2011年5月27日金曜日

ソイルレス・ポッティング栽培のTomaoteたち

バラって虫がつきやすいし肥料の好みもあって、とっても繊細で手がかかる植物かと思えば、実はなかなかタフで打たれ強い面もあります。あれだけゴージャスでアイキャッチングな花を咲かせるのに、水さえあれば新芽を出そうとする根性は、歳を重ねても老いを感じさせない女優さんに似てるなと思います。

おそらく一週間ほども前から折れていた茎についたバラのツボミです。「どうもブラブラするツボミがあるなぁ」とよく見てみたら根元の方で茎が折れてました。

折れてた茎を水切りして水に挿しておいたら
翌日には、ちゃんとツボミが開きました。

ディズニーランド・ローズというバラです。

あまった茎はもちろん挿し木にしましたが、もう置き場がないので、うまく根づいたら、だれかにあげようと思います。









ところで、今日の本題です。
ココ栽培のトマトたちから挿し木でとったトマトの苗たちは、「Soilless Potting Mix=ソイルレス・ポッティングミックス」で育てています。

ソイルレスポッティングミックスとは
私なりに訳すと
「植物原料由来の鉢植え栽培専用の有機培土」

長い・・・











ソイルレス・ポッティングは、欧州で長いあいだ愛用されてきた歴史があって、メインの原料は「ピート(ピートモスなど)」です。そのほかに保肥性や含気性、排水性を調整するために配合される素材はココ培地や完熟の腐葉土をはじめ、無機培地のパーライトが配合されてるものが多いです。
一口に「ピート」といっても、その性質や特徴はさまざまざまで、欧州ではその昔(いまも?)、冬に石炭の代わりにストーブの燃料にするほど、燃えやすく炭化が進んだものまであります。主に北欧などの寒いところがピートモスの産地となっていて、国内では北海道でも採れます。
とてもとても長い説明になるので、ピートの種類や品質のチガイについては、また今度・・・

グラスハウスなどの施設栽培やホビーの室内栽培のために作られたポッティングミックスの場合、キホンは水耕と同じく養液で育てるので、水溶性の液体肥料に適したピートをメインに使います。養液栽培に適したピートってのは、pH値を中性に調整してあってEC値が低いのでココ培地に似てもいますが、ココ培地よりも保水性と保肥性がずば抜けて高いのです。
な・の・で、ココ培地よりも更に、手間とコストがかからなくてすむってぇわけです。

数十年前に欧米でハイドロポニックスが流行りはじめると、無機の肥料と培地だけで育てる水耕栽培に「疑問」? 「飽き」?  「コスト削減指向」? などなどの新たなニーズがでてきて、伝統的な有機培土「ピートモス」で養液栽培にトライしたものの、マニュアル化がむづかしくウマくいかず、新たな有機培地「ココ培地」が誕生し、ほぼ水耕栽培とおなじ手軽さがウケたんですが、やっぱし培養液をたくさん使うので肥料代がバカにならず、グロウ・バカなスペシャリストたちは、もう一度「ソイルレス・ポッティングミックス」を研究しつくし、「いろんなピートを試行錯誤でミックスしてみて養液栽培に近い配合を考えたよ! 有機培土なんだけど水耕栽培みたいにカンタンに育てられるよ!!! ピートだと乾きが遅いから、水やりも回数も減るし液肥も毎回あげなくていいし有機肥料も使えるし、お財布のヒモが固いヒトにもピッタシ!!!」

というバックリしたストーリーがあるようです。

ちなみにこれは「ソイルレス・ポッティング培土+専用の化学(無機)肥料」で育ててる方のトマトです。この後に紹介する有機肥料よりも吸収がいいようで、培地の乾きが早く強い草勢に育ってます。














こっちは「ソイルレス・ポッティング培土+専用の100%有機肥料」で育ててる方のトマトです。苗がまだ小さい頃に、仕立ててたら茎をボッキリ追ってしまいまして、皮一枚でつながってたんですが、テーピングしておいたら、ガンバって育ってくれました。














ということで、無機肥料の方がやっぱり根の吸収率が早いんですが、カンジンの実は、なぜか100%有機肥料のほうが、花数が多く咲いて実も多いんです。











こっちは無機肥料の培養液をあげてるほうです。

実は大きいんですね〜。















ソイルレス・ポッティングミックスは、酸性のピートを中性にするために予め石灰(カルシウム)を入れて中和させているうえ、保肥性が高いです。そんなこともあってココ培地とちがって肥料の培養液は、水やり2回〜3回に一度くらいの割合で、例えばトマトなら2段〜3段花が咲き実がついてくると体力が落ちてくるので、その辺りから培養液のEC値を本格的にあげていったり、培養液を毎回か2回に一度にしたり・・・って感じです。(苗の調子が良ければ、培養液を毎回あげてしまっても、思ったよりヘッチャラそうです。)

ココ培地よりもバツグンに吸水性が高いので、同じサイズのポットで育ててるココ培地のトマトより、水やり回数も肥料の減りもとっても少ないです。つまりココ培地より手がかかりません。(もちろん乾く速度は、ポットの大きさによって変わります。)

あとは「味」です。
ココ培地の場合、肥料EC値をある程度までちゃんと濃くしないとトマトが甘くなりにくいのですが、ソイルレス・ポッティングミックスはどうなるでしょ〜か〜???
楽しみでス。