2013年11月27日水曜日

菌糸つながりで、エコなパッキン。

もうずいぶん前に書いた「アムステルダムのキノコ農場」では、前衛的なゲージュツのまち、オランダ・アムステルダムでキノコたちをテーマにワークショップやアートを展開している「メディア・マティック」をご紹介しました。


当時メディア・マティックさんでは、キノコたちがつくり出す「菌糸」は、次世代発泡スチロールになるかも ? ? ? というアイデアを提案してらっさいました・・・






















あれから、ほぼ2年。できました、なんと商品化してたんです。「キノコの梱包材」が・・・





















エコでナイスなキノコ梱包材は、米国NY市グリーンアイランド所在の「ecovative」さんが、デザインから製造までをなさってます。
















キノコでつくった梱包材の何がどうエコロジカルなのか? をバックリまとめると・・・

「収穫し終わった後に残る麦やトウモロコシなどの残さ(茎や葉っぱなど)を細かなキノコ培地にして、型につめてキノコを繁殖させると、数日で型のまんま菌糸がびっしりまわって、それを乾燥させるとエコロジカルな梱包材ができるんだよ。従来の石油原料の発泡スチロールとちがってどの国でも原料が手に入るしエネルギー消費もすくない、捨てる時はおウチでコンポストにして土に還せる。しかも、とっても軽いし、衝撃や湿気をよく吸収して、形成もカンタン、電気も通さなくて安全だし、密度も自在に決められる。もしも森や林にそのまま捨てちゃっても、ちゃあんと土に還るんだ。」

こりゃあ、いい!!!

キノコの菌糸梱包材は、その他には断熱材として建築に、サーフボード、養生資材、靴、そしてもちろん植木鉢などのガーデニング用品などなど、いろんなものに活用できるそうです。







ていねいな包装で評価の高いパッキン消費天国ニッポンで、このエコロジカルなキノコ梱包材が広まってほしいところです。(しかし、いくら乾燥させているとはいえ、精密レンズなどに菌糸が張ってしまう心配は・・・ハテナです。)

「う〜ん、キノコ大好き、試したい!!!」というおヒトは、こちらからサンプルをGETでき
るそうです。
http://shop.ecovativedesign.com/


2013年11月25日月曜日

保水力で双葉を守ったココ培地。

ロックウール培地とココ培地で、それぞれトマト、ホワイトセージ、そして葉もののミックス種子が発芽しはじめて、一週間弱たちました。



レタスを含む「葉ものミックス種子」をまいたココ培地は新しいものではなく、グリーンカーテン栽培のホップの根元に、適当にマルチング材にしてあった使い古しのココ培地をガバガバッとテキトーにあつめて発芽用培地にしてしまいました・・・基本、これはごハットなのですが・・・


























今年の春、トマトを植えたときに入れた有用菌資材「バグ・フロスタ」が再活性し、フワフワの白い菌糸があらわれた中で、レタスの種子は元気に発芽しています。 有用菌をココ培地やポッティング・ミックス培土に入れておくと、湿度や温度などの環境があえばくり返し活性化してくれます。


























とはいえ、有用菌たちの効果は、いつ・どんな条件でもオールマイティーに効くわけではなく、病気がすでに発生している土だとノビノビとテリトリーを広げることができません。なので、熱湯などでいったん土壌を消毒処理をして病害菌が減るか弱るかしたスキに、バグ・フロスタなどの有用菌資材をいれるのがコツです。








思いのほか暖かくなった週末、土曜のたった一日だけ目を離したスキに、ココ培地もロックウール培地もすべてカラッカラッに乾いてしまいました。ロックウールのトマトは、完全にしおれてひん死状態でしたが、急いで水をやって光があたらない場所に30分ほど置いておいたら復活してくれました。
ココ培地も表面はカラッカラに乾いてましたが、ホワイトセージとレタスたちはピンピンと元気でした。天然繊維のココ培地の方は保水力が高く、発芽したばかりの双葉たちを水切れから守ってくれていました。



















ということで、11月も最終週に入ってからのトマトの発芽、サーモヒーターなしでは不可能な真冬のトマト栽培に突入していきます・・・

一番果の収穫は・・・きっと・・・2月ころからだろうなと遠い目をしてしまいますが、したっ腹や、太ももに皮下脂肪がでっぷりとついた3月頃から、このトマトたちの収穫がまんまとピークをむかえてくれれば、リコピンパワーでダイエット効果が期待できるかも???


