2014年8月6日水曜日

2014年 第一回 カスケードホップの収穫

この季節、ついつい見て見ぬ振りをしがちな、「しなければならない」と「したほうがよい」こと。そのひとつが、Xソ暑さマックスな時期にやってくる「ホップの収穫」です。


いよいよ収穫したくてたまらない大きさへと、ホップが玉のびしていました。



















梅雨をすぎたホップは、かならず茶色く枯れこむものが多くでてくるのですが、今年はそれほど多くありませんでした。

























今年のカスケードホップは、とても大きくなりました。

























地上6メートル付近までのびたホップたちは、一度ネットを窓の高さまで下げて地味に手で摘んでいきました。ツルを切らないので手間はかかりますが、ワンシーズンに何度も収穫することができるホビーガーデニング向きの収穫方法かと思います。

























ラフな手摘み直後です。葉っぱやツル、そしてマルカメムシなどの虫もついた状態です。



























↑から、よぶんなツルと葉っぱ(虫も)地道に取りのぞいていくと、このようにホップ・コーンだけの状態になります。



















今年のホップ栽培につかった肥料と活力剤です。

























コンスタントにBio Flores、Bio Boost、フレバリン、の培養液をドリップ・イリゲーションで水やりして、たまにリン・カリ肥料のPK13/14も加えて与えてました。



























どんな植物でも、開花や着果したあとエネルギー源となるリン酸と、代謝をよくするカリウムが、いつもよりたくさん必要となるので、PK肥料をあげると花や果実が大きく、オイシくなります。
とはいえ、PK肥料をたくさん与えすぎると、肥料バランスがくずれてしまい逆効果なので、適度に与えることが大切なポイントです。











2014年8月1日金曜日

猫草栽培、ココ培地の再利用とゴロゴロカボチャ

今日から8月です。Xソ暑い日がつづきますが、ちまたで次第に夏休みモードが強く漂ってくるこの頃の空気がキライではありません。

連日の暑さにかまけてボ〜ッとしていると、カボチャのまわりで雑草たちがものすごいことになっていたので、シブシブ手でズポズポぬいていくと・・・
「ウワッッッ! バターナッツカボチャが、いつのまにこんなステキなことに!!!」




























あたりまえのようにゴロゴロとカボチャたちが肥大しておりました。まだベストな調理方法を理解できていないバターナッツですが、その一部はまちがいなく出産をおえたばかりの我が家のニャンコのための手作りゴハン具材に活用させていただきます。



















おそらく元飼い主さんのご都合で捨てられてしまい半年ほど放浪していたようです。さっそく不妊手術を、と思いお医者さんに行き診ていただいたところ「もう、妊娠してるよ」と衝撃のヒトコトが。「エエ〜ッ! 」
ちなみに、よくしゃべり、よく子育てをし、育児のあいまには、ブラッシング&マッサージの待遇を受け疲れを癒す、とっても頭の良い子でして、いまではすっかり我が家の宝物です・・・

























先週の木曜日に誕生した子猫たち、今日、はじめて目があきました。無事に出産を終えただけでも感動しましたが、まぁなんとカワイイことでしょう。このコたちには、なにがなんでも幸せになってもらいます。



















出産で右往左往しているまに枯れていた「猫草」。さっそく次の小麦タネを撒きました。




























ひつこくひつこく言っているように、使い終わったココ培地は、茎と大きな根っこを取りのぞいてしまえば、そのまま次の栽培をスタートできます。(3回まで)
↑の枯れた猫草と、目についた根っこをおおざっぱに取りのぞいた後、小麦の種を撒きました。























そのあとは、水、または「キャナザイム」や「ザイム・ザイム」など酵素系活力剤をうすめた培養液でココ培地をざっと洗い流します。

























発芽するまでは、植物の種類にあった発芽条件のもとで管理します。



























この2日後・・・小麦たちが発芽しはじめました。ピートタイプ(細かい)のココ培地は、保水性と保気性がよいのに、すき間がものすごく多いので、このようなズボラな再利用でもゼンゼンOKなのですねぇ〜!!!
再利用しないとモッタイナイ、ということも、ココ培地の大きなメリットでもあります。




