2019年6月14日金曜日

バラやフペルジアの挿し木

力強い美しさが目を引く、アフリカ産の切りバラが手に入りました。









花が終われば、土に還してしまうだけ・・・となってしまうことが、あまりにも惜しく思い、ついつい、ついつい挿し木にしてしまいました。 これが先月のことです。







トマトなど茎がやわらかな野菜に比べると バラの挿し木は 難易度が高いです。バラのカットした枝からは、根っこよりも芽が先に伸びはじめますが、この芽がぐんぐん大きくなるようであれば、だいたい成功します。 「腐らずに芽が伸びてるな、ほぼ成功だ!!!」と確信できるまで3週間かかりました。


















成功難易度の高い植物の 挿し木取りや株分けの成功率を 劇的にあげる秘訣は、培地と挿し木用活力剤です。 仕事がら、あらゆる挿し木用の培地を試してきましたが、ROOT!T ルーティング・スポンジ と ROOT!Tジェルのコンビネーションよりもすぐれた挿し木培地はありませんでした。ROOT!Tジェルは、切り口をバイキンや乾燥から守ります。そして、保水力が高いROOT!T ルーティング・スポンジ もまた 切り口の保護作用が高いうえに、いったん根がでてくると、その数と量、そして伸びるスピードがダントツに多くて早いのです。


















そして挿し木取りと、その後の管理には、これを使いました。枝をカットした時にはROOT!T ジェル、発根するまでの養分補給としての葉面スプレーには、ストレス緩和のスーパースライブと 発根促進活力剤フィッシュボーンです。








カットした枝の切り口に浸して使う ROOT!Tジェルをはじめとした発根剤は、断面の細胞壁を壊して、発根作用のあるホルモンを細胞内部へ届けます。 
























一方、まだ根が出ていない植物は、アミノ酸やビタミン、糖類などの養分を葉っぱからしか吸収できないので、葉面スプレーで与えます。詳しくは、以前の説明でどうぞ。



















一方、ツルツルと細い枝が伸びたこのバラは、つるバラの「ラレーヌ・ヴィクトリア」の挿し木です。3月ごろに整枝した枝をココ培地に挿したら、最近になって発根してくれました。 まだ成熟していないバラは、枝数が多すぎると、貧弱に育つので、弱い芽や枝を取りのぞきました。こうすると長く伸びた枝を充実させることができると思います。





































この挿し木のマザープラントである「ラレーヌ・ヴィクトリア」も、花が終わったので、弱い枝と根元のほうの葉っぱ、そして弱々しいツボミを きれいサッパリとり除き、根元から出たきたシュートをまっすぐ立つように誘引しました。 その翌日、次に咲くツボミがポワッと大きくなってました。


























最近とても気に入っている「フペルジア」は、シダの一種です。毎日スプレーするだけでも、みずみずしいグリーンが長持ちします。 半袖で過ごせる季節は、培地が乾いたら、葉っぱごとバケツの水にドボンと浸しますが、週に一度培養液をあげると、新芽の展開が早くなります。

























高い湿度が大好きなシダの一種だそうで、まだまだ珍しいハウスプランツの一種です。 天井からつるして飾れるうえ、葉っぱの寿命が長く、枯れた葉がハラハラと落ちて床を汚さないので、お風呂場やトイレをはじめ床面積が広くない部屋でも、生きているグリーンを楽しめるアーバンガーデニングに ぴったりな希少植物です。

フペルジアは耐寒性はあるようですが、はじめての冬越しは、部屋の天井から吊るしていました。 天井から植物を吊るすことができて、刺し跡が目立たない石膏ボード用のフックで、フペルジアをハンギングしていました。 このフックは、とてもとても便利でした。






このフペルジアですが、短めのフサをいくつか切り取って、ココ培地に挿して増やしています。 日々 水分を葉面スプレーしていますが、3日に一度はスーパースライブと発根促進活力剤フィッシュボーンにしています。 根っこが出るまでは、とにかく葉っぱと培地をカラカラに乾かしてしまわないよう気をつけています。

















フペルジアの葉挿しは、培地に挿して増やすほかに、ガラスの容器に水苔や生きた苔を培地にして挿しておく テラリウム的な飾り方が気に入ってます。 そのへんでホコリをかぶっているガラスビンや、テラリウムの器を再活用できますし、普通の植物なら 数日で黒く腐ってしまうガラスの中でも、シダ植物のフペルジアの葉っぱは、長く持ちます。 カットした葉っぱは、ガラスの中にまるっとしまっておく方が、乾燥しにくく見た目が美しいです。うまくいけば根っこがでます。 「部屋に植物を飾りたいけど、すぐ枯れちゃう。だからといってフェイクグリーンは いやだ! 」という人におすすめです。





















