2020年5月25日月曜日

草木を育てることに救われた2020年

東京都に隣接する千葉、埼玉、神奈川も緊急事態宣言から いよいよリリースされる見通しです。年度切りかえの時期をまたいだ3月から5月にかけて、2020年は本当に多くの行事やイベントが中止となりました。今年はそれら行事に関わりがなかった私でも、普段よりもウツウツとした気分が強かったように思います。

そのためか、育てている草花がそだち花ひらく春の季節に、今年ほど力をもらった年はなかったように思います。ボーボーとバラの鉢で伸びだす雑草どもを摘み取る手間すら、ありがたく思えたのです。
暖冬も手伝って、今年のホワイトセージはかつてないほどよく育ってくれました。花穂(かすい)がググーンとのび、開花まで秒読み段階です。ホワイトセージの香りは、開花前に最も強くなるとどこかで読みましたが、まさに今かつてないほど強い香りを放っています。










今年株分けしたカスケードホップの根茎が、ツルを長く長く伸ばしはじめました。
新たに植えた根茎から伸びた 最初のツルの先端は、ゼッタイにカットしないよう気を付けましょう。経験からですが、その年最初に伸び出したツルの先が折れたり切れたりすると、生長がストップし、次にでてくるツルの発生も、ものすごく遅くなります。







「 一本目のツルのトップを切ってしまうと、生長ホルモンが作られにくくなってしまうのではないのかな? 」 と思えるほど、ツルがゼンゼン伸びなくなり、わき芽も発生しやしません。さらに、いつもなら根元からどんどん展開する新芽(ツル)も、驚くほど出てこなくなります。なので、ホップ根茎を植えた最初の年は、最初に伸び出したツルの先端を決して折らないよう注意しましょう。







地植えのカスケードホップです。もう何年目になるのか忘れました。今月はじめまで、満開だった「クリムゾンクローバー」は、茎を長く伸ばし茶色い種子をつけています。クローバーの根っこが土を深く耕してくれたおかげで、元肥を入れ忘れたというのにホップのツルが元気に伸び出し、しかも葉っぱが羽虫に食い荒らされることもありません。緑肥の効果は、思いのほか目に見えて大きなものとなりました。







「果汁たっぷりの桃が喰いてぇ〜!!!」と思い立ち、昨年から栽培をスタートさせた大玉の桃「あかつき」です。虫がつきやすいので「スポットライト型ソーラーLED 緑色光」を根元に挿して日没後数時間照らしていました。実った果実が、順調に大きく肥大しています。









グリーンLEDが点灯しはじめる日没後は、こんな感じのアヤシイ景色となります。
栽培研究のためです。「ちょっと恥ずかしい・・・」などとは言っていられません。










一方、グリーンLEDライトを当てるのを忘れていた「白鳳」の果実の多くは生理落果してしまい、順調に大きくなっている果実の数はとても少なくなってしまいました。あわててグリーンLEDを当てはじめましたが、間に合う気がしません。









「ブルーベリーは、ハイドロポニカリーな栽培で笑えるほど本当によく育つよなぁ。」毎年、水切れさえさせなければ、うっとりするほど甘く、おいしい実をつけてくれるブルーベリーです。 「 水も好きだけど酸素も好き!  肥料はくれるだけ吸っちゃうよ!」そんなブルーベリーどもは はじめての家庭果樹菜園にもっともおすすめです。実ったブルーベリーは、いっせいには完熟しないので、日々食べる分だけ少しずつ 約一ヶ月くらいにわたって、収穫できることもおすすめなポイントです。(完熟したと見せかけて、まだ酸っぱいことが多々あるので、口直しに甘く熟した果実に行き着くまでムダに食べてしまうという失敗も少なからずあります。) ちなみに、エアロポット17Lキャナココ肥料とココ培地 で育てています。












 「いったいいつ収穫するんだ? 」風船のようにふくれたサヤを指でそっと押してみるとペコッと凹むものがまだ多いヒヨコ豆です。かんじんの豆がまだ肥大していません。本格的な梅雨がはじまると 枯れクサり強制終了となる予感が強く強くするので、PK肥料をこまめに与えていこうと思います。