2014年7月22日火曜日

サボテンの水耕栽培と、初物ホップ収穫

梅雨明けしました・・・「いまさら? やっと?」という感じです。

週末のすさまじい夕立では、川崎市でも道路がとうとう冠水し、家屋に浸水が起こりました。自称、多摩丘陵のスタート地点となる坂のテッペンにある我が家では、どこかに落雷があったせいでブレーカーが落ちた程度ですみました。



あっっっというまに、7月もあと二週間を切りました。気がつけば、たわわなチヌーク・ホップの毬花たちが大きく伸びてきていました。


















チヌークよりも早く開花がはじまったカスケードは、毬花のツル化がはじまってしまいました。



























今年初物のカスケード・ホップです。毬花のおおきさは、大小さまざまですが、香りは、残念ながら関東の蒸し暑さでは、8月が終わるまでは今ひとつ弱くなってしまいます。
とくに梅雨の間は、一番右はじにある茶色いホップのように、小さなまま茶色く変色してしまうものが目立ちます。




















ところで先月から、GEMINIをつかってサボテンの循環式水耕栽培はじめました。
多肉植物のハイドロポニック栽培は、欧米ではわりとメジャーで、NFTシステムでサボテンを栽培しているところも実際目にしたことがあります。


























生長のうんとおそいサボテンですが、水耕栽培でそだてると、あっという間に大きくなります。グラフティング(接ぎ木)したサボテンの新芽がぐんと大きくなりました。いまのところ夏の暑さも手伝って、一日たった4回のドリップをおこなうだけで、順調に生長しています。




2014年7月14日月曜日

猫草と、ぼさぼさのグリーンカーテンとの戦いの日々

7月12日の土曜日は、サクッと満月でした。なんだか満月の前後には、地震がよく起きるような記憶があるのですが、ゲリラ豪雨やら地震やらで、ソワソワする今年の梅雨です。


雲が多かった日の夕方の「ムクゲ」です。晴れた青空のしたで見ると、まさにピンクな花色ですが、夕方はオレンジ色のフィルターがかかったようで、アンティークな花色です。



















そのうえ、猛暑な日の翌日は肌寒くなったり・・・と、知らず知らず身体に疲れがたまってる頃合いでもあります。五臓六腑をいたわりたい今日この頃、なかなかGoodなオヤツをめっけました。3時のオヤツに食べると、目が覚めてシャキッとします。シジミパワー、すごいです。シジミまるごとの、ものすごいコクのあるアミノ酸フレーバーなので、お茶漬けや、ほっかほかゴハンに混ぜ込んでおにぎりにしても、ゼッタイまちがいないテイストです。

おつまみしじみ小分けパック!


























さて、蒸し暑さと変わりやすい天候のせいで、ちょっとバテ気味なニンゲンを尻目に、植物たちの繁殖パワーは、現在マックスです。

こ、これは! トケイソウとブドウのツルのせめぎ合いがつづく我が家の塀のグリーンカーテンです。雨降りで手入れができない週末がつづくと、あっというまにボッサボサに!!!
ツルの間引きが大変すぎて、夏バテ気味です。


















数年前に、ど根性状態で勝手に生えてきたブドウは、今年たくさん実ってます。


























勝手に生えてきた実生ブドウですが、葉っぱのカタチと白いブドウが実ることから、ご近所のみごとな「シャルドネ」のブドウ棚の実をついばんだ鳥のフンから発芽したのでは? と思われます。




























数週間前まよいこんできたネコ様のために、さっそく「ネコ草」のバッグ栽培にトライで
水でもどしただけの「ココ培地の4リットルバッグ」に播いてから、たった3日でワサワサと育ちました。発芽力がおちないように、小麦の種子は冷蔵庫で保存しています。




























