2023年3月10日金曜日

CANNA記事 “ Run-To-Waste ”(かけ流し式)

 CANNAオフィシャルサイト
「かけ流し式システムでの栽培 Run-To-Waste (かけ流し式 ): 入門編」

がアップされたので、記事をカンタンにまとめました。




“ Run-To-Waste ” 日本では「かけ流し式」と呼ばれる水やり方法は、
特別な技術が必要でも、高価な機材が必要でもなんでもなく、単純に一度与えた水を再利用せず、捨てる、ってことです。お庭で育ててる野菜やお花に、ジョウロやホースで水やりするのも“ Run-To-Waste ”です。

つまり、青空のもとでのプランター栽培や、畑の作付けをしているガーデナーにとって、“ Run-To-Waste ”とはなんなのか? なんてホトンド気にしなくてもよいのですが、ハイドロポニック・ガーデナーには大きな意味を持ちます。

NFTシステム、DWCシステム再循環システムフラッド&ドレイン・システム、そしてエアロポニック・システムなど、ハイドロポニック栽培のすべての水やりが、培養液をくりかえし与える再循環式です。その理由は、ハイドロポニック・システムに使用するロックウールクレイペブルスなどの培地とシステムに使われる容器が、酸やアルカリで変質せず、保肥性もない不活性な性質なので、1〜2週間、おなじ培養液をくりかえし植物に与えても大丈夫、という前提があるからですね。

それに対して、植物繊維が原料である有機培地をつかったCOCO栽培TERRA培土でのソイルレス・ポッティング栽培での水やりは、“ Run-To-Waste ”、かけ流し式の水やりでなくてはなりません。つまり培養液を再利用する栽培はNGです。有機培地に与えた培養液の排水には、根が排出した老廃物や培地にたまっていた肥料の吸い残しなど、多くの不純物が含まれているため、再循環させると生育障害の原因になってしまいます。


“ Mass Flow〜 マス・フロー  ”について

さて、“ Run-To-Waste ”と聞いて「なんのこっちゃ? 」と思っても、「かけ流し式の水やり 」と言われれば、「なんだ、普通に水やりすることか!」と理解しやすいと思いますが、“  Mass Flow ”は、日本の園芸用語だと「蒸散」という解釈がされていて、記事では蒸散とはちがう意味合いで使われているので解説しておきます。

記事中の“  Mass Flow ”とは、肥料成分が水に溶けて植物が吸収できる状態になる、と説明されていて、「マス・フロー計測器=固形の肥料が水に溶けた量を測定するメーター」なんて使われ方をしています。


ということで、この記事がいいたいことは、“ Run-To-Waste ”は、一番ナチュラルで、生長トラブルも少なく、培地も肥料の種類もあまり選ばず失敗が少ない水やり方法ですが、自動化するにはコストや設備が必要だし、排水を捨てる手間がかかります。ハイドロポニック栽培は、“ 培養液の再循環 ”ができるので、捨てる水も少ない栽培方法ですが、使用できる資材が限られていることと、培養液のメンテナンスの手間がかかります。

どちらがベストなのかは、育てる植物と育てる人とのニーズ次第です ってことです。







2023年3月6日月曜日

室内栽培のミニトマトの収穫とスクスク育つプロテア


豊後梅が開花しました。実梅品種は、あんずと梅の交配なので、花梅よりも1ヶ月ほど遅く開花します。

捨ててあった苗木を拾って育てているので品種はわからなかったのですが、花色の特徴から「桃園」だろうと思います。




室内栽培のすべてのミニトマトの第一果房が赤く熟しているのを横目で見ながら、収穫をついつい後回しにしていました。




ようやく収穫しました。毎年育てているミニトマト「千果」ですが、とても甘くてオイシイ! 
一粒食べると、伸びる手が止まらなくなります。このおいしさは、品種のすばらしさももちろんありますが、完熟した果実にしかない滋養が満ち満ちているからか、疲れていたり風邪気味のときに食べると、頭がシャキッとしてホントに元気になります。




