2011年11月28日月曜日

これは楽しい! 「 炭酸水耕栽培 」その2

ということで、美容やお掃除、お料理などなどで、ちかごろブームの「炭酸水」ですが、この炭酸水は、植物の生長促進にも効果があります。

カーボネーターなどで炭酸ガスを吹き込んだ炭酸水は、水に「H2CO3=炭酸」をふくませた弱酸性なので、水耕栽培やココ栽培、ポッティング・ソイル栽培で、培養液のpHダウナーにつかえます。

水耕栽培でメジャーなpHダウナー剤の「硝酸」や「リン酸」とちがい、炭酸は常温で空気中へと気化・蒸発してしまうので、培養液にのこりにくく肥料成分の比率をくずさないし、ただの水よりも根っこへの浸透性がよいので養分などの吸収もよくなるし、なにより収穫量と味がよくなってしまうという、スグレもののpHダウナーです。(すぐに気化したり、根っこから吸われてしまうので、pHダウナーとしての持久力は短めです。)

・・・とはいうものの、いちいちペットボトルの炭酸水を買うのもキリがないし、コストもカサむので、ホビーガーデナーがよく使う電磁弁つきCO2レギュレーターと、炭酸飲料がはいってたペットボトルで、おウチで好きなときに好きなだけ、炭酸水がつくれる「ペットボトル用カーボネーター」の紹介です。



↓電磁弁付きCO2レギュレーターをつかったカーボネーターは、こんなかんじです。
レギュレーターのバルブをゆるめると、耐圧ペットボトルに入れた水にCO2がボコボコと入っていって、ほんの30秒くらいで炭酸水ができます。(長くても1分くらいで、十分な炭酸水ができるので、炭酸ガスの入れっぱなしはNGデス。)
CO2ガスを添加するミドボンとCO2レギュレーターに、耐圧チューブと「炭酸飲料用のペットボトルのフタ」でつくったカーボネーターをとりつけて、水にCO2ガスを吹きこんで炭酸水をつくります。

「自作カーボネーター」でググると、この作り方を教えてくださってる方がタクサンいらして、そちらの作り方を参考にさせていただきました。ありがとうございます。






では、ペットボトル用カーボネーターの材料は・・・
なにはさておき、ミドボンとCO2レギュレーターは必要です。

現在、リンク先のハイドロポニックス用のCO2レギュレーターを、さっそく活用させていただいてます。








そして・・・
1. 炭酸飲料が入っていたペットボトルと、そのフタ
(炭酸飲料じゃないペットボトルやフタは、圧力に耐えられないのでゼッタイにNGです。)


2. 外径6mm/内径4mmの耐圧チューブ=2メートルもあれば十分ですが、チューブは劣化してひび割れて交換せねばならない時がくるので、一巻き20mくらい買っておくと、のちのち安心です。

3. エアーパーツの「チェックバルブ pisco CVPC6-01A ネジ側より自由流が出力」1個←リンク先で見てみて下さい。
CO2ガスの添加とカーボネーター両方で活用したい場合は、いちいち耐圧チューブを取りかえないといけないので、このチェックバルブ(6mmチューブ対応・R1/8ストレートネジ規格)を2つ買っておくと便利です。


4.チェックバルブのキャッチャーとして「継手 pisco PF01-01」1個←リンク先で見てみて下さい。(ねじ径 R1/8 ストレートネジ対応の継手です。)


5. 補修Oリングの内径7.8mmを2個←高圧ガスは、ちょっとのすき間から漏れやすいので、Oリングやパッキンは、マストアイテムです。耐圧チューブの外径の1.2倍ぐらいの内径のパッキンをえらべばOKです。劣化するのでストック分も買っておくと便利です。

近くのホームセンターで見つけられたエアーパーツで作っちゃったので、写真のパーツは、チェックバルブではなくストップフィッティングになっていて、継手ジョイントになってます。
結果的に言うと、チューブフィッティングではなく、チェックバルブにしたほうが、CO2レギュレーターの

