2010年1月25日月曜日

水耕栽培タイニー・ティムの肥料ぬき

水耕栽培はだれでも簡単に野菜を育てられるし、はじめて野菜を育てるひとでも、路地や土での栽培よりも立派な野菜がたくさん穫れるのが、おおきな魅力です。
いっぽうで、過剰な肥料の吸い過ぎがいろいろと悪さをするのも事実ですよね。

エアルーム・トマトの「 タイニー・ティム 」を年末に食べてみたら・・・なんか味がエグくてショックでした!! そこで、味がおいしくなるまで肥料ぬき用の有機活力剤と水だけで肥料ぬきをすることにしました。

だいたい一週間前にタイニー・ティムを収穫しがてら、トマトの果汁の「 硝酸イオン 」を計ってみたら・・・780ppmでした。食べると後味に強いエグ味を感じました。














そして、今朝穫れたトマトの果汁の硝酸イオン濃度 = 210ppm。
味にはエグさがなく旨味が感じられました。
でも、質のよい有機肥料をつかった露地栽培のトマトは硝酸濃度が0!!という結果もあるそうです。ちなみに残留肥料濃度にキビシいヨーロッパでは、硝酸イオン濃度が2000ppm以上ある野菜は流通させてもらえないそうです。















これが肥料ぬきしている「 タイニー・ティム 」トマトの様子です。
葉数がめっきりとへり、ハゲ山的な感じです。
トマトの実が、重たそうに目立ちます。






一方こちらは、肥料ぬきせず「開花後期 (=生殖生長 ) 」用のレシピをあげつづけているタイニー・テイムです。

葉が青々としげって新芽とツボミがさかんにでてきています。










「 硝酸イオン濃度 」が高いプラントは、病気や害虫にやられやすくなったり、収穫物にアクが多くなり日持ちが悪くなったり味にエグ味が強くなったりするそうで、育成中の作物の健康診断、収穫物の安全性や品質の目安にされているようです。
ただ、同じプラントでも計測する時間や部位で、この「 硝酸イオン濃度 」はずいぶんと変わってしまうそうです。なので「 硝酸イオン濃度 」は、同じような部位を同じ時間帯で計るのがよいらしいのです。

また、満月のころの植物は芯どまりしやすいので窒素を多めに与えると聞きますが、この月の満ち欠けも、硝酸イオン濃度と関係あるのでしょうか?
「 満月に収穫するとおいしくなる 」のは、そういうことからなのでしょうか?
ちなみに今週末は満月ですね。

まだまだ調べたいことがたくさんあります。

2010年1月22日金曜日

有機 V.S. 無機 ? ハイドロ V.S.土 ??

昨今のオーガニックブームで、ちょっと肩身のせまい感がつのる「 化学肥料 = 無機肥料 」ですが、その功績と世界に与えた影響の大きさについては、知れば知るほどびっくりです。
ものごころついた頃から肥料といえば「 化学肥料 」があたりまえで、有機肥料といえば「  臭い肥料=糞尿や堆肥 」という貧しい印象しかありませんでした。

以前にもちょこっとふれましたが、20世紀に化学肥料が世界で広まってから、たったの100年で人口は16億人から63億人へと4倍ちかくも増加したそうです。( 農地面積は世界でたったの1.2倍にしか増えていないとのこと。)

チリでグアノが発見されてから19世紀の間に硝石・カリ鉱石・リン鉱石が発見され肥料源へと利用されていったそうです。

当時、肥料の原料になる天然資源をめぐって、国どうしの対立や侵略・戦争がたくさん起きてしまったそうです。
むずかしいことはわかりませんが、今でいう石油やレアメタルなどの資源争奪戦みたいなものでしょうか?






21世紀になった今でも「 化学肥料 」がなくては世界の人口の多くは、瞬く間に食料不足になってしまうかもしれません。化学肥料全部を有機肥料に変えようとしたら、食べられるものまで肥料にしなくちゃっていう変なことにもなりそうです。

ところで、水耕栽培の先進国アメリカの専門雑誌「 GROWING EDGE 」に、「 Tomato Hydro or Dirt ? 」という特集がありました。( 残念ですが現在は休刊です )



Hydro( 水耕 )大好きな大学の先生が、馬糞堆肥を使ってDirt( 路地栽培 )でトマトを育てているご近所さんとお互いのトマトを交換しているうちに、「 ホントは、どっちがおいしいのかな? 」と比べてみたくなってみたとのことです。








