2017年12月13日水曜日

SANlight 日本語ブロチャー。冬は葉面スプレーで生長促進!!!

12月だというのに、なんという寒さでしょうか。突然の豪雪にみまわれてしまった県の方々にくらべれば、関東では太陽がおがめるだけ、まだましなのでしょう。


ご近所の畑では、霜柱が立ちました。これがフキノトウであったなら冬はもう終わりなのに・・・











「日本語のブロチャー、どうも有難う !」と紹介くださいました。







今年の夏の雨降りのあと、たてつづけの秋の台風襲来で、今年は葉物野菜が高いです、だから育てます。土に元肥が入れてある露地栽培のシュンギクやらレタスです。
空気が乾燥しているし、寒さで根っこがあまり動かない冬は、露地栽培の植物たちに、ほぼ毎朝フィッシュボーンカルマグルトをぬるま湯で希釈し、葉面スプレーしています。葉っぱが大きく生長します。








ディルとニンジンも、葉面スプレーで生長がはやくなりました。葉面スプレーがついでにかかった雑草たちまでが、ぐんぐん育ってしまうのであわてて抜いています。







タネから育てている「ディアスキア」は花を咲かせたいので、カルマグルトだけでなく、開花促進効果の高いフレバリンTama PKを葉面スプレーしてます。ツボミがふくらんできました。





↓2か月前の発芽したての頃の同一人物です。 ひたすら寒くなるこの季節に、よく育ってくれてます。









今年のイチゴは、場所をとらないバーチカル・ポットで育ててます。おもしろいのは、一番上にあるポットのイチゴたちは、日当たりも一番良いのに生長は一番スローです。
一番上のポットは、培地の表面が乾きがちなせいで根の生長が遅くなるようなので、水やり回数をふやすよりも堆肥をマルチングして保湿してあげようと思います。







おなじバーチカルつながりの壁面フレーム多肉です。数ヶ月前に、空いてしまったスキマをうめるように小さなエアプランツどもを置いてみたところ、今のところは寒さはへっちゃらみたいで、葉色も青々としていて元気です。
夏にエアプランツを野ざらし雨ざらしにすると、おそろしい速度でガシガシとでっかく育つことを知ってしまったことをふくめて、今年はエアプランツに対する固定観念がひっくりかえりっぱなしです。







ガーデニング好きにとってハイリスク! うかつに見てはいけないNo.1な番組 NHK「趣味の園芸」。
その理由は、番組で特集された植物に魅了され、気がつけば園芸店をさまよってしまうからです。はい、ワタシも「しゅみえんマジック」にまんまとハマったひとりで、スズラン、アジサイ、クチナシが、気がつけば手元にあるんですよねぇ・・・不思議。

ということで、最近特集された「12月は、つるバラの剪定」を拝見し、さっそくラレーヌビクトリアの剪定と誘引をすませました。








横着なワタシにとって「カラーリーフ」ほど、ありがたい寄せ植えアイテムは見当たりません。去年の秋に植えて夏にボロボロになってしまった「リシマキア」と「フォックスリータイム」がミゴト復活しつつあります。カリスマ講師さんに叱られるとは思いますが、小さなシャベルでザックザック根元を掘りかえし、新しいココ培地と固形肥料をパラパラいれて植え戻し、毎朝フィッシュボーンカルマグルトを葉面スプレーして根の活着を促進しています。







カルーナは、花が少なくなる冬のヨーロッパで重宝されている印象があります。






これは、ちょうどハロウィンが終わったばかりだったとあるヨーロッパの都市の店先に飾られたカルーナです。







寒さに強く丈夫で色が長持ちするカルーナやゼラニウムのあざやかな赤は、ヨーロッパの石畳によくにあいます。冬のヨーロッパにくらべると耐陰性の在来植物が豊富な日本は、冬でも花の種類にとても恵まれていることに気がつきました。











寄せ植えしたばかりのビオラにも、開花と根の生長を助けるためにフィッシュボーンカルマグルトフレバリンを毎朝と、たまにTama PKを葉面スプレーしてます。低温で根の動きがスローリーな冬は、これらの活力剤をぬるま湯で希釈して、午前中に葉っぱにスプレーして吸わせてあげると吸収が促進されて早く元気に育ちます。

2017年12月5日火曜日

ジャンボ野菜率No.1の自動水やりシステム 「GoGro」。

かれこれ4年も前のことです。とある農業専門誌をめくっていくと、ひとつの記事に目が釘付けになりました。


「多肥、多かん水で超多収するのはなぜか?」

ざっくりと説明すると・・・

まるで沼地のようなびちゃびちゃの土壌で、これまた普通ならば肥料過剰で
障害が多発するような大量の窒素を入れて作物を育てると、
かぎられた面積の畑で常識ではありえないほど収穫量がふやせる!!!




