2011年1月14日金曜日

ココ栽培のTomatoeたち

今朝のトマトたち、葉先から葉つゆがでていました。


葉つゆは、葉っぱにある「水孔/すいこう」という水の出口からでてくる水分です。

酸素やCO2を出し入れしてるのは、葉っぱの「気孔/きこう」で、気孔は口を開けたり閉じたりできるんですが、水孔は、開きっぱなしだそうです。









んで、光合成運動をしない夜間は、葉っぱでは酸素を吸ってCO2をだす「酸素呼吸」と根っこで水分を吸ってるんだそうです。根っこが元気で、夜の間せっせと働いてると、朝には水太り的になってしまうので、葉っぱの水孔から水分をペッッッと吐き出したのが「朝つゆ/葉つゆ」になるんだそーです。

なので葉つゆが出てるかどうかは、根っこが元気か? の目安になるんですよー。

そして、この葉つゆから肥料濃度がベストかどうか? も分かっちゃったりします。朝、葉つゆが出て乾いたあと、葉っぱのフチが茶色く焼けてしまうようなら「おいおい、肥料濃度が濃すぎるぞ〜っ」ていうサインです。

イチゴなんかは、ほんとにこれが分かりやすいです。もうゾンブンに働いて古くなった葉っぱが茶色くなってくるのは「老化」で自然なことですが、新芽から広がったピッチピチの葉っぱのフチが茶色く変色してたら培地のEC値が濃くなってるってことなので、培養液なら薄めのEC値にしてあげたり、ココ培地や培養土なら、ウス〜くした培養液か、根の活力剤で洗い流したほうがベターで、そのまま放置プレイはデンジャラスです。

















ちなみに、根っこの強さってのは植物によって違うんですが、根っこの強さの目安のひとつが「EC耐性」なんて言われてます。さんざんっぱら「EC値」なんて書いてきたので、イマサラ感がありますが、EC値ってのは、いろいろな解釈がありますが、ズバリで言えば「塩基濃度」のことで、水耕栽培でいえば「水に溶かした肥料の濃さ」・・・です。

市販のホビー用水耕栽培の肥料は、「水で何倍に薄めるか = EC値をチェンジする」ことで、ありとあらゆる植物に「希釈率で対応してください」というタイプがほとんどです。ホントはヤサイごとにベストな肥料成分のバランスってのはあるんですけど、例えば、一口にトマトと言っても品種によってベストなEC値はちがいますし、生産者さんによって独自の肥料成分バランスのレシピ的なものもあって、ベリーベリーベストな比率ってのは星の数ほどにもなろうかと思うので、「まぁ、根っこは、ある程度自分で選んで吸ってくれるからね!!!」なので、市販の水耕栽培肥料でEC値とpH値を種類ごとに合わせてあげて、あとは温度や湿度や光量などでホトンドのヤサイや植物はカバーできます。

そして、根っこの強さにハナシはもどりますが、

トマトは根っこが丈夫なタチです。

イチゴは根っこが丈夫でないタチです。


なのでトマトはEC値を高めにしても、わりとヘッチャラで、イチゴはEC値が高すぎるとイッパツOUT!なことが多いです。






植物ごとの適正なEC値は、またいつか・・・。
そして、「動物は歯が命!」ならば「植物は根が命!」とも言えます。どんな植物でも根っこを丈夫で元気に維持するコツはいろいろあるんですが、強い肥料EC値に負けない根っこにするコツのひとつは「光合成運動をいっぱいさせて、糖分をいっぱい作ってもらって、水と肥料をいっぱい吸える根っこにする」なんだそうです。

つまり「糖分がいっぱいある根っこは、浸透圧が高いから吸収する力が強くなるんだぞ〜」ってことのようです。これって肥料焼けと逆の発想で、肥料焼けは、高いEC値の培養液で根っこがヤケてしまうことですが、例えば「キュウリの塩もみ」とおんなじです。キュウリをアラ塩でもむとキュウリの水分が逆流してジワジワとしみでてきますが、それが根っこで起きちまうのが「肥料焼け」です。
なので、糖分が多くて浸透圧が高くなってる根っこは、肥料焼けに強くて水もガシガシ吸える強い根っこ!ってことなんだそうです。

あ〜、どおりで有機活力剤には糖分が入ってるものが多いんですね〜っ!  でも、もし活力剤がなくても葉っぱが光合成をいっぱいしてれば、植物は自分で糖分をちゃんと作ってますし、なにより根っこにムリさせないためには、肥料濃度を必要以上に濃くしないのがイチバンですよね〜!!!

