2010年5月26日水曜日

やっぱり大切、種のハナシ。

4月すえに開催された東京インターナショナル・フラワー&ガーデンショーで講演なさっていた「 野口種苗 」さんが、最後に「次回は川崎で講演をやります」と言うのをけっして聞き逃したりはしませんでした!

ということで先週の日曜日、ウチから歩いて15分のトコロが野口種苗さんの講演会場という奇跡にクラクラ・ワクワクしながら、しかとおハナシを拝聴してきました・・・主催してくださった(社)かわさき福祉・保育研究所さま、心よく部外者の希望者を受け入れてくださって、ほんとうにありがとうございました。

野口種苗さんは埼玉県にあるタネ屋さんで、ミヤマコカブをはじめとして日本の固定種/在来種のヤサイや穀類の種を販売していらっしゃいます。

前回、野口種苗さんについてふれた時に、固定種/F1品種/GMO(遺伝子組換え)作物のメリットとかデメリットとかをツラツラと覚えていたことを書きました。









毎日お買物にいくスーパーや八百屋さん、ホビーガーデンのためにセレクトするおヤサイの種、そのどれもがすべてと言い切ってよいほどF1品種、つまり一代交配種のヤサイや作物たちです。

F1品種とは、かけ離れた土地でそだった同類の植物どうしを交配して、親の優性遺伝子だけをあわせもった新品種が誕生することです、が!

まずまずビックリだったのが、世界ではじめてF1品種を誕生させたのは、なんと日本だったそうです。大正13年、埼玉農事試験場で日本伝統種の黒い色のナス「真黒茄子(しんくろなす)」と、東南アジアからわたってきた青い色のナス「青大丸茄子(あおだいまるなす)」をかけ合わせ、じょうぶに育ってたくさん実をつけるナスができたそうです。
その後、トマトやスイカなどの交配が実現していったそうです。

当時の人工交配でF1品種をうみだす方法は、ツボミから雄しべを抜き取ったり雄花だけを取りのぞいたりと、とてもベーシックなものでした。つまり健全な生殖能力をもった健康なヤサイから、どちらかの雄を連れ去って受粉させていました。

ところが、最近のF1品種は、雄しべをわざわざ取る手間のいらない、
「雄性不稔(ゆうせいふねん)の、プラントで交配させる」
つまり雄しべも雌しべもいっしょにつく種類の植物なのに花粉がでない「オスの生殖能力がないオカマな奇形」を交配させているそうです。

それがもしかしたら「地球規模の多種多様な生物の少子化につながってるかもしれないから、ちゃんと調べた方がいいかも! タネ屋だからわかるんです。」と野口種苗さんは訴えます。

そういえば、ミツバチの女王蜂がタマゴを産まなくなってきて、生産者のかたが作物の受粉作業に困ってるとききますし、スズメだって世界規模でナゾの減少をしてます。

なによりヒト! 世界規模で男性の精子の数がへってきていて、ココ5年間、毎年ワースト記録が更新されてしまっているそうです。専門家は「これは工場などから出るケムリや廃棄物のなかの女性化作用のある環境ホルモンのせいだけじゃなく、もっと直接的に摂取しているものに原因があるようです。」と分析しているそうです。

その原因が、雄性不稔で交配させたF1品種のヤサイにあるかも・・・ってことですが、なぜなんでしょう?