2010年3月16日火曜日

はじっこ好きなイチゴたち

ココ培地で室内栽培しているイチゴたちです。調子のよいプラントは、ぼちぼち3番果が肥大してきてます。昨年秋にGETした新苗の「 ジャンボいちご 」たちも、ようやく花芽が上がってきました。育てているイチゴの品種は「 大実いちご 」「ジャンボいちご・まんぷく2号」「ジャンボいちご 」の3種類です。

このプラントは、ごつっとした実の形からして、たぶん「 ジャンボいちご・まんぷく2号 」です。正直、葉っぱからは見分けがつかなくなってます。
左右から実がついた茎が伸びちゃったわけは、このポットひとつに4つのプラントが同居しているからです。
2年目現役続行 & 不耕起栽培で、芽かきをしていないので、こういうことになりました。

4つのプラントはそれぞれが四隅を陣取って生えてます。なので、ポットのまん中がぽっかり空いてます。




これは今年の新苗「ジャンボいちご」です。
たしかまん中に植えたはずなのに、生育障害から復活してきたら、はじっこに寄ってきてます。



これは「大実イチゴ」です。まんぷく2号とおなじく昨年から植えかえなしのプチ不耕起状態です。
といっても、昨年いっぱい実をつけてくれたプラントは枯れ落ちて、昨年夏以降にでてきた新芽が大きくなった状態です。

やっぱし、ポットのはじっこに寄って生えてます。



このコは、はじっこどころか「角」です。

たぶん、はじっこのほうが根っこが酸素を吸いやすいから、根っこが培地とポットのすき間へと伸びていってしまうのかもしれません。





植物は、土壌中の養分・水分・酸素が確保できる場所を目指して根っこを伸ばしていくそうです。

でも根っこを伸ばせる深さには限界があるので、
「菌根菌〜きんこんきん〜」
とよばれる微生物の力をかりてリン酸なんかを補給しているそうです。







「 菌根菌 〜きんこんきん〜」っていうのは、一種のカビやキノコで菌糸をだだーっと地中に伸ばします。時には数メートルにも菌糸を張りめぐらせ、植物の根っこに出会うと「 おじゃましまーす! 」と根っこにもぐり込みます。植物のほうも顔なじみらしく、拒むこともせず「 ウェルカム! 」となり共生がはじまります。菌根菌は植物の根っこから糖分をもらってますます元気になり、菌根菌は土壌中のリン酸塩を溶かしてリン酸にして、根っこまで運んでくれています。ただし菌根菌っていうのは何種類もいて、植物によって仲良しの菌がちがうようです。


養液でそだてる水耕栽培は水分が多く菌が繁殖しにくいので、有用菌こそ活用しにくいものの、リン酸や微量ミネラルなどを十分に与えられるので比較的だれでも簡単に植物が育てられます。









といいつつ湿気管理を忘れていたら、たった一日でイチゴの実がウドンコ病にやられてしまいました。ウドンコ病もカビの一種です、皮肉です。
白カビだから毒性はないみたいなので、くやしいから食べます。

2010年3月15日月曜日

雑草というなかれ〜その3〜

きのうの日曜日は、公園の芝生の上で昼寝するのにもってこいの気持のよい天気でした。数週間ぶりに晴れてポカポカしていた週末、気の早い桜はぼちぼち咲き始めています。

「 西洋カラハナソウ  」の新芽が動き出しました。冬の間は枯れ草状態で冬眠しているので間違って捨ててしまいそうになります。



「西洋カラハナソウ」は種子よりも根っこを増やして繁殖する雌雄異種のツル系の宿根草で一般的には
「ホップ」という名前のほうが有名です。
未受粉のホップの雌花は、ビールの風味付けにつかわれることで有名です。






ホップの雌花の成分には、女性ホルモンに似た作用があるそうで、ビールの本場ドイツではホップ畑で収穫する女性は巨乳になるそうで・・・もっと早く知っていればと非常に悔やまれます。
その他にも、白髪・薄毛・肌荒れ・更年期障害など女性ホルモン分泌不足の症状に効果が高いそうです。

ホップにはもちろん雄株もありますが、ビールの味付けや抽出エキスなどに利用されるのは雌花のみだし、受粉させてしまうとフレーバーが落ちるので、ホップの雄株はほとんど流通せず雌株を挿し木や株分けでふやすのが一般的です。
ホップの根元です。アスパラガスみたいにニョキニョキと新芽がでてきてます。この新芽はほんとうにアスパラガスみたいに茹でて食べられるそうです。














