2012年10月25日木曜日

秋の室内栽培、MHランプへチェンジ!

いよいよ秋本番です。風が冷たい日には、冬の気配すら感じます。夏の間、あんなにギラギラして暑苦しかった太陽の日射しも、ありがたく感じる季節となりました。














朝の気温が20℃を下回ることも珍しくなくなってきました。

蛍光灯のグロウランプから、夏野菜を秋に本気で育てることができるMHランプ400Wにチェンジしました。













ランプ真下の明るさは、20cm〜30cmの位置でずいぶんと光量が変わります。MHランプ400Wでは、ランプから30cm真下で光量が33,000Luxほどで、ランプの真下20cmの位置で60,000Luxほどになります。なので、生長期の苗はランプの真下では30cm以上近づけない方が無難です。


トマトをはじめ、スイカやメロンなど強光を好む夏野菜は、最高60,000Luxほどの光量が必要です。もしも太陽光がゼロならば、蛍光灯やLEDでは生長期まではOKですが、花が咲いてからは、満足のいく収穫は難しいかもしれません。MHランプやHPSランプ(高圧ナトリウム灯)ならば、かなり満足のいく収穫が楽しめます。



20,000Lux〜40,000Luxほどの中光を好む野菜は、キュウリ、ナス、ピーマン、そしてイチゴなどがあります。MH、HPSランプなら50cm〜30cmほど離せばOKです。また、窓辺やベランダなどで自然光が確保できるなら、蛍光灯やLEDとの併用で収穫までイケルと思います。



そして、弱光を好むレタス、ミツバなど葉ものハーブ類ならば、花を咲かせなくていい収穫なので、太陽光ゼロでも蛍光灯やLEDだけで収穫まで楽しめます。





そして、太陽光ゼロ、HPSランプだけで強光性野菜を育てたい場合、

1㎡(1mX1m)スクエアで400W必要

といわれます。
このグロウルーム「DR240Ⅱ」のグロウスペースは2.4mX1.2m=2.88㎡なので、計算上では、高圧ナトリウムランプ600Wが2ついるよ・・・ということになるのですが、単純に光量だけの都合なので、気温・湿度・苗のコンディション・・・などなど、植物の身になって考えてみれば、「そんなにいらんだろう!」という状況の方が圧倒的に多いです。

DR240Ⅱには、最終的には400Wを2つ点灯する予定です。(実際、去年のトマト6株も400Wひとつで、ウマウマなのがたくさん穫れました。が、葉かきなどの回数を増やして、なんとか光を確保した・・・といった感じでしたが、コマメに面倒を見れるならば、これでなんとか足ります。)


9月中旬に発芽したトマトたちでしたが・・・

約6週目でTERRA培土のトマトたちにツボミがでてきました。
トマトの種を撒いてからというもの、スーパーでトマトを買う気が、一切起こりません。

とはいうものの、日々のゴハンづくりにトマトがないというのは、なかなかツライので「はやくトマトが穫れるようにならないかな〜・・・」と心待ちにしています。








最後に、植物の光合成の仕組みについて、忘れっぽいワタシ自身のために、ツラツラとメモっておこうと思います。




植物の光合成運動には、「明反応」と「暗反応」の2種類があります。

「明反応」とは、「光」から「ATP」という燃料と「NADH」という還元酵素をつくりだす反応です。ばっくり言ってしまえば、「明反応」は温度に影響されないので、光が強くてCO2の量が多いほどATPとNADHをいっぱい作れるってことになります。

この「明反応」に有効な光ってのが、耳にタコができるほどよく聞く「 赤色光と青色光 」です。これらの明反応に都合のよい光の波長を、「Phyto-Lumen=光合成効率の良い波長」ともいいます。


赤色光は、エネルギーこそ低い波長ですが、葉緑素が100%吸収できる効率のよい波長で夕方に強くなる光の波長です。一方、朝につよくなる青色光は、エネルギーが高くて葉緑素が100%吸収できる波長ですが、いかんせん、紫外線のとなりの波長が短い光なので、エネルギーが強すぎて、せっかく吸収したあとに、あまった青色光のエネルギーをペペッと吐き出しちゃうってことが起きてたりします。

(ところが、ムダだといわれてる緑色の光でもホントは光合成できるし、紫外線にはホルモンの分泌効果や発芽を促進する効果なんかもあるので、健康でオイシい野菜を育てたいなら、すべての色の光を放射する太陽光か、太陽光に近い波長を出すランプがベスト! かな?と思います。)


もひとつの「暗反応」は、「ルビスコ」というCO2を固定する酵素が「明反応」でできた還元酵素をつかって、CO2を糖・デンプンに作りかえる反応で「暗反応=炭素同化」ともいわれたりするんだそうです。一般的に酵素は温度が高い方がよく働くので、この「暗反応」は30℃ほどをピークに温度が高いほど反応が早くなるんだそうです。ただし、光量とCO2どちらかが足りないだけで、CO2を糖へと作る効率はググ〜ッとおちます。

「暗反応」でつくる「糖・デンプン」は、植物の健康・生長の早さ・花芽の多さ・果実のウマさ、そして収穫量、これらすべてを左右します。

「じゃあやっぱり、光量とCO2と温度が高い方がいいんじゃん!」とワタシは一瞬思ってしまいましたが、実は光量が強くなるほど、そして温度が高いほど、光ストレスのせいで光合成と呼吸につかうエネルギーと酵素をたくさん使ってしまううえ、光合成をストップさせるので、エネルギーの差し引きは、すこしマイナスになって、そのうえ生長に使えるエネルギーが減るし、葉緑素もダメージを受けます。


ちなみに、オランダの施設栽培には「1%ルール」というものがあって、「光が1%増えると収穫量も1%増える。逆に光が1%減ると収穫量も1%減る」という内容です。

ということで、結論としては、グロウルームやグロウランプをお持ちのガーデナーならば、最適な温度/CO2濃度/湿度/水分/肥料の管理は、モチベーション次第で、かなりパーフェクトに管理できると思うので、オランダの施設栽培が追求するロジカルな栽培技術を駆使して、それはそれはファビュラスなお値段がするシロガネーゼ、ニコタマダムなベジタブルをつくるのも夢じゃないってことです。
好きなものを贅沢に追求できるのが、ホビーのよさですから・・・