←フローメータ内部に、水が逆流してしまうのをふせげるのでベターです。








ちなみに、カーボネーターにしたり、CO2ガス添加したり、両方に活用したい!!!という場合は、フローメーターの下についてるチューブジョイント部分をチェックバルブに変えてしまうと、耐圧チューブの取りかえがとってもラクです。このレギュレーターのチューブフィッターの規格はR1/8ストレートネジなので、3の「チェックバルブ pisco CVPC6-01A ネジ側より自由流が出力」でOKです。


↓さらっとメンドクサイ工程を書きますが、耐圧ペットボトルのフタに、3のチェックバルブオネジ部分が、ちょうどねじ込める大きさの穴をドリルで開けます。あける穴の直径は、だいたい11mmくらいでした。
チェックバルブ

Oリング

ペットボトルのフタの上部
ペットボトルのフタの内側

Oリング

継手






こんなふうに接続したら、レンチを使ってギュウギュウにネジ部分をしめあげて、できあがりです。ちなみにエアーパーツを取り外したり取りつけの時は、必ずレンチを使ってほしいです。


ガスがたくさん溶け込める水は、まず純度が高いことと、水温が低いことなので、ROフィルターをもってるヒトは、冷やしたRO水で炭酸水をつくるのが一番ベストですが、一度沸騰して冷めた湯沸かしポットに残ってる水でも、CO2がたくさん入ります。


耐圧ペットボトルに水を入れて、フタをしっかり閉めてから、レギュレーターのバルブを少しずつゆるめて炭酸ガスを入れますが、入れすぎるとボトルが破裂して危なすぎるので、必ずペットボトルの固さを手でにぎって確認しながら目を離さないように、ほんの30秒ほど、ペットボトルを逆さにして軽く振りながら炭酸ガスを少しずつ入れていきます。


手でペットボトルをギュッッッとにぎりながらCO2ガスをいれていき、握ってもへコまないほ固くなれば、pH値が4くらいの十分な炭酸水になってます。











ペットボトルの耐圧の目安は0.4〜0.8MPaくらいです。水温が高くなるほど圧力が大きくなってしまい危険です。ちなみに、今頃の水道水の水温は関東で15℃以下になってしまっているで、18℃〜20℃くらいにしてあげた方が、植物の根っこはストレスをかんじません。なので一度炭酸水にしてから、お湯を入れて水温を高くしたほうが安全です。



ペットボトル用カーボネーターのメリットは、カンタンなパーツで好きなだけ炭酸水を安くつくれることで、デメリットは、炭酸飲料のペットボトルは、大きくても2Lサイズくらいしかないので、一度に大量にはつくれないことと、高圧ガスなので、やっぱりイロイロと気をつけないと危ないこともあります。


※高圧のガスは、ちょっとしたすき間からも、すぐガス漏れするので、接続部分からCO2ガスが漏れていたり、うっかりバルブを閉め忘れると、知らぬ間にCO2濃度が高くなりすぎて命にかかわることもあるし、万が一、CO2を入れすぎてペットボトルの耐圧能力をオーバーすると、ペットボトルが破裂してケガすることもあります。小さなお子さんやペットが入ってこない場所で管理するのが、ゼッタイおすすめです。


ということで、次回は「電気をつかわないビールサーバー用のCO2レギュレーターでつくる、カーボネーター」の紹介です。

2011年11月24日木曜日

これは楽しい! 「 炭酸水耕栽培 」その1


最近、ひっじょ〜にハマっているものが「炭酸水」です。

炭酸ガス、つまりCO2をふくんだシュワシュワの「炭酸水」は、水の溶解能力を高めて、水にも油にもよく溶けて、浸透力が高い性質があります。


そしてその「炭酸水」ですが、数年前から水耕栽培を中心に農業の生産現場で、生長促進効果があると・・・と期待がたかまっているんです。

植物に光があたって光合成している時間に、葉のウラにスプレーしたり、水やりや、培養液そのものに炭酸水をつかうと肥料が節約できるうえに、光合成が促進されて、植物の免疫力をたかめたり、収量と味覚アップに高い効果があって、農業ではすでに注目されていたりするんです。