彼の学生さん9人に「 味・風味・果肉の質・色 ・香り」のポイントで「 Hydro or Dirt ? 」で、どちらがいいと思うか投票してもらったそうで、結果は・・・・














「 Hydro 」が好き・・・9人中5人
「 Dirtが好き」・・・・9人中2人
「引き分け」・・・・ 9人中2人

Hydroは、色・味・風味で勝ち
Dirtは、香りと果肉の質で勝ち


とのことでした。水耕栽培で育てた作物は水っぽいし日持ちが悪いとはよく聞きますが、一方で糖度も高くなるし土臭さがない風味の強い作物になると思います。

化学肥料は過剰施肥がいちばん大きな問題になっていると思いますが、じつは有機肥料も撒きすぎれば同じことが起きます。ただ、植物はもともと土の中の微生物と肥料のキャッチボールをしながら進化してきたので、化学肥料だけでは補えない栄養もあるし有機成分の方が、根っこが増えやすいそうです。

個人的には 「 有機 」 も「 無機 」も使えるココ培地が好きです。

2010年1月21日木曜日

グリーン・ゼブラの水耕栽培

水耕栽培で育てているエアルーム品種の「 グリーン・ゼブラ 」です。

グロウランプ( HPS )で育てているので、トンネルのなかで撮影したような色合いです。


















昨年の夏に、同じ品種のトマトをトマト用の培養土でベランダで育てました。
夏の間は、柿の木の葉が一面にしげって、ベランダにはほとんど日が射さないので「 ちゃんと育つかな? 」と心配でした。
案の定、結果は「 ツル系トマトか? 」と思えるほど、ひょろひょろと、か細くしか育ちませんでした。9月頃にやっと花がささやかに咲いたっきりで、肝心の実は拝めませんでした。

なので今回はリベンジです。

「 グリーン・ゼブラ 」というトマトは、日本ではまだまだめずらしいので、なんとしても味わってみたいのです!!
と、言いつつメインのグロウ・ルームではイチゴたちが幅を利かせていて、昨年末は十分な光にあててあげられずにいました。

もう数ヶ月もすれば早いところでは夏野菜の苗が市場に出まわる頃となってしまいます。

それまでに、あのシマシマ緑色の「 グリーン・ゼブラ ・トマト」をなんとしても収穫したいと思います。










うまく管理すれば今年いっぱいコンスタントに収穫できるかもしれません。挿し木でもふやせますし。

今回は培養土ではなく水耕栽培で育てているので、ベランダでの栽培とは比べる気にもならないほどに生長がはやいです。それにしても光量がじゅうぶんにあたると、こんなにも違うものかと驚くばかりに節がつまってガッシリと育っています。

植物にとっては光も栄養なんだなと、つくづく感じます。

2010年1月20日水曜日

大寒ですが・・・

今日、1月20日は1年でもっとも冷え込む「 大寒 」ですが川崎はあったかいです。

昨日からの寒さがゆるんだスキに、自宅の「 木瓜〜ボケ〜 」のツボミがいっきにふくらみました。この頃に咲くボケやウメはバラ科なんですが、葉っぱより花が先にでてくるのって、ほんとにおもしろいと思います。サクラも花が先にでてきますね。














室内で育てている水耕栽培の野菜たちも元気です。
「 エアロ・ガーデン 」のサラダ菜は、タンクの中が根っこでビッシリになりました。


名残惜しいですが、
今日からそろそろ収穫準備に入ります。

肥料ぬきをはじめました。










培養液に浸かっていない部分の根っこは、根毛がフサフサと発生してます。培養液を取りかえる時に根全体が水に浸かってしまうので、いったん根毛は消えてしまいます。
が、有機活力剤を培養液に入れていると、だいたい数日後ぐらいから少しずつ根毛が復活しはじめます。














ふわふわとした産毛のような「 根毛 」は、酸素・リン酸や微量ミネラルなどをさかんに吸収するので窒素の固定化や新陳代謝が促進されて、花つきや実の質がよくなったり味や風味をよくしたりしてくれます。

でも、肥料過多や水温が高すぎたり低すぎたりして根っこに元気がなくなると「 根毛 」がでてこなかったり、すぐに茶色く変色したりしてしまいます。
無機肥料( =化学肥料 )だけあげていると、根毛が発生しにくかったり根っこの分岐がすくないといわれていますし、実際に育てていてそんな気がします。

有機活力剤をあげていると、培養液のタンクの中でフワフワと泳いでいる根っこも「 ヘリンボーン柄 」みたいにどんどん分岐するので見ていておもしろいです。

2010年1月19日火曜日

Fungi!! フンガス!! ワンダフル!!