2013年11月18日月曜日

満月の芽生えと「穀物のカイロ」

一週間前、とつぜんの冬がやってきました。

あまりの寒さに耐えられず、あわてて灯油を買いに行き「これでどんなに寒くなっても大丈夫!!!」と余裕ぶっこいてたら、週末はプチ・インディアンサマーのようなあたたかさに。庭で動けなくなっていたカマキリも、イソイソと動きまわっていました。


とはいえ、朝晩には手足が冷える季節です。寒くなると、どうにもトレイが近くなるワタシは、先日よいものを教えてもらい、さっそく作ってみました。

「玄米カイロ」です。作り方は、ネット上で教えてくだすってるお方がヤマほどいらっさるので割愛します。

















「玄米カイロ」とは、玄米や米ぬか、または身近にある穀類や豆類を袋にいれて「そばがら枕」状のものをつくり、電子レンジで2分間ほどチンするとヌクヌクあったかでくり返し使えるカイロができる、というものです。
あたたかさは20分〜30分ほど持続してそのあと自然に冷めるので、使い捨てカイロのように低温ヤケドの心配もなく、風邪のひきはじめに首筋がゾクゾクするようなときに、首にあててもいいし、足が冷えて寝られない夜や女性の月々の痛みの緩和にもGoodです。

今回は、発芽保証期間がすぎて発芽しにくくなった「塩+モミ米+小麦の種子+米ぬか」を使いました。温めた時、米ぬかのニオイが気になる場合は入れなくてもOKなのですが、米ぬかを入れた方が重量が軽くなってフカフカ気持ちいいし、肩や首にも乗せやすくなります。

















レンジで温める時間は2分ほどが目安で、すこし口を開けたジップロックに入れて、目を離さないようにして温めます。(焦げると発火する場合があるので)
















・・・ということで、カラダの冷えが万病につながりやすいアラフォーのワタシは、今年の冬「玄米カイロ」が手放せなくなる予感です。





さて、ここ数年の異常な夏の暑さのせいで、この地で何十年と土を耕しつづけてきた農家の方々の「感」が、通用しなくなってしまった、と聞きます。ならば我が家のホワイトセージが、今年の夏ことごとく蒸れ腐っていったのも、無理はなかったのでしょう・・・

しかし「暑くてつらいので、枯れます〜、さようなら〜」とでもいいたげなホワイトセージのいさぎよく枯れていく姿を日々見つめながら、「もうこうなったら、枯れない栽培技術を追求するのではなく、数で勝負だ!!!」と、思うに至りました。
いつぞや穫れたホワイトセージのタネをコワゴワと播いてみると・・・たった3日で発芽しました!!! 新鮮なホワイトセージのタネを水に浸すと、バジルのタネと同じようにジェルのような皮膜に包まれることを今回初めて知りました。

























ホワイトセージのとなりでは、トマトの発芽も始まりました。この季節の発芽作業には、加温シートを敷いたプロバゲーターがもちろん不可欠です。


























関東の真冬は超せそうもない「アルガン・ツリー」たちも、加温シートの上にお引っ越しです。アルガンの原産地モロッコでは最低気温が5℃ほど、ということで冬のあいだは加温シートで管理して行きます。












2013年11月5日火曜日

秋の日射しと取木作戦。

太陽の日射しがありがたく感じる季節となりました。

昨日は突然の夕立に見舞われ、あわてて雨宿りを探す人たちのうちの1人となった川崎市でした。すっかり日が暮れてから雨が上がった道路に、ペタペタとさまよい出てきたツチガエルを数匹目にしましたが、地殻変動などではなくあたたかい雨のせいだと信じたいところです。

さて、「新月」だった週末は庭の鉢植えたちを秋の花へ植えかえなどなどをすませました。


夏の盛りは葉っぱだけになってしまう「バコパ」、花がたくさん咲いてきました。バコパは、蒸し暑い夏でダメになりやすいので真夏は水やりを控えますが、根がとてもよく張るのでカラッカラに乾いてしまったところで気がついて、あわてて水やりして蒸れて枯れくさる・・・という定番のパターンでいつも枯らしてきました。



























秋撒きの在来種のニンジンです。ニンジンのタネは乾燥すると発芽しなくなるので、無農薬栽培で育てられた稲の「モミガラ」をマルチングして湿度をキープできるようにしておきました。




















昨年挿し木をとって成功した「沈丁花」の土に、産卵して力つきたバッタの亡骸がありました。ウチのプランターは、来年も「バッタ牧場」と化する運命にあるようです。


























今年はまだ室内栽培をスタートできないので、お日様の光に育ててもらっている「あかねっ娘」たちと、「アルガンツリー」。







根っこが伸びてきたようで、最近は水やりするタイミングが早くなってきました。そろそろ大きなポットへ植え増しする頃のようです。




















見切り品で非常にお安いお値段になっていたブルーベリー「ウッダート」の3年苗。枝がワサワサと混み合っていたので、剪定ついでに「取木/とりき」にトライしてみました。

























取木とは、枝の皮をうすく剥いで、水ごけなど保水力のある培地で包んで発根させて苗を取る方法です。ブルーベリーは挿し木苗で増やしても、実らせるまでに2〜3年待たなくてはいけないため、もう少し大きな苗が増やせる取木にトライしてみました。
しかし、コンディションによって取木に耐えられる苗と、耐えられない苗があります。枝に勢いがない苗は、いくら慎重に取木作業をしてもすぐに枝が茶色く枯れてしまいます。
