2011年1月13日木曜日

一番果のイチゴたち、色づきました

今シーズンのイチゴたち、やっと一番果が色づいてきました。
もうちょっと玉伸びしてくれたほうが、うれしかったりしますが、とにかく寒すぎなので、培養液の水温は20℃くらにいしてから、あげてます。














ワタシにとってイチゴは・・・なんど育てても「わお上出来!!!」ということのない、むづかしい植物です。とくに、イチゴの花が咲いてから、とぉぉぉぉ〜にかく肥料濃度とチッ素のやりすぎに気を使います。

イチゴとココ培地はホントに相性がいいんですが、それでも、秋に短日処理をして開花期モードに入れたら、水耕栽培用肥料のチッ素が少ない開花期の肥料レシピを、これまた2倍に薄くしてあげないと、すぐに肥料焼けを起こします。かといって、チッ素をあげすぎなくても実が大きくならなかったりして、アミノ酸入りの有機活力剤が欠かせなかったりします。

ようやく花が咲いて、実が結実したら、すこぉぉぉ〜しずつ肥料濃度を濃くしていくんですが、新しい葉っぱのフチが少しでも茶色くなったり、イジケタたりしたら、レシピを4倍に薄めた培養液か、微量要素だけの活力剤でつくった培養液でココ培地を洗い流したりしてます。いつかの年には、葉っぱがいじけたままココ培地を洗い流さず、肥料タップシの培養液をあげつづけていたら、翌年までイチゴの実が拝めませんでした。

今トマトも育ててますが、根っこの丈夫な植物は、イチゴほど気むずかしくないのでホントラクチンに感じてしまいます。


朝の室温は13℃くらいしかありません。葉っぱも寝ちゃってます。イチゴはもともと春に実をつける植物なので、気温が高いほど、葉っぱがピーンッッと立って実もすぐに熟します。















グロウランプが点灯して数時間して、ようやく19℃くらいになりました。このくらい暖まると、ようやくイチゴの実のアマ〜い香りがしてきます。でも気温が低いほうが、じっくり登熟してオイシくなるので、ガマンガマンです。


こちらは、イナワラを根元にマルチングしたほうのイチゴです。














イナワラにはケイ酸とカルシウムが豊富だし、ユ〜ックリと分解されてくにつれ、CO2がでます。ちょうどCO2を吸う葉っぱの裏側にただよう感じになるはずです。
・・・でもまだ寒いので微生物も動きにくいし、イナワラの分解はさっぱり進んでません。


コチラは、マルチングなしてす。

ということで今のところは、マルチング有り・なしは、メキメキとした違いはございませんっ。












前回のトマトの植えかえの時、ついでにミニバラの「コーヒーオベーション」も、1年2ヶ月ぶりに植えかえました。ココ培地は、何度か再利用できるし、有機成分や微生物もよく効くのでバラやイチゴなんかのバラ科植物と、とお〜っっっても相性が良いんですが、さすがに植えこんでから1年以上経つと、微生物を入れてるせいもあってココ培地が細かく分解されすぎてきます。















ココ培地の分解が進みすぎて、細かくなると目詰まりして空気が少なくなりすぎて根っこが酸欠になっちゃったりするので、バラなどの宿根草は1年に一度は新しいココ培地に植えかえたほうがいいみたいです。
例えばムシ暑い真夏の間、バラたちには野外に避難してもらってるんですが、秋になって室内に入れる時、ココ培地には虫が冬越えのタマゴを産んでくれちゃったりしてるので、このタイミングで古いココ培地をすっかり落として、新しいココ培地に更新してあげるといいかもしれません。

(トマトや葉もの野菜なんかの一年草タイプは、1年以上植えっぱなしということがないと思うので、大きなポットに植えかえることはあっても、ココ培地をマルマルすっかり新しく更新する必要はないと思います。)

2011年1月11日火曜日

ココ栽培のトマト植えかえ

これでもか! というほど冷え込む日がつづく今日この頃ですが、このコには関係ないみたいです。寒中水泳を楽しむワンコを見かけました。














そして今年もそろそろ梅の花が咲きはじめました。早春を告げる梅の花です。















去年のすえに、ついタネを蒔いてしまったトマトたちです。寒すぎて葉っぱが赤紫色になってました。赤紫になるのは「アントシアン」という色素が出るからで、典型的な低温障害の症状です。ちっちゃいグロウボックスに入れて温度を保つようにしてあげたら、やっとアントシアンがでなくなって、葉っぱがノビノビとしてきました。新月もすぎたばかりだし、植えかえをしました。















