2011年2月10日木曜日

ココヤシ培地のプチ実験〜その2〜

ココ培地が、栽培用培地としてバラの生産に使われはじめたのは1980年代ころからで、わりと最近のこと。
それからさらに、ヤシガラにたくさん含まれてる塩分やカリウムと、生長阻害物質をクレンジングして、どんなヤサイでもトラブルなく育てられるような信頼度のたかい養液栽培培地へと生まれ変われるようになったのは1990年代なんだそうです。

ちなみにハイドロポニックスでいっちばんメジャーな培地、ロックウール栽培が始まったのは1960年代だそうでっす。

英語では「Coco Substrate」とか「Coco Media」と呼ばれてます。

さらにココ培地のバックリとした種類は2つあって、ココの繊維メインでつくられてるものが「Coco Slab」、ヤシガラを細かく粉砕したものが「Coco Coir」です。
Coco Slab(ココ・スラブ)ってほうは、ホウキの穂先のようなゴワゴワしたヤシガラの繊維を、そのなの通り「スラブ(厚板)状」にしてバッグに入れて売られていて、空気をいっぱい含めて、保水性と保肥性があんましありません。
Coco Coir(ココ・コイヤー)は、細かく粉砕されたヤシガラなので保水性と保肥性が高めです。

そして、ココ培地が日本ですこしずつ知られるようになったのは、さらに最近のことなので「ココ、ココヤシ、ココピート、ヤシガラ、ヤシガラピート」などなど、いろんな名前で流通してます。
ココ培地で養液栽培するのは、カンタンです。水耕用の肥料レシピで培養液をあげて、ココ培地が乾いたら、培養液をあげる、だけです。それだけでビギナーのガーデナーでも、培養液だけの水耕栽培よりも、糖度や味,風味がよくなるので、欧米で人気が急上昇しました。

それはそうなんですが、ココ培地のクセをキチッと知れば知るほど、ココ栽培がさらにタノシくなるのはマチガイなくって、例えば、ココ栽培で気をつけることのマストなトップ項目が「 きっちり塩ぬき・アクぬきをしてある 」なんです。

さらにふみこむと、「粒の大きさ」から「繊維質がどれだけ多く含まれてるか」「滅菌の方法」「腐植がどれだけ進んでるか」のチガイで、保水性とか保肥性なんかの差が出てくるので、肥料の濃さや水やりの回数まで、ベストな管理が変わってきたりもします。

ただ、ココ栽培で共通して気をつけることは「ココ培地では、培養液の循環はNG! ワンウェイ方式で、一度あげた培養液は捨てる!!!」でっす。

・・・そして、「 ハイドロポニックス用のココ培地 」という前提で、一歩ふみこんだ栽培管理方法のポイントとは?














今回プチ実験に使ったのは、未使用の「 CANNA COCO培地」です。これはココ・コイヤーのタイプで、モチロン塩分・カリウムをクレンジングして、さらに特殊発酵させて生長を阻害する成分や病害菌に消えてもらってます。

そしてズバリ! 今回の実験結果は!!!

液相率 = 67%
個相率 = 6.7%
気相率 = 27%
比重 = 0.81

でした。(一度しか計ってないので、とてもバックリした数値です。メーカー保証の数値じゃありません。)



ちなみに、園芸用土を使った培養土や畑など土壌の理想的な三相分布は・・・

液相率 = 30% 固相率 = 40% 気相率 = 30% 比重 = 1

だそうですが、養液栽培の培地とはナニカと条件がちがうので、ココ培地の場合は「気相率と液相率」、言いかえると、「ココ培地には、どれだけスキマがあるのかな?」に注目しました。

そして、今回わかったことは、「ココ培地は、水分をタップシ含めるから経済的で、空気もバッチシキープできるから、根っこがよく張って、ゲンキでオイシく育つ培地なんだね〜」です。

つまり、保水性が高いから水耕よりも培養液が少なめですむし、酸素も豊富だから根毛もよく伸びてミネラルが効いてチッ素が消化しやすくなって病気に強くなってオマケに果実が大きくオイシくなれる要素が大きいっちゅ〜ことです。
(ちなみに、比重・・・つまり培地の密度は「1」くらいがイチバン根っこの張りがよくって安定感があるそうです。「比重1」の土は、ほどよく湿った状態で100mlの重さが100gになります。ココ培地の比重は「0.81」と、ちょっと軽めですが、使っているうちに少しずつ圧縮気味になっていくので、理想の範囲だと思います。)