・・・ということで、発根して取木ができるまで半年くらいかかるような予感がしています。

2013年10月29日火曜日

カボチャの自家採種と野山のきのこ

今年穫れたカボチャのなかで、いちばん大きく肉厚になったもののタネを保存するために乾燥していると・・・

タネに集まってくるコバエたちを捕獲しにきたのでしょうか? 身重なカマキリがザルのフチで、ゆ〜らゆら。


























しばらく目を離したあいだに、今度は「バグ・フロスタ」で再生発酵処理している培養土のバケツで、ゆ〜らゆら。手についた有用菌の菌糸をバリバリたべてました。



























有用菌が豊富な土壌では、植物と菌がお互いつくり出す栄養分や生長促進物質をトレードしながら・・・時には死んだ後のお互いのカラダを養分にしながら共生関係を結んでいます。有用菌がいっぱいいるからといって病害菌がゼロになることはないのですが、じつは病害菌の大部分は、有用菌のエサとして食べられる運命にあるそうです。


























あの死ぬほど暑かった夏の記憶もスッポリとうすれていく秋・・・人々の足が向く先は、海から山へと変わります。秋の山では。キノコたちの繁殖シーズンをむかえています。


























雨がふってから数日間は、とくに繁殖のピークとなるようです。
土壌の表面にフワフワと張った白い菌糸は、なにかのキノコが立つ前触れです。


























倒れた樹木の表面には、無数のキノコたちがびっしり・・・・






























カビやキノコは、人間には消化できない難分解性の植物繊維をゆ〜っくりと酵素で溶かしながら養分にすることができます。なので、もしもカビやキノコがいなかったら森や山の木々は倒れてもそのまま山積み状態に・・・




























キノコたちのなかでも、とくに硬い樹木を分解するのが得意な「サルノコシカケ科」のキノコたち。





























なかでもカワラタケは、植物体の中でもイチバン分解しづらい物質といわれる「リグニン」を分解できる強力な酵素を持っています。このリグニンを分解できる生物はこのカワラタケを含む「白色腐朽菌」だけといわれていて、木材を分解してバイオエタノールを生産する時に有害な薬品を使わずにすむ技術に活用されてるそうで。





















・・・ということで「小さいことは良いことだ!!!」は、米国マイクロ・ブリュワリーの合い言葉ですが、数メートルの樹木をコツコツと養分に変えていくキノコを見ていると「小さいものにしかできないお仕事」の自然のなかで果たす役割の大きさを感じます。



























以上、高尾山でのキノコたちの繁殖シーズンの様子でした。





2013年10月22日火曜日

秋のめぐみを収穫しました。

今週末はまた台風が来るかもしれないので(・・・まじかよ!!!です、まったく。)、
この数日は毎朝、小鳥がついばんだだけで落ちそうに熟した柿と、ついでに食べごろの柿もあわてていくつか収穫するのが日課になっています。



















さて、先週の土曜日は、まんまと満月でした。ということで、ホップの収穫をしました。ホップはそろそろ今シーズン最後の収穫だと思います。



























まずはグリーンカーテンのネットを窓の位置まで下げて、そこでチョキチョキと収穫をします。




























チヌーク・ホップは先月から少しずつ収穫できていましたが、主な収穫は今年はこれが最初で最後となりそうです。


























ホップは、年々大きいものが実るようになりますが、例えれば、左から栽培1年目→2年目→3年目・・・といったふうにサイズアップしていきます。ホップの気候にあったアメリカでは、カスケードなど丈夫な品種ならば栽培一年目でいきなり大きなホップがたっっっくさん穫れることもあるようですが、関東ではちょっと難しそうです。




















ホップのグリーンカーテンには、いろいろな昆虫たちがあつまってきます。枯れ葉のような羽根を持つのは蛾ではなく「キタテハ」という蝶でした。夏型のキタテハは、ウンザリするほどよく見ます。というのも、このコたちは、柿が酢酸発酵した甘酸っぱいような足臭いようなニオイが大好きで、猛暑がすぎて柿が落ちはじめるとペラペラペラペラと庭に大量に舞っているのです。

