2012年2月28日火曜日

アクアポニックス・プロジェクトfor東北

いつしか「アクアポニックス/Aquaponics」をご紹介したことがあります

ところが日本でも、ついに本格的なアクアポニックスの普及プロジェクトが始まりました! このブログで、そのニュースをご紹介できるのは、なんとも誇らしくうれしいことです。
ジャパン・アクアポニックス



「アクアポニックス」をよく知らないまま、うっかりばっくり説明すると、魚とヤサイを一緒に育てて、循環型のエコな環境を人工的に再現する、いわば「ハイドロポニックス」の合理性をさらに進化させたシステムといえます。

魚の老廃物や死骸を植物が養分として吸収するので、魚にとって害になるリン酸やアンモニア、硝酸、亜硝酸も溜まらずにすみ、理想的な水質が保てるので、汚水や残留肥料やケミカルの廃棄物をほとんど出すことなく、魚とヤサイふたつの食材が生産できちゃうという、地球にもお財布にもエコでミニマムな循環型農水産業が実現できるわけです。お魚は、べつに食べなくても金魚を飼うついでに、レタスで水質をキレイに保ちつつ大きくなった葉っぱだけ日々収穫してオイシくいただくということもできるようです。

↓ミルウォーキーで稼働中のアクアポニックスの施設栽培















日本では養液栽培をメインにした植物工場が進みつつありますが、魚消費量の多い食文化の我が国ならば、魚の養殖もいっしょにできちゃう「アクアポニックス」が、もっと普及してもいいんだろうなと思います。














そして、このジャパン・アクアポニックスさんでは、さまざまなアクアポニックス・システムをご紹介されています。
ハイドロボールをグロウベッドに敷きつめたシステム「MFG=Media-Filled Growbed」は、家庭用から小規模生産者までに最適だそうです。ハイドロボールは、内側に細かな気孔が無数にあるので、有用バクテリアがひっかかりやすく一度定着すれば、環境さえキープしてあげれば「あとは勝手にやってくれる」感が大きいので、ナイスなバイオ・フィルターになってくれて、アクアポニックスの定番培地となってるようです。

ハイドロポニックスでおなじみの「NFTシステム」をアクアポニックス用にカスタマイズしたハイブリッドな「NFTシステム」は、アクアポニックス・・・時々ハイドロポニックスなんてこともできそうですね。ホビーから小規模生産向きです。

そして大規模アクアポニックス施設用「DWC=Deep Water Culture」です。 魚の養殖プールに、発泡スチロールなど軽い材質の板を浮かべてヤサイを栽培するようです。


そして、このジャパン・アクアポニックスさんでは、なんと「アクアポニックス・システムを東北に送ろう!」という活動をなさっています。














PAYPALを通して、このサイトでドネーションすると、東北地方の小学校などの教育機関をはじめ、各自治体や水産農業生産者さんなどへ、アクアポニックスのシステムを提供してサポートしてくれるというプロジェクトです。これはゼヒ、心から応援させていただきたいところです。
↓こちらのサイトからもドネーションできます。
http://jp.japan-aquaponics.com/about-us.html



ちなみに、「ジャパン・アクアポニックス」さんのサイトでは、おウチでアクアポニックスを手軽に始められるシステムも販売されてます。

「マイクロ・システム」



















「ハーブガーデン・システム」

















「ベスポーク・システム(オーダーメイドのシステムです)」












・・・ということで、環境面とコスト面、そして生産面からみても、無限の可能性を秘めたアクアポニックスなんですが、日本ではまだまだ知るヒトは少ないようです。

とはいえ、日本はその昔から江戸の町がそうであったように、農業でも社会でもゴミをださない・もったいない気質が強く、100%にちかい資源の循環システムをつくることにかけては天才的な国民性です。例えば農業では、下肥をはじめヤサイを収穫した後にでる「残さ」をムダにせず、微生物の分解力をかりてキチンと土にもどす循環型農法がごくあたりまえで、パワーのあるオイシいお米やヤサイとともに、健康な土壌や河川を作りつづけてきました。

