2011年7月12日火曜日

真夏にあっというまに土が乾いてしまう場合

園芸好きな人なら、「水やり3年・・・」とう言葉をだれしもが聞いたことがあると思います。植物への水の与えかたは、実はものすごく奥が深いので、ベストな水やりを完全に理解するまでに3年はかかっちゃうよ。という意味かと思います。

ということで、「植物と向きあうようになってから、かるく3年以上たつけど、やっぱしまだまだだなぁ」という出来事がありました。

だいぶ育ってグリーン・カーテンのお役目を果たしつつあるホップたちです。

植木鉢はサイズが大きくなるほど、培土の乾きは遅くなるので、根っこの生長範囲の広いホップたちのためにも、76リットルの大容量のプランターをご用意しました!






その他にも培養土表面には、イナワラや腐葉土やココ繊維など有機質のものをたっぷり2cmほどの厚みでマルチングして、表土からの水の蒸発を防いでいます。真夏は朝に水やりをすると、すぐに太陽があたり温度がグングン上がってしまうので、夕方に直射日光があたらなくなった直後に水やりしてます。

そして、植物に与える水は、10Lのバケツに水道水を一晩以上汲みおいてから使います。でも今どきの真夏の水温は、28℃にもなってしまいます。水温が高すぎてもよくないので、冷蔵庫で10℃くらいに冷えた2Lペットボトルの水道水を加えて水温を2℃から3℃ほど下げて、さらにバケツからバケツへと、なんども高い位置から水を移しかえて溶存酸素量をキモチ増やしてから、噴霧器で水やりするという手間を惜しみません。

水やりにはジョロではなく、噴霧器(スプレー)を使うと、酸素がふえて植物がゲンキにオイシく育ちます。時間のない時は、最初だけ噴霧器を使って土の表面に水をなじませてから、ジョロで水やりしてます。
プラントの根元の土を弾き飛ばすように噴霧器の高水圧スプレーで水やりするのが、コツだと思います。




そんなこんなで、いろいろ知恵を振り絞って水やりを工夫してるにもかかわらず、このところ毎日水やりせねばならなくなってます。


「ちょっと乾くスピードが早すぎるな???」と思い、水やりした直後に、培養土の表面を覆っているマルチングをほじってどかしてみると、水を弾いてしまっている土の部分がありました。植木鉢の底から、しっかり水が染み出てきたのを確認しているというに、水が培養土に均一にしみわたっていません。




イロイロ調べてみて原因はわかりました。「植えつけ前の土づくりの時にpH値調整のためにまぜこんだ石灰」が時間が経つにつれ、培養液のなかの硫酸根と反応して「石膏」にかわってしまい、それが吸水性を悪くして、水をはじいてました。

ひとまず応急処置です。細い丈棒で乾いてる部分をさくさくと突き崩していきます。(根っこを傷めないように) 。苗を植えつける時に、仕上げに棒で根の回りの土を棒でついて、余分な空間をなくして根をなじませ苗を安定させる「土極め/つちぎめ」というワザがありますが、それと同じです。

植木鉢に植えっぱなしにして半年以上もたった鉢植えなんかだと、いくら水をやってもすぐに鉢の底からチョロチョロと水がでてしまって、土がいっこうに湿ってくれない場合があります。これは培養土のなかに水の通り道ができてしまってるからなんですが、一度棒で培養土をつっついてあげると土のかたよりがなくなって、培養土全体に均一に水が行き渡るようになります。これは赤玉など無機培土が入っていると、よく起こりますが、ココ培地やピートなど室内栽培用の培土は、粒が細かく均一なので、水の通り道ができてしまうということは、ほとんど起きません。

そして、先日返り咲いていたバラの培土も、乾きが早くなっていました。



水をあげた直後でも、マルチングしているココ繊維を指でほじってみると、やっぱり水を弾いてしまってる部分がありました
 水を弾いてる部分を、

やさしく竹の棒で突き崩してから















ほぐした部分には、噴霧器をつかって高圧力気味に水やりしました。これで保水性が改善されたと思います。






ということで、残る問題は、培養土の中でできてしまう「石膏」ですが、この根本的な解決には「微生物たち」に解決してもらうことにしました。微生物は土のなかのジャマな塩基さえ、分解して養分にチェンジしてくれちゃいます。