2020年5月13日水曜日

半日陰でもバラをあきらめない! ソーラーLEDとAdvanced Amino

コロナさえなければ、あちらこちらの植物園にバラをめでに出かけていたはずですが、それができませんでした。不要不急の外出をひかえる大型連休だったので、写真ばかり撮る毎日でした。


 近所の緑地では、クリムゾンクローバーとフラックス・フラワーが一気に咲きそろいました。






緑にかこまれているおかげで、外出自粛のストレスはあまり感じません。ミツバチや蝶が遊びにきてくれますし・・・







しかし花々が多いあまり、招かれざるお客様にも、しばしば遭遇。



このヘビとは、一悶着ありました。木の枝にかけてあったシジュウカラの巣箱に侵入するところにでくわし、なんとか阻止したのです。







一方、敷地内にある室外機の上に、何年も放置してあった別の巣箱でシジュウカラが産卵しました。「こんなところで抱卵するの?」と思いつつ見守ってましたが、ある日チラッと覗いてみると、巣穴から4つほど見えていたタマゴがない!!! 親鳥も帰ってこなくなっていたので、巣箱をそっと持ち上げると、アオダイショウの子ヘビ(?)がおなかをふくらませて休んでいたのです。シッポをそっとつかんで、ミミズ箱のあたりに移動してもらいましたが、翌日また室外機の上で休んでいたので、巣箱を安全な場所に移動させて、子ヘビのことは、もうそっとしておくことにしました。









さて冬の間は、ほんの2〜3時間しか直射日光が当たらない場所で、バラを育てています。

だから「 バラが好き! でもいまいち育たない!!!  手をかけてる割に育たない!!! 」なんですよねぇ〜!!! 何年もそんな状態がつづき、「いっそHPSグロウランプ400Wを防水仕様にして、バラに照らしてみようか・・・でも、まぶしすぎてご近所迷惑だよなぁ・・・」

そんなときに見つけた情報が「アフリカのケニアは、標高が高く日照時間が長いので、コーヒーもバラも、高品質に非常によく育つ。」でした。たしかにケニアのコーヒーは、抗酸化成分が多く健康に良いし、味も大変良いということで、今世界的に注目されています。

「たとえ弱い光でも、ほんの数時間でも光をあてれば、半日陰のバラたちは変わるかもしれない!」と思いつき、昨年秋からソーラーLEDスポットライトで、バラたちを照らしています。








日が暮れると、ソーラーLEDスポットライトが点灯しはじめて、こんな景色になります。光合成効率を思えば、白色LEDがよいのかもしれませんが、なんとなく雰囲気がでないので、電球色LEDをチョイスしました。
天気の良い日は、3時間ほど点灯しフェードアウトしていきますが、曇りや雨が続くとあまり強く光りません。






ちなみに12色の光がでるRGBタイプは、好みの光の色に設定してもすぐリセットされて、いつのまにか12色の光が照射されてしまい、昭和のデスコ状態となるので、それが好きでない場合は、電球色(3K)や昼白色(4K)など単色を選びましょう。






ソーラーLEDポットライトを利用した補光栽培の効果ですが、なかなか良い感じです。ほぼ1日、半日陰の場所にある、2年目苗のバビロンローズと、3年目のレディオブシャーロットは・・・





頂芽優勢なバラは、ほっとくと一番高く伸びた茎にばかり栄養が送られてしまうので、あえて根元の近くにソーラーLEDライトの光が当たるようにしています。






黒点病の殺菌以外は、無農薬で育てているため、ツボミが上がりはじめると、いつも葉バチに食い荒らされて葉数がへってしまいます。かといってバラ科はチッ素肥料に敏感なので、液体のハイドロポック用肥料を与えてしまうとホルモンバランスが崩れて開花を妨げてしまいます。
「体力をつけさせて、光合成効率をUPさせたいなら、マグネシウム、リンカリ、そして光吸収したあと同化がはやいアミノ酸だ!!!」ということで、週に二回のペースでAdvanced Amino +Advanced PKのコンビネーション、Advanced Amino +Advanced silicaを葉面スプレーしてみると・・・