とくに水耕栽培では、ロックウールやハイドロボールなど無機の培地と、無機肥料の培養液で植物を育てるので、「CO2=炭酸ガス」源が不足しやすいといわれてます。ところが、糖分をはじめ有機酸、ビタミン類、酵素にアミノ酸やタンパク質、そして細胞壁や植物繊維などなど、植物は炭酸ガスをつかって思いつくかぎりあらゆるものを作り出しているので、

「肥料と炭酸ガスをバランスよくイッパイ与えることが、収穫量とオイシさへのカギ」

とも言えます。


・・・ということで、秋になって空気が乾燥したきた頃から、室内栽培のイチゴには、ミストタイプの加湿器の水を「炭酸水」にしています。
湿度と炭酸ガスがいっしよにあげられるので、「これは、なんてナイスなアイデア!!! 」とウキウキでしたが・・・強い炭酸水だと圧力が高すぎて、水がいっぱい出てしまい、うまく霧にならなかったり、水漏れしてヒューズが飛んで一台壊してしまったので、やや弱めの炭酸水しか使えません。(加湿器のメーカーさんは、水道水以外は使ってくれるな!とお願いしているので、自己責任でやってます。)


炭酸水をミストにすると、直後は1000ppmくらいのCO2濃度になりますが、数時間後は、だいたい650ppm〜700ppmくらいで落ち着きます。朝と夕方には、たまに炭酸水を葉面スプレーしていますが、グロウランプが消えたあとは、加湿器を止めています。


炭酸水ミストの効果かどうかはハテナですが、本葉のしたにちょこんとつく「副葉=ふくば」といわれる葉っぱが、かつてなほど巨大化しました。












そして、あかねっ娘の苗全体に共通してるのは、茎や葉っぱがずんぐり太くガッチリしてるのに、茎がのびすぎず葉っぱも丸みと厚みがあります。
炭そ病やうどん粉病、アブラムシ、ハダニ、欠乏症や過剰症状もまぁっっったくでていません。そして、葉っぱの老化がとっても遅いように感じます。














あとは、花さえ咲いてくれれば・・・



ちなみに、特別な装置がなくても、ご家庭でお手軽に炭酸水をGETする方法は、いくつかあって・・・

1. クエン酸と重曹と水で炭酸水をつくる。= これは、食用でない余分な塩類が混ざるので、飲料用や植物へあげるのには不向きです! とくにハイドロ用培養液にはNGです。お掃除で使うのがベストです。

2. お店で炭酸水を買う。= ココ最近のハイボールのブームのおかげで、飲料用の炭酸水がたっっっくさん売られるようになりました。飲料用や植物の育成に使う場合は、成分に塩化物やクエン酸が使われていない「二酸化炭素 + 水」だけで作られている炭酸水がおすすめです。
個人的には、「ウイルキンソン」の炭酸水が好きです。炭酸がつよいので効果が高くて、この容器がとっても丈夫なので、自作の炭酸水にも安心して使えます。

3. 自分でつくる = ということで、次回は、自宅で生ビール愛好家さんや、ホビーガーデナーさんや、アクアリウム愛好家さんが、よく使っている「CO2レギュレーター」と「ミドボン=炭酸ガスボンベ」で、炭酸水をお安くつくってしまう「D.I.Yカーボネーター」のご紹介でっす!!!