近ごろは欧米でも「超」がつくくらいの「微生物資材ブーム」で、ここ日本でもお店にいけば様々な微生物資材がありますが、どれが一番効くか?というよりも、どうやったら一番効き目が出るのか? ということのほうが重要かと思います。

植物と共生してくれるアリガターイ微生物の多くは、今ごろのあったかい気温でよくふえるし、適正pH値も植物と同じ弱酸性好きなので、よほど外さなければ、夏はある程度スピィーデーに効果が出やすい季節です。
微生物資材は、酸素大好き(なものが多い)/紫外線大嫌い/オキシドールや次亜塩素酸(水道水の塩素)もNGなので、汲みおいた水で希釈して太陽の紫外線が当たらない夕方や曇りの日にたっぷりとあげるといいかなと思います。

(水耕栽培など培養液メインで植物を育ててる場合は、培養液の水温が30℃以上になってたら酸欠になって微生物の効果が出にくくなります。特に夏場は、かならず週に一度は培養液を取りかえるのがベストです。いっそのこと夏場だけココ培地やポッティングソイルなどの有機培土で養液栽培するのも、非常にナイスなアイデアだと思います。)



2011年7月8日金曜日

ホップのグリーンカーテンと雌雄異株

さて、節電対策の「グリーンカーテン」用にと植えたホップたちが、やっと本格的に伸びてきました。

苦労して屋根から張りおろしたネットに、

マンマとホップが絡まっては、つるつると伸びてきてくれたので、ホントにうれしくなります。

アロマホップの中では根強い人気のある「CASCADE HOP/カスケードホップ」という種類のホップです。










植え始めた頃は、すべての葉っぱがハムシに食われて、根元の葉っぱは、まるでレース編みのようになってしまっていたので、心配してました。














そのへんに生えてる雑草あつかいなホップの仲間「カナムグラ」も、ハムシに穴だらけにされてるので、ハムシはよほどホップが好きなんだと思います。
カナムグラは、ビール用のホップとよく似た葉っぱや花をつけますが、香りがほとんどなくてビール用には使われてません。
















やっと伸びてきたカスケードホップにも、雌花がつきました。ちなみに、ホップは雌雄異株(しゆういしゅ-雄株と雌株に分かれる植物)で、ハーブティーやビールなど作物として使われる花は雌花だけです。私が植えたホップの根茎も、すべて雌株です・・・というより、利用価値があんましないので雄株は、ほとんど市場にでまわりません。














雌雄異株といえば、沈丁花、キウイ、パパイヤ、銀杏などなど。
そして、ご近所でたわわわに実をつけていたこの「山桃/やまもも」も雌雄異株です。
山桃に実がなってるところ、始めて目にしました。

山桃の葉っぱのカタチや、実がたわわに成る様子は、なんとなく欧州っぽい雰囲気がしなくもないです。キッチンのテーブルクロスや食器のプリント柄にピッタリな気がしました。

2011年7月6日水曜日

暑さのなかの「凉」な景色

日中、あまりに気温が上がりすぎるからでしょうか?
「ここは日本か?」と思うほどのスコールが突風とともにやってきます。これも温暖化の影響なんでしょうか・・・

今日は、暑い時にこそ目にしみる「凉」を感じてもらえたら・・・的な、ナチュラルな景色をピックアップしてみました。

































清流のうえに架けられた橋で、自然にできた盆景を見つけました。


やっぱり自然は、イチバンの師匠なのかもしれまっせん・・・

2011年7月4日月曜日

バラのパトロール隊長!

今朝も大きなシャクトリムシを見つけて、草むらに強制退去してもらいました。茶色く枯れた枝のフリをしていましたが、もうだまされません!

