2010年9月9日木曜日

水耕栽培の培地、ホントにいろいろ

さてさて、新月もすぎて、今月23日の満月までは月がふくらんでいくので、秋の種まきには、それはそれはベストなタイミングとなりました。

新月から満月の3〜4日前までにまいた種は発芽率がよく、ゆっくり発芽して根量がおおくガッシリとして徒長しづらくなってくれるんだそうです。
クX暑かった今年の夏もそろそろ秋の風が吹いてきて、室内であらたにホビーグロウをはじめるのにも、ヨサげな季節です。


ところで、養液栽培/水耕栽培の培地って、思ったよりもイロイロあるんですが、その特徴を知っておくと、さらに楽しくラクチンにヤサイやハーブを育てられるかもしれません。

分かる範囲内で、いろんな培地の特徴をピックアップしてみます。









その1 : Water/水質
「水耕栽培/養液栽培」というくらいですから、まずなんといっても「水」にはじまり「水」に終わるってことになると思うんですが、以前も触れたように日本の水道水はホントに水質がよくて恵まれています。 日本の水道水は、軟水でムダな塩基も少なくEC値もpH値も理想的です。(ただ、蛇口までの水道管が古かったりで問題があれば、そうとも言い切れません。)

ハナシはそれますが、日本の水道水のスバらしさの恩恵として、日々の洗顔時に水道水の流水で30回ほど肌をパッティングをするとニキビやシミ、シワまでキレイになっちゃう!! というカンタン・お得な美容法もあるくらいです。な・な・なんと、あの永遠のアイドル松田聖子ちゃんが昔から実践されてる美容法だということで、聖子ちゃんは水道水パッティングを100回してるんだそうです。ちなみにこの美容法、海外の水道水では塩基がありすぎてNGだそうです。

あと、井戸水や河川などの水を使うことの多い水耕栽培の生産現場では、使用する水の水質検査をして溶け込んでる成分を分析して、成分を引いたり足したりして培養液をつくってたりしますので、家庭用複合肥料を使う場合は、やっぱし水道水が無難です。また、水は外気の温度からモロに影響されます。水温が15℃以下に冷たくなると根っこがダメージを受けて徒長しやすくなるし30℃以上になると酸欠になったりします。18℃〜22℃ほどがノー・プロブレムなんですが、そういう面からも秋は水温管理がラクですね。


その2 : coco media ( ココ培地 / ココヤシ培地 / ヤシガラ培地 )
乾燥・圧縮されたものは、使う前に水道水でしっかり洗い流した方が根っこの活着がいいです。水耕栽培用のココ培地は大丈夫だと思いますが、ココをつけた水のEC値が0.5以上とかになっちゃう場合は、よくよくよくよく洗い流した方がヨサゲです。土にミックスする目的の安〜いココブリックは水耕栽培には向いてないみたいです。根っこが伸びてくれません。

再利用する際は、水耕栽培で使える微生物資材や酵素の活力剤を通常の2〜4倍くらいの希釈液で洗い流したり数日つけておくと、効率よくリフレッシュできます。ココ培地で水耕栽培を楽しむ方法は、手で培養液をあげたりドリップシステムが向いてます。

左側の細かなココ培地は、ココ繊維とかコココイヤーとか呼ばれていて、ヤシガラの表皮をのぞいた内側の部分を細か〜くしたものです。
スリランカやインドで生産されていて、pH値は中性 / 再利用可能 / 保肥性と含気性は中くらいで保水性が高いです。(湿りすぎに注意なので、単独でつかうよりもパーライトやハイドロボールを30%〜50%ミックスするといいです) 















右側のざっくりめのココ培地にはところどころに四角いココチップが入ってます。ヤシガラの表皮を含むカラをカットしたものです。再利用ができてpH値は中性で保肥性も中くらいと、ココ繊維と同じですが、大きくちがうのは含気性が高く保水性がとっても低いことです。有機質でスキマが多いので、有益菌のナイスなタマリ場にもなります。

なので、右側のココ培地みたいに、ココ繊維とまぜてお互いの余分なところや足りないところを補って使うと理想的な培地になります。注意することは、ココ繊維もココチップも、使っていくうちにカリウムがジワジワと溶けだしてくるので、植物がだんだんとカリウム過剰を起こしやすくなります。そのため月に一度は、水で洗い流さねばなりません。カルシウム不足になりやすいので、ココ培地の専用肥料がない時はカル・マグ入りの活力剤をあげたほうが過不足症状などのトラブルが防げます。

