タフな植物を枯らしてしまった時に、なぐさめもかねた便利な言い訳が「 この植物とは相性がよくなかったんだなぁ 」です。
よほどのことがないと
枯れたりはしない「ポトス」が
連休明けに枯れていました。
ハイドロカルチャーで育てていたんですが、
根ぐされしてました。
培地は「ハイドロボール」というもので、ハイドロカルチャーで一番使われている培地です。「ハイドロボール」とは、バックリといえば「 チョコに入ってるパフみたいで、丸っこいカタチをしたレンガ 」です。
「ハイドロボール」の内側には、気泡がたくさんあるので軽くて通気性がよくて肥料成分やpH値に影響しないので、ハイドロカルチャーや水耕栽培の培地によく使われてます。ハイドロボールには粒の大きさにバリエーションがあって、細かい根っこの観葉植物には小さな粒のハイドロボール、野菜など根っこが太くてたくさん張る植物には大粒のハイドロボールにすると、酸素量や水分量が丁度よくなります。
ドイツの「ハイドロトン」というメーカーが有名ですが、英語では「Expanded Clay」とか「Clay Pebbles」なんてよばれてます。
「ハイドロボール」自体には保水性がほとんどないので、水耕栽培なら培養液を循環させて「ハイドロボール」にドリップさせる循環式のように培地全体に培養液が行き渡るシステムが向いてます。
「ハイドロボール」は、ほかの水耕栽培用の培地にくらべてちょっと割高ですが、くり返し使えるのが、大きなメリットです・・・ということで、枯らしたポトスに使っていた「ハイドロボール」を再利用するために洗いました。
使用した「ハイドロボール」の中や表面には、肥料成分がかたまって塩基がかたまったり、病原菌が住みついたりしてしまいます。
水だけでガラガラッと洗っても根っこや肥料のカスなどはあらかたキレイになりますが、消毒や塩基ぬきをしたほうが安心して再利用できます。
市販の「オキシドール」を水道水にちょこっと入れて「ハイドロボール」を洗ってみました。塩素系の漂白剤でもいいそうですが、ニオイが苦手なのでオキシドールにしました。
「オキシドール」を水に入れるとブクブクと泡が立ちます。「オキシドール」っていうのは薄い濃度の「過酸化水素水」のことです。
「過酸化水素」は活性酸素のひとつで、濃度が高い「過酸化水素水」だと爆発したり火傷したりと、とっても危ないので「毒劇物」に指定されてます。薬局で手軽にGETできる「オキシドール」は濃度が3%ほどです。薄い濃度のものは安定剤が入ってますが、それでも殺菌効果があるし、「H2O2」なので蒸発すればカンタンに水と酸素に分解されます。
つまり「ハイドロボール」を安全に消毒しておソウジできるってことです。
「過酸化水素水」は「オゾン水」に効果が似ていて、とくに水温の高くなる夏場は水耕栽培の培養液にいれるとメリットが多いので、大規模な水耕栽培の野菜の生産現場では「35%過酸化水素水」を使って、培養液の消毒と酸素の供給をいっぺんにやったりすることがあります。
海外のホビーガーデナーでは、「35%過酸化水素水」を使うヒトがたくさんいるのですが、上手に使いこなすには注意しなくてはいけないことが山ほどあるので、こちらで説明しました。
http://desktopfarmer.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.html
で、水1Lにオキシドールを30mlほどいれて数時間つけておいたハイドロボールですが、
そのあと水道水でガシガシときれいに洗い流してからザルにあげて一晩おいて、オキシドールをとばしました。
100%の消毒と塩基ぬきはモチロン無理ですが、
水で洗っただけよりも、遥かにキレイになります。
しかも容器にへばりついていた苔なんかもキレイになって一石二鳥!!
ちなみに、根グサレがでてしまったり収穫がおわった水耕栽培のシステムに、オキシドールや過酸化水素水の希釈液を入れてぐるぐると30分くらい作動させると、システムのおソウジもできちゃうそうです。
この「ハイドロボール」、内側に気泡がたくさんあるので微生物なんかが引っかかって住みつきやすいそうです。海の中の魚礁ににてますね。
なので水耕栽培で有用な微生物資材を使うのに向いてるそうです。有用菌を使う場合は「ハイドロボール」を消毒しなくても病原菌の繁殖は抑えられるので、酵素系の活力剤や水で洗えば再利用できるそうです。逆に「過酸化水素水」や「漂白剤」で消毒すると有用菌が死んでしまうので、年に一度くらいの消毒でいいそうです。
もちろん「ハイドロボール」を培養土やココ培地にちょっとまぜてると酸素量と微生物をふやすこともできますが、土には戻らないので捨てる時にゴロゴロと残ってちょっと困ったりします。