という夢のような栽培方法です。

にわかには信じがたく、「根は酸素がないと肥料が吸えないんだから、ありえない! しかもビシャビシャの土壌で肥料あげすぎたら、いいことなんてあるわけがない!!!」

ところが、記事を読んで納得しました。

これを実践する上で外せないふたつのルールが、土壌のpH値が弱酸性であることと、根の中間部分は通常の水分量となっている土壌となっていること、なのですが、十分な水分を吸収できる植物の葉は気孔がとじないので、葉からの水分の蒸散を止めずにすみます。

根からの養水分の吸収は、葉うらの気孔が開いて水分の蒸散が続いているにさかんになるので、この状態だとぐんぐん吸収しつづけられるわけです。

多収穫に育てる最大のコツが「養水分をたくさん吸収できる根張りのよいプラントに育てること」、なのですから、多かん水で養水分の吸収量がふえれば収穫量も飛躍的に増える、というしくみで成立するんですねぇ、なるほど。



一方、自動水やりシステムGoGroを開発したニーナさんが教えてくれました。

GoGroで、おっきなキャベツを育てているUKのガーデナーがいるんだけど、もう知ってるかしら? GoGroで育てると簡単なだけじゃなくて、とにかく野菜がドデカく生長しちゃうのよ!!! 」ということで、GoGroとコラボして大きな野菜を育てているジャイアント・ベジさんのサイトをのぞくとベックラ!!!  




















「自動底面給水って、野菜が規格外の大きさに育つんだ・・・こりゃ、むかし読んだアノ記事のとおりだな・・・」と、記憶のなかで多かん水のすごさを思い出したってぇ〜わけなのです。


ということで、自動底面給水システムGoGroのメリットは、水やりの手間から解放される、ということだけではありません。

冒頭の「多かん水で、飛躍的に収穫率があがる!」のロジックとおなじく、ポットの底に常に培養液があるので、葉の気孔から水分の蒸散が活発になるおかげで、根は養水分をたっっっくさん吸収しつづけられます。そのため作物がでかく育ちたくさん収穫できる、というメリットがあります。





















多かん水で、飛躍的に収穫率があがる!」メソッドを実践する上で外せないルールである「土壌が弱酸性であること」については、ふだんCANNA COCO A/B肥料で培養液をつくる手順でクリアできますし、ポットの底にクレイ・ペブルスを3cmほど敷きつめ、さらにCANNA COCO培地クレイ・ペブルスからパーライトを約半分ずつミックスしたものをつかうこと、で根の通気性は確保できるわけです。
























現在は、1mスクエアのグロウスペースにGoGro15Lポットふたつ、エアロポット17Lふたつ、培地はCANNA COCO培地 + Aqua Clay のミックスが3鉢、CANNA COCO培地 + パーライト のミックスが1鉢、という組み合わせでミニトマトを育てています。



















自動水やりシステム GoGroで、野菜を大きく育てるポイントとステップは、こちらで詳しく紹介していきます。興味がある方は、ドーゾ!






2017年12月1日金曜日

SANlight S4W + GoGro の秋冬室内栽培

今日から12月です。
CANNA Tシャツ プレゼント中です。詳しくは、こちらで・・・
http://desktopfarmer.blogspot.jp/2017/11/canna-t.html


さて、仕事場ではいよいよトマトとパプリカの実生苗が大きくなって、GoGroで自動底面給水をスタートさせるタイミングを迎えました。


























1mX1mスクエアの栽培エリアに、ミニトマトをセットしたGoGroを4つ連結させ、グロウランプは、SANlight S4W にしました。


























グロウルームの壁面まで、まんべんなく明るく光が届いている様子が、はっきりとわかります。



























SANlight社での長年にわたる栽培テストの結果、複数の1mX1mグロウルームを使用して、S4Wを3つと、HPSランプ600Wでそれぞれ夏野菜などを育てると、やわらかな光がプラント全体にまんべんなくいきわたるS4Wのほうが、光合成の量が多くなると同時に、熱や光ストレスによる糖分の消費量が減らせるため、結果的に収穫量、栄養価、そして風味や成分が増加することがハッキリとわかっているそうです。