ところで日本にも在来種のホップがあります。
「 Japanese Hop = カナムグラ 」と呼ばれていて夏のおわりから秋にかけて、ウンザリするほど生い茂っているので「これはホップだったのか!!」と私はびっくりしました。

高速道路の路肩や空き地の電信柱などに、









カナムグラもホップだけあって雌雄異種です。

これが雌花ですが、ものすごく残念なことに西洋ホップのような風味はまったくないので、ビールのフレーバー付けには使えません。











昔日本にまだビールがなかった頃、ヨーロッパの方がこのカナムグラをホップかわりに使ってビール醸造にトライしたらしいのですが、失敗したようです。
私も負けじと、この雌花から天然酵母をつくろうとしましたが、びっしりとダニがついていたので諦めました。


カナムグラの雄花です。指で軽くつついただけで、おびただしい花粉がとびます。どうやらこれで花粉症の症状がでてしまう原因植物のひとつらしいです。














ちなみに春といえば・・ミミズです。( プチグロ注意! )
家からでる生ゴミはぜんぶこのミミズたちが食べてくれます。ゴミの量が減るし庭木は元気になるし、ミミズさえ好きな人ならいいことづくめです。
いまちょうど繁殖期なんです。
かわいくて仕方ありません・・・・


2010年3月12日金曜日

水耕栽培な UFO 出現 !?

ちょっと前のことになりますが、水耕栽培の発祥の地アメリカならではの、とてもユニークなアート展が開催されていました。

2006年9月に、ペンシルバニア・ピッツバーグで、
ULTRAVIOLET ACQUIESCENCE AND DEEP SPACE DRIP CULTURE
と題されたこのアートは、ジョージア大学のデジタルメディア科
Michael Oliverli 教授によるものです。このショーのコンセプトの発端は、1984年にNASAが宇宙空間で5年間保存した「宇宙トマトの種」をマイケル教授がeBayでGETしたことにはじまるそうです。

「 Ultraviolet Acquiescence 〜黙認の紫外線〜 」
このUFO自体が、イカれた・・・いえいえ、イカしたグロウルームになっています。













UFOの正式名称は「Ulterior Farming Operation」〜 ヒミツの農耕装置号 〜といったトコロでしょうか。UFO内部では10分毎にグロウランプが点滅をくり返し、同時に培養液がトマトに降りそそぐようになっているそうです。

「 限られたスペースでのパーマカルチャーの実践 」という意図もあるそうで、UFO内部のグロウランプは6000Wですが、使用電力はたったの780Wだそうです。どういう仕組みなんでしょうか?? 光の反射効率がとっても良さそうです。













こちらは「 NASA Nourishment 〜NASAの育成 」スペースです。














壁一面には、植物育成用のミラーフィルムが張りめぐらされています。ハイドロ・システムのヨコにある6角形のものから重低音の振動がでているそうです。思いっきりサイバーな空間なのに、トマトのプラントがあったほうが不思議としっくりきます。

そういえば、宇宙から落ちてきた隕石にくっついていたアミノ酸がベースとなって、はじめて地球上に有機生命体が誕生したんじゃないかという仮説がますます真実味を増してきましたが、となるとトマトも私たち人間も、ある意味宇宙からやってきたエイリアンだとも言えるんでしょうか?

ハイドロポニックス・NASA・eBay・・・アメリカ度300%なアートですね。

2010年3月11日木曜日

板橋区立熱帯環境植物館

板橋区立熱帯環境植物館のメインのジャングルなエリアです。
こんな南国っぽいバンガローもあってトロピカル気分が盛り上がります。

館内のフードコーナーでは、ココナツカレーやナシゴレンなどのアジアンテイストなマレーシアグルメも割安で楽しめます。


吹き抜けの空間には、通路が渡してあって熱帯ジャングルの様子を見下ろせます。
しかし遊び場の少ない都心の子どもたちの、ベストな鬼ごっこポイントにもなっているので、駆け抜ける子どもたちを背に、なかなかゆっくりは見せてくれません。
「館内は走らずゆっくり歩こうね!!」という意図の注意書きを見つけて、あまりの効果のなさにちょっと笑ってしまいました。