バラの葉っぱは、もう穴だらけです。が、バラの芽を整理していたら、ブ〜ン・・・と羽音がしました。
アシナガバチです。このコのガラから見るに、どうやらフタモンアシナガバチという種類みたいです。すぐ近くで私がバラの手入れをしていても、おかまいなしでバラの葉のウラを丹念に見てまわっていきます。目的は「オオシロ・オビクロハバチ」の幼虫です。











幼虫を見つけては素早くガシッとつかみ、


幼虫のアタマを噛みちぎっては


ペッッッと吐き出して・・・




両手・両足で小器用にクルクルとダンゴにして、


ブ〜ンと飛び立っていきます。


ホントにありがたい蜂です。








フタモンアシナガバチは、一応スズメバチの仲間です。ちなみに、刺すのはメスだけで、オスは刺さないそうです。


このコはメスだったみたいですが、それでも執拗に攻撃したり驚かしたり、巣を攻撃しないかぎり、いきなり刺すことはありえませんし、むしろ遠隔攻撃で毒毛を飛ばしてきやがるケムシの方が怖いです。


この蜂も、まるで見物するかのように、もの珍しそうに私の顔のまわりを飛びまわっていました。気がすんだら自分の仕事に大人しく戻っていく、いいヤツです。バラの無農薬栽培には、心強い助っ人登場でした。

2011年7月1日金曜日

2011年、折り返しました!

さて、今日から7月です。早く梅雨が明けないかな? と思いつつあまりに暑すぎる日がつづいたとき、夕立がくると一気に気温が涼しくなったりして、今日も雨降るといいな、と思います。

ホワイトセージがグングン絶好調です。
デカク育てば育つほど、香りも強くなるようです。

いつもなら、張り切って乾燥させて燃やしても、焦げ臭いだけで香りがテンデしなかったのですが、今年はソコソコのスマッジが作れそうで楽しみです。









返り咲きタイプのバラたちが


ツボミを付け始めました。










ピエールドロンサールのツボミに

ミゴトな風穴をあけやがった犯人は・・・













こいつです。シャクトリムシでした。シャクトリムシは、じつは「ホソオビアシブトクチバ」という蛾の幼虫です。葉っぱにあいたデッカイ穴もコヤツの仕業です。
ちょっと前に「黒星病」対策にと、苦土石灰を葉っぱにまぶしましたが、コイツらには石灰ごとき関係ないみたいです。一応黒星病は止まったんですが、一難去って、また一難です。















こういう食害する幼虫なんかは、薬剤かければイッパツで退治できるんですが、頑固なタチなので、何がなんでも無農薬でがんばります。最近では、バラに顔を近づけるだけで、気配で虫の居場所が分かるようになりました。

そして、なんとなく視線を感じて、その発信源を突き止めると・・・
チビかまきりが、こちらを凝視。












そして、クダモノトケイソウだけは、

この連日のうだるような夏日のなか、ご機嫌な様子です。









やっとひとつ、ツボミがつきました。

クダモノトケイソウの花は、開いた直後に雨に当たると受粉できないそうです。


それにしても、このツボミはアリンコに取って、逆らいがたい魅力があるようです。

いつだってアリンコ番人がこのツボミを見張っています。

2011年6月28日火曜日

収穫! ポッティングソイル培土のTomaotes

さて、ムシ暑い夏日が続きます。それにつられて湿度も水温もグングン上がってくる頃なので、根っこが酸欠になりやすい頃となりました。ツタない経験から思うに、酸欠になるとチッ素がうまく消化できなくてウドンコなどカビにやられやすくなるようです。

培養液を水温20℃以下にしてから水やりしてあげると、根っこに酸素がふえて微量要素も吸えてチッ素の同化が進むので、カビなどの病気にも強くなります。(でも15℃以下の冷水だと、逆に根が傷んで病気がでやすくなります。)

培養液中の理想的な溶存酸素量だの、計算方法だの、ウラワザだのについては、いつぞや書いたこちらでどうぞ!
http://desktopfarmer.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.html