さらに、「 現在のSANlight LEDは、3年以上にわたって20ものグロウルームで、さまざまなLEDレンズ、色光、配置を試してみた結果、もっとも栽培効果が高かった組み合わせが製品化されたんです。未来永劫、このLEDが不動のNo.1ではないかもしれないけど、今現在のハイエンドな栽培用LED製品のなかでは、まちがいなくNo.1と言い切ることができます。」
























さらに、もっと広大な施設栽培でもSANlightの実力が実感されています。
https://www.sanlight.info/en/sanlight-p4w-led-exposure-testimonial-greenhouses/

2017年11月22日水曜日

ガーデニングに最適!!! CANNA Tシャツをプレゼント終了。

2018年1月8日をもちまして、配布終了いたしました。



例年よりも、冬の進行がはやい関東の11月です。

毎年暮れになるまで、ダウンジャケットなど着込んだことはなかったのに、
今年は、とっとと寒くなってしまいました。

とはいえ花木を愛する皆様にとって秋から冬は、完全なオフシーズンとはいきません。
クワを振り上げハサミで刈り込む、来シーズンの庭準備に汗する日々が、
早くも始まりますね。

と、いうことでガーデニング作業に、おしげもなく使っていただきたい
CANNA Tシャツをプレゼント中です。



オンラインショップで、CANNA製品をお買い上げのかたに、
お一人につき一枚ずつを先着順で差し上げています。


今年は、サイズのバリエーションも豊富!!!

メンズのクルーネックで、S・M・L・XL
と、
レディースのやや深めVネック(小顔効果バツグン!)、S・M・L があります。


デザインとサイズのご希望がある方は「メンズXL希望」とか
「レディースS希望」などを
ご注文時の備考欄に、ご記載ください。

なくなり次第、プレゼント期間終了となります。

ご希望を最大限優先いたしますが、在庫状況でご希望に
添えないことがございますので、
どうか、あらかじめご理解くださいませ。

また、CANNA Tシャツのみの販売は一切おこなっておりませんので、
その旨、何卒ご了承ください。

2017年11月8日水曜日

〜 SANlight 2017〜 植物の都合で光を見てみる。 その2

と、いうことで
のつづきで、栽培用ランプを正しく評価するためのお話です。

最終的な結論として、きちんと育てることができる栽培用LED SANlight M30SANlight S2WSANlight S4Wの自慢話へと、もちろんつなげさせていただきます。



HPSランプは、ランプ効率もPPF効率も、それはそれは優秀なのですが、
ムダになる光量子が多い=均一に光が当てられない。

HPSランプやMHランプは光が強く、栽培効果については一般的な栽培用ランプの中では、過去もっとも実績があり信頼できます。しかし、HPSランプやMHランプは放射熱が大きいので、植物への接近戦が苦手なうえ、さらにランプ本体のみが明るいので、均一にまんべんなく光を拡散させることが課題です。そのうえ、光が放射される方向はリフレクターまかせなので、広範囲に光を拡散させようとすると、どうしても植物以外の余分なエリアにピチャピチャと光が飛び散ってしまう宿命があります。 

また、HPSやMHの放射できる光の色は青や赤が中心ですが、ランプの熱で葉っぱ表面の温度が上がりすぎたり乾燥しすぎたりすると、葉っぱはダメージを避けようとして、光合成を休んでしまいます(光阻害)。





ここですこしだけ、今までの栽培用LEDランプについても、振り返ってみようと思います。

PPF値が高くても、ちゃんと育たなかった初代LED。

ここで、初代栽培用LEDの光の色について、なつかしく振り返ってみようと思います。登場したての栽培用LEDは照度ではなく、すでにPPF値を重視してデザインされていたので、理論上は、ちゃんと育つPPF値のはずでした。しかし、果菜類など光が多く必要な野菜は、しっかり育たないという結果が出てしまいました。




初代栽培用LEDが、いまいち育てられなかった理由はいくつか考えられます。

ひとつめが赤色LEDレンズばかり使っていたからです。赤色LEDは、青色LEDよりも少ない消費電力で放射できるので、赤色LEDを多くすれば省エネでPPF値をかせげます。
理論上は、十分な光合成ができるPPF値だったのですが、植物は光合成のためだけに光を使っているわけではありません。伸びたり花を咲かせたりする植物ホルモンやフロリゲン、そして免疫力を促進させるためには、青い光はもちろん、光合成には使わない紫外線、赤外線も必要です。