 そして培地の気相率が分かったら、次はナニに注目したらいいのかっていうと・・・

ズバリ!「湿度」です。


ちなみに温度と光量は、その植物にベストな設定になってるという前提です。








トマトだと日中の温度が20℃〜27℃、光量は4万〜6万ルクス、
イチゴだと18〜25℃、2万〜4万ルクスだと言われてます。















ということで、次回は「気相率が分かったら、湿度に気をつかうと、タノシくなるよ・・・」です。

2011年2月9日水曜日

ココヤシ培地のプチ実験〜その1〜

水耕栽培と土壌栽培・・・そのまんなかのメリットを活かせるのが「ココヤシやピートなんかの有機培地をつかった養液栽培」かと思います。ココ栽培のメリットは、水耕栽培の培養液をそのままあげられるし、有機質の培地なので根っこがパワフルに育ちます。しかも水耕栽培と同じか、それ以上に早く丈夫に植物が育つっていわれてます。
なので、はじめてココ栽培にトライするヒトでも、水耕と同じくらいカンタンに植物が育てられるんですね〜。でも、ココ栽培のポイントを押さえれば、もっとさらに育てるのがカンタン・タノシくなるはずです。

その「ココ培地」ってなんなんのさ? については、過去にガンバって書いたことが何度かありますので、そちらでドーゾ。


ということで、ココ培地についてカンタンな実験をやってみました〜。今回は、「ココ培地の三相分布」についてです。


「三相分布」ってのは、カンタンに言えば「土壌や固形の培地に、どんだけ空気・水・固まり・・・つまりスキマがあるのかな?」というもので、「気相率・液相率・個相率」なんつ〜数字で表します。

土壌の三相分布がとっても大事な理由は、果てしなく根っこに影響があるからでっす。

それによって、肥料の吸収から水の乾きぐあいまでが左右されるので、結果的に植物の生長から作物の量からデキまで、大きく大きく影響していく要素のひとつです。

ところが、培養液で育てる水耕栽培だと酸素も水分もゾンブンに与えられるので、「三相分布」なんちゅ〜もんを気にする必要がほとんどなかったんですが、有機質の「ココヤシ培地」では、チョッピリ気にしてみることにしました。

そしたら、「気相率・液相率・個相率」は、わりとカンタンに自分で調べることができるようなので、さっそくトライしてみました〜!!!

STEP : 1

まずは、水やりをして底から滴らなくなった状態の「ココ培地」を

キッチリ100ml分とって、重さを量ります。

ビーカーの重さ141gを抜かすのを忘れてたので
222g-141gでココ培地100mlの重さは81gでした。

やっぱし土より軽いです。







STEP : 2
つ〜ぎ〜に〜、

熱したフライパンで、ココ培地の水分をとばします。
ひたすら「オカラ」を煎る時と同じです。

ちなみに、ココ培地を煎っていくと、ほのかにココナッツの甘〜いネットリした香りがしてきました。

あ〜! 南国の海にいきた〜い!!!







STEP : 3
ココ培地の水分が飛んで、カラッカラになりました。















STEP : 4
乾かしたココ培地の重さを

計ります。

14グラムでした。













さてさて、次回につづきます。

2011年2月7日月曜日

春も虫も、イロイロ動いてます。

関東は、とても暖かな週末でした。今年はじめてダウンジャケットなしで歩けました。

陽気につられてお散歩するヒトたちのほとんどが、近所の梅林を通りかかると足を止めます。

「梅がさいてるよ〜」と、笑顔になります。

キツい坂をのぼった丘のうえにあるこの梅は、駅周辺にあるおウチの庭木の梅よりも、咲くのがちょっと遅いので、

この梅が開きだすと、ほんとに春が近いんだな〜と思います。








あと数週間もすれば、ウグイスが鳴きはじめるころでしょうか?
このあたりに住み着いてるウグイスのうち、あんまし歌がうまくないのがヒトリいます。それでも毎年すこしづつ上達してきてるように感じます。










ウチのハニーサックルです。

新芽が動きだしました。

あの華やかな香りがただよう日が待ち遠しいです。








今朝、冬越えのテントウムシを見つけました。

アブラムシだらけのホワイトセージに、シレッと引っ越ししてもらいましたが瞬く間にいなくなりました。

メイワクだったみたいです。






それでも未練たらしく、ホワイトセージのすみずみまでテントウムシを探していると・・・

おおっっっ!

ぬわぁんと、セージのトップには、

「ヒラタアブ」の幼虫が!!!


お〜見事な食物連鎖!








このコは大量のアブラムシを食べてくれる益虫です。しかも、テントウムシと違ってアリンコなんか、ヘッチャラなので頼りがいのあるヤツなんです。


「無農薬でがんばってて、よかった!」と思えるのは、こんな瞬間です。

でも油断は禁物!