そして、おまけですが・・・
4.  ドライアイスを水で溶かしてつくる = これがイチバン簡単そうで、困難でもあります。ドライアイスは純粋な炭酸ガスが圧縮されて凍ったモノなので、水に入れると白いスモークとともにブクブクと炭酸ガスが溶けてくれます。街の氷屋さんでは、キロ単位でドライアイスが販売されてますが、まず凍結温度が-80℃も必要なので、家庭用のフリーザーでは長い間の保存ができないです。あと、溶けたときスゴく圧力が大きいので、炭酸飲料用の耐圧ペットボトル容器でも、ドライアイスを入れすぎれば破裂して、大けがをします。過去にはドライアイスを入れすぎてペットボトルが破裂してしまい、目に当たって失明してしまった事例もあります。

耐圧ペットボトルにドライアイスを溶かしても安全な量ですが、水500mlに対して、ドライアイス3グラムほどだそうですが、味はなぜかマズいので植物育成用か、お掃除用にしたほうがいいみたいです。なので、ケーキなど買った時に、オマケ的にドライアイスがGETできた時だけのウラワザとして、ドーゾ!!!
(密閉容器でドライアイスの炭酸水を作る時は、炭酸飲料が入っていた耐圧ペットボトルを必ず使用することと、ドライアイスの分量に気をつけてほしいです。密閉しない時でもガラスなど破裂しやすい容器は、ぜぇっっったいにNGです。)

・・・ちなみに、炭酸水が植物にいいとは言っても、はたして植物は根っこから炭酸ガスを吸えてるのか???  酸欠にはならないのか??? も気になりますよねぇ〜。

2011年11月18日金曜日

ミニトマトのココ・土・ハイドロ比較

室内栽培のミニトマトたちは、栽培方法ごとに、そろそろ育ち方のチガイが出てきました。

まずは、水耕栽培ではメジャーな循環システムのミニトマトです。草丈は、約152cmと、大きく伸びてます。














ハイドロ・システムのミニトマトは、花が咲くのもイチバン早かったし、実が大きくなる速さもイチバン大きいです。今は、第5花房まで咲きました・・・が、第1花房の花数が24コなのに、5番目の花房には10コしか花が咲いてません。










これは、ココ培地のトマトです。

茎の太さがイチバン細く、草丈は150cmくらいでハイドロのトマトと同じくらいの丈です。

花は、第4花房まで咲いていて、花数は少なめです。原因は、肥料濃度を高くするタイミングが遅すぎたからです。








ココ栽培のミニトマトには、肥料が足りないことがわかって、あわてて肥料濃度をEC値1.2くらいまで高くしたら、花数が多くなってきました。














そして、ポッティング・ミックス培土・・・土栽培です。

ポッティング・ミックスの最大メリットは「管理がラクチンで、たくさん収穫できる」なのですが・・・

なるほど、まず草丈が120cmとコンパクトに育つのに、花数がイチバン多いのです。






ポッティング・ミックス培土は、第4花房まで咲いてきて、ひとつのプラントの花数は全部で102コくらい。循環のハイドロ・システムの花数は、全部で88コほど、ココ培地は60コほどです。










ハイドロ・システムとココ培地の方が、花数が少なくなってしまった原因は、肥料濃度の管理不足が原因です。
やたらに肥料を濃くしすぎるのは、ゼッタイNGですが、花が咲いてきているのに、ウカウカして肥料濃度を上げないでいると、すぐに肥料不足で体力が落ちてしまうようです。





逆の発想からいえば、ハイドロ・システムやココ培地は、ひかえめな肥料濃度で育てれば、確実に育って失敗が少ない、とも言えます。





ポッティング・ミックス培土のミニトマトの花房の茎は長く伸び、全体が上を向いてます。元肥が効いていて、保肥性があるので、有機活力剤の植物ホルモンがよく効くからだと思います。














そして、ココ培地とポッティング・ミックス培土に共通して言えることですが、同じ培地なら、大きなポットで育てているミニトマトの方が、花がたくさん咲いています。

かといって、大きなポットで育てたほうが、草丈も大きく伸びてしまうわけではなく、今のところは同じ10Lサイズのポットでもココ培地のミニトマトの丈は150cmで花芽は60コほど、ポッティング・ミックス培土のミニトマトの丈は120cmで花数は102コほどです。
(一般的には、チッ素が多めであまった状態になるとオーキシンなど丈を伸ばすホルモンが優勢になり、徒長しやすく、病気にもなりやすくなると言われています。酸素や二酸化炭素をはじめ、有機酸や糖分、中量ミネラルや微量ミネラル、そして酵素など、チッ素の同化を促進するものが足りていると、コンパクトで丈夫に育ち、花芽も収穫量も多くなると言われています。)