さらに初期の栽培用LEDは、熱放射が少ないことも原因でした。室温が上がらないので換気がおろそかになり、せまい栽培エリアだと酸欠になることがあります。 また、室温が上がらないと根が動かないため、培養液の吸収量が少なく生長が遅くなります。光合成は、光、温度、CO2、この三つ揃わないとフル稼働できないため、季節によって育苗には寒すぎて生長がめちゃめちゃ遅くなって生長期間が長くなって病気にかかりやすくなった、ということもあります。しかも栽培効果が低いわりに値段が高い! というアンバランスさも不満足につながりました。



ならば、と青いLEDも入れてみた。「レトロ・レッドなLED」。

赤色だけで育たないLEDが乱立し、「青色LEDも必要だ!」となったとたん、青色も適度に取り入れたものの、LEDの宿命として光線がビーム照射されてしまうので、エネルギーが強い青色ビーム光のせいで、光合成効率があまりよくなくて・・・なんかまだやっぱり育たないね。となってしまいました。さらに、熱に弱いLEDレンズを守るための内臓ファンが先に壊れてしまったり、作動音が大きかったり・・・ということもありました。






全部の波長が入った、高効率の白色LEDは?

そこで、放射の角度をつけたり、光が拡散されるフィルターを使ったり、さらに「 赤と青だけでもダメなら、白色LEDならば? 」となりました。だいぶ育つようになったのですか、例えば、最新の発光効率がダントツに高いインテリア用白色LEDは、とても省エネで明るいのですが、目の安全のためにブルーライトをカットするフィルターなどが使われてしまうので、栽培に最適なスペクトラムとはいえません。



「じゃあ 何色のLEDがいいの? 」と思いますが、その前に植物が光合成できる光の色を実際にみてみましょう・・・

↓光合成色素が吸収できる光の色と吸収量。
*資料は、「光合成とはなにか by 園池公毅」 著より
しかし画像はオリジナルなので転載NGです。





↑を見ると、植物の光合成色素は、赤と青だけじゃなく、緑や黄色やオレンジも吸収できることがわかります。そして↓は、SANlightの光の色です。太陽と同じ可視光線、レインボーカラーが放射できるので、すべての生長段階に共通して使えます。 生長期ごとにランプを揃える必要はなく、生長段階にあわせてランプの距離で調整するだけでOKです。




緑色の光は、人が明るく感じる光の色です。
500nmから600nmの青色から緑色エリアもきちんと放射できるLEDに照らされた苗は、人が見てもあまり違和感がありません。






主に赤色LEDと青色LEDのレトロ・レッドな光に照らされた苗は、ハイキーに見えます。植物が光阻害を起こし、光合成を休んでしまいやすい光の色は、青→白→緑→赤、というように、波長が短くエネルギーが大きい色の順です。





緑色の光は、実は光合成色素がよく吸収します。 ムダだと思われていた緑光も、じつは光合成のためにほぼすべて利用できる、ということがわかってます。さらにイチゴなど短日性植物は、緑色光が抵抗力を促進させるということもわかっていていて、減農薬と甘みアップができる栽培方法としてすでに普及しています。

SANlightは、接近戦に強く、狙ったエリアにだけ光が届く。

一方のSANlight は、LEDなので放射熱が少なく(本体温度が最高で80℃)、HPSやMHのように植物からウンと離さなくてはならないということがありません。 さらに照射角度を絞ることができる二次レンズ装着LEDなので、壁面など植物以外に光量子が飛ぶムダがなく、真下の植物は効率よく光量子を吸収できます。 つまり、むやみにワット数を大きくしなくても、きちんと育つのです。

 SANlight LED の栽培効率の高さの理由は、これだけではありません。

例えば、同じPPF値がだせるHPSランプやLEDランプよりも、「SANlight で照らすと、エリア内で暗くなってしまうデッドゾーンができない」ということにつきます。その理由は、2次レンジ装着のLEDを広範囲にバランスよく配置しているからです。

デッドゾーンを作らない光の放射は、植物全体の葉っぱ全体が等しく光合成できるので、バテたり傷んでしまったりする葉っぱがなく、光合成を休みません。このことは、オランダの植物工場に関する最新研究によって、トップにだけ強い光を当てるよりも、多少弱い光でも、エリア全体にやわらかく均一に当てた方が、品質と収穫量があがることが証明されています。

ということで、栽培効果が高く信頼できる栽培用LEDとは・・・

  1. 太陽と同じ虹色のスペクトルが、栽培エリア全体にムラなく放射できるLEDレンズと配置。
  2. 同ワットのHPSランプと比較したとき、PPF値とPPF効率が高い。
  3. 高品質LEDレンズの発光力を活かしつつ、レンズ寿命も長くできる電子基盤。
  4. 使用パーツのすべてが確かな品質で故障が少ないこと。OEM製品は、製造ロットのたびに使用パーツが変わっていることが少なくありません。
  5. 栽培効果の高いLEDは、やっぱり人の目で見ても明るい!





