2012年10月19日金曜日

室内栽培〜生長期の管理その2〜

 昨日につづき、室内栽培での生長期の様子の紹介です。


・・・のまえに、昨日の植えかえ(植え増し)での補足です。

大きなポットで同じ培地に植えかえる場合、根元を崩さないようにして植え込むので、根がダメージを受けることはないため、光を弱くしたりというケアは基本的には必要ありません。しかし万が一、植えかえの時に、根っこがひどくチギレてしまったり、今までのポットの底から根っこがたくさんハミダしすぎててカットせざるを得ないような場合は、植えかえた後に苗がクタッ・・・となってしまうかもしれません。そんなときは、もちろん光を弱くして湿度を高めにしてあげて、根っこの回復を助けてあげる必要があります。


そして、もしも植えかえてから半日以上様子を見られない場合も、ねんのため光を弱くしたりランプを遠ざけておいたほうが無難です。



植物の栽培になじんでないおヒトは「根っこって、そんなに大事なの?」と、感じるかもしれません。「根っこ」をニンゲンに例えると、「根は、腸と皮膚」です。活発な皮膚や腸は生きるために必要な水分や養分、酸素を吸収たり病害菌に対してバリアを張って身体をゲンキに保ってくれますが、皮膚や腸の細胞が老化して死んじゃえば「垢/アカ」となって、はがれ落ちていきます。

なので、黒く枯死した根っこは「アカ」なので、ちぎってもプラントにダメージはないし、むしろ新しい細胞が活性化しますが、生きてる「皮膚や腸」をキズつければ、栄養も吸えなくなるし病原菌も入り込みやすくなるし、イロイロとつらいよね、ってことです。



ちなみに、TERRA培土への植え増し時の水やりには、ベース肥料はいりません、根っこの活力剤の希釈培養液でOKです。

しかしCOCO培地には、肥料が入ってないのでベース肥料と根っこの活力剤を希釈した培養液を水やりします。(CANNA COCOベース肥料A/Bならば、水1Lに対してA/B各2mlづつのレシピでOKです。)
ちなみに、これはすべてのココヤシ培地には当てはまりません。じゅうぶんに洗い流してない(チープな?)ココヤシ培地だと、根っこが焼けてしまうことがあります。





・・・さて、いまは、蛍光灯タイプのグロウランプでトマトとイチゴたちを育てています。室温が24℃を下回るようになってきた最近では、安心してランプを苗のトップに近づけられます。














ここまで近づけると苗のトップ部分で、だいたい20,000ルクスほどの光量がありますが・・・















蛍光灯にしても、MHランプにしても、HPSランプにしても、ランプってのは苗に近づければ近づけるほど、どうしても照射範囲が狭くなってしまうので背の高いプラントのトップにしか満足な光があたらなくなります。

このように、ランプの真下にあるトマトだけスクスクと伸びるようになってきました。光があたる様子を遠目で見ると、はじっこのトマトたちには弱い光しかあたってないことがよくわかります。苗の生長の様子から見て、そろそろ本格的にHPSのグロウランプへチェンジする時期だと思います。















ち・な・み・に・・・

植物は、葉の部分的にしか強い光があたらない「スポット照射」が、大の苦手です。たとえ光量がすこし弱くなっても、プラント全体に平均的な光があたるフラット照射を好みます。

例えば、MHやHPSランプを植物の栽培に使う場合、ランプをタテに照らすスポット照射の方が部分的には光が強いのですが、とても狭い範囲に強い光に集中してしまうので、植物の葉が「光ストレス」を起こしてしまい、強すぎる光のせいで活性酸素が発生して葉緑素の劣化がはやまり、光合成の効率が悪くなるからです。



なのでタテに照らす場合、このようなスポット照射を防ぐために、苗からMH/HPSランプの位置を遠く離すことになりますが、そうなると光が弱くなるのでランプの数をふやさねばならない羽目になります。となると、ランプの数が増えた分、空調コストも温度もグングン上昇するはめになり・・・屋根がとっても高い植物園や、設備コストがかけられる施設栽培、ショールーム的な場所むけのランプ設置方法だと思います。





ということで、欧米では植物栽培としてのMHやHPSランプが、タテではなくヨコに照らす水平照射がスタンダードになってるのは、経験的にそっちのほうがトータルで見て収穫率や効率がいいと理解してるからです。なにしろ、植物の生長ってのは、光の強さ、波長やワット数だけで決まるような単純なものではなく、肥料、温度、湿度、酸素に炭酸ガス、そして水etc・・・という環境要因が、光と同じく重要です。なによりも、植物は生き物なので、栽培設備だけで満足せず、植物が何を言いたいのか察してあげる想像力・・・は大切だと思ってます。










ハイドロ・システムのトマトの葉に「水泡症」がでてきました。TERRA培土とCOCO培地の同品種のトマトたちには、でてません。「水泡症」は病害虫の被害ではなく、光が弱いときにトマトの葉にでる生理障害だそうです。やっぱりHPSランプヘチェンジする時がきているようです。















「水泡症」の葉っぱをちぎって、置いておいたら、水泡がすべて消え去りました。














・・・ということで、やっぱりいつなんどきでも、マニュアルや数値だけを重要視せず、ガーデナー自身の目で見て「これでイケそうだ! このままいこう!」「こりゃ、いかん! もしかして、これが原因か?」を判断することが鉄則かなぁと思います。