・・・ということで、いくら花が咲いても実になって収穫できなければ意味がありません。トマトの花は、光量が足りないと結実せずに落ちてしまうので、誘引と葉かき・わき芽かきをしっかりしないとならないそうです。

なんだかんだいっても、すべての結果は、果実の味と収穫量だと思うので、ミニトマトの収穫が待ち遠しいです。

2011年11月15日火曜日

アムステルダムのキノコ農場

「 FUNGI  」とは、ざっくり言えば、キノコをはじめ、カビや酵母などをひっくるめた真菌類をまとめて指すようですが、その昔から、森や林にとつぜんにニョキニョキッとあやしく立ち上がっては消えていく「キノコ」たちに魅了されたヒトは少なくないと思います。

日本では放射性物質の影響で、シイタケなどの生産者さんたちは、大きな苦労をされてしまっていますが、最近の研究では、その昔に壁塗装に使用され発がん性で大問題となった「アスベスト」を分解して、無害化してしまえる菌も発見されたということです。

キノコやカビなどの真菌類は、自力で動きまわることは苦手なようですが、モノ作りは得意なので、「はんぶん植物+はんぶん動物 」のような存在に感じます。

食用のキノコ類だと、抗がん作用があったり老化防止成分が豊富だったりと、日本人女性のキレイの源ですが、たった一口食べただけで、広い意味で天国へと旅立たせてしまうキノコもあったりと、ほんとに「小さな賢者」という言葉がピッタリです。

森のなかで出会ってしまったら、どうしていいか分からなくなってしまう毒キノコ。学術名「Hydnellum peckii/ハイドネリウム・ピッキー」の「The Bleeding Tooth fungus=出血した歯茎キノコ」は有名ですね。














この写真をお借りしたサイト、オランダのアムステルダムにある 「mediamatic.net」さんは、まさに「キノコの魅力にハマりまくったアーティストたちが、いろんなキノコたちを育てまくり、味わいまくり、遊びまくり、キノコのすばらしさについて、どっぷり語りまくろう!」というアート活動をなさっています。

最近では、「 Urban Mushroom Farm = 都会のキノコ農園 」というアムステルダムのど真ん中に位置するアトリエで、キノコを実際に栽培してオイシくいただくイベントを開催されました。「都市のど真ん中のキノコ農園」は、レギュラーで開催されるイベントで、過去には、シイタケ、エリンギ、なめこ、などなど食用キノコを栽培されてきたようです。
http://www.mediamatic.net/page/231521/en
























農業大国のみならず、ゴッホが生まれた「アート大国」として、建築やインテリア、グラフィックなどのデザインセンスにも、高い定評のあるオランダだけあって、「アーバン・ファーム」と呼ぶにふさわしいシンプルANDミニマムな「キノコ農園」です。














キノコがつくりだすフワフワとした菌糸は、軽くてエコ・フレンドリー。次世代の発泡スチロールにソックリ!!! とのことです。ちなみにこれは、エリンギの菌種で、滅菌した袋のなかで、この菌種に水分などを含ませると、エリンギがニョキニョキっと育ち始めるようです。













mediamaticさんの活動は「キノコ農場」以外にもたくさんありますが、例えばトマトジュースの寒天培地に、来場者の指から採取した菌を培養して壁に敷きつめるという、アヴァンギャルドすぎるアートイベントも開催されてました。






