蛾や蝶は、幼虫のまま越冬して春になると羽化するものと思ってましたが、このコは、このまま成虫で厳しい冬を過ごすんだそうです・・・























ホップを夢中で摘んでいると、いくつも産みつけられたカマキリのタマゴが見つかります。


























ホップにせっせとタマゴを産みつけているのは、どうやらこのカマキリのようです。陽がささない肌寒い日には、もうゆっくりとしか動けないようです・・・道のまん中でボ〜ッとしているカマキリをそのままにしておけず、わざわざ道ばたの植えこみへ避難させるおヒトを先週見ました。なんともよい光景でした。



















ベニバナインゲンは、スクスクと肥大しています。





























植物の収穫というのはいったん始めるとキリがなく、「もういいかげん終わりにしないと」と思いながらもついつい続けてしまうのですが、ホップもそのうちのひとつです。目についた大きなホップをおおかた摘みとってしまうと、さほど大きくもないホップが目につきはじめ、エンドレスに摘みつづけることになります。









2013年10月16日水曜日

ココ栽培とポッティング・ミックス栽培

台風の襲来にあった関東地方でしたが、川崎では明け方から風がつよくて、そこかしこのお宅で柿の実がポタポタと落ちているのが目につきましたが、ご近所の家屋や道路では大きな被害はでなかったようです。

そしてワタシが見舞われた台風被害は、ラベンダーの植木鉢がひとつ転げ落ちて底部分がぱっくりと抜けてしまいました。しかし、割れたくらいじゃ捨てたりしません。金網をまきつけて、やっつけ補修の完了です。こんないい加減な補修でも、なんとなくソレらしく見えてしまうところが素焼きポットのよいところです。



























それにしても、気温が30℃近くにまでなり、お天気に恵まれた週末からは、想像がつかないほど気温が急激に下がった昨日でした。



















今年の室内栽培用のココ栽培のイチゴたちも、ここしばらく夏日が続いたので親株から切り離してから2〜3週間ほどは太陽にあててアウトドア栽培です。

左側の3つのイチゴは水で戻す必要のないCANNA COCO培地
右側の3つのイチゴは、水でもどして使う乾燥圧縮タイプのKokofina U-Gro Potです。
















イチゴの根っこはかなり繊細で、肥料濃度が濃いとすぐに生長障害を起こしてしまいます。そのため、品質のあまりよくないココ培地に植えこんでしまうとスッキリと活着できないため、新芽がなかなか出てこなかったり大きくならないことが多々あります。



ヤシガラに含まれる塩類とタンニンをしっかり洗浄してから、さらに保肥性を回復させるためのバッファリング処理をした品質のよいココ培地ならば、植え込む時に薄めの培養液をあげてもなんの問題も起こらず、スクスクと根っこをのばし、数週間でみるみる葉の数がふえて、なんの変色もない葉っぱに育ちます。






















↑左側のイチゴとアルガンツリーの苗もKokofina U-Gro Potで育てています。
↑右側の3つのイチゴたちは、CANNA TERRA培土に植えました。


どちらの培地でも、生長障害はまったく見当たりません。(イチゴだけに試験的にモミガラをマルチングしてあります。アルガン・ツリーなど、栽培期間が年単位になる植物をココ栽培する際は、パーライトを最大30%加えて、長期間すき間が保たれるようにしています。)

Kokofina U-Gro Potは、付属の黒いビニールのグロウバッグをそのままポットととして使いますが、プラッチック性ポットや布製ポットに入れ替えて使うのも、モチロンOKです。
また、Kokofina U-Gro Potは、長めの繊維も入っているココ培地なので、CANNA COCO培地を再利用する際に、Kokofina U-Gro Potをすこし混ぜて使うとGoodです。
(古いココ培地はすこしずつ細かく分解されていくため、長めのココ繊維やココチップを足してあげると、すき間が増えます。)




寒冷地で形成されたピートが主材料のCANNA TERRA培土ポッティング・ミックスは、日本の高温多湿な夏期にはピートの分解スピードがはやくなるため、真夏を過ぎたころから細かく分解しすぎて目詰まりしやすくなってきます。(栽培期間が短い夏野菜や葉もの野菜などなら、気にしなくても大丈夫ですが。)
なので、CANNA TERRA培土は、気温が低い気候のほうが保水性や保肥性が長期間安定しやすいため、とくに秋から冬に使いやすい有機培土です。


一方のココ培地は、南国生まれだけあって高温多湿下でも長期間分解されにくく、空気をたくさん含める植物繊維でできていますが、おどろくほどリン酸とカリウムをため込んでしまう性質があります。なので、ココ栽培には、カリウム少なめ、カルシウム多めの比率になっているココ培地専用ベース肥料を使用したほうがベターです。

せっかくココ培地専用ベース肥料をつかっていても、花が咲いた直後から長期間ダラダラとPK肥料を大量にあたえてしまうと、結果的にリン酸とカリウムが過剰に蓄積されたアンバランスなココ培地のへと変身をとげてしまい、結果的に植物にカルシウムなどが不足しやすくなってしまいます・・・