果物や野菜の温室栽培なんかも同じだそうですが、室内栽培だと温度が低くなりきらないので、害虫たちは動きがスロウなだけで、本格的に繁殖に適した気温になるのをじ〜っと待ってます。そして産卵期は「満月」が多いそうで、タマゴが孵化するのは満月からだいたい2〜3日がピークなんだそうです。

無農薬でガンバリたいので、今度の満月の直後には、グロウルームのカベやトレイなんかを一度しっかりとおソウジしようと、思っています。

2011年2月4日金曜日

ソレイユのイチゴたち

今日は「 立春 」です。午後の日差しには、だんだんとぬくもりが増してきたような気がする今日この頃です。

さてさて、横須賀の「ソレイユの丘」にある施設栽培のイチゴたちです。
立ったまま、ラクラク作業できる高床式栽培でした。




















ぶ〜ん・ぶ〜んとマルハナバチがセッセと受粉していました。合成ホルモンで受粉させるより果実のクオリティーがよくなるしコストも安く済むんだそうです。
そのかわりにハチたちのために薬剤はつかえなくなるので、病害虫の防除には天敵を利用することになるようです。





天敵防除ですが、小憎らしいハダニなんかは「カブリダニ」というダニが食べてくれますし、イラッとくる「アザミウマ」は「アカメガシワクダアザミウマ」という舌を噛みそうなアザミウマが利用されてるんだそうで。そしてアブラムシは、テントウムシやヒラタアブなんかがアリンコと格闘しながらも、補食してくれます。

ちなみに黄色いテントウムシの「キイロテントウ」は、あのヤッカイな「ウドンコ病」も食べてくれるんだそうです。小さい命たちも、食の安全を守るのに一役買ってくれてるんですね〜。

 施設内は、アマズッパイ香りでいっぱいでした。イチゴは「おウチで育てたい植物ナンバー10」に入ると思うんですが、大きな実をつけるのは、なかなかムズカしいですよね。




大きな大きなイチゴを実らせるには、まずは葉っぱを大きく大きくすることが必要なんだそうです。葉っぱが小さいと、どうしても実も大きく玉伸びしてくれないんだそうです。

イチゴの葉っぱを大きくするには、まずなによりも根っこをゲンキに保ったり、温度や湿度をベストに保ったりと条件はあるようなんですが、トマトやキュウリ・・・どんな植物の場合でも、どうやら「カルシウム」をキチッと効かせることが、コツなんだそうです。


去年はハダニやアブラムシ忌避のために、てっとりばやく葉っぱに「苦土石灰」なんかを撒いちまったこともありました。 そして、たしかにこまめに石灰を葉っぱに撒いてた去年のほうが、イチゴの葉っぱは大きくなってました・・・気がしますが品種も違うのでなんとも言い切れないところです。

・・・効かせるのがちょっぴしムズカしいけど、オイシく安全なヤサイを育てるのには欠かせない大事な大事な「カルシウム」については、また今度!

2011年2月3日木曜日

Romanesco Fields Forever!

今日の2月3日は「 節分 」ですね。しかも「 新月 」です。今朝は心なしか、風に春のニオイを感じました。
月暦・・・つまり太陰暦では、新月の今日が「 旧正月 」でっす。

なので今日は、なんだかとってもスペシャルな日のようです。そして、今年はいいこと・すごいことがたっっっくさん、起こりそうな予感がします。


さて、先日ドライブ中に、スンバらしい畑を見つけてしまいました。

おお・・・これは!!!

















サイケデリック野菜の「ロマネスコ」では、あ〜りませんか!!!













チョ〜レアな野菜のロマネスコが、

このあたりで生産されてるのは知ってましたが、

偶然見つけてしまって、かなりテンションが上がりました。












この野菜は「カリッコリー」とも呼ばれています。
「カリフラワー」と「ブロッコリー」を交配させてできたイタリア原産の品種です。「珊瑚礁」という名前でも種が売られています。
ブロッコリーやカリフラワーと同じく、ツボミがあつまった「花蕾=からい」を食べます。
なのでツボミが開くまえに収穫となります。


それにしても、いったい、どういう都合で、こんなツボミをつけることに決めたんでしょうか?