閉め切ったセマいスペースなら、蛍光灯の熱で温度があたたかく保てるので冬はGoodですが、ランプ点灯後にトマトたちが光合成をはじめると、CO2が激減してしまうので、かならず外気をいれてあげてます。これはビニールハウスなんかでも同じだそうで、太陽がのぼったら換気窓を開けて外気を入れたり、炭酸ガス施肥をはじめるんだそうです。
酸素呼吸してる動物のワタシはつい忘れガチになるんですが、光合成してる植物にとってCO2はゴハンなんですよねー。














植えかえたあとのトマトたちです。














去年の冬には、エアルーム品種のグリーンゼブラやタィニーティムを循環式の水耕栽培システムで育てていましたが、今年はココ培地の養液栽培で育ててみます。なぜなら・・・「今年は、とにかくアマくって、チョーウマいトマトが食べたくて仕方ないから」です。

2011年1月7日金曜日

米国のFSMA キレイはキタナい・キタナいはキレイ?

米国で、さまざまざまな物議を呼んでいた「S.510 FSMA(the Food Safety and Modernization Act 食品安全近代化法案)」でしたが、新年が明けてそうそうの1月4日午後、オバマ大統領がサインしなすって立法化されたそうです。

「FSMA 食品安全近代化法案」ってのは、あくまでも米国でのおハナシなんですが、衛生管理がキチンとしてない農場や製造工場が生産する食品が汚染されて、食中毒になる米国人は毎日20万人、年間で7600万人。2006年には、大腸菌に汚染されたホウレンソウが原因で5人が亡くなったそうです。もしも出荷した食品にトラブルが起きても、リコールするかどうかは任意だったんだそうです。そして食品安全法は1833年にルーズベルト大統領が制定以来、なんの改正もされてないのが問題なんじゃあないか! という運びになったようで・・・。

そんなこんなで、農産物や畜産物のトレーサビリティーを徹底したり、食品を生産・製造・加工・流通・輸入するすべての企業の施設や酪農生産者に食品の安全管理の責任を果たしてもらうために、決してお安くはない検査費用を負担してもらったりする必要があるんだそうです。そして万が一,出荷した食品に問題が見つかったら、管轄のFDA(Food and Drug Administration=米国食品医薬品局)が出荷元に強制的に回収させることができたり懲罰を課したりすることができる法律なんだそうです。

当初、この法律が提案されたときは、農産・畜産の品種改良から種子の保持、はたまた生産まで大企業なファクトリーファームしかやっちゃイカン!!!ということもありえる内容だったらしく、当然たあっっっくさんの米国国民が大反発だったみたいです。「政府と大企業が食べ物の利権を占領して、国民を家畜みたいにする気だな!」ってえわけです。
なので、自然栽培や有機栽培の生産農家さんや、家畜をオリにギュウギュウに詰め込んだりせず自然に放牧させてる良心的な酪農家さんたちが、根気よく問題点を提起して廃案にしようと奮闘なさっていたら、去年の暮れに大幅に内容が修正されたFSMAが、ウッカリ議院を通過して、新年早々オバマ大統領がサインなさって立法化されたという流れのようです。

そして「Dark Side of FSMA」食品安全近代化法案の闇の部分といわれていた小規模農家さんなどへの莫大な費用や手続きの負担などなどですが、一応大幅に修正されています。例えば、450Kmの範囲内でしか農産物を販売しないか、年商がだいたい4200万円以下の農業生産者さんにはFSMAが適用されないようです。

あと、ローカルなファーマーズ・マーケットで農産物をダイレクトにお客さんに販売するオーガニックファーマーさんとかにも適用されないそうで。つまりは大企業のファクトリーファームがメインターゲットですよ、あるていどの規模の酪農地をもったトコロでなければ、種子を蒔いても保持してても罰金なんかありませんよー誤解ですよーっっってことらしいです。(表面上だけかもしれませんが)

とはいうものの、FSMAに掛かる予算は$1.4億・・・およそ116億円だそうで、このコストは,タブンまるっと消費者の負担になることになりそうだそうで「無菌である」ことを証明するために、食材がお高くつくことになりそうです。




2011年1月5日水曜日

「 8 」ではじまる2011

あけまして おめでとうございます


ワタシの住む川崎では今年のお正月も、昨年同様に快晴つづきでした。
しかし、山陰地方や、はたまたヨーロッパでは豪雪で、新年早々大雪に見舞われたみなさんは、本当に大変だったと思います。お見舞い申しあげます。

さて、初詣の帰りに見つけた野良な「八手=ヤツデ」の花です。八手の葉っぱは、そのカタチから天狗のウチワとして有名です。

「8」という数字が名につく「八手」は「はっしゅ」とも読むそうで、

財が発する数字
とされる「8」、
ウチワのような葉っぱから「千客万来」などなど縁起がよい木とされ、

玄関先などによく植えられるそうです。








「8」という数字は風水的にも金運がいいらしく、毎月の8日にお金を引きだしたり入金したりすると金運があがるそうです。そして今年は飛躍の卯年なので、株式市場では「株価が上がる年」とのことで、景気のよい年になるといいですね。

今日は旧暦で「小寒」。小寒から2月始めの「節分」までが1年でイチバン寒い時期だそうです。道路ワキのフェンスに巻きついていた「アサガオのタネ」も、じ〜っと春を待ちかまえていました。














・・・ということで、末広がりの「八手の花」とともに、このブログを見に来てくださった皆様の、2011年のご多幸を無限大にお祈りしておりま〜す!!!

