2011年10月24日月曜日

根いたみの症状とリカバリー その2

先週に、根いたみの症状が出ていた「あかねっ娘」でしたが、回復したもようです。
どれがソノ葉っぱなのか、分かりづらいのですが、ストレス色素で葉のフチが赤くなっていた左側のちっちゃめな葉っぱが、ノビノビと広がってくれて、新たな新芽も、苗の真ん中から顔をのぞかせています。













新芽に異常が出たり、伸びざかりな生長期なのに急に丈が伸びなくなる「芯どまり」とよばれる生育障害は、根っこに異常が起きていることが多いので、この症状を見逃さず1日でもはやく対処したほうが、ベターです。

この「芯どまり」は、どんなときに起きてしまいがちかと言えば、培養土やココ培地などの有機培地では、大きなポットへ植えかえた時に、根っこが切れて傷んでしまったり、水耕栽培などでは、培養液の肥料濃度が濃すぎて、根っこから水分の逆流などが起きて(= 肥料やけ )、根いたみします。

あと季節的な要因だと、夏場は培養液の水温が30℃以上になってしまって、酸素が溶けていられなくて酸欠になったり、高温と高いpH値で有毒なアンモニアガスが発生したりして、培養液中の根っこが傷みやすくなります。こんな時はだいたい根っこが茶色く変色して、手で触るとモロモロと崩れてしまうようになります。(特に、真夏のハイドロ・システムで多いです。)
冬は水温が低くなるので、酸素はわりと豊富で根っこは真っ白で健康だし、低温のほうがよく効くカルシウムやリン酸のおかげで、病気にも強くなったりもするんですが、15℃以下になると、根毛が消えてしまったり、低温障害で葉っぱにアントシアンが出て赤紫色になってしまって、芯どまりしたりします。

そのサインを見逃すと、リカバリーに時間がかかって、手間も時間も肥料も電気もムダに浪費してしまうことになるってぇわけです。


根いたみが起こりつつあるサインが出たら、

私の場合ですが、ハイドロシステムなら肥料濃度を薄くした培養液に取りかえて、ココ培地などなら、活力剤オンリーの培養液で培地を洗い流します。
そして、葉っぱがクタッとしおれてしまってる状態なら、光も弱くします。






次に、根から肥料と水分を吸い込む力が弱っているので、葉っぱから養分を吸わせてます。
アミノ酸や糖分や微量ミネラルやオーキシンなんかが、根っこを伸ばす効果が大きいのですが、水耕栽培用の根の有機活力剤には、そんなものがゾロリと配合されてますから、それを葉面スプレーして、葉っぱから吸わせます。

せっかく葉面スプレーしても、吸われないんじゃ意味がないので、湿度をうんと高くして、葉からの養分吸収を高めてみました。

ちなみに肥料養分を吸うのは、気孔ではなくクチクラ層とよばれる保護膜からではないかとされてるそうです。






あくまで私の場合ですが、24℃くらいで、湿度を65%〜75%にまでキープしてみました。
湿度が高いと、ウドンコ病とか虫とか出そうかなと思いましたけど、カルシウムとかケイ酸とか微量ミネラルも、しっかり吸えるようになるらしく、病気のビの字も出てきません(いまのところは)。


あの手・この手で、この週末、アントシアンが出た新芽の様子を見てましたが、

赤く変色していた別のあかねっ娘も、正常な色にもどって葉っぱがノビノビと広がりました。









イチゴは真冬に寒くなると、葉っぱがまるくちっちゃくなって、茎や葉っぱが赤くなる、いわゆる「ロゼット状態」になりますが、それも寒さに負けないように抗ストレス色素の「アントシアン」を出してるそうです。なので24℃前後の常温で、茎や葉っぱが赤くなるのは、肥料が濃いとか根いたみが起きてる前触れであることが多いです。

ひつこく・・・つづきます。