彼女は、ウイートグラス(小麦の葉っぱ)をムシャムシャと喜んで食べます・・・小麦たちはけなげに、毎日毎日食べられた分伸びてくれます。



























野良時代の彼女の主食は、ゴッキーや巨大グモたちだったようで、家のなかにいたソイツらは、彼女が住むようになってからの一週間足らずで、すべて姿を消しました!!!
まだ野良テイストあふれるキリッとした表情の残る彼女・・・「このコは、なぜこんなにカワイいんだろう!!」と感じるのは、おそらく世界でワタシだけでしょう。

























ちなみにココ培地は、猫草栽培にもベリーベストで、難分解性で保水性と含気性がバツグンなので、猫草を新しくしたい時は、同じバッグにくり返し種子をまいて猫草を育てることができます。
または、目立つ根っこを取りのぞいて、乾燥させれば「猫砂」としても再利用できるようです。

2014年7月4日金曜日

文化として根づいた家庭菜園と、猫砂としてのココ培地再利用。

関東の梅雨明けは、平年では7月21日頃となっているそうです。

最近では毎年のように、「今年は異常気象です」と言われつづけているので、果たして梅雨明けがいつになるのか、さ・つ・ぱ・り、見当もつきません。



ブルーベリー「バルドウィン」の果実のひとつが熟しました、初物です。ついた実が少なかったので、ヒトツブが1.5cmくらいになりました。もったいなくてまだ食べることができません。



























ほんとうに、ほんとうに、ほんとうに今更、ゴーヤの種をまき、発芽しました。以前に購入した種子も播いておきましたが、自家採種したゴーヤの種だけが発芽してくれました。




























室内で秋冬栽培していたトマトたち「千果」からとっておいた挿し木苗です。いつもいろいろ差し入れをくださるご近所さんに毎年お配りしてましたが、今年はお渡しするタイミンクがおそすぎて「植えるところが、もうないんじゃよ〜。」とご辞退なさいましたので、あちこちから大きめなプランターを寄せ集め、ヤッツケ栽培をスタートさせました。
ヤッツケとはいえ、CANNA COCO培地とCANNA TERRA培土50%ずつのナイスな配合にしました・・・





















日本のほぼすべての市町村で、これから人口が減少していくといわれているなかで、ワタシが住む川崎市のエリアは、首都圏の住みやすいベッドタウンとして、これからも人口が増加していく地域といわれていますし、実際に、駅まで遠く交通の利便性が低いエリアでさえ宅地開発がドンドン進んでますが、住宅事情は決して優雅なものではなく、戸建てですら車一台分の駐車場のみで、庭らしい庭がデ〜ンッッッと存在する物件は、正直高めの花なのです・・・つまり、建て替える必要がないような、築年数が浅い物件は、土がむきだしの敷地がないおウチがほとんど!

ところで、90年代中ごろから日本に「ガーデニング・ブーム」がスタートしたと言われていて、現在はそのブームも過ぎ去った・・・といわれてるそうです。

「はたしてガーデニング・ブームは、ただの一過性のものだったんだろうか?」と思います。 花きなどの売上は、もちろん以前よりも落ちてるようですが、ガーデニングスキルは確実に向上してはいないでしょうか???

リビングルームの掃き出し窓と外溝とのすきまに、細長いプランターを横一列に並べて、トマトやキュウリなど夏野菜を育てているご家庭が圧倒的に多いのですが、時間に追われるなか、わずかなスキを見つけてプランターの手入れを手際よくなさるオトーさんもめずらしくないですし、休日には、自慢の花々をうれしそうに撮影する方もよく見かけます・・・なにより、プランターのレイアウトや、枝の誘引がとてもお上手な方が多いです。多くのご家庭の菜園を見るたびに、「穫れる、咲くのは、あたりまえ。質と量にこだわるぞ!」という意気込みを感じることが増えてきたのは、ワタシだけでしょうか?