2010年12月29日水曜日

真冬でも芽生えます「アーバン・ガーデン」

家のなかに畑をつくってしまう「室内アーバン・ガーデニング」は、なにげに真冬が絶好調だったりします。ストーブやファンヒーターで暖まったうえにCO2濃度も高くなっちまうお部屋のなかでなら、トマトもタネから育てられます・・・とかいって、最近無性にトマトが育ててみたくなってタネを蒔いた言い訳です。

発芽からだと、寒すぎて生長がやたら遅いので、
できれば夏のトマトの苗から挿し木をとっておくのが
正解だったと思います。

でも、もう蒔いちまったし、発芽もしちゃったんだから仕方ありません。









すっかり古くなったタネから、なんとか芽生えてくれた松です。さっき1ヶ月前に撮った写真を見つけましたが、様子がおなじでした。














リセットした「イセヒカリ」です。加温しないとウンともスンとも伸びません。結局、家でヨーグルトをつくるために買い込んだヒートマットなんかを引っぱりだすことになります。
「素直に春を待ったほうが早いんじゃないのかい?」なんてことも思わなくもないです。
が、冬は温度さえ低くなりすぎないように気をつければ、病気も虫も少ないし、水ヤリも忙しくないし、ノンビリとおいしく育てられるし、苗も売ってないので、途中で別のヤサイに目移りすることなく、ジックリ育てる気になれます。














・・・ということで、室内で植物を育てれば真冬でも芽が出たり花が咲いたり・・・














イチゴの実も、ムクムクと大きくなってくれます。ハダニとアブラムシもイチゴの実と同じくらい増えてくれてますが・・・食べる時に洗っちゃえばいいんだ! と自分に言い聞かせてます。














さてさて、もういくつも寝なくてもお正月です。


水耕栽培やココ栽培などの養液栽培は、培養液で必須肥料養分をあげるので、畑とちがって土の診断も必要ないし、むずかしい肥料の過不足判断の知識がなくても、ヤサイがちゃんと育っちゃうシキイの低さが魅力です・・・が、それでも、いろんな植物を育てれば育てるほど「 なんにも分かってなかったことが、よく分かりました! 」のくり返しなので、来年も植物からいろんなことを教えてもらおうと思います〜。

それでは、アーバンガーデナーの皆様も、よいおトシを〜!!!

2010年12月27日月曜日

雑草というなかれ

週末は、ピリッと冷え込む日が続きましたが、近所の公園のオリーヴの木には、たわわわにオリーヴの実がなっていました。実のほとんどは完熟して、地面に落ちていました。














オリーヴの木は実をつけるまでが、ナカナカ大変そうですが、枝ぶりや葉っぱの見た目が南仏っぽくてオサレなので、引っ越し祝い、新築祝い、そして開店のお祝いにプレゼントすると喜ばれますよね。










年末になると、毎年花を咲かせる

「水仙」です。

「すいせん」と「すいれん」、種類はまったくちがいますが、どっちがどっちの名前だったか、よく混乱します。









水仙のようにタフな球根系植物は、植えっぱなしで毎年きちんと咲いてくれて「ほったらかしOK」の、ラクチン植物です。














緑肥 + 雑草防止に、窓から投げ捨てるように種を蒔いた「ヘアリーベッチ」です。
まさに「キング オブ ほったらかしOK植物」。種を蒔けばぴたりと発芽、そしてこの繁殖力は、期待をうらぎりません。














ヘアリーベッチはカラスノエンドウにソックリなマメ科植物で、空気中のチッ素を固定してくれる「根粒菌」もよく住みつくためチッ素肥料をたくさん使わなくて済むので、不耕起栽培の畑や田んぼでも人気です。














ヘアリーベッチは、根っこからアレロパシー的なものを出して、ほかの雑草の繁殖を抑えてくれるはずなんですが、ヘアリーベッチのどまなんかで、ナニくわぬ顔でスクスク生えている「ホトケノザ」です。やっぱり植物どうしの相性ってあるんでしょうか?