが「ツユクサ」です。

梅雨の季節のイメージが強いので、今ごろよく咲いていたのがちょっと意外でした。

2010年10月8日金曜日

10月8日「 寒露 」です。

夜歩いていて、やけに暗いなぁと感じると「 もうすぐ新月かな? 」と勘づきます。

ということで、今日はその「 新月 」なんですが、ちょくちょく登場する「 月暦 」をバツッと整理すると「月が満月から新月へと欠けていく時、植物は栄養生長(生長期)的な伸びかたをして、新月から満月へと満ちていく時は生殖生長(開花期)的な育ちかたをする」そうなんですね。なので月のリズムでタネを蒔いたり植えかえをしたり肥料比率を変えたり害虫対策をすると、生長がスムーズになって管理がラクになるってことで、昔から伝わる民間農法のヒトツです。
新月の今日、月暦ではちょうど「 寒露 」。夜明け頃の気温がググッと下がってきて朝モヤが立ちこめ、葉つゆが冷たくなってくる頃だそうです。

晴れた日には半袖でもブラブラ歩ける今日この頃ですが、生き物たちから深まる秋の気配を感じました。

タテハ科の「オオウラギンスジヒョウモン」という蝶です。

アースカラーな色目のせいで、多くのヒトから「蛾-が-」だと決め込まれることが多いですが、チョウチョです。

このコは、暑い夏のあいだ仮眠していて、涼しくなるとパタパタと活動しはじめるそうです。山間部では夏でも見られるかもしれませんが、この辺りでは秋にならないと見られないチョウチョってことになります。


こちらはチョウチョの代表格「アゲハチョウ」です。

暑さがすぎて、野の花がいっせいに花芽をつかせたところを忙しそうに飛びまわってました。

羽を休めに葉っぱにとまったところ、となりにいるハエに、激突されてました。






お世辞でもキレイとはいえない近所の川ですが、

ヨコ倒しになったクサヨシ?の天然マットのうえで

野良なミドリガメが甲羅干していました。









仲のよさそうなカメのカップルは、ふたりとも20cmくらいに立派に育ってました。

もともと日本にはいないカメなので、デカク育ちすぎて飼いきれなくなったヒトが野にはなったのでしょうか???










そして夏のあいだは、日陰とともにチョコチョコ移動していたニャンコでしたが、近ごろは、陽がおちるまでおんなじ場所で、いつまでもいつまでもグッスリ寝てます。きっと夏の疲れを癒してるんでしょうか・・・
見ているコチラまで、眠たくなるから困ります。

2010年10月6日水曜日

今年もイチゴのココ栽培、はじめました。

あさっての10月8日は、新月です。
新月の前後は、植えかえや剪定の失敗が少ないころなので、秋冬に向けていろんな苗の植えかえをどど〜んと、一気にやりました。

2010年秋冬の、「 イチゴ & バラ  」のグロウルームです。イチゴとバラはおんなじバラ科なので、根っこの性質とか肥料濃度や肥料バランスの好みなど共通してることが多いので、まとめて置いてしまえば、イチゴにもバラにも、おんなじ培養液をババーッとあげてしまえて水やりがラクだったりします。











今年のイチゴの品種、まずひとつめが

病気に強い「カレンベリー」

「可憐」よりも「枯れん」のほうにひっかけてあるんでしょうか。

シンプルなダジャレほど、くやしいほど記憶にのこるもんです。





こちらは「めちゃウマッ!いちご」という品種です。

メチャメチャウマいイチゴが、

タンマリ穫れるに違いないと

欲に目がくらみGETしました。








あと、もうひとつが「めちゃデカッ!いちご」というイチゴです。メチャメチャデカいイチゴが、タンマリ穫れるに違いないと欲に目がくらみGETしました・・・のもありますが、今年の夏の猛暑のせいでしょうか? 今年は、秋物の苗の種類があまりまだなく、出荷がずれ込んでる気がします。イチゴの苗を選ぼうにも、この3種類くらいしか選択肢がなかった!! いう事情もあります。



 ホントに暑かった今年の夏・・・
ベランダにいたホワイトセイジは、とっくに真っ黒に枯れてしまいました。

それでも懲りずに新しいホワイトセイジをGETです。

今年は、ココ栽培でできるだけ大きくして、挿し木をとって増やして、スキルより数で勝負しようという魂胆です。







接ぎ木をしてないので、大きくは育ちませんが、

この夏の暑さも乗り越えて、コンスタントに花を咲かせてくれていました。


2010年10月4日月曜日

なるほど! 酵素のはたらき

昨日歩いていると、どこからかふわぁっとキンモクセイの香りがしました。キンモクセイは、一番好きな花の香りなので、咲いてる近くを通るとお腹イッパイにガツガツと香りを吸い込んでしまいます。