なので例えば、放射角度が自在な SANlight M30 を暗くなりやすい壁面や中間の高さに置いて補光用ランプとして活用する、とか、温度を下げたい真夏は、1㎡スクエアにSANlight S4Wを2本、といったように、環境や条件で使い分けられることも魅力です。

2017年11月7日火曜日

〜 SANlight 2017〜 植物の都合で光を見てみる。

室内栽培で、欠かすことができないアイテムのひとつが、太陽の代わりに植物に光を届ける「栽培用ランプ」です。しかし、LEDという次世代ランプが登場してから、

「省エネでよく育つと思っていたら、あんまり育たない。数値は問題ないのに・・・」
「そもそもランプについてくるデータシートの単位がよくわからない。今は、ルーメン、ルクスじゃないの?」

などなど、わかろうとすればするほど、頭の中でハテナが増えていく切なさがあります。 そしてここ数年間というものは、「600WのHPSと同じ栽培効果を期待するなら、LEDも600W必要なんだね。」という結論で、ほぼ収束していました・・・

ということで、本当に育てられて省エネなLEDのお話の前に、まず見たり感じたりすることはできるけど、手で掴むことはできない「光」についてのお話からです。なぜならランプを正しく評価するにはまず、なんといっても光の正体を知らなくてはなりません。

まず、光にはふたつの顔があります。ひとつめの顔は「光は波、エネルギーがある波=電磁波」、ふたつめの顔は「光は粒、光量子とよばれる粒」。どちらも光の本質なので、顔なじみになっておきたいところです。さらに、「人の目が基準の明るさ」と「計測器が基準の明るさ」があります。 このみっつの要素さえ覚えちゃえば、光なんてイージーイージー!?


光は、エネルギーふたつの顔のほかに、人の目か計測器の目か、この3つの組み合わせで測ります。
  1. 計測器が感じる電磁波エネルギーを測る =放射測定(フラックス)、単位がW(ワット)。測れる光の範囲は計測器それぞれで、可視光専用や赤外線、紫外線専用などさまざま。
    ・それを測
  2. 目が感じる電磁波エネルギーを測る=測光(おなじみの単位ルーメン)、目で見た明るさのみが基準。
  3. 光の明るさを粒数の多さで測る=光量子測定(フォトン)、モル数で測る

1 と 3は、人の目が感じる明るさにまどわされず、光がもつエネルギーそのものを基準に測ります。 2は、人の目に見える明るさが基準のエネルギーで測ります。











カンデラ、ルクスとか、チョーなつかしくな〜い?

・・・ちょっと前まで栽培用ランプの明るさはインテリア照明用の基準、2の「光束=ルーメン」で評価されてました。人が見た明るさで比較していたのです。なつかしさの象徴として、昔からある有名な画像の登場です。





↑を見るとおり、HPSランプ400W一本と同じ明るさをだすには、T5蛍光灯54Wで10本、CFL高出力蛍光灯125Wで5.5本・・・といった具合です。では栽培用ランプを評価する単位が、どうしてなじみぶかい「ルーメン」から変わったのか? というお話です。
植物の光合成によい光と、人の目に明るい光は同じじゃありません。「ルーメン」は、人の目で感じる明るさを数値化したものです。なので「 人の目に明るく見えるランプ=光合成にベストなランプじゃないからさ、どうしようか? 」となりました。







ところで、植物にとって光合成できる光の色は?
植物が光合成できる光の色(波長)は、光合成色素が吸収できた光の色だけです。
可視光線である紫色380nmから真っ赤780nmの範囲のなかで、光合成のために吸収できる光の色は、青400nm赤700nmです。