植物工場の生産性や技術は、オランダやアメリカにはまだ追いついていませんが、家庭菜園や民間農法のレベルは、日本はとっくに世界のなかでトップレベルなんだと思います。
とはいえ、ハイドロポニカリーな栽培については、基礎知識がもっと広がっていくといいな、と願うところです。

ヤシガラを利用したココ培地は、日本でもずいぶん定着してきました。「ココ培地は、天然のスポンジ」といわれるほど、繊維にすき間がおおいので、保水性と保気性がバツグンなんですねぇ。




















ところで最近、ひょんなことから「ニャンコ」との生活がスタートしたのですが、突然のことだったので、カリカリ以外なにも用意しておらず、一番悩んだのが「トイレ」でした・・・が、ふとベランダに放置してあったココ培地を入れたプランターを見ると、すでに「ウンチ」がある!!!
「キャツめ!」は、ダレにいわれるでもなく、ココ培地をトイレ砂としてセレクトしていました。「それならば、古いココ培地をトイレ砂にしよう!」ということで、ただのタフ船に使い古しのココ培地をかきあつめ、トイレとして使ってもらってます。
分解のすすんだ古いココ培地なので腐植酸がほどよく含まれているせいか、アンモニアガスも発生しにくいようだし、強烈なニオイも感じません。これは、ナイス。

「なぜココ培地をつかった猫砂が市販されてないんだろう?」と、ものすごく疑問に思うほどでした・・・と、おもったら、海外ではとっくにありました。このようなココ繊維は、栽培用ではありませんが、ココ繊維のメリットをものすごく分かりやすく説明してくれているPVです。













と、いうことで、栽培が終わったあとのココ培地の新たな再利用法として、定着しそうな予感バリバリです。


さて、ホワイトセージが大きく育ってきました。高温多湿に弱いホワイトセージは、ココ培地メインにしています。IKEAの鍋敷きがバラバラにこわれてしまったので、今はプランターの水切りに利用しています。とってもGoodです!











2014年6月27日金曜日

ハイドロポニカリーな栽培いろいろについて。

ふと気がつけば、先週の日曜日に夏至が過ぎ、これからどんどん短日になっていきます。


ところで、かれこれ3年以上もまえにアースディに出店なさってた伊豆の無農薬栽培農家さんで見つけた「バターナッツ」をオイシくいただいたあとにのこった種を冷凍庫でずっと保存していたのを、今年の春にフト地面にばらまいておいたところ、毎年勝手にでてくるカボチャたちにまざって、いつの間にか実ってました。バターナッツは固定種のカボチャなので、自家採種ができますが、まさか3年以上も冷凍庫でゾンザイに保存しておいた種子がちゃんと発芽し、果実まで実るなんて、なんとも得した気分です。


























前年に落ちた種から勝手に芽生えて大きく育つカボチャたちは、連日のおかしなゲリラ豪雨で怖いくらいのイキオイで生長しています。





















カスケード・ホップも、雨のおかげで毬花がどんどん玉伸びしてます。あたりまえのように雨がふる梅雨の季節に、リーズナブルな固形肥料などを少しずつ土に施肥すると、雨が勝手に肥料を根っこに運んでくれます。




















今年の秋冬室内栽培のためのイチゴ「桃薫」の苗たち、育成中です。ランナーの子苗は、ココ培地とネットポットという、通気性バツグンな環境で育てているため、培土俵面から水やりするとココ培地があふれて、トレイにこぼれてしまいますので、培養液の水やりはトレイに培養液を適量溜める「底面給水」です。

















ココ培地やポッティング・ミックス培土など有機培地での「底面給水」ついては、「このように底面給水すればダレでも失敗はありません」、というマニュアルは現時点では示すことができないのですが、バックリした感じでは・・・

