2012年10月17日水曜日

室内栽培〜生長期の管理の基本〜

さて、TERRA培土とCOCO培地のトマト苗たちをドドッと植え変えしました。ワタシがした「植えかえ」作業は、厳密に言えば「植え増し」作業です。

「植え増し」とは、いままでよりも大きなポットへ植え込むことで、基本的には培土や培地は同じものを使います。なので大きなポットに植え増しすることを「鉢増し」とも言います。トマトや野菜などの一年草の場合、植えかえのとき根っこを切るのはマイナスの効果しかないので、「植え増し」の意味を説明してみることにしました。

(プロの農家さんのなかには、イチゴなどで生長期から開花期へ移行させる時に、あえて根っこをバッツリと切る方もいますが、キチンとした知識なしでトライするのは、決しておススメしません。、また、ランやバラ、果樹、そして盆栽など年単位の植物を植えかえる時は、枯死して伸びなくなった根っこをカットすることが当然必要となります。)

TERRA培土やCOCO培地などで室内栽培する場合は、同じ培土や培地へと植え増ししていくのが鉄則ですが、すでにその培地に適した根っこが発達しているので新しい培地に順応させる必要もゼロだし、一年以内で栽培が終わる植物ならば、生長期に根っこをカットしてしまうのは、肥料やけの原因になったり、生長が遅くなったりして、その遅れた分だけ電気代も肥料代も手間もどんどんかかり、かといって、その分収穫量が増えるわけではないので、結果的にマイナスでしかないと言えます。


・・・ということで室内養液栽培の「植え増し」作業は、根っこをトリミングしないので、植えかえた後に光を弱くするなど、神経質なケアは必要ないと言えます。ただ、根っこの伸びを助けてあげるために、根の有機活力剤を葉面スプレーしてあげることはGOODです。6LポットのTERRA培土に植え増ししてから数日経ったトマトたちです。植えかえた翌日から、メキメキとでかくなりました。














生長期にベストと言われている温度は20°〜25℃、

基本的に室温が低くなればなるほど、ベストな湿度は低くなるのですが、20℃〜25℃の室温なら、ベストな湿度は60%〜70%ほどです。











そして、COCO培地のトマトたちも、昨日3Lポットへ植えかえました。COCO培地は、とてもスペシャルなココヤシ培地なので、きちんと塩類を洗い流してあって、さらに専用のバッファリング剤で保肥性を持たせてあります。
なのでCOCO栽培では、毎回の水やりはベース肥料を希釈した培養液でなければなりません。








COCO培地をはじめ、ココヤシ培地はロックウール栽培とほぼ同じ栽培管理でOKですが、同じ培養液の循環栽培はできません。また、市販のすべてのココヤシ培地がCOCO培地と同じグレードとは限らないので、COCOでの根はりや生長の良さが、すべてのココヤシ培地に共通してるわけではないです。COCO培地は塩分とムダなイオウとカリウムを洗い流し、そのかわりカルシウムその他の塩基性肥料で保肥性を補ってあります。


ちなみにCOCO栽培は、手で持ってみて軽く感じる前に培養液をヒンパンにあげたり、焦って肥料濃度を濃くしてはなりません。苗が小さなうちに培養液のEC値を濃くしてしまうと根の老化が早くなって、結果的に花を咲かせ続ける持続力が乏しいプラントになってしまうそうです。なので生長期前半のベース肥料のEC値は1.0mS/cm前後にキープしてみます。肥料濃度の管理には諸説あるかと思いますが、今回は花がつくまで肥料濃度EC値を低めに管理してみて、根っこがたくさん張って花が咲いてきてから、徐々に・・・思いっきりEC値を高くしてみようと思ってます。


ハイドロ・システムのトマトたちも同じで、培養液のEC値を0.7mS/cm、水温23℃にしています。















かなり遅れてスタートさせたハイドロ・システムのトマトたちですが、やっぱり生長が早いです。苗の生長の早さは、根っこの生長の早さに比例します。電磁弁付きレギュレーターとタイマーで、1時間毎に10分ほどCO2を吹き込んでpH値を5.5〜6.5の間に調整するようにしてから、さらに根っこの生長が早くなりました。


培養液の適正pH値範囲は5.5〜6.5ほどですが、各肥料要素の溶け具合はpH値で変わるので、このゼンブのpH値を一巡させる必要があります。つまり、新しくつくった培養液のpH値を5.5ほどに調整したら、pH値が6.5以上になるまではpH値を下げない方がいい! ということです。

さて、今回の自作Sodaponicsシステムは、ヤッツケ気味でつくったので、サラッとふれます・・・

ガーデニング用の電磁弁つきCO2レギューレーターでこさえた自作カーボネーターを5Kgミドボンにくっつけて、耐圧ホースの先に「ベンチュリ」取り付け、パイプを巡っている培養液に直接CO2ガスを吹き込んでいます。
「ベンチュリ」については、また今度!








ミドボンと自作カーボネーターで、培養液にCO2を吹き込むSodaponicsのメリットですが、なんといってもCO2(=炭酸ガス)のムダが少ないのと、肥料の効きがよくなることです。

CO2は培養液に100%溶け込んでくれるわけではないので、密閉できるグロウルーム内ならば、Sodaponicsのシステムをファンの風上に置いておけば、グロウルーム全体にCO2が行き渡り、ムダがありません。また、CO2を培養液に吹き込めば、もちろん炭酸水培養液となるわけですが、炭酸水でつくる培養液のメリットは以前ご紹介したことがあります。


http://desktopfarmer.blogspot.jp/2011/11/1.html

ミドボン5Kgなら炭酸ガスのコストは、なんとたったの2,000円+消費税で数ヶ月はもちます。ミドボン本体には保証代5,000円ほどかかりまして、お店に返す時に保証代は返してもらえます。(ミドボンのコストは、苗の数や養液タンクのサイズで大分変わります。なので、大きなハイドロ・システムには不向きかもしれませんし、水温が高くなる夏場はガスが溶け込みにくくなるのでムダが大きくなると思います。)




そんなこんなで、いよいよ初挑戦のSodaonicsトマトたちなので、多少鼻息を荒くして日々見守っています。ひとまず、根っこの伸びがとってもいいので、安心してます。