このケモケモとした菌糸を伸ばしているの菌が、私たちの指に引っついてるようです。ってぇことは、私たち人間の身体も、ある意味「キノコの菌のシードバンク」なようです。














・・・ということで、私たちヒトも動植物も、空中を漂う、おびただしい菌たちに囲まれつつ共存しているってことになると思うんですが、

菌たちを培養して、見たり食べたりアートにしてしまうことで、

「あ、キミたちとも一緒に暮らしてたんだね!」

的なことに気がつくことで、いつもの生活も新鮮に見えるタノシさもあるんだなと思いました。





2011年11月11日金曜日

LED Grow Lighting Experiments ホップ編

「1」という数字が、限りなくつづく今日、あの震災から8ヶ月経ちます。ちょうど満月となる今日は、冷たい雨降りとなっていて、まるで空が犠牲になった方々を悼むような、お天気となりました。
被災地の復興はまだまだ進んでいないようです。少なくても毎月11日には、このサイトを訪れて、今何かできることはないかを確認することにしています。

「ふんばろう東日本支援プロジェクト」
http://fumbaro.org/


さて、2011年の11月11日・・・と、果てしなく「1」が続くからには、何か新しいことをおっぱじめる日にピッタリだね!!! ということで、今日からは、日本の未来を支えるLEDで、さまざまな植物の室内栽培に挑戦する「LED Grow Lighting Experiments 」
をご紹介します。
LEDランプ300Wです。赤色光線 : オレンジ色光線 : 青色光線の比率が、7:1:1と、植物の光合成のはたらきが、マックスになる黄金比率となっちょるそうです。














それにしても、ぱっと見たところ、なんとケッタイな色の植物に見えることでしょう! ほっとくと湿度が、20%になってしまうので加湿のためにミストをいれてますが、さらにアヤシさ度アップです。










でもでもでも、LEDのグロウランプに変えると同時に、加湿ミストを入れ始めたとたんに、根っこがどわわっっっとふえてのびて、すごいことになりました。

やっぱ、湿度が足りなさ過ぎると根っこも伸びないってことのようです。










このホップ苗は、以前に紹介したクローン・マシーンでふやした挿し木のホップ「センテニアル」です。


・・・なのですが、最近までは、葉っぱの色が緑にならないわ、ハダニは発生するわで、まったく順調に生長する気配がなくて、あきらめかけていたコたちです。



ちゃんと育たないのは、ゼッタイに湿度が足りないせいだと思っていたのですが、やっぱり原因は「乾燥」した空気だったようです。

ミスト加湿器を入れて、やっと40%〜50%の湿度がキープできるようになりました。ホントは、まだまだ足りてませんが、ひとまず乾燥で繁殖する「ハダニ」は、減ってきました。





ということで、LED300Wのグロウランプ、果たしてどれだけホップの花が咲くのか、これからタノシミです。

ということで、ぱっと見で写真がピンクな日は、LEDグロウランプの話題です。

2011年11月8日火曜日

室内栽培のミニトマトと葉っぱの老化

室内栽培の秋冬トマトたちは、スクスク育ちすぎて、グロウルームのジャングル度がかなりすすんできてしまいました。
根元のほうの葉っぱには、光があまりあたりません。

上の葉っぱの陰になって、光があたらない葉っぱや、新芽からひろがって間もない幼い葉っぱは、光合成運動が少なくて、もっぱらほかの葉っぱがつくったデンプン(糖分)をもらってばかりのパラサイト的な存在です。







トマトに限らず、野菜や果物など栽培期間の長い作物は、花が咲きすすんできた頃からは、みのった果実を大きくオイシくするために、根元の方の老化が進んだ葉っぱをとってしまう「葉かき」というケアが大切だそうです。



・・・が、「過ぎたるは、及ばざるがごとし」という、スンバラしい名言があるように、よく働く葉っぱを見分けるノウハウもないままに、やたら葉っぱを切り除いてしまうのは、もちろんメガトン級のNGデス。
詳しくは、「はたらく葉っぱ、はたらかない葉っぱ」でどうぞ。














葉かきしたほうがいいくらいまで葉の老化が進む速さは、植物によって数十日から一年ほど・・・とずいぶんと差がありますが、トマトやキュウリ、イチゴなどの果菜類の葉っぱが老化するのは、だいたい30日くらいかな? と感じます。