  1. エアロポットや、メッシュポットなど通気性がよく、培養液がどこからでも培土へ伝わりやすいポットが向いていると思います。通気性の良いポット+培土と、底面給水用トレイのセットでおこなうとGoodです。
  2. 底面給水での栽培に慣れていないガーデナーの場合や、CANNA COCO培地以外の乾燥圧縮タイプのココ培地で底面給水をおこないたい場合は、ポットに苗を植えこんでからすぐ底面給水をスタートさせるのではなく、ポット全体に根っこがむらなく張ってから、底面給水をスタートさせた方が無難です。根っこが十分に張るまでは、手でもって軽さを感じるまで乾いてから、ポット容量の20%〜30%量の培養液を通常通り培地表面から水やりします。


    これには、2つの大きな理由がありまして、大きなポットに植え増ししたばかりのときから底面給水してしまうと、根っこの生長が遅れ、活着が悪くなることが多いから、という理由です・・・というのも、最短の期間でナイスな苗を順調に育てることが、ハイドロポニカリーなココ栽培、ポッテング・ミックス培土栽培において、コストとガーデナーのストレスを軽減するためのプライオリテーな鉄則だからです。

    そして、市販の乾燥圧縮タイプのココ培地は、CANNA COCO培地よりもムダな成分が残ってることが多々多々あるため、栽培スタートから数週間のあいだ、ココ培地を培養液でフラッシングするように通常の水やりをした方が生長阻害の心配がないからです。
  3. 大きく生長するにつれ、いよいよ根っこがポット全体にめいっぱい張って、乾く速度がドンドン早くなってきたら、底面給水をスタートさせます。
    苗をポットごと持ってみて、ズシッとした手応えを感じないほど軽くなったら、ポット容量の20%〜30%量の培養液をトレイに溜めて、そのままにしておきます。

    だいたい30分後、培養液がトレイに残っていなければそれでOKですが、培地の表面がまだ乾いていて、持ってみるとまだ軽いな、と感じる場合は、トレイに培養液をもうすこし継ぎ足しておきます。このとき、培養液がまだトレイに残ってる場合は、培養液を排水させます(CANNA COCO培地、CANNA TERRA培土についてのみです)。


    また、ピートをつかったCANNA TERRAポット培土は、培養液を含み高温多湿な環境になると、繊維の分解が急速に進みます。真夏を何度もまたぐ長期の栽培では、ちょっと注意が必要です。CANNA TERRA培土で1年以上栽培していて、底面給水をしても、培土表面まで培養液があがってこなくなったら、ピートが細かく固くなっているかもしれません。乾燥した表面を指で押してみて、「パカッ」と割れる感じになっていたら、根づまりしやすい状態までピートの分解がすすんでいる目安です。

    多年生の宿根草は、季節をみてなるべく早めに植えかえ、一年草は培土の表面が乾いて固くなる前に底面給水をおこない、同時に培土表面からも水やりをして、なるべく早く栽培を終わらせます。







分解がすすんだピートモスのまま、ずっと栽培をつづけていると、まるで燃料に利用される「プラックピート」のように、コッチコチでカッチカチに変身し、根っこを窒息させてしまいます。ピートモスが主体のポッティング培土がぴったりなブルーベリーでさえ、今年はココ培地をメインに配合しました。


























ココ栽培や、ポッティング培土栽培は、厳格なルールがある水耕栽培とはちょっとちがい、植えかえや、水やりのタイミングには多少コツがいりますが、それでも、オーガニックし好であったり、オイシさや食の安全性を追求するホビーガーデナーにとって、最強の味方になるかと思います。



一方の「水耕栽培」は、「マニュアルさえ守れば、だれだってほぼ90%成功するよ」という、スキルがあまりいらないマニュアル最重視の栽培です。

反面、マニュアル重視の水耕栽培で、はっきりした知識を持たないまま「これヨサゲだな」、「ここまで気合いを入れれば、ゼッタイウマくいくはず!」という根拠のない技を駆使したばっかりに深い迷路へと旅立ったガーデナーも少なからずいらっしゃいます。