ブラインドが多発して、芽を摘みまくった半日陰のピエールドロンサールから、新芽が次々と勢いよくあがりはじめました。 






昨年、切り花から挿木繁殖させたケニアローズにも、ツボミがつきはじめました。
Advanced Aminoは、吸収性が非常に高いアミノ酸なので、無機チッ素で与えた時のように、植物が同化するために糖分やミネラルを消耗させることなく、すばやく細胞やエネルギーに同化させることができます。Advanced Aminoは、バラ以外でもとにかく反応が早く、幼苗や挿木の根の生長促進だけでなく、開花からは光合成量を増やす効果があります。なので、建物が密集するベッドタウンなど、半日陰のあまりよくない条件で、バラやネイティブ・プランツなど日当たりを好む植物を育てたいときは、とても強い味方になります。





Advanced PKは、リン酸とカリウムなので花芽を増やし、鮮やかに大きな花を咲かせる効果があり、Advanced silicaは、ストレス耐性を強化させて、病害虫だけでなく多湿、乾燥から葉っぱの健康を守ります。PK肥料とシリカは結合しやすいので、葉面スプレーでは、Advanced PK と Advanced silicaを一緒に混ぜないで、数日あけて交互にスプレーしていくと効果がよくわかります。 日没ちかくか曇りの日に、葉っぱの裏側を中心にAdvanced Aminoと一緒にスプレーしてください。植物は、根っこからも葉うらからも、アミノ酸を好んで吸収しようとするので、一緒に与えたリン酸やカリウム、シリカも効率よく吸収してくれます。

*光合成をしない花びらには、葉面スプレーはいっさいNGデス。


宝石をまとったように、美しい雨あがりのバラたちです。







ソーラーLEDスポットライトとAdvanced Aminoたちの葉面スプレーをつづけているキング・プロテアも順調に育っています。








仕事場では、つるバラ「ラレーヌ・ヴィクトリア」が、咲きそろいました。







驚いたのは、ホワイトセージのすさまじい生長ぶりです。
高温多湿で蒸れると、すぐ根腐れするサルビアやセージは、ひとつのポットで1株を大切に大きく育てるよりも、密植したほうがよく育つことがよくわかりました。






ということで、花々と野の生き物たちと猫どものおかげて、ちっとも退屈することなく、オウチ時間を楽しむことができた大型連休でした。











2020年4月28日火曜日

たのしく復習!? “The Basics of Hydroponics〜 培地編 その4〜”

培地について〜腐植した植物繊維でできた有機培地編〜

その2 : ソイルレス・ポッティングミックス(ピートモス主体の培土) 





ソイルレス・ポッティングミックスである「 キャナ テラ・プロフェッショナル 」とは、植物由来の泥炭であるピートモスを主体にミックスした培養土のことですが、ピートモスについてもこれまで幾度となく説明してきたことがありますので、リンクでご紹介します。

  1. ピート? ピートモス? その1とその2
    https://desktopfarmer.blogspot.com/2011/05/1.html

    https://desktopfarmer.blogspot.com/2011/06/2.html
  2. CANNA TERRAのオフィシャル動画の日本語字幕バージョン

《 キャナ テラ・ヴェガと生長期 について》


《 キャナ テラ・フローレスと開花期〜収穫期について 》








CANNA TERRA Professionalのメリットをサクッとご紹介


クリーンで栄養価の高い果菜類が、多収穫できるキャナ・テラ プロフェッショナル


酸性で無酸素状態のピート層には、そもそも病害菌が住み着けないので、とてもクリーンです。そして、ピート層から採掘したピートモスにカルシウムを加えてpH値を弱酸性にするため、キャナ・テラにはすでに約半年分のカルシウムが補われています。

複合肥料でネックとなるカルシウムを配合する必要がなくなるので、キャナ・テラの肥料はワンパートですむのです。


最高品質のポッティング・ミックスであるキャナ・テラのピートモスは、水苔(スパグナム属)のみが堆積した泥炭層から、ブロックカット法で採掘された長繊維質の最高グレードのガーデンピートのみを使用しています。平均的なポッティング・ミックスよりも長期間、保水性、保肥性、通気性を高いまま保つことができます。