ちなみに、冬の間もずっと外に出しっぱなしだったビカクシダとグリーンネックレスは、葉っぱに傷みが出たものの、みごと冬越しができました。 耐寒性が低いものが多い観葉植物ですが、冬の間部屋に入れたくない、という人にはいいかもしれません。ただし日当たりがよくなかった場所に置いたものは、枯れました。

























今年の3月に、あまりのお買い得感に耐えられずGETしてしまったアジサイ「アムステルダム」。 届いた時は15cm足らずの草丈でしたが、ハイドロポニック用の肥料を与えていたら、みるみる花をつけました。


























ハイドロポニック用肥料の吸収性のよさは、ブルーベリーでも実感できます。



















2cmほどにも大きくなったブルーベリーの果実でしたが、先週の強風で半分以上が落ちてしまいました。地面に転がったブルーベリーの大きな果実を 悲しく見つめていると、セキレイが舞い降りて、ウレシそうに つつきはじめました。誰かの糧になれたということで、めでたしめでたし。でした。

2019年6月7日金曜日

エアコンなしでも室内栽培。Q6W LEDとCMH315W

咲きほこっていたバラたちも見ごろを過ぎると、いよいよ待ちに待ったアジサイたちが色づきはじめる6月です。

いつ植えたのかすらも忘れた 放置状態のフェンネルは、私のねらいどおり「アゲハの幼虫」牧場となりました。 顔を近づけてイモムシたちを見ていると、その色彩とディティールの面白さに夢中になります。










時間を忘れて見つめていると、イモムシたちが日々いったい何をして過ごしているのか、よくわかります。



食べて、食べて、ひたすら食べて・・・







寝落ちする・・・このくり返しです。 





フェンネルのすべての枝に 数え切れないほどいたイモムシたちは、
週が明けると、もう一匹も見当たりません。 
おのおの安全な場所まで旅をして、サナギになっているのです。







さて、室内栽培でHPSランプやMHランプを使っていた頃は、
ゴールデンウィークが始まる前に強制終了させていました。
室温が高くなりすぎるからです。 

HPSランプを使っていた頃は、観葉植物の鉢にキノコが立ちはじめると、
季節的にエアコンなしでは、室内栽培はやめたほうがよい時期に来たことを示す
サインでした。







 Q6W LED215Wと、CMH315W 合計たったの530Wで 240X120cmのグロウテントの室内栽培トマトとパプリカを育てるようになってからというもの、
6月になったいまでも撤収せずにすみます。

栽培効率の高いグロウランプは、消費電力を抑えられるので、
室内温度が上がりにくくなったからです。







Q6W LED215Wと、CMH315W、これら最新のグロウランプで育てる
最大のメリットは、もちろん省エネだけではありません。
フルスペクトルな光で育つ野菜や果物は、収穫の量と品質が確実にアップします。

フルスペクトルなグロウランプで育てるようになってからの、
果実の品質向上について実感していることは、トマトとパプリカの甘味以外の味と風味が濃くなったので、抗酸化成分や有効成分の含有量が増えているってことと、
完熟するまでの期間が かなり短くなっていることです。


4月を過ぎた頃から、丈が5m以上も伸びて手に負えなくなるミニトマトですが、
自動底面吸水システムGoGro で育てるようになってから、
水やりの手間が本当に減りました。あらゆるハイドロポニカリーな栽培と栽培システムを実践したきたなかで、一番手間がかからず多収穫です。







HPSランプの時は、ミニトマトひと房まるごと完熟してからの収穫が
できずにいました。 なぜなせ先端のトマトが完熟するまで収穫を待っていると、
先に色づきはじめたトマトが割れて
味がボケてしまううえ、カビてしまうからです。

フルスペクトルな光で育てると 完熟するまでの日数が短縮できるので 
あたりまえのように房どり収穫ができるようになりました。 これは感動です。 






さらに CMH315W が放射する UV-AとUV-Bの近紫外線は、
病原菌を殺菌する効果が高いため、
従来のグロウランプで起こりがちだった最大の悲劇

果実がカビてしまうトラブル  

をかなり防ぐことができます。







2019年5月29日水曜日

京成バラ園@2019

5月の中旬になってようやく、「バラたちが咲きそろいはじめました」というお知らせを見つけ、今年も京成バラ園のローズガーデンに伺いました。 

















気品のある剣弁高芯咲きのバラは、どアップでじっくり見ていると、花の中心に吸い込まれて、異次元に連れていってくれそうな果てしなく続く美しさがあります。



































「ローズ・トラップ」ともいうべきバラの恐ろしさとは、バラ園でお気に入りの品種を見つけ、なんとかひとつに絞りこんで うまく咲かせたとしても、「 バラ園って、いろんな品種が咲いた時の樹勢のバランスや、カラーコントラストが、とってもよく考えられてるのね。あら、アタクシのバラにあのバラを組み合わせたらステキだわ、きっと。」
こんな調子で、バラ園に足を運ぶたびにバラを増やしてしまうことです。
ということで、バラたちの奏でるカラーコントラストにも、注目してみました。