ゴミと資源の境界線をかぎりなくゼロにしてしまう知恵をもつ日本という国で、限りなくエコで合理的なアクアポニックスが、普及してさらに発展していくことは間違いないと信じています。

・・・ということで、アクアポニックスのメリットや魅力をゾンブンにご紹介しきれていないので、ホビーでもコマーシャルでも、営利でも非営利でも、アクアポニックスに興味がある方は是非「アクアポニックス・ジャパン」さんに、問い合わせてみてください。そんな方々にむけて、エキスパートなサポートやコンサルティングをなさっています。

お問い合わせ専用ページはこちらです(日本語OKです。)

2012年2月27日月曜日

ハイドロ肥料 2パートor3パート??? その2

ということで、今回は、ハイドロポニックス専用の2パート肥料についてです。


「 生長期用 / 開花期用 」が、さらに「 A / B 」に分かれているものが多い2パート肥料は、Aパートにリン酸、Bパートにカルシウム・・・というように、もっとも結合しやすい肥料要素はキッチリ分けてあるので、栄養バランスの良さからみても3パートには劣りません。

あと、3パート時代よりも肥料の配合技術が進化しているので、培養液のpH値が適正範囲から外れにくいように、独特のpHバランサーが配合されてる2パート肥料がほとんどです。なので、培養液を作ったときだけpH値調整をすれば、次に取りかえるまではpH値の調整はあんまし必要ないということになります。

そういうタイプの肥料に使われているpHバランサーとなるものは、たくさんあります。例えば、このブログにちょくちょく登場するケイ酸や有機酸にも、そういった作用がありますが、有機酸は炭酸に似ていて一時的にpH値がギュ〜ンと下がりますが、「見かけのpH」と言われてしまうほどpH値の持続力が弱いので、「培養液をつくった後、数時間置いてから、そこでpH値を調整して植物に与えてください」という注意事項を書くメーカーもあるわけです。でも近頃のベース肥料には、ほとんどが有機酸が配合されているし、数時間も待たなくても培養液を作った時にpH値を調整して植物に与えて、翌日もう一回測定する・・・というプロセスでOKだと思います。

そんなこんなで、培養液の厳密なpH/EC値管理が必須となる3パート肥料よりも、手間が少しラクになるので、めんどくさがりのガーデナーや、ついつい種を撒きすぎて間引きするのもかわいそうで、苗がたくさんになっちゃった!!!という欲張りガーデナーは、2パート肥料向きかもしれません。












ここで、2パートのベース肥料が誕生した背景をのぞいてみると、もちろん「3本混ぜるのは、めんどくせ〜」というニーズが多々多々あったことが大きいです。

それと、果実を収穫する果菜類や穀類などは、圧倒的に「生長期」よりも「開花期」のほうが栽培期間が長いのですが、「生長期」と「開花期」に分けちゃえば、3パートにしなくても2パートだけでイケル! という確証がチラホラでてきたという背景もありました。

しかし、「生長期パート」と「開花期パート」に分けられた「A/Bの2パート肥料」は、つまるところ「4パート肥料」ということになるのですが、上記の通り「果実を収穫する植物」は、「開花期間」のほうが圧倒的に長いので、「生長期パート」を与える期間が短く、「生長期パート : 開花期パート」は、一般的には「1 : 3」くらいの消費量比率になりがちです。

その上、種子からの「実生栽培」ではなく、「挿し木」発根から栽培をスタートさせる場合は、「生長期パート」肥料を、ほぼ使わないというガーデナーが欧米では圧倒的に多いです。限られたスペースで大きく育つヤサイを育てる室内栽培の場合、どうしてもコンパクトに育てる必要があるのと、すでに開花を経験した親株はフロリゲンを持っていると考えられるため、光が十分にあたる草丈が低いうちに、とっとと開花期モードの肥料を与えて花を咲かせ果実を実らせた方が、収穫までが最短ですみ手間やコストも減らすことができるという考え方もあり、結局欧米では「もうメンドクサイから開花期用の2本だけでOKだわ!」という思い切りのいい男前なガーデナーもたくさんいます。