あと、水やりしているうちにポットの底の方ではココ培地が圧縮されていき、底の方がどうしても水分過剰になりやすいので、ポットの底にはあらかじめハイドロボールを敷いて、排水性を確保した方がいいようです。
湿りすぎないよう、乾きすぎないよう、水分管理するのがポイントのようです。





使うまえには、よくよく洗い流さないと水中ポンプのチューブがつまったり培養液がニゴッたりしてしまいます。

ハイドロボールで水耕栽培を楽しむ方法はドリップシステム、エアロポニックスが向いてます。
主に欧州で生産されてますが、今は世界中で生産されてもいるそうです。





粒の大きさにバリエーションがありますが、夏ヤサイなど根っこがいっぱい張る植物には8〜16mmの大きめがよいそうです。
再利用可能でpH値は中性。保水性と保肥性は低くて含気性が高いです。再利用する方法については、こちらでツラツラと書かせていただきました・・・


水耕栽培で使える培地、まだまだ続きます〜・・・

2010年9月8日水曜日

新月とバラ

今日9月8日は「 新月 」です。新月といえば、「植えかえ」や「剪定」です。

ということで、先週の土曜日から今週にかけては「初秋の剪定作戦」を決行すべく、イヌツゲの生垣だの、バラだのの剪定にはげみました。
でも、なにせこの暑さですから「初秋」なんて違和感バリバリです。

イヌツゲの生垣は、ササヤカなものなのに、それでもこの暑さの中で手で刈るのは重労働すぎて、今年はついに「生垣バリカン」を駆使してしまいました。夢のようにラクチンでした、電動のバリカン。もっとはやくGETしてればよかった・・・


ところで今年の夏はホントに暑すぎるので、室内栽培のバラたちには現在オープンエア(屋外)を楽しんでもらってます。

風通しがいいからか、小さくなりながらも、それでもなんとか咲いてくれていました。






そして、アンティーク・レースを屋外に出してから、ものの数日でバッタが住みつきました。

バッタにしてみたら、葉も花もバリバリ食べるつもりなりのだと思います。
それでもたいして食害された形跡もないので好きなようにさせておきました。








ミニバラのコーヒーオベーションにも

別のバッタが住んでました。

この時はザンネンながらお出かけしてました。









そして、ヒトが立ち入ることができない目の前の土手のシゲミに、ネコが横たわっていました!!

寿命をむかえたネコは人目に触れないところで・・・

といいます。ものすごくあせりました。









・・・いたって元気そうでした。昼寝をジャマされて、ちょっとムッとしたご様子。ネコとは暮らしたことがないので気持ちが汲めず、ネコとのコミュニケーションはいまだにヘタッピです。

2010年9月6日月曜日

ミツバチ・フォーエバー!!

早朝のミツバチたちが、ポーチュラカの花に夢中でした。

ポーチュラカは、ひとつの株にいろんな色の花が咲いてくれるし、じょうぶだし、土にさせば簡単にふえてくれるし、ズボラなワタシにはつよい味方です。














足にガッツリと「花粉だんご」をひっつけたミツバチ。太い足がかわいく見えるのって,死ぬほどウラヤマしいんですが。
















ところで



現在スーパーに行ってGETできるヤサイたちは、遺伝子に異常を起こさせて花粉をださなくなったプラントを配合させてつくった「F1品種」も少なくないそうです。昔の交配方法は、雌雄同種のプラントの花のツボミから花粉をぬきとって雄性がない状態にして、異品種と交配させてF1をつくってたので、もちろん遺伝子は正常だったそうです。

で、日本古来のヤサイの種を守りつづけている野口種苗さん
「現在生産されている、ほとんどのヤサイたちが雄性不稔の異常遺伝子をもつF1品種であることと、雄性不稔のオスミツバチが増えてきて女王バチがタマゴを産まなくなったことと無関係ではないかもしれない」
と心配されていました。


「ヒトのものが、よく見えちゃうタチのハチ」

どこの世界もおんなじですね。













野口種苗さんは、雌雄不稔のF1ヤサイとミツバチ減少の因果関係は、ちゃんと調べてみないと結論はでないと、おっしゃってました。
ただ、それは当てずっぽうな理論ではなさそうです。

というのも、植物も、動物も,もちろんワタシタチ人間も、日々新しい細胞をつくり出して成長したり子孫を残したり病気とたたかったり若さを保ったりして、生命をつないでます。















んで、新しくできる細胞の中心が「DNAとRNAをひっくるめて核酸」なんですが、遺伝情報やらが入ってるその「核酸」は命のモトと言えたりします。そしてその大事な大事な「核酸」は、1からせっせとコシラえてもいるんですが、ヤサイやら肉やらの食べたもののなかの「核酸」を一部再利用したりしてショートカットで新しく細胞をつくってもいるそうです。

そんなわけで、遺伝子が異常を起こしちゃってる「F1品種」や、ガン細胞をつくるウイルスやガンマ線あててつくった「GMO遺伝子組換え」のヤサイ作物の安全性をうたがう声があがるわけです。

GMO作物を反対する理由はもうひとつあって、どうやら「種会社にすすめられて、高いカネダしてGMO蒔いたけど,遺伝子が不安定でぜんっぜん収穫できなかったじゃあないかっ!! 」という生産者さんの声を、種苗会社がスルーしたことでもあったらしいです。

そして、野口種苗さんがおっしゃってたことに深く納得してしまいました。

ノルウェーに種子銀行ってのができたそうですが、本当にそんなもの必要でしょうか?ひとつの苗がたくさんの種をつけて地面に落ち、それがくり返されて植物の品種は絶えることなく存続します。それができなくなっている今が異常なのであり、それをなんとかしなくては・・・」

ですよね〜。

2010年9月3日金曜日

Farm Aid 25 : Growing Hope for America

「あついあついあついあつい!」とダレてるまに、今年のFarm Aid コンサート情報がと〜っくにアップされてました。












1985年にウイリー・ネルソン、ニール・ヤング。ジョン・メレンキャンプによってスタートしたFarm Aidコンサートは、今年で25周年をむかえるそうで、今年は10月2日ミルウォーキーで開催されます。

25年ですか・・・過ぎてしまえばあっという間かもしれませんが、なにかを継続させる努力というのは、並大抵ではないと思います。これまでのプロセスの写真はこちらで見られるそうです。
http://www.flickr.com/photos/farmaid/

Farm Aid設立の目的は、「 大企業が大きな資本力で広大な敷地やオートマティックなシステムをつかって、効率のよさやコスト削減ばかりを重視した作物や畜産を生産する「Factory Farm」化のせいで、地域に根ざしてコツコツと安心・安全な野菜やお肉を育んできた小規模農家が、危機的な状況に追いやられてしまった現実を「音楽のチカラ」でなんとか打破しよう! 」というものでした。

野菜やお肉などの食材の生産が大量に安くつくれる「Factory Farm=大規模農場」は、そのメリットのおかげで投資が集まる反面、化学肥料と薬剤の使いすぎによる土壌汚染や遺伝子組換え作物があたりまえになったりなど、安全面で不透明な部分が少なくないのも事実のようです。








Become a Farm Aid Member

今年のFarmAidのラインナップは・・・
Willie Nelson
Neil Young
John Mellencamp
Dave Matthews


Kenny Chesney
Norah Jones
Jason Mraz


Jeff Tweedy
Band of Horses
The BoDeans

Amos Lee
Robert Francis


となってます。ワタシとしては、せめてコンサート・ギアでもGETして、その気分にでも浸ろうかなっていうトコロです。


Farm Aid 25: Growing Hope for America Announcement Webcast Recording from Farm Aid on Vimeo.

2010年9月2日木曜日

雑草というなかれ「イタドリ」

ヤッカイモノ扱いされて、抜かれても刈られても,毎年メゲズによみがえってきてくれる「雑草」たち。

ここ数年、ワタシの手を煩わせているのは「イタドリ」という植物です。ブロック塀の根元のわずかなスキマにドシドシ根を張り,腰ほどの高さまで育ってくれます。見つけ次第抜いてたはずなのに、イタドリは年々着実にテリトリーを広げています。

かねがね憎々しく思っていた「イタドリ」ですが、知れば知るほど飲んでよし食べてよし肌にぬってよし、という重宝な雑草でありました。

これは自然の中でダレにもジャマされずノビノビと育つ「オオイタドリ」。イタドリとおなじく「タデ科」です。














抗菌作用、解毒作用、抗酸化作用にすぐれ、根元部分はヤケドや肝炎、関節炎にもよく効くそうです。「痛みを取るから痛取」なんて当て字を使われることもあります。














オオイタドリは4メートルほどにも育ってしまうので、もしも塀のまわりにでも生えられたら撤収していただいたほうがいいと思いますが、もっと小さく育つ「イタドリ」は、高さが30cmほどになった茎を食用として活用ができるそうです。

「シュウ酸」が多いので、生のまま食べすぎたり、ペットにあげるのはヨロシクありませんが、炒め物にしたり漬け物にしたりジャムにしたりしてもおいしいし、はたまたミキサーにかけてジュースにすると、時間とともに色が変化してとってもキレイなんだそうです。