まずは、ひとつの品種でも、ブッシーに育ちつうえに美しいカラーコントラストが楽しめるバビロンローズをはじめ、咲き進むと色変わりがするバラ、そしてバイカラーのバラたちです。
















































































咲き進むと色が変化してく、つるバラのエメラルドアイルは、実際に見たほうが豊かな表情をしています。






































広さにゆとりがあるお庭に万が一にも住めることになれるとしたら、存分にこだわりたい異品種のバラでのカラーコーディネート。京成バラ園さんに伺うたびに、色彩表現はバラ園のウデの見せ所、ということをマザマザと見せつけられます。








































































































そして、バラが奏でるグリーンにも注目してみました。
バラのパーゴラを見上げると、新緑のグラデーションと木漏れ日が、なんとも心を和ませてくれます。

















房咲きは日本の原種バラの特徴のひとつですが、この原種バラは葉の形がめずらしかったです。ツボミはまだ固く閉じていたので、どんな花が咲くのか、いつか是非見てみたいと思いました。















2019年5月22日水曜日

今年のカスケードホップ根茎の様子

毎年お配りするホップ根茎は、そのコンディションを確認するために いくつかを栽培テストしています。

今年株分けたカスケード根茎のうち、ひときわ小さかったホップ根茎をポットに植えてみましたが、ホップ強いです。シュートがいくつも伸びて、しっかりしたツルに生長しました。







ホップ根茎を鉢植えや地植えにした時点で、腐ってしまった・・・というお声を 非常によく聞きます。 北米の代表的なホップの産地であり、年間を通して雨量が少ないヤキマバレーと、春に雨がとても多い日本を比較すると 東京はヤキマの約7倍の雨量があります。 そのため 日本でホップ根茎をスタートさせるには、ちょっとコツが必要なようです。
























失敗なくホップを大きく育てるポイントは :

  • 根茎は、いきなり定植せず、まずは 1L 程度のポットでツルと根っこを伸ばします。 この時に、一度水やりをじゅうぶんにおこないます。根茎からすでに白いシュートがいくつか伸びている場合は、シュートを土から出して植えてあげると 芽が腐らずに伸びやすくなるようです。 


  • ポットに植えた後、土の表面が乾かないかぎり、水やりはNGです。ホップの根茎からは、根っこよりもシュートが先に生長します。シュートがツルになって葉っぱが展開しても、まだ根っこが伸びていないことが多いので、この時に水やりをしすぎると根茎が腐ります。 
    もしも5月に夏日が続き、ポットが軽くなったら水やりをしますが、基本的には定植できる大きさに生長するまでは、1〜2回しか水やりの必要はありません。


  • 定植する場所の土が硬いと、根っこが伸びにくく、ツルが細くなり花が少なくなります。 地植えの場合は、30cmほど穴をほり、ココ培地やピートモス、腐葉土や堆肥などの有機繊維質で根っこが伸びやすい園芸用土を敷いてからホップの苗を定植してください。 地植えや大きなプランターに定植した時にたっぷりと水やりをしたら、少なくても2週間は水やりを控えます。 梅雨に入りましたら、水やりはほとんど必要ありません。 真夏は、夕方にたっぷり水やりをします。


  • 太いツルには、大きな花がつきます。太いツルの先端は ゼッタイに折らないでください。 追ってしまうと、脇芽がツルとなって上に伸びだすまで、エラく時間がかかり、花がでるまで時間がかかってしまいます。 とくにグリーンカーテンにしたい場合は、折らないよう気をつけてください。 


  • ホップは肥料ぐいです。液体、固形を問わず NPK=1:1:1比率の肥料を少しずつ、しかしマメに施肥してください。 毛花がではじめたら、リンとカリを含む肥料を少しずつ与えると、花が大きくたくさんつきます。


  • 根元に近い葉っぱは、ハダニや虫に食われやすいです。農薬を使いたくない場合は、55℃ 〜 60℃の温水で葉っぱの虫を落としてから、カキガラ石灰など炭酸石灰を葉っぱに直接かけてください。雨が降る前日におこなうと、効果的です。
    アブラムシが大量に着いてしまった時は、バグ・フロスタを葉っぱにかけたところ、翌日すっかりいなくなりました。