栽培難易度が高いプロテアたち。特殊な根を持っていて、リン酸を与えすぎると枯れてしまうそうです。かといって生長期に肥料を控えすぎると、あっという間にチッ素欠乏症状が出て葉色が黄色くなります。


リン酸の含有量が少ない生長期専用のワンパート肥料「TERRA VEGA」を与えてみたところ、見事に葉色がもどり、新芽がワサワサでてきました。



肥料に一番力強く反応したのが「スザンナエ」。



「この芽が全部展開したら、どんだけデカくなってしまうのだろう?」と驚異を感じるほどの新芽の数です。



一方で開花した苗を屋外で育てているキング・プロテア。
少しずつ花芽が大きくなってきました。


ということで、同じ植物を室内と屋外で育ててみると、こんなに生長度合いが違いということがよくわかります。






 

2023年2月21日火曜日

川名農園さまのイチゴ

なんと、美しいイチゴたちでしょう!!! まるで宝石のようです。




三浦市の「川名農園」さまのイチゴです!!!
食べるのがもったいないほどホレボレとする美しさですが、味も最高です。
果肉がしっかりとしていて、食べごたえがあって、甘さと酸味も絶妙で、「永遠にこの時が続けばいいのに・・・」と、思うほどのおいしさです。




こんなにおいしいイチゴを食べられるのは、きっと世界中で日本だけだろうと確信しています。ここまで言い切れるほどに、日本の農業栽培技術と品種改良の技術は、世界トップレベルなのですねぇ。


川名農園」さまは、昨年お分けしたホップ根茎をお育てくださっています。収穫なさったホップで、新たな使い方を模索なさっているとのこと。たのしみですねぇ!



イチゴは収穫後に追熟しない果菜類なので、摘みたてのおいしさは格別です。
できれば足を運んでイチゴ狩りを体験するのがベリーベストだと思います。




2023年2月17日金曜日

2月は春に向けての庭じたく。スーパースライブは動き出す根の強い味方!

 三寒四温とはよく言ったもので、今週の平日は、水鉢に氷がはるような凍える日が続いたあと週末は暖かくなるとのことです。「これはチャンス! 」とばかりに2年間布製ポットで育てたイングリッシュローズの挿し木をテラコッタ鉢に定植することにしました。

ちなみに、培土表面にはコガネムシの幼虫よけにヒノキチップをギッチリとマルチングしたおかげか、苗を掘り起こした時にコガネムシの幼虫の姿は全くありませんでした。めでたしめでたし。



昨年5月の同一人物の様子です。


バラ苗が一人前になる3年間は、根の生長効果が高い布ポットで育てるつもりでしたが、思いのほか生長がよいうえに、ツル仕立てにしたかったこともありテラコッタに植え替えてトレリスで仕立てていきます。


このバラ苗を挿し木取りに使った培地「Root!Tルーティングスポンジ」が、まだ残っています。



バラの根元をよく見てみると、いまだに新しく発根した白い根がRoot!Tルーティングスポンジに伸び出しています、やはり根っこは、腐植質が多い有機培地の方が、根を伸ばしやすいようです。




まだ十分に大きく育っていない挿し木苗は、育苗用の小さなプラ鉢に植えます。
苗に対して大きすぎるポットに植えてしまうと、根の周辺の土がなかなか乾かないので、根が思うように伸びることができません。植え替えの手間をめんどくさがらず、根の量に合わせてポットの大きさを選ぶことは、適度な水やりと同じぐらい、またはそれ以上に大切です。

定植時の水やりは20℃ほどの水でスーパースライブの希釈液をつくり、たっぷり与えました。バラはふわふわした土だと根張りが弱くなるので、水やりしたあと培養土の表面をギュウギュウとしっかり圧縮しました。



バラの植えかえ完了です。日本の高温多湿な夏に弱いイングリッシュローズなので、日当たりと風通しがとてもよい斜面に鉢を置きました。毎年ハードルの高さを身に染みて感じているバラの無農薬栽培。ポチッと小さな新芽がでてきた2月に元肥を施肥しているときは、乱れんばかりに咲きほこることを信じて疑わないのですが、3月・・・4月を迎え、ぐんぐん伸びる雑草を抜くことに疲れ果ててくると「あっ、毎年このタイミングで突然バラの葉っぱがハバチに丸裸にされて花数が減るんだった!」と思い出すのです。