なので・・・

  1. 日本の水道水は、じゅうぶんすぎるくらいキレイでベストなので、欲張らずに水道水を使ってほしいところです。よく分からないうちは、アルカリ性や酸性にイオン分解できるヘルシーな浄水器や、ナノイオン水などプロ向けの高性能の生成水器は、避けた方がよいっちゅうことです。
    「なんだかpHメーターがしょっちゅうおかしいのよ〜、こまるわぁ。」と相談されたアルカリイオン水ユーザーの方もいらっしゃいました・・・
  2. 水耕栽培専用の肥料はもちろん、専用のpHダウン剤、pHアップ剤を使いましょう。水耕栽培に適した成分は、リン酸、硝酸、水酸化カリウムなどで、硫酸は作物によっていいかもしれませんが、一般的ではありません。水酸化ナトリウムや塩酸は、pH値の上げ下げはできますが、一般的な植物栽培には、向いてません。
  3. 水耕栽培用の各培地には、それぞれ大きなメリット、デメリットの違いがあるので、それに適した使用方法、システムや栽培方法は、ほぼ決まってます。それを無視することは、みずから迷路への第一歩をふみこんだも同然・・・

    例えば、ロックウールは、使用前に「プレ・ソーキング」したほうがよくて、水耕栽培システムも、できれば、かけ流し(RunOff、またはRun-to-Waste)のみが、ベリーベストです。

    クレイペブルス(ハイドロボール)は、栽培する根の長さや量に粒の大きさをあわせ、おなじ培養液をくり返し与える再循環システム、フラッド&トレイン、NFTシステムにベリーベストですが、ハイドロカルチャーなどの観葉栽培ではなく、収穫栽培であれば、クレイペブルスを培養液に浸しっぱなしにするのは、メリットをつぶすことにもなります。DWCシステムでは、一般的に根っこを支えるためだけに使用してますが、クレイ・ペブルスごと培養液にドボンと浸しておくやり方は、絶対におススメしたくはない気分です。



2014年6月19日木曜日

初夏からのインドア&アウトドアガーデン

いかにも紫外線タップリの日射しがふりそそぐ初夏の6月ですが、晴れた日はヤッパリお出かけしたくなります。


真夏とちがい心地よく涼しい風が吹くので、ついつい歩きすぎてしまいます。
横須賀のソレイユの丘のハーブ園は、色とりどりの花が、真っ青な空によく映えるので、レンズをのぞいていると、まるで天国にいるようです。




















カメラで撮ってると「これは、なんていう花なのかしら?」と、見知らぬ方からよく訊ねられる「アーティチョーク」、あまりに存在感がありすぎるせいです。
家のまわりに勝手に生えてきた「アザミ」の駆除に苦労されたおヒトならば、一目見て「コイツは、ものすごくアザミっぽいぞ!」と分かりますとおり、和名は「朝鮮アザミ」というそうです。いつぞや食べたことがある気がしますが、お恥ずかしながら味はすっかりさっぱり忘れました。

























アーティチョークの葉っぱのなかから、こちらをにらむ「キリギリス」。エサになる虫を待ち構えているところのようです。「捕まえようとしたら、噛むからな!!!」と目が言っている・・・と思います。





















タイムの花に着地したハナアブ。

























「いっただっきま〜す!」タイムの花の蜜は、どんな味がするのでしょうか?

























雲ひとつない青空を高くまう「トンビ」、目が合うと、ちょっとビビります。





















ところで、ここはクーラーがないので、夏のあいだグロウルームをつかった室内栽培は、お休みすることにしています。「暑すぎて植物がかわいそうだし、思うように育たないから時間と肥料がムダになるだけ」、という理由です。

とはいえ、むさ苦しい暑さのこもる真夏のお部屋のなかでこそ、植物たちを愛でたいし、さらに節電が気になる夏は、窓という窓を全開にして風通しを確保したいところです。

すっきり開けた小窓に置くのに、ベンリな植物のひとつがエアープランツですよね。「造花はナチュラル感が足りないしホコリもたまる、かといって土はもっと汚れるからソウジしないといけなくなってヤダ。」というマダムも多いのですが、「着床植物」のエアープランツならば、土に植える必要もなく、水やりも忙しくないのでGoodです・・・ということで、夏の窓辺をエアープランツたちで彩ることといたしました。



