今年のカスケードホップ根茎も テスト栽培でりっぱな苗に育ちましたが、困ったことに植える場所がまったくありません。

そこで先月 すでに根茎をご希望いただいた方にご都合を伺って、引き取っていただけました。よろこんで引き取っていただいて、本当にありがとうございました。「大切に育てます」という  ひとこと が なによりのはげみです。

2019年5月17日金曜日

キングプロテア葉面スプレーの効果 その2

毎年この季節は、さまざまな花が咲きそろい、写真が溜まりすぎてしまいます。

4月の終わり頃から 矢車草がいっせいに咲きはじめたのを見つけ、昨年の秋に景観植物のタネをまいておいたことを思い出しました。 クリムゾンクローバーもちょうど咲きそろい、プチ天国のような景色になりました。



















さて、1年前にGETした「キング・プロテア リトルプリンス」です。拡大培養した「バグ・フロスタ」を2月から定期的に土に入れて培養土内の微生物層を増やしてきました。

プロテアを育てている人はよく知っている通り、共生している微生物がリン肥料に弱いので、強い肥料をはじめ とくにリン酸石灰を与えるのはタブーとされています。 とはいえ開花にはリン・カリが欠かせません。 そこで、新芽が伸びはじめてから 週に一度リンカリ肥料の TamaPKを 2000倍希釈にして葉面スプレーしています。



























リンカリ肥料は、プロテアの根域にはタブーとされているので、根元にはかからないように気をつけて TamaPK 2000倍希釈液を 直射日光が当たらない日陰か夕方に、新芽を中心にスプレーします。

















ツボミが上がってきました。

















オリーブの新芽にもPKスプレー。 トマトなど夏野菜の薄い葉っぱは、寿命が約30日ほどと短く 葉面スプレーは即効性が高いのですが、オリーブやプロテア、ツバキなどの成熟した葉っぱは寿命が長いので、厚みがでて深い緑色をした葉っぱは、葉面スプレーの効果があまりありません。


















プロテアが すくすくと育つ土壌のpH値は : 4.5 〜 5.5です。酸性土壌を好む植物は、一般的に硫酸イオンを好むので、月に一度 ブルーベリー用の硫黄粉をひとつまみ根元から離して置いておきます。

















プロテアはリン酸が苦手とされているので、ついつい肥料を与えることを控えてしまいますが、マグネシウムと鉄分があった方がよく育つとされています。
詳しくは こちらで

エプソムソルトは、硫酸マグネシウムなので プロテアに限らず 土壌栽培のバラやお茶などの植物の栽培には最適です。マグネシウムは葉緑素となり光合成量をふやす重要な養分であることはもちろんですが、もうひとつの硫酸イオンは 実は開花とフレーバーに大きな大きな影響を与えます。葉や花のフレーバーが強くなり、花付きと生長も促進するので、お茶やバラ栽培で欠かせない養分と考えられています。
エプソムソルトもまた 月に一度くらいのペースで バラやプロテアの根元にティースプーン一杯ほど置いておくだけです。週に一度 トラッキン'を1000倍希釈で水やりすると鉄分をはじめとした微量要素群を 補えるのと同時に土中の「硫化水素」の発生防止にも役立ちます。



ところでプロテアは「ヤマモガシ科」の植物ですが、土留めのすき間からヒョロヒョロと伸びだしたのは「ヤマノイモ」のツルです。恥ずかしながら、去年おとなりさんに教えていただくまでは、ヘクソカズラだと思ってブチブチとひっこ抜いてました。





















昨年の秋、植木鉢の欠株したスペースを埋めるようにして植えたネメシア「インプレシア」。年が変わる寒さがピークの時期から ものすごい勢いで咲きはじめ、さみしくなりがちな冬の景色をずいぶん華やかにしてくれました。今もまだ満開です。








どんなにでかくリッパに育って、毎年真夏に枯れ腐っていくホワイトセージ。決して一年草ではありません。毎年秋になると、もはや意地になって種まきをしてしまいます。地植えにすると、根張り不足で あまり大きく育たないので 50Lの大きな布製ポットに ソイルレス・ポッティングミックスをたっぷりと入れて植えました。ついこの間まではアブラムシ牧場になっていたので、現在はテントウムシ牧場に変わりました。

























西洋オダマキもたくさん咲きました。とにかく丈夫で手入れいらずで、あまり日当たりがよくなくても かわいい花がたくさん咲く宿根草です。珍しい花や希少価値の高い植物に夢中になってもきましたが、結局は丈夫で毎年勝手に咲いてくれる宿根草が一番好きです。