ジュースはそのままだと酸っぱいので,ハチミツをいれたほうがいいそうですが、疲労回復にとっても効果があるそうです。

肌の収れん作用も高く基礎化粧品にも多く使われているそうです。この夏の暑さでさらに広がりきったワタシの顔の毛穴にでも「イタドリジュース」を試してみようかな? とたくらんでいます。

2010年8月31日火曜日

8月も今日でおわりです。


8月も今日が最後です。暑いまま,9月をむかえることになりそうです。
















あまりに続く今年の暑さには・・・オサルたちも、このアリサマでした。顔といい手といい,その様子があまりにもヒトとおなじで,笑ってしまいました。














デロ〜ッと、なっちゃってました。スノコのうえは風がとおって涼しそうです。















ここは伊豆にある「時之栖IZU・WORLD 伊豆洋らんパーク」です。

蘭やめずらしい熱帯植物も見応えがありますが、カピバラやミーアキャットなどなど動物たちと気軽にふれあえるところがなんといっても楽しいです。

フラミンゴなどの鳥たちは、ゲージなしで会うことができます。大好きなオウムたちのコーナーにいくと「バイバーイ」を連発されました。

パイナップルが実っていて、
それはそれは、いい香りがしました。

パイナップルなどのアナナス系は、エチレンがないと花をつけません。










エチレンは「老化ホルモン」とも呼ばれてるように、アナナス系植物は、ある程度年月を重ねて成熟しないとエチレンの分泌が少なく花芽がつきません。
植物が「生殖生長(開花期)」に切りかわって花を咲かせて子孫を残そうとすること自体が、そもそも寿命の限界を感じてから、と聞きます。

秋に花を咲かせる植物は、真夏になって土壌中のチッ素がへることで花芽分化が促進されますが、これも「栄養不足になって生命の危機を感じて」ってことになるのかもしれません。

こんなふうに、ほとんどの果菜類はチッ素が多すぎると花芽が分化しにくいそうですが、いったん花芽さえついてしまえば、チッ素はタンパクを生成する大切なモトになるので、きちんと補給してあげないと体力不足になって花芽が少なくなったり、果実の肥大やオイシさが十分でなくなる原因になってしまいます。

花芽がついたあとは、有機活力剤に含まれている有機酸や糖分などの炭素源や、酵素など微量ミネラルを効かせると、チッ素がスムーズに同化されて、アクが少なく実の大きさやオイシさに変えられるそうです。


2010年8月30日月曜日

秋にさく花とフロリゲン〜その2〜

こう暑いと、なにも考えられなくなります。ただでさえ、アタマのデキがあまりよくないというのに、困ってしまいます。

「フロリゲン」は葉っぱで作られて、茎の内部にある養分を通すための「師管(しかん)」っていう管を通って,葉っぱのワキに花芽をつくることはわかってるそうです。

そして、あの小憎らしい「アブラムシ」たちは、この「師管液」をせっせと吸ってます。アブラムシたちは、この師管液の中のアミノ酸だけをお召し上がりになって、多すぎる糖分やらを「甘露」なんてよばれるオシッコとして出してるそうです。

米国のクリーランドさんは、「だったら、花芽がついた植物の師管液を吸ってるアブラムシのオシッコには、フロリゲンが含まれてるんじゃないだろーか?」と考えたそうです。そして、そのアイデアは大当たりだったようで、アブラムシがついた短日植物の「オナモミ」から落ちてくるアブラムシのオシッコを長日植物の「イボウキグサ」にあげる培養液に混ぜたら、イボウキグサには花が咲いたそうです。

ザンネンながら全部の植物に花芽をつかせることはできなかったようですが、このアブラムシのオシッコの有効成分は、「サルチル酸」というアスピリンによく似た成分だったそうで、ウキクサの多くはアスピリンを吸わせても花が咲くそうです。









ということで、今年はまだまだ暑い日が長引きそうです。気温の高い日がつづくと、夏野菜なんかでも植物は体力を消耗して病気や虫にやられやすくなります。室内で育てていたマリーゴールドはとっくにアブラムシだらけになってしまいました。

園芸店でGETした時点で、虫や病気がついちゃってる場合もあるようですが、部屋のなかに害虫を持ち込んでるのは、じつはワタシ自身の着てる服だったりしたようです。
イチイチ服を脱いだり着替えたりするのはメンドクサイばあいは、園芸専用のエアフィルターなんかを使って、病原菌の胞子や害虫のタマゴを取ってしまう方法もあります。

抵抗力が弱くなるいちばんの原因は、細胞壁をうすくしてしまう「チッ素過剰」だったりするので、pH値や水温に気をつけて微量ミネラル不足や酸欠にならないことも大切だったりするかもしれません。