タコノキです。
観葉植物でも売られていますが、こんな立派な「おみ足」になるには、そうとうデカク育てなきゃいけないみたいです。








パラサイトが得意なシメコロシノキです。
アグレッシブなヤツ・・こんなの日本にいなくてよかったと思っていたら、なんと「ガジュマル」でした。

ガジュマルといえば観葉植物の代名詞のようなメジャーな植物、もちろん家にもいます。
でっかく育てるわけにはいかなくなりました。

ラッキーなことに、ちょうどカカオの実がなっていました。この実の中のカカオ豆がチョコレートの原料になるんですが、ひとつの実からカカオ豆は30コ前後穫れるそうです。収穫されたカカオ豆はいったん発酵処理をして、ほろ苦さとオイシさを引き出すそうです。








ちなみにカカオには、もちろん果肉もあるんですが、「パルプ」と呼ばれていて白くて甘酸っぱくてとてもオイシいそうで、カカオ農場のある国では大人気なフルーツだそうです。このパルプを醸造してお酒をつくったらオイシそうだなぁと思いました。


カカオもそうですが、この植物も木の幹にじかに花が咲いたり実がなったりする「幹生花(果)〜かんせいか〜」のようです。

熱帯植物は、奇想天外なヤツが多いです。









ミストがぶわわーっと噴出されている標高の高い涼しいところがスキな熱帯植物のエリアでした。

夏の暑いさかりに来たら最高だと思います。
エアコンのコストを抑えるために、こんなミスト噴出装置を店内や繁華街なんかに設置するアイデアが、エコ商品として盛り上がってますね。

2010年3月10日水曜日

板橋区立熱帯環境植物館〜 アクアリウム 〜

板橋熱帯植物館の常時展示コーナーには、アクアリウムもありました。






・・・夏の海の磯場をのぞきこんでいる気分にひたれました。



クマノミとなかよしだったイソギンチャク。
伊豆なんかだと、これの黄色いヤツをよく見かけます。

多肉植物協会さんで、さんざん多肉たちを拝見した後だったので
「 海の多肉!! 」に思えてなりませんでした。







かつて大ブームになったウーパールーパーもいました。最近近所のホームセンターでも売られているのを発見しました。本人たちは「 放っといてくれ!」と 迷惑しているのかも・・・














淡水魚コーナーです。
顔をくっつけて魚たちをのぞき込んで手をふったら、この魚は興味津々で私の前をずーーっとウロウロしてくれました。私の勝手な思い込みだとは思いますが、オデコがでっぱった大きな魚って、人なつっこいヤツが多い気がします。














その昔に、能登半島の水族館で出会った「ナポレオンフィッシュ」の写真を引っぱりだしてきました。この魚もオデコがでかいのですが、ものすごく愛想がよかったです。海の中ではダイバーさんの後ろをえんえんとくっついて泳ぐこともあるそうで、人なつっこいことで有名な魚だそうです。是非とも一緒に泳いで遊んでもらいたい!!














淡水のエイです。
ブワブワーッと身体をひらめかせながら、みごとな泳ぎを披露してくれました。















イソギンチャクなんかのアクアリウムを見ていると、夏の海を思い出してため息です。海で遊べない冬の間、心のすき間をうめるべく通ってしまいそうです。

2010年3月9日火曜日

〜 多肉ist 〜タニキストの集い

先月のおわりに「 東京都立板橋区立熱帯環境植物館 」に行きました。

その日、「 国際多肉植物協会  」さんの定例会がこちらでおこなわれていたので、ほんの軽い気持で見学がてらプラッと行ってみたわけです。
あわよくば、レアな多肉がたくさん見られたりGETできてしまうのではないかという下心がいっぱいでした。














しかし、会場に一歩足を踏み入れると、あっというまにディープな?多肉ワールドに引き込まれてしまいました。会場内を飛び交う多肉たちの名前らしき品種名がまったくさっぱりわかりません。軽いカルチャーショックです。ほんの軽い気持で来てみたのに・・・

メインのイベントは終了していたので、非会員でも特別に無料で参加させていただけました。ちょっとクラクラしながら用意されていたイスに座ると、この日の品評会の優秀作品たちの発表がはじまりました。
この日、唯一見覚えのあったリトープス。

ブルゲリとおなじコノフィツム( 女仙 )科です。
この程度の知識、なんの自慢にもならないレベルの高さでした。









ここからは、さっぱり・すっぱり名前を忘れました。

なにしろ生まれてはじめて出会う多肉ばかり。
おそらくマニアックな園芸店に行ったって出会えません。











なのでただ、
「非常にめずらしい多肉です」としか、
コメントがつけられません。











若くきれいなお母さんが寝てしまった子どもたちの枕になりながら目の前に座ってらしたのですが、とある優秀作品が発表されると突然立ち上がって受賞した多肉の説明をはじめられました。多肉栽培者のハバの広さに、さらにカルチャーショックでした。