ハイドロポニックにはないメリットで、勝手においしく育つキャナ・テラ プロフェッショナル

  1. 「炭素は肥料!!!」
    燃料としても使われるピートモスは炭素を多く含みます。ロックウールなどハイドロポニック用の培地とちがい、植物は培土から炭素を吸収することができます。植物の体をつくるタンパク質の約50%は炭素(C)なので、キャナ・テラで育つ植物は、空気中の二酸化炭素以外にも、キャナ・テラ培土からも炭素を豊富に得ることができます。
    炭素が豊富ならばチッソ過多にならないので、がっしりとコンパクトで丈夫に、さらに果実の糖度が高まります。
  2. 水溶性の腐植酸が、野菜の栄養価を高める
    抗酸化作用が高い腐植酸は、美容や健康食品の業界でも高い注目を集めています。
    キャナ・テラ培土で育てると、腐植酸の含有量が高い高機能で付加価値の高い野菜を手軽に育てることができます。この点も、ハイドロポニック栽培にはないメリットです。

CANNA TERRA Professional のデメリット?


湿地帯のピート・ボグには、大量のCO2が貯蔵されているうえ、生態系の宝庫といわれるほど数多くの種類の動植物が生息しているので、ピートモスを採掘しすぎることは、大気中のCO2を増加させ、湿地帯の貴重な生態系を破壊してしまうことが指摘されています。





近年の異常気象、山火事の多発、酷暑や台風被害を思えば、あらゆる天然資源の過剰な採掘、伐採、乱獲は、思っていたよりもすぐさま人々の生活を脅かすことを身にしみて感じています。一方で、農業や園芸で消費されるピートモスの年間使用量は、新たに堆積するピート層の量よりも少ないという調査結果も出されてます。問題は、燃料用に採掘されるピートモスの消費量だとのことです :


CANNA TERRA Professional栽培のポイント




  1. キャナ・テラ培土には、保水性と保肥性があります。そして、養液土耕栽培にカテゴライズされます。そのため「再循環システム」や「DWCシステム」のような、培養液を再循環させるハイドロポニックの栽培システムには向かない培土です。キャナ・ココ培地とおなじく、Run-to-Wasteといった掛け流し式の栽培方法のみが可能です。
  2. 有機培地である キャナ・テラ培土 にはpHの緩衝作用があるため、ハイドロポニックほど、培養液のpH値に神経をとがらせる必要はありません。
    しかし、
    キャナ・テラ培土専用肥料のテラ・ヴェガとテラ・フローレスを多めに与える場合、培養液のpH値が下がりすぎてしまうので、クリスタル・アップのようなpHを上げる活力剤などで5.8に調整してから与えます。

    オーガニック肥料であるバイオ・ヴェガとバイオ・フローレス
    キャナ・テラ培土で使うことができますが、こらちはpH調整の必要はありません。
  3. キャナ・テラ培土でも、水の与え過ぎは根の生長を妨げます。生長期は、やや乾かし気味で管理し、開花期以降には少しずつ水やりを多くしていきます。
    ピートモスは、カラカラに乾かしてしまうと固くなりすぎてしまうので、目安としては与えた水を50%吸収したときに水やりをします。水やり前と水やり後の重さを測っておくと、与えた水の重量を簡単に知ることができます。
  4. PK肥料の与え過ぎに気をつけましょう。キャナ・テラ培土の主体であるピートモスには、カルシウムがふくまれています。カルシウムはリン酸と結合しやすいため、PK肥料を与えすぎると、根が吸収できないリン酸カルシウムに変わってしまい、カルシウム不足になってしまいます。また、培土のEC濃度が上がり根が傷みやすくなってもしまいます。
    植物に肥料過剰などの症状が出てしまったら、水、または肥料を加えず活力剤のみの培養液でよく洗い流し、それ以降しばらくは、薄めの肥料培養液で管理します。
  5. レタスなど葉もの野菜や、穀類などの一斉に収穫する場合は、好みによって収穫前にキャナ・テラ培土をフラッシングすることができます。収穫の1〜2週間前にポットの底から排水される水のEC値が、水道水とおなじくらい低くなるまで、キャナ・テラ培土をジャージャーと洗い流してください。
    フラッシングのときに根を傷めないために、水温が15℃以下、30℃以上の極端な冷水、温水は使わないようしてください。
  6. ピートモスを主体としたキャナ・テラ培土は、再利用には向きません。しかし、お庭の菜園スペースや土壌の表面にまくと、土壌改良に役立つほか菜園で育つ花や野菜のCO2源にもなります。