「じゃあ生長期用パートは、いらんのか? 」と思いますが、厳密にはあればあったほうがいいし、挿し木のもとになる親株のコンディション維持には、生長期パートが必要です。あと、栽培期間がながいトマトやイチゴでは、一番最初の果実が熟して収穫したあと、成り疲れをさせないためにも、チッ素が多めに配合されている生長期用パートを一時的に与えたりと、細かく言えばキリがないほど、いろいろ使い方のテクニックはあるようです。



ちなみに、2パート肥料と言えばココ培地専用肥料の存在が大きいのですが、緩衝作用が高く保肥性がある「ココ培地」は、ほとんど不活性な性質で腐食・分解しにくいので、欧米ではロックウール栽培に近い「ハイドロポニックス」として認識されてます。ところがココ培地は、その保肥性がゆえに、同じ養液を溜めて使い続けるエアレーションや循環式などのハイドロ・システムは「完全にNG」なのと、ココ培地には、もともとカリウムが多いので「カルシウムとマグネシウム」が不足しがちとなります。










逆にその保肥性を活かして、同じ比率のNPKを与えつづけても、植物が自分のニーズにあわせて、勝手に肥料を選んで吸収するということもできちゃうため、ココ培地専用の2パート肥料は、「生長期/開花期」が共通で、「カルシウムとマグネシウム」が多め「カリウム」が少なめに配合されてます。





ということで、2パート、3パート、いずれにしても無機質の肥料と不活性な培地で育てる「ハイドロポニックス」のデメリットとして「炭素源やケイ酸源など」や微生物とのキャッチボールで得られる「アミノ酸、酵素、微量ミネラル」など、土壌ならあたりまえに得られる要素が圧倒的に不足しやすいということがあげられます。
大昔はムダだと思われていた、これらの生長促進効果が評価されるにつれ、それらがタップリと配合された「ハイドロポニックス用活力剤」の種類も、増えていくこととなりました。

こんな背景もあってハイドロ先進国の欧米では、肥料はもとより活力剤の種類もたっっっくさん誕生してしまったわけですが、ほとんどのガーデナーの選択基準は口コミだったり近場でGETできるからだったりコストパフォーマンスだったりと、イロイロです。しかもベース肥料から活力剤まで、ゼンブを同じメーカーで揃えて使ってるガーデナーは、むしろ少なくって、ガーデナーそれぞれの好みやシステムや培地や経験値で、「ベース肥料は、このメーカー」「活力剤は、このメーカー」というように、「好み」で独自の組み合わせを楽しんでいます。

最後にさらっと、1パート肥料についてですが・・・

2パート肥料が定着すると、その後さらに必然的に1パートが誕生するわけですが、1パート肥料も定着した現在は、初めてハイドロポニックスにトライするビギナーが、まずは1パート肥料から使い始めて、なれてきたら2パート肥料に 移行していく・・・というパターンがもっとも多いようです。

その昔は2パート肥料をそのまんま1本にまとめちゃいました! 的な1パート肥料があって、カルシウムや硫黄やリン酸の欠乏症状がでちまったりしたようですが、近ごろの1パート肥料は、最新の技術を駆使しているので(例えば緩衝作用が高い粘土をつかったりとか・・・)もちろんそんなことは解決ずみのようです・・・が、使ったことがないので正直よくわかりません。

2012年2月24日金曜日

ハイドロポニックス専用肥料。2パートor3パート???

日本では、ホビーガーデニングや植物工場でメジャーになった「ハイドロポニックス」というカテゴリーは、先進国の欧米だと、NFTやエアロポニックスやエアレーションなどなど・・・培養液でそだてるシステムすべてが、ひっくるめられて語られています。

それと日本でいう「養液栽培」そのものが、欧米では「ハイドロポニックス」なので、「ロックウール栽培」「ハイドロボール栽培」「ココ栽培」「スポンジ栽培」も・・・そしてピートモスがベースの養液土耕「ポッティング・ミックス栽培」さえも「ハイドロポニックス」にカテゴライズされることