2020年2月3日月曜日

高齢者向けの植栽、シャドウガーデンとドライガーデン。

もう2月です。バラは本来、芽が動きだす前のこの時期に剪定せねばならないのですが、今年の暖冬のせいで、バラが冬眠せずに咲いちまってるのをあちこちで目にしました。

さて、「園芸は、国家繁栄のバロメーター」の言葉のとおり、思い起こせば80年代のバブルのあたりから、本格的にガーデニングブームが続いているニッポンですが、目にうつくしく映るガーデニングは、気力・体力・知力、そして財力が要求される趣味でもあります。

一方、超高齢化社会をむかえるニッポンでは、ご高齢の方にとって手入れしきれない「植栽」が、大きな負担となりつつあることも事実です。土だけになったプラ鉢がたくさん積み重ねられていたり、外構のコニファーの葉が枯れ込んで幹だけになってしまったり、目かくしに植えた生垣が生い茂りすぎて、重たく見えてしまったり・・・

すでに土だけになってしまっている重くて大きな植木鉢は歩行のジャマだし、つまずいて怪我の原因となります。 剪定されていない生垣は、視界がさえぎられ空き巣に狙われる原因となってしまいますが、ご高齢の方がそれらをサクッと解決することは、とても大変です。





首都圏のベッドタウンでは、オトナリどうし、玄関と掃き出し窓が向かい合わせ、ということは珍しくありません。お互いのプライバシーを保つために、境界線に大きな物置や高い塀を設置してしまうよりも、緑の目隠しをしつらえる方が文化的に感じます。 







しかし、バラや果樹のような害虫がつきやすく、薬剤や手入れがひんぱんに必要な植物は、ご高齢の方にとって重労働なうえ、ご近所トラブルの火種となってしまいます。ハナミズキなどの落葉樹も、落ち葉ひろいが大変です。なによりも建て込んだ住宅地では、あまり日当たりもよくないので、植えられる植物の種類は限定されてしまいます。かといって手入れがあまりいらない常緑系の低木だらけでは、味気もありません。






「 耐陰性が高く丈夫な常緑性植物、水やりや肥料もあまりいらず、生長が遅いから剪定もほとんど必要ない。葉っぱが生い茂らないのに、きちんと視線はさえぎることができる。」


このことを念頭に「あれは枯れるな、これなら多分枯れないですむ」と、脳内で植物の選別をしてみました。さまざまざまな植物どもを枯れ殺してきてしまった私の苦い経験が、こんなときに活かせる時がきました。




それが「シャドウ・ガーデン」と「ドライ・ガーデン」です!


シャドウ・ガーデン」は、耐陰性が高く手間がかからない植物をセレクトしました。
オトナリ様の掃き出し窓との境界線には、常緑で耐陰性が高く、しかも低木性のジンチョウゲとスキミアを植えました。ジンチョウゲは、日当たりが悪くても明るく見えるように、黄色い覆輪(ふくりん)が入る品種にしました。 雑草抑制のためのマルチングには、明るい緑色をした山苔を使いました。こういう半日陰の場所では、せっせと霧吹きをしなくても、苔の美しさを長く保つことができます。端っこに植えたヒューケラやタマシダは、根づまりしない限りどんどん広がるので、ゆくゆくどれかが枯れてしまっても、あっという間に欠株スペースをカバーしてくれます。









花の種類が最も少なくなるこの時期に、まっさきに咲いてくれる「ロウバイ」は、低木性で丈夫です。住民のリクエストで植えました。








不思議と昭和風の「シャドウ・ガーデン」とも違和感のない「ドライ・ガーデン」は、乾燥地帯で育つユッカやネイティブ・プランツなど、葉の形や色が美しく寿命が長い、ワサワサと生い茂ったりせずに目隠しになる。さらに、真夏でも水やりが忙しくならず、肥料や剪定もあまり必要としない上に、耐寒性もあって屋外でも育つ植物どもをセレクトしました。 乾燥に強いだけでなく、ある程度の耐陰性もありながら、カラフルな葉色が暗くなりがちなエリアを明るくしてくれます。木本植物ばかりなので、植えっぱなしでOKというところも高齢者向き!
難分解性繊維で多孔質のココチップを表土にマルチングすると明るくなるうえに、カリウム補給にもなるし、有用菌も住みつきやすい資材です。










もともとあった植木は抜かずに移動させ、新たに何種類かを植えたし、使っていない植木鉢をすべて撤収して、花壇まわりのスペースを広くしました。











大きくてスタイリッシュなプランターは、土でいっぱいにしてしまうと重たすぎて動かせなくなってしまいます。10号くらいの軽くて大きなプラ鉢で底上げするか、アク抜きベラボン(ココハスクのチップ)など軽いものを半分つめてしまい、その上に鉢植えの植物をポンと置いてしまえばイージー・イージー!!! 表土を苔やバークチップなどでおおえば、それらしく見えてしまう手軽さ!









撮影できませんでしたが、仕上げに、ランニングコストがほぼゼロのソーラーガーデンライトを植栽の間にセットしました。空き巣被害が多い日没直後に、点灯しはじめるので防犯対策にもなります。



2020年1月28日火曜日

花が咲いたら3000K-R !!!

室内秋冬(しゅうとう)栽培のジャンボピーマンに、いよいよ花芽がつきましたので、開花期スタートです。 開花期に最適な pHull sPectrum 3000K-Rランプに、さっそくチェンジしようと思います。










年間で、日差しに紫外線がもっとも多くなる春先にかけて生長期をむかえる夏野菜は、近紫外線から青色光の エネルギーが高い光の波長を多く受けると、ガッシリとコンパクトに、そして元気な苗に育ちます。そのため、春から夏に活動する植物の生長期には、景色が白色光に見える pHull sPectrum 4200Kランプ の光がベストです。







花芽が見えて開花期がスタートしたら、赤色波長を多く放射するpHull sPectrum 3000K-Rランプが最適です。CMHランプの中では、最も多くの赤色波長を放射するpHull sPectrum 3000K-Rランプのフルスペクトルな光は、pHull sPectrum 4200Kランプ よりも光量子がはるかに多く含まれるので、光合成運動を促進させることができます。







光の質を変えて光合成量をふやせれば、ピーマンは糖分を多くつくることができるので、大きな果実を実らすためには欠かせない条件となる、大きな花を咲かせることができます。糖分が増えると、体内のチッ素を減らすこともできるため、天然の花なりホルモンも多くなり、受粉作業や合成ホルモンの助けをかりなくても、花が落ちずに勝手に実ってくれます。


光の質は、あくもでも栽培環境のひとつの要因にしかすぎませんが、近紫外線から赤外線までの範囲をすべて放射するフルスペクトルな光は、植物にとって光合成効率のみならず、免疫力を引き出したりなどの、それはそれは多くのメリットがあります。



2020年1月27日月曜日

天ぷらでいけそうな、ショクダイオオコンニャクの花

「真冬の温室は、あったかくて、さぞかし居心地がよかろうなぁ・・・でっかいコンニャクの花も咲いてるし。」ということで、週末は「筑波実験植物園」へと足を運んでみました。

雨季と乾季がはっきりした雨が少ない地域であるアフリカ、オーストラリアなどの環境を再現したサバンナ温室は、「お〜、かっこいいグリーンインテリアそのものだぁ!!!」こんなお庭があったら・・・と思いますが、転んだら相当痛いと思います。






木質化した亀甲竜と、プチプチとした多肉のタマツヅリの組み合わせが、気に入りました。










耐寒性のあるユッカとアガベの植栽は、水や肥料をこまめに与えなくてもいいし、枝の剪定もほとんど必要ないので、「庭木の手入れがしたくても、体力的にあまりできない、花は大好きだけど季節ごとの植えかえが大変だから、もうあきらめないと・・・」という高齢な方のお宅にとても良いと思います。トゲトゲした葉っぱどもは、泥棒よけにもなりそうですね。








本命の「ショクダイオオコンニャクの花」は、熱帯雨林の温室にいましたが、こんなにデカイとは思いもよりませんでした。







この温室内は、帯雨林の環境を再現してるだけあって、とにかく湿度か高い高い!!! 蒸し暑い蒸し暑い!!! ダウンジャケットを着たまま、うろうろうしていると5分で熱中症になりそうなほどに高温多湿。あっというまに集中力がとぎれ「なんかもう、どうでもいいや」的な罰当たりな気分になります。次回こそ、咲いたその日に伺いたいと思います。








屋外との温度差もあって、レンズを拭いても拭いても、あっというまにクモってしまいます。 花の内側をみられるように、四角く切り取ってありました。質感的には、カボチャの花を思い出します。









フペルジアやコウモリランをはじめ、レアな熱帯雨林プランツたちも、あっという間に育て方を習得してしまう園芸大国ニッポンの熱心な愛好家さんたちのおかげで、かなり入手しやすくなってきました。









難易度が高いと言われてきたエアプランツたちも、管理のコツがずいぶんとつかめてきました。我が家のコットンキャンディも、あともう少しでこんな感じで花を咲かせてくれそうです。









コドモもオトナもたのしめる研究展示館では、絶滅危惧種の植物たちの組織培養がおこなわれていました。かならず寒天培地をカビさせるワタシにとっては、憧れのエリアです。








絶滅してしまった「コシガヤホシクサ」も、この研究室からふたたび蘇ると信じています。







屋外の砂礫地区画では、真冬だというのにキノコがひょこひょこと立っていました。
「ナガエノホコリタケ」というそうです。








ロウバイと紅梅が、咲いていました。
葉っぱより先に花が咲くので、青空によく映えます。







2020年1月21日火曜日

おうちで楽しむアーバンガーデニングと温浸法オイル

いくら暖冬だとはいえ、くもりや雨ふりな日の底冷える寒さは、やはりすこしユウウツになります。









ということで、気分転換に「インフューズド・オイル」作りを楽しんでみました。

インフューズド・オイルとは、香味野菜やハーブをベジタブルオイル(植物油)に漬けこみ、有効成分をオイルに抽出させる方法で、「温浸法」と「冷浸法」のふたつの方法があります。「冷浸法」は、でき上がるまでに数ヶ月かかるので、せっかちな私は「温浸法」をチョイスしました。


  • 温浸法」は、茎や葉、根っこなど固めの部位を使うハーブを、熱に強く酸化しにくい植物油に浸し、50℃〜60℃で数時間加温しつづけ、植物油に香りやうまみ、ビタミン、テルペン、カルテノイドなどファイトケミカルとよばれる脂溶性の薬草成分や美肌成分などを抽出する方法です。



  • 食用ならば、オリーブオイル、米油、スイートアーモンド・オイル、マカダミアナッツ・オイルなど加熱しても変質しにくい食用油がよく、



  • マッサージや保湿、クレンジング用でもほぼ同じですが、ホホバオイルなど、いわゆる「キャリアオイル」に用いられる植物油がよいです。肌に塗るとベタベタするので、できあがったオイルには「ポリソルベート」など乳化剤を15%ほど加えて使い心地を軽くします。









温浸法インフューズドオイル 」は、「特別な材料も必要なく手軽でシンプルなのに、ハーブの美肌成分や有効成分が存分に引き出せる」ということで、最近手作りコスメ派の方たちに大人気です。

1. 料理にひとかけ! フレーバー・オリーブオイル
まずは、非常にベーシックなインフューズドオイルを作ってみました。オリーブオイルに、ニンニク、ローズマリー、オレガノ、唐辛子を刻んで入れました。











年末の「熱帯の電脳月曜日・・・」で安さにつられ、ついついGETしたヨーグルトメーカーです。 ヨーグルト -> こうじ甘酒を ほぼほぼ日替わりでつくっているので、とてもとてもとてもとても重宝しています。 さらに「温浸法インフューズドオイル」づくりにも活用しています。 上のオリーブオイルをセットしたら、50℃〜60℃に設定して、3時間加温してみると、ニンニクやハーブの香りがしっかりと楽しめるフレーバーオイルができました。ピザやチキン、サラダにひとかけすれば、気分はもうリストランテ!!!