が、葉っぱは貴重なデンプンをつくる工場なので、つまりは収穫量にもダイレクトに影響します。まずは光が、むらなく葉っぱにあたるように誘引して「葉面積指数」をよくしてあげたうえで、葉の老化が遅いプラントの方が、光合成運動が多くなってデンプンが足りるので、徒長せずガッチリ丈夫に育ちます。

で、葉の老化を防ぐのが、まずは適度な湿度60%前後をキープが最大条件です。(生長期は60%〜80%と高めがベストで、花が咲いてる時は、湿度が高すぎると結実しなくなったり花が傷んだりしちゃうので50〜60%以下にします。60%ほどの湿度があれば、葉っぱの気孔が閉じないので、根もよく動いて肥料と水をたくさん吸います。もしも湿度が30%とか低すぎると、CO2を入れていてもほとんど吸ってないので、かならず湿度を気にした方がいいです。)

そして、「サイトカイニン」という植物ホルモンが、葉っぱの老化を防いでくれるんです。

サイトカイニンは、細胞分裂もさかんにするので、花芽が増えたり果実が大きくなったり・・・と収穫量がふやせるメリット盛りだくさんですが、この「サイトカイニン」は、生まれたての根っこの先っぽ「根端=こんたん」でたくさん作られるそうなので、肥料過剰で根っこが傷んだり、冷たい培養液で根っこの根毛が消えたり傷んだりすると、根端ではサイトカイニンが作られにくくなって、花芽も収穫量も少なくなる・・・という恐るべき結末が、待ちうけることになります。やっぱり根っこは大事です。














ちなみに、植物が根っこを伸ばしたり、茎を伸ばしたり、花を咲かせる命令をするのは、「肥料」じゃあなくって、あくまでも「植物ホルモン」です。
肥料や水分・水素に酸素や炭素、そして日光さえ、植物の生長をダイレクトにコントロールできる作用はなくて、生きてくための不可欠な要素という役割だけです。植物は「必須成分のナニに、どれだけ、現在ありつけているのか?」から判断して、発芽するのか?生長するのか?花を咲かせるのか?を決定して植物ホルモンで指示をだしている・・・ってことです。

左がココ栽培のトマトで、右がピートベースのポッティング・ミックス栽培のトマトです。元肥がはいってるポッティング・ミックスのトマトのほうが茎が太くガッチリしてます。














植物ホルモンのなかには、化学の力で、お安くつくれる「合成ホルモン」もあって、徒長防止とか花芽をふやしたりとか、果実を肥大させたりするのに、園芸/農業の生産現場では大活躍なんですが、あまりにシャープに効きすぎるので、ちょこっとでも使いすぎたり、使い方をミスると、作物が全滅するだけじゃなくって、周囲の生態系にも悪影響を出してしまったりします。

今年の5月に話題になった「スイカ爆弾」で使用されていた「ホルクロルフェニュロン」という合成ホルモンも、「合成サイトカイニン」です。(このホルモン剤が、100%スイカ爆発の原因かどうかは、まだアヤフヤです。) また、過去には「100%天然成分」とうたって販売されていた開花活力剤や病害虫忌避剤に、発がん性がある合成ホルモン薬剤が使われてしまっていた例もあって、メーカーの良識がおおいに問われる事例もありました。(事実が分かった時点で、発売は中止となっていますので、現在は売られていません。)

元肥がはいってると、毎回肥料をあげなくても元気でぶっとく育つ反面、培養液で養分比率のコントロールができにくいので、プラントの葉色を見ながら、肥料をあげなくてはなりません。
茎が太すぎたり、葉色の緑色が濃すぎる時は、チッ素が多すぎてるシグナルなので、虫がついたり花がすくなくなったり葉っぱがふえすぎたり、丈がムダに伸びすぎてしまいます。