発表後、優秀作品たちがずらっとならべられたので、

「写真とってもいいですか?」

ときくと、快く

「ドーゾ・ドーゾ、照明だいじょうぶかなぁ? 暗くない? 窓辺に持ってってもいいよ」
と細やかな心づかい。

さすがタニキスト!!
ご親切にありがとうございました。

なんでもこのコは日本でほんの数株しか、またはたったひとつしか存在しないだろうという、恐ろしくレアな多肉だそうです。













この日展示されていた多肉たちの多くは、アフリカや南米メキシコから来日したそうです。
メキシコでは原住民しかその生育場所をしらなかった多肉を苦労して見つけたそうです。
あんまり見つからない時は、ヘリコプターを飛ばしてやっと見つけたなんて、スケールのデカイお話も。
ちょっぴりチランジアに似てました。
多肉でもスミレみたいな花が咲くんですねぇ。

最後には多肉のオークションも開かれ、その安さに何度目かのびっくり。

葉差し用の多肉をいくつかGETできました。









こちらの協会を知ったきっかけは、神代植物園でおこなわれている多肉の展示即売会でした。ヨダレがでるほどかわいくてめずらしい多肉たちが勢揃いしているので、毎回楽しみにしているイベントです。次回は4月末におこなわれるそうですよ。

2010年3月8日月曜日

グリーンゼブラが、ゼブラってきました。

水耕栽培の循環システムで育っているエアルーム・トマト品種の「 グリーンゼブラ 」です。ホームセンターや園芸屋さんでは、野菜の種がたくさん売られはじめましたが、苗が流通する前には、なんとか実を拝めました。

グロウランプがトンネル色したHPSランプなので、いまいち色合いがわかりにくいのですが、トマトの実にゼブラ柄がでてきました。

ヘタがものすごくデカくて、盛大に反り返っているので、よほどヘマをしなければ大きな実になってくれる要素大です。

トマトの担当は私ではないので、失敗する心配はないと思います。






モンスターゼブラです。
(勝手なネーミングです。そんな品種はありません。)

4コくらいのトマトが合体してます。生産者さんには笑われちゃうデキです。










グリーンゼブラの花です。
雌しべの根元の子房(=しぼう)が、ちょこっと顔をのぞかせていて、すでに結実したのがわかります。

花が咲きはじめたときに、窒素がたくさんありすぎると、花は咲いても結実や着果しにくくなるなんてよく聞きます。









よぶんな窒素を消化するためには、光合成してくつられてる炭水化物がいっぱいないとお話しになりません。なので「葉っぱや茎を増やさないと間に合わないね」となってしまって、せっかく咲いた花を放置して葉っぱや茎を伸ばす方に体力を使ってしまうからだそうです。

トマトの根元はこんなかんじです。スキあらば根っこに変身しようとしているウブ毛たちです。アップで見ると毛むくじゃらで、動物っぽく思えてきます。














本日の根っこです。
水耕栽培で育てた植物の根っこは分岐( えだわかれ )が少なく、まっすくで太い根っこの発生が多いといわれます。














循環システムだと、水分はもちろん酸素もたくさん根回りにあるし、有機成分入りの活力剤を肥料といっしょにあげていると、根っこたちはさらに細かくボサボサになってくれます。

私がえんえんと根毛にこだわってしまう理由は、細かい根っこが多ければ多いほど、作物の味がおいしくなるからです。

「 肥料やけ 」や「 15℃以下の水温で低温障害 」をおこした根っこを見てみると、太いまっすぐな根っこしか残ってなかったりします。
太い根っこは水分や窒素やカリウムなど「 味が苦くエグくなるけど生命維持にはぜったい必要だからとりあえず吸っておこう 」的な成分をメインで吸うようです。

細かな根毛は、酸素やリン酸や微量ミネラルなどをたくさん吸っているそうです。根毛が吸ってる成分はどれも、窒素をウマさに変える酵素をつくったり植物ホルモンの分泌をさかんにしてくれます。

同じ根毛でも、水耕栽培の根毛よりも土中に張った根毛のほうが成分の吸収がハンパないそうで、そんな理由からも土で育った作物の方が味がまろやかになるのかもしれません。

だけど、水耕栽培でもちゃんと根毛などを意識して大事にしていれば、オイシい作物にじゅうぶん仕上げられると思います