このらせん状にグルグルまわりながらフラクタル模様を「サンフラワー・スパイラル」というそうです。「サンフラワー = ヒマワリ」の真ん中の部分が、こんなフラクタルを形成してるので、そう呼ばれてるようです。
















・・・ほんと、ミラクル級にスゴい野菜だと思うんですが、ただひとつワタシが残念に思うことは、たまぁにスーパーで見つけてGETしても、ながめることがタノシすぎて、ついつい食べごろを逃してしまうことです。( しかもブロッコリーのアレルギー持ちなので、あんましガツガツ食べられません )














ということで、宇宙を感じる「ロマネスコ」を見るたびに、やっぱ植物ってスゴいな〜と思います。

2011年1月31日月曜日

ロックウール養液栽培のトマトたち

早いもので今日で1月も終わりです。待ちに待った春ももうすこし・・・
ウチのトマトとイチゴたちの収穫は、まだまだ先になりそうなので、横須賀の「ソレイユの丘」のグラスハウスで養液栽培されているトマトたちの収穫をタノシんできました。














毎週土日の午後1時から、穫りたてトマトの収穫体験&お買物ができます。トマトたちのオトナリは、イチゴたちの栽培エリアですが、こちらは人気が高いのでもちょっと早く到着して整理券をGETしたほうがヨサゲです。

たわわわにフサナリ状態のトマトたち。

完熟でパッツパツ、

食べごろのトマトたちが、あっちにこっちに!











収穫したトマトたちを持ち帰るのは、もちろんタダではないので、はじめは吟味しながら選んで穫ってましたが、最後のほうはもう歯止めが利きません。
アレもコレもと食べきれないほどのトマトを収穫しても1000円チョットでした。

とはいいつつも、職業病がでて、ついつい養液栽培のシステムをガン見してしまいました。

ロックウールベッドとロックウールポットを組み合わせたドリップ式養液栽培のようです。










培養液は、ドリップホルダーにつながれたゴムチューブを介してロックウールポットへ注がれます。幾度となく、こんな養液栽培システムでトマトなんかを育てたことはありますが、これがナン百株のシステムとなると、もう個人の手には負えません。















そして、天井部分は「ハイワイヤー」でプラントのトップを誘引する「長期長段栽培」とよばれる手法でした。














・・・ということで、おウチでハイドロ・ガーデンをしてる or したことのあるヒトなら、「ソレイユの丘」のグラスハウスは見応えがあるかもしれません。なにより、真冬の採れたてトマトは、風邪予防にもGoodでっす!!!

2011年1月28日金曜日

真冬のひなたぼっこ

ココ培地でそだてているイチゴたちは、ラストの一番果たちも色づきました。今朝、サッソク収穫しました。

「カレンベリー」というイチゴです。

昼メシのデザートに食べました。

やっぱ一番果だけあって、甘みと酸味と風味がサイコーでした。












クダモノトケイソウ・・・やっと色づいてきました。

結実してから、そろそろ半年。

いったいどんな味になっているのか???  

そもそも食べられるのかが、ナゾです。











ホワイトセージです。室内のグロウルームだと暖かいので、アブラムシやハダニが死なずに、ず〜っとはびこってしまいます。外で育ててるホワイセージは、室内栽培のプラントに比べて高さがまだ半分くらいですが、虫が一匹たりともついてなくって絶好調です。

なので最近では、室内栽培のホワイトセージも外気に当てて害虫たちには撤収してもらっています。














ところで、おウチでホワイトセージを育てるマニアック? なガーデナーたちが最近ふえてきてるようです。ワタシがホワイトセージを育てはじめたのは「 売られている乾燥ホワイトセージは、ちょっぴしお値段が高めなので・・・ 」という非常にわかりやすい理由でした。

でもいざ、育てたホワイトセージの横枝をカットして乾燥させて葉っぱを焚いてみても、カンジンの香りがイマイチ!!!なんですね〜。
「なにがイケナイんだろう?」と思い、イロイロ調べてみると、どうやら葉っぱをつかうハーブっちゅーのは「 ツボミがついてから、花が開いてしまう前 」がイチバン「精油」、つまり香りの成分が多くなるそうなんです。本場アメリカでは、ツボミがでてから花が開いてしまう前の夏から初秋にかけてホワイトセージは収穫されるそうです。

ん〜、なるほどっ。

で、セージの横枝を刈り取ったら、洗濯ネットや、木製のボックスやラタンなどのバスケットなど、湿気がたまらない容器に、セージの葉っぱどうしが重ならないように並べて1〜2週間日陰の風通しのよいところで乾燥させるそうです。
(いやいや天日干しがいい、オーブンでカラッと乾燥が手っ取り早いよ・・・などなど乾燥テクニックには、いろいろやり方があるようです。)

ホワイトセージは、大きくなると2m近くに育つそうで、もしかしたらそのくらいまで大きくならないと、売られているような肉厚のホワイトセージの葉っぱには、ならないのかもしれません・・・