そんな時は、2〜3回ほどベース肥料はやめて、活力剤だけの培養液を水やりするとベターです。

肥料成分が含まれてないココ栽培は、培養液で肥料比率のコントロールができるので、ロックウール栽培のようにシャープな生長段階のシフトチェンジができます。
しかし、毎回ベース肥料でつくった培養液をあげねばならないので、ポッティング・ミックス栽培よりもベース肥料の消費量は多くなります。






ココ培地もポッティング・ミックス培土も、根酸素がいっぱい行き渡るので、元気で新鮮な根っこがよく発生するため、葉っぱの老化も遅くなります。

とはいっても、あまりに込み合って暗くなってる根元にちかい部分の老葉を葉かきしました。






葉かきは、できるかぎりはハサミよりも、キレイに洗った手でやったほうがよいそうです。人の肌の表面にはバイキンから守ってくれるアリガターイ常在菌がいるので、植物にも安全ってことのようです。


葉かきしたあとのトマトたちです。スッキリしました!!!














しかし、なんども申しますが、「葉っぱは、収穫物の生産工場」なので、葉かきしすぎはNGだし、ありがちな失敗は、葉っぱをとってくうちに楽しくなっちゃって、ついつい夢中で取りつづけてしまい、気がつけば葉っぱが減りすぎてた!!!ってことも、多々多々多々あります。

適度な葉かきをすると、翌日には花がよく咲いたり、果実が急に大きくなったり新芽が出たりしますので、葉かき作業には、翌日のプラントのコンディション・チェックも大切かと思います。

2011年11月7日月曜日

ホップのプランター栽培、終了です。

暖かい日がつづくと、つい忘れてしまいますが、今年も残すところあと2ヶ月を切りました。
横幅80cmほどもある決して小さくはないプランターに植えたホップでしたが、地植えのホップに比べると、花数も少なく収穫も一度だけというザンネンな結果に終わったので、来年は地植えにしようと、プランターのホップたちを掘り起こしてみました。
一番はじっこに植えた「チヌーク・ホップ」の苗は、根っこがものすごいことになってました。

主茎と同じぶっとさの主根がタコのように生えていました。植物は、地下部の根っこの量と、地上部の樹勢や草勢の大きさが比例するそうです。








5号鉢のラベンダーと大きさを比較すると、ホップの根っこがどれだけアグレッシブにデッカく生長するのか、よく分かりました。









根元からは、プチプチとした新芽がでてきてます。

地植えに植えかえたホップたちは、来年3月になったら、根っこのまわりの土をていねいに掘って取り除いて、まだ動き出してない新芽を含んでいる根っこを15cmほどの長さでカットして、植え付けるまでは涼しい場所で、乾燥しないように保管します。





ホップは根っこに養分をガッツリ溜めこむ性格らしく、たった15cmの根茎が、半年足らずで5m以上の大きさに生長します。
その昔、タネから発芽させたホップ苗をゲッドして育てたことがありましたが、初年度はよわよわしい茎が、3mくらいにしか育たず、花をつけたのも翌年からでした。なので、この「根茎=Rhizome」を植えつけたほうが、でっっっかく早く育つし、植えつけて一年目でホップの花が収穫できてしまいます。

ホップの花を収穫したかったり、グリーン・カーテンにするのなら、タネからスタートさせるよりも、ホップの主茎(リゾーム)からのほうがグッドだし、プランターよりも地植えの方が、はるかにベターだという結果がでました。ところが、日本ではなかなか流通してないので、栽培してるヒトから分けてもらうくらいしか入手方法が、なかなかありません。


さて、ホップのグリーンカーテンが、おい茂ってた頃は、こんな感じでした。



ひさびさに、窓ガラスを見ました。

寒々しいような、清々しいような、

さびしい感じです。





ところが、窓に絡みついたホップのツルをきれいにしていくと、定住していたカマキリがタマゴを産んでくれていました。

どうやらホップのカーテンは、カマキリの住まいとしては、合格だったようです。








来年の夏、電力が足りてても足りなくても、今年たっっっくさん穫れてしまった固定種のゴーヤのタネをまいて、グリーン・カーテンにしようと思います。