ポッティングソイル培土栽培のミニトマトの「千果」たちです。

ソイル用のミネラル(化学)肥料「CANNA TERRA」と、有機肥料「BIO CANNA」の2種類で育てくらべています。

それぞれのトマトの第一果が、同時に赤くなってくれたので、さっそく食べてみました。








ソイル用のミネラル肥料「CANNA TERRA」をあげてるトマトです。
さすが過不足なくシャープに効くミネラル肥料!
花は、ホルモン剤なしでも結実して、実も玉がそろって均一に肥大しています。

トマトのガクが反り返り、長く先がとがってピンと立っています。これはカルシウムとカリウムがしっかり効いてる様子だそうです。

赤く熟してるトマトのガクは、長くとがって根元が太くなってます。ガクの根元が太いのは、リン酸が効いて光合成がさかんになるので肥料のチッ素がしっかり同化される様子だそうで、こんなトマトは大きくオイシくなるんだそうです。
皮はすこし固かったものの、トマトらしい風味と濃い甘さを強く感じました。無機肥料独特のエグ味はまったくなくて、おやつがわりにいくつでもイケそうなオイシさでした。養液栽培でこんなにオイシくなるのは感動です!!!


















こっちはソイル用有機肥料「BIO CANNA」をあげてる「千果」です。
このトマトたちのガクも、長く先がとがってピンと立ってます。有機肥料でもチッ素・リン酸・カリウム・カルシウムそれぞれがキチンと効いてくれています。

Terraの実とくらべると、すこし不ぞろいです。そのかわり、ミネラル肥料よりも、ひとつひとつの実がひとまわりデカく玉のびしました。

そして、なんといってもこの甘さは感動でした。
まるでハチミツのようなネットリした甘さです。







この味の濃さは、糖度だけでなくウマミを感じさせるアミノ酸がしっかりのってるんだと思います。
これは発酵原料がベースの有機肥料でなければ、出せない味だと思いました。


ということで、ソイル専用の無機肥料と有機肥料、どちらも思いのほかカンタンにオイシく育ちます。ピートがベース素材のポッティングソイルは、ものすごい吸水力があるので、乾きが遅く水やり回数も使う肥料の量も少なくてすみます。

ところでハナシは全く変わりますが、すでに花が咲いてる親株から取った挿し木の苗は、すでに体内にフロリゲンを持っているので、発根して植えてからすぐに花芽がついて短期間で実が収穫できるのがナイスだと思いました。

2011年6月24日金曜日

太陽光発電が進化してます。

やっと太陽がでた! 洗濯物が干せる〜とおもったら、嵐のような強風のせいで、またしても部屋干しな日がつづきます。しかも暑いです。こんなに暑いと「太陽の熱をエネルギーに利用しない手はないよな〜」と思います。

UFOの基地出現か??? って感じですが、スペイン南西部のセビリアに建設された「Gemasolar」という太陽光発電システムだそうです。




総面積は1.85平方キロメートル(185ha)、太陽の熱を受けとるミラー2650個が、こんな幾何学的な形に設置されていて、19.9メガワット(/毎時?)の発電ができるそうで、アンダルシア地方の25,000世帯の電気量をまかなえるそうです。ちなみに、バックリ計算で現在67万世帯をかかえる川崎市だと、Gemasolarを30個(=55.5平方キロメートル)もつくれば一般家庭の電気量はまかなえそうです・・・が、いったいどこにそんなスペースが。













この太陽光発電プラントのすごいところは、太陽がでてない時でも発電ができるってことらしいです。その秘密は、タンク内のMSESという物質が900℃ほどまでアツアツになったら、その状態が15時間もキープできるんで、夜間もその熱で水蒸気を起こしてタービンをまわせるから・・・だそうで。このMSESは「60%硝酸カリウムと40%硝酸ナトリウム」でできてるので、環境にも負荷が少ないから安心・安全ってことも「売り」だそうです。
















早く日本にもこんな発電システムができるといいなとも思いますが、いろいろいろいろ難解な問題もあるかと思いますので、ひとまずは太陽エネルギーを利用して光るこんなオサレなランプが欲しいです。
ランプに息を吹き込むと、「藻類」がCO2と光で光合成を始めて、そのエネルギーでランプが点灯するという仕組みだそうです。

http://www.miket.co.uk/