先月肥料をあげたっきり、目もくれていなかったサザンハイブッシュ系ブルーベリー「シャープ・ブルー」。もう花が咲いてしまいました! 同系統の他品種の花粉でないと自家受粉しにくいブルーベリー。「いま咲いてくれても、実がなるんだろうか?」  と、不安しかありません。





2023年2月10日金曜日

CANNA フラッシングのメリット

 今日は積もるか、積もらないかが微妙な程度の雪がパラパラと降っています。

温室では、南アフリカ原産のプロテアたちがグングン・スクスク元気に育っています。


プロテアは品種によって葉の大きさが違うので、育ちがよい株と悪い株があるように見えるのですが、葉数と段数で比較すると、どの品種も均一に生長していました。



茎頂部が2つに増えました。ちょっとやそっとでは枯れそうもない丈夫なプロテアを育てるためは、いかに短期間で枝の分岐をふやし、茎を太くするかがコツだと感じています。





欧州を中心に、水道水に炭酸塩が多くふくまれて硬度が高い硬水地域でのハイドロポニック栽培では、伝統的に収穫前の「フラッシング」が、当たり前に行われてきました。水道水に含まれる過剰な塩類が、野菜やハーブの味と日持ちに悪影響をあたえるからです。

超軟水にカテゴライズされる日本では、ベース肥料やPK肥料などを過剰に与えていない限り、フラッシングはあまり必要ありませんし、CANNAメーカーは、CANNA製品の培地と肥料・活力剤のラインナップを推奨どおりに使っている限り、スケジュール通りにベース肥料の分量を減らすだけでよく、フラッングの必要はないと説明しています。

しかし、何かのはずみで育てている植物に生長障害が出て、培地に吸収しきれなかった肥料成分が残ってしまった時などは、植物と培地をリセットするためにフラッシングする必要がありますし、ハイドロポニック・システムのパーツやチューブに肥料塩類が白くこびりついて、培養液のバランスを劣化させてしまう心配がある時もCANNA FLUSHで24時間フラッングすることをおすすめします。

また、塩化ナトリウムが多く残っている安価なココ培地や、精製度が低い肥料原料を使用しているために余分な成分を多く含むベース肥料を使っている場合、または量や製品をたくさん使用している場合は、収穫前のフラッシングがオススメです。








2023年2月2日木曜日

動画 COCO A/B ココAとBの使い方


COCO A/B肥料の使い方がアップされました。

さらに詳しくは、こちらで!


2023年1月25日水曜日

「なんだか葉色がおかしい!」症状で見分ける肥料欠乏症状と対策

 今日は、ン年に一度の大寒波襲来だそうです。

ベランダを洗い流した水が、あっというまに凍りつきました。アスファルトや側溝のグレーチング、マンホールの上を歩くときは、要注意ですね。


さて、「 葉の色や育ち方がなんかおかしい! でもなにが足りないのか、なにが多すぎるのか、わからない!」そんなお悩みは、植物を育てたことがあるだれもがお持ちになったことがあるでしょう。

ということで、CANNAのオフィシャルサイトに、

CANNA Deficiency Guide 〜症状で見分ける欠乏成分と、応急処置 〜」

がアップされました。

CANNA Info Courier Deficiency Guide : 1

CANNA Info Courier Deficiency Guide : 2

このリーフレットで説明されている通り、なにかしらの肥料成分が欠乏する原因の多くは、

ベース肥料そのものの品質ではなく、活力剤の与えすぎだったり、温度や湿度が高すぎたり低すぎたり、酸素が少なすぎたり、水を与えすぎたり、培地の特徴を活かしきれていなかったり、ハイドロ・システムへの誤解だったり、光が強すぎたり・・・


肥料成分が足りなくて欠乏するケースより、なんだかいろいろ与えすぎたせいで、なにかがToo Muchになりすぎて、吸収できない成分がでてきてしまいました、というケースがほとんどです。