ちっちゃなちっちゃなエアープランツたちは、お手ごろなお値段でGETできるのが魅力ですが、大きくリッパに育てるためには、それなりの時間とスキルが必要です。
夏の涼しくなる夜間は、週に一度ほど水や薄めの培養液にタップリ浸し、その後スッキリと水切りをして蒸れないように風通しのよいところで管理することが、無事に大きく育てていくポイントのようです。



ところで、インド製のチャイグラスは、見た目がかわいいし割れにくく長持ちして便利なのですが、容量が少なすぎて、結局マグカップで飲むことになってしまい、しまいっぱなしになってました。

「このチャイグラスのセットに、まだちっちゃいエアープランツたちを入れて、小窓に置けば、ちょうどいいかな? 」、と思いチャイグラスに入れてると、スッポリとハマってしまいます。 蒸れて枯れてしまうのが心配になったので、湿らせたココ培地をチャイグラスに詰めてから、エアープランツをあしらってみました・・・ちなみに、ココ培地は決して水を溜めっぱなしにしてはいけない培地なので、チャイグラスに水は溜めません。ココ培地が乾いたら、グラスに溜まらない程度の量の培養液を含ませていこうと思います。
























ココ培地は、ロックウールとよく似た性質で保水性と含気性が高いのですが、保肥性があるので、水や培養液をためたり、再循環させる栽培には、まあっっったく向いていません。もしココ栽培で培養液を循環させてしまうと、ある程度は無事に育っても、肥料成分のバランスが崩れるので次第に生長障害がでます。

























ところでココ培地は、大きく分けて乾燥圧縮タイプと、しっとり復元されたタイプの2種類が流通されています。


ココ培地の原産国は、主にインドやスリランカで、ヤシガラを細かくする粉砕加工と、塩分を抜くための真水でのフラッシング、乾燥圧縮までは、ほぼ原産国のみでおこなわれます。
ところが、この乾燥を土壌のうえでおこなってしまうとヤシガラに砂が付着してしまい、せっかく洗ったのに、砂のせいで不純物がまざったココ培地になってしまうことが多いようです。(とはいえ、土の上で乾かしたヤシガラは、最高品質のココ培地になりにくいというだけで、まったくぜんぜん使えない、という最悪のレベルではありません。日本の水道水や、日本のきれいな自然水でよく洗い流し、浸した水がEC値が0.1〜0.3mS/cmまで下がれば大丈夫です。こういうココ培地だけでココ栽培をする場合は、カルシウムとマグネシウムが足りなくなりやすいので、なるべくココ専用肥料を使うほうが無難です。)


「高品質のココ培地」とされるものは、原産国での乾燥をコンクリートの施設でおこなうので、まずその心配がありません。


そして、その後の保肥性をもたせるための「バッファリング処理」には、いくつかの肥料成分溶剤が使われます。

ところがコスト的な理由から、完璧なバッファリング処理までは原産国ではできないことが、ほとんどです。つまり、塩分やアク抜きされたココ培地は、原産国でも生産できますが、きちんとしたバッファリングは、ワタシが現時点で知るかぎりでは、オランダなどのヨーロッパでしか、ほぼ加工できない・・・つまりオランダほどの農業大国でないと、培地加工専用の工場の経営など成立しない!?ってことみたいです。

オランダは植物工場の技術の高さでも有名ですが、切り花や鉢植えなどの観葉花き類の生産もアメリカについて世界第2位で、オランダ産花き類のEU圏内でのシェアは、ほぼ1位という輸出大国でもあります。

ココ培地は、土ではないうえ清潔にもしやすいため、植物検疫もクリアしやすいことから、ココ培地をつかった鉢植えは輸出にものすごく有利っていう背景から、オランダではココ培地の加工技技術と設備がとても整っている、という事情が大きいようです。