イギリス国営放送BBCの「 ネイチャー・ドキュメンタリー 」のなかで、David Attenboroughさんという学者さんのシリーズもののひとつ、

「 The Private Life of Plants 」

という植物の生態を特集したDVDがあります。

残念ながら日本では公式発売されていないため字幕なしですが、画像だけでも植物のマイクロな世界にどっぷりはまること請け合いです。
私が一番好きなパートが、すでにYoutubeにアップされていたのでご紹介します。

まだまだナゾが多い真菌類ですが、このDVDを見るとますますキョウミがわきます。
キノコシーン抜粋です。

2010年1月18日月曜日

梅が咲いてます。

明後日は「 大寒 」です。一年でもっとも寒さがきびしい頃となります。

近所の森林公園にでかけました。「なんかいいニオイがするなー」と思っていたら、
「 ロウバイ〜蝋梅〜 」が満開となっていました。香りのわりに咲いている姿が地味なので、「 なんのニオイだ? 」と、キョロキョロしちゃいますよね。














そして、梅も負けじと咲きはじめてました。なんの梅かは、チェック忘れました。














都心の森林公園でも見かけるようになってきた「 カワセミ 」がいました。この日はカメラを忘れて携帯で撮影しましたが、扱いが苦手でこのような写真しかとれませんでした。

( 緑色の輪のナカに、ささやかに収まっています )

2010年1月15日金曜日

新月のころの生長

作物は月の満ち欠けのリズムで管理すると楽だよ、と聞きました。

満月の頃は種まき、挿し木、収穫。若い苗は生長がとまりやすいから窒素を多めにあげる。虫も満月に産卵するから、その3日後のふ化する頃に薬剤をまくと一番効果がある。

新月の頃は逆で、植えかえ、剪定。収穫を迎える頃の野菜は花が咲きにくかったり実がつきにくかったりするから収量が下がらないようにリン・カリを多めにあげる。虫ではなく病原菌がでやすいからカルシウムやなんかを葉にまくといい。

はたしてお月様の光があたらない室内栽培でも同じなのかな? と思いますよね。
今日はちょうど新月ですが、うちのイチゴたちは「 うん、そうだよ。同じだよ。 」というかのような生長を見せてます。

ハイドロ・システムのイチゴです。
今週は培養液はまだ交換してませんが、
「 新芽 〜しんめ〜」がピロ〜ンとでてきてました。











こちらは、ちょっと痛々しい生長障害気味のココ栽培の「 ジャンボいちご 」です。
葉っぱのヨゴレは「 ハーピン・タンパク 」です。

このコにも新芽がでてます。
おととい培養液をあげたので、その影響もあるかもしれません。








ウドンコ病にたかられていた、「アンティーク・レース」です。


前回の新月の頃に「 苦土石灰 」をまいて応急処置をしました。

今週になってからモシャモシャッと新芽がでてきました。
植えかえてから、ちょうど根が増えてきた頃だと思うのですが、やっぱり新月と関係ありそうです。
今ついているツボミが満月のころ咲いたら、お月さんの動きと連動してるってことになりそうです。





月の光があたらなくても引力的なもので、植物体内の水分が上に引っぱられたり下に引っぱられたりして、生長の仕方に影響するのかなと思います。
一番大きな要因は、たぶん温度だとは思いますけど・・・( 生長活動すべてに酵素がかかわってます。酵素は温度で動きが変わります。 )

でも、夜間の暗さは大切です。「光害〜ひかりがい・こうがい〜」なんて言われますけど稲や菊など短日植物は夜間に一瞬でも強い光があたると花数が少なくなってしまうそうです。逆にホウレンソウなど長日植物に夜間光があたると、とっととお花を咲かせようとしてしまうので食べられなくなってしまうそうです。
トマトなど、夜の長さに関係なく開花する中間植物でも、夜は真っ暗にした方が花芽分化がすすみ着果もいいと聞いたことがあります。

室内栽培での植物生長と月のリズムとの関連性は、観察しはじめてからまだ間もないので、これからいろいろと試していこうと思います。