さてさて、酵素のはたらきについて、ちょっとオモシロい実験をしました。
「酵素」っていうのは、バックリザックリ説明すると「なにかを分解する物質で、タンパク質であることが多い」んですが、たぁ〜っくさんある酵素の種類によって、分解できるものが決まってるんです。たとえば、ゴハンをず〜っと噛んでると、あま〜くなりますが、それは唾液のなかにデンプンをブドウ糖に変える酵素があるからでっす。

そして今日は、ダレでも試せちゃう

「 繊維を分解する酵素 」

のカンタンな実験です。


まーずー、

どこにでもあるコピー用紙を

1cm角で、四角く切りますー。




1cm角に切ったコピー用紙がスッポリ入るくらいの、

小さなビン容器に「 酵素入り活力剤 」をうつして、

そこに紙切れを入れますー。










ポトンッと入れましたー。





一晩

そのままにしておきまーす。











ー ー ー そして、一晩たちました〜!!  ー ー ー 


はじめ、コピー用紙には、変化してないように見えますが、

フタをシッカリはめたまま、

ビンを強くシェイクしてみると・・・

紙が溶けてしまいました。



ビンの底で、コピー用紙がカンゼンにほぐれてしまいました。
コピー用紙は紙パルプでできてまして、紙パルプっつーのは、木の繊維です。

つまり、この活力剤には、繊維質を分解できる酵素が入ってるってことなんですねー。




この繊維質を分解できる酵素があると、古い根っこを分解してくれて、新しい根っこが発生しやすくなります。おんなじ根っこでも、新しく出たばかりの根っこの先端は、肥料とか酸素とか水分とかをいっちばん吸ってくれるので、根っこの鮮度を保つことはメリットが大きいわけです。

酵素は有機物ですが小さめなので、水耕栽培でも根っこはちゃあんと吸収できるし、酵素入り活力剤をあげてると、養液タンクの底にフワフワと分解された根っこが溜まってます。

ただ、有機培地の方が、酵素の効きと持ちがいいので、ココ培地だと根っこの鮮度が保たれて白い元気な根っこがいっぱい張りますよね。しかも、酵素で分解された古い根っこは、もともとの糖分やミネラルへと戻るので、ココ培地のなかの微生物のエサにもなるんですねー。

ちなみに、この繊維質を分解できる酵素だけが植物に効果があるわけじゃありませーん。酵素ってえのは、いっぱい種類があって、それぞれに大事な役割があります。

もし!! 愛用している酵素入り活力剤が、紙パルプを分解できなくっても、また別の大きな効果があるので、「 その活力剤は効かない 」ってことではゼンッゼンありませんので、ご注意くださーい。

2010年10月1日金曜日

イセヒカリの乳苗(にゅうびょう)

その国の文化に、ふかぁ〜く関わりのあるもの浸透しているものほど、多くの名前をもつそうです。「お米」もそのうちのヒトツなんだそうで、「こめ・ごはん・めし・まんま etc・・・」などいろんな呼び方があります。

そして、そのお米の苗の「稲」にも生長段階ごとに、やっぱりいろんな名前がついてました。「乳苗・稚苗・中苗・成苗」と分ゲツして花をつけるまでに4つも名前を持ってるんですね〜。ヤサイの苗に対しては、稚苗とか使わないようなので、お米とか麦とか主食になる穀類栽培の歴史や真剣味が感じられました。

 で、ココ培地の養液栽培でそだててる「イセヒカリ」の乳苗です。

暗くなって葉の気孔がとじると、根っこから吸い上げた水分が水孔から排水されるんだそうです。











「出水=しゅっすい」というそうですが、根っこが元気に水を吸ってる証拠なので、出水は健康のバロメーターなんだそうです。














この「イセヒカリ」は、室内で育てているので、お日様の変わりにグロウランプを使ってます。今は蛍光灯タイプのランプにしてるんですが、朝点灯したての時間に、葉先から出水してるかしてないかで、光の強さの目安にもしてます。
もし出水していなければ、光が強すぎて、根っこの給水量が葉からの水分の蒸散に追いついてないってぇことになると思いますので、グロウランプの位置を遠ざけたりしてます。