2. 低温調理器なら、DIYクレンジングオイルもたくさんつくれます。
ついつい欲しくなってGETしたものの、いまいち活用できず眠らせてはいませんか? 
ヨーグルトメーカーはもとより、低温調理器!!!  60℃前後でお肉のカタマリを加熱すると、やわらか〜くおいしく仕上がるということで話題の「低温調理器」です。低温調理器」は、一度にたくさん「温浸法インフューズドオイル」を作りたいときにベリーベストです。
加熱に強いホホバオイル、アーモンドオイルや米油をブレンドし、オイル全量の15%程度の乳香+紫根+ハイビスカスを浸して60℃/5時間加熱しました。5時間後、オイルは鮮やかな赤ワイン色に変化していました。ザルと布でオイルをぎゅっと漉してできあがりです。

できあがったオイルのままだと水で洗い流せないので、乳化剤である「ポリソルベート80」を全量の10%ほど加えると、軽い使いこごちになるので、メイク落としだけでなく保湿オイルとしても使えます。










3. 温浸法ならば3年待たなくてもできる、ビワの葉インフューズド・オイル

腰痛や神経痛、虫刺されや打ち身、ねん挫などの痛みを緩和してくれるビワの葉の薬効は、すでに知れわたっていることと思いますが、焼酎を使ったビワの葉エキスづくりは、「冷浸法」なので、できあがるまでに何年もかかります。そこでビワの葉を刻み、美肌効果の高いホホバオイルや米油に漬けこみ、低温調理器で60℃/5時間 加温しました。

その効果ですが、帯状疱疹の発疹や痛み、かゆみが出たところに塗ってすり込んでいますが、症状がやわらぎます。とはいえ「ビワの葉エキス」の温湿布のほうが効果は高いように感じます。ビワの葉インフューズド・オイルは、外出先でも塗ることができるので携帯用に使用しています。












一方、CMH315Wで育てている秋冬室内栽培のジャンボピーマンやミニトマトどもは・・・





めきめき大きくなってきました。ジャンボピーマンは花芽がつきました。開花期のスタートです。





今年の最初の様子と比較すると、この2週間でずいぶん生長したことがわかります。








今年上旬のころのSANlight  Q6 215W LEDのミニトマトたちです。






ミニトマトも2週間でこんなに大きくなりました。







ミニトマトをはじめ夏野菜の多くは、季節に合わせて動くので、花が咲いてから40日〜50日で収穫となりますが、秋冬の室内栽培だと登熟まで日数が多くかかるので、それはそれは甘くおいしいミニトマトが収穫できます。









さて、ビカクシダがわりと寒さに強いとわかったので、アウトドアのガーデニングが忙しくない今のうちに、植えかえてみました。植えかえ時のダメージを和らげてくれる「スーパースライブ」と、吸収性が高い「ハイドロポニック用肥料」を薄めに希釈して、たっぷりと水やりしました。








根鉢をコンパクトにして、たくさんの花苗を植えこむ寄せ植えにも「スーパースライブ」と「ハイドロポニック用肥料」は、効果があります。 ダメージを受けた根の回復と生長をサポートして、花芽の立ち上がりも早く多くなります。



2020年1月14日火曜日

冬の収穫と景色を楽しむ

今年は暖冬のおかげで、「寒すぎて、まだふとんの中から出たくない!」 という朝があまりありません。いっぽうで、東京オリンピック開催中の夏が、あまり暑くならないといいな、と心の奥底から願います。

さて、外壁工事の関係で制限があり、まあっっったく手入れができなかった「みやまコカブ」でしたが、年が明けて収穫できるようになりました。






間引き作業がほぼできなかったので、こんなアリサマですが、収穫したコカブを生でかじってみると、ウットリするほど甘くおいしく、結果オーライとしました。

























気がつけばもう1月中旬にさしかかり、花々があるカラフルな景色が、ますますありがたい季節となりました。



















エサがとぼしくなる冬のあいだ、小鳥たちのためにピーナッツリースをこしらえています。春を迎えてからバラにつく害虫たちを食べてもらうためです。

























家の外構をコンクリでおおいたくない派なのですが、その理由はミミズコンポストもできるし、古い油を埋めて処理もできる、という土の浄化機能を利用しないのはもったいない!と思うからです。同じく土の空間を残しておきたいマダムが住むお宅の庭先には、今時期はきっと長ネギが埋けられていることでしょう。
























初詣にお参りした神社で見つけた、備長炭とスギゴケの植栽がすてきでした。これなら、なにかを植えて枯れてしまったまま放置してあるプランターや、日当たりがよくない庭の小さな空間にも、ローメンテナンスでできそうです。