「植物だって、やる気出せば赤外線でも光合成できるんじゃない?」と思ったところで、光合成は化学反応で根性論ではないので、そうもいきません。






光合成に使える光放射の幅=PAR(光合成有効放射)。

光合成色素は吸収できる光の粒かどうかを、その粒が持ってるエネルギーで判断してます。つまり、飛んできたいろんな色の光量子というツブツブのなかで、光合成に使えるエネルギーをもった粒だけを吸収してます。
光合成色素が吸収できる光量子青400nm赤700nmの範囲をPAR(光合成有効放射)」とよびます。
このPARは、和訳に放射とついているので・・・
1. 測定器が感じる400nm赤700nmの範囲の明るさ
つまり「光合成に有効な光エネルギー」の幅だけを指します。なのでPARの単位は「ワット(W)」になります。




とはいえ光合成量は、吸収できた光量子の数できまる。

このあたりから脳みそがグラングランしてくると思いますが、光合成量を決めるのは、吸収できた光量子の数です。なので放射であるPARだと、いろいろと誤差が出ます。

そこで、

3. 光の明るさを粒数の多さで測る=光量子測定(フォトン)

で、青400nm赤700nmの範囲の、光合成に効果がある光の粒の数だけを測ろう、ということで光合成有効光量子 の登場です。




栽培用ランプの明るさ評価は、光束から光合成有効光量子束(PPF)へ。

そこで、栽培用ランプの明るさの評価は、同じ束は束でも光合成に効果のある光量子の粒の束、という意味の「光合成有効光量子束(PPF)」にすることとなりました
「いくら光のエネルギーが大きくて明るく見えても、光合成量に比例しないんだったら、栽培用ランプの評価には意味ないじゃん」、ってことです。

PPFの単位は「μmol/S」、読み方はマイクロモルパーセカンドで、ユーモリモリ? ではありません。「そのランプは、光の粒を一秒間に何粒だせるかな?」という意味です。
マイクロモルってのは、光量子の粒数の単位ですが、どのくらいの大きさ? については、どうかググってください。





光束(ルーメン)が、光合成有効光量子束(PPF)になるなら、
照度(ルクス)は、光合成有効光量子束密度(PPFD)だ

たとえば、1mスクエアの栽培面積に、ランプを50cm離して当てた場合と、10cm離して当てた場合は、面を照らす明るさはもちろん変わります。そこで、その面が人が見てどのくらい明るいのか?  ということを数値化したのが照度=ルクス」です

でも照度は、植物にとっては正解ではない。だから、光合成によい光量子が1mスクエアに何粒届いてますかぁ? を測らなくてはならんので、「照度=ルクス」のかわりに登場するのが「光合成有効光量子密度=PPFD」です。

PPFDの単位は、μmol/m2/S」。読み方は・・・マイクロモルパー平方メートルパーセカンド、です。光合成に効果のある光の粒が、一秒間に1mスクエアあたり、何粒届きますかぁ? ということです。
ちなみに、PPFDは、自分の畑の作物にどのくらいのPPFが届いてるか?  がわかるので、生産現場では一番つかわれています。






だからランプの効率のよさを比べる単位も、かわりました。発光効率からPPF効率へ。

一般照明には、蛍光灯から水銀灯、そしてLED、といろんな種類があります。そのランプが1Wの電力をつかって、どのくらい光を出せるか、というのが「発光効率=ランプ効率」でした。だから単位は、「ルーメンパーワット lm/W」です。

  1. 高効率HPSランプが、約120 lm/W
  2. MHランプが、約90 lm/W 
  3. 白色LEDが、約50 lm/W

くらいです・・・このように以前の栽培用ランプは「発光効率」で効率の良さを比較してました。


でも植物の光合成に必要な光は、「PPF=光合成光量子束」なので、栽培用ランプの効率は、「1ワットをつかって、どれだけのPPFを出せるランプなのかなぁ?」です。単位は「μmol/J(まいくろもるぱーじゅーる)」です。じゅーる? J=ジュールは、1Wが1秒間続いた時のエネルギー量です。
  1. 高効率HPSランプが、約1.8μmol/J
  2. 高効率栽培用白色LEDが、約1.5μmol/J
そして、SANlight LED本体のPPF効率は 2.5μmol/J、と、高効率のHPSランプをしのぐPPF効率の高さです。










次回に続きます・・・

2017年11月2日木曜日

2018 ルナ・カレンダー差し上げてました。

今年もあと2ヶ月をきりました。はやいものです。ハロウィーンがおわれば、巷は一気にクリスマスムードに突入。

ということで、大変お待たせをいたしました。

2018 ルナ・カレンダー ができあがりましたので、
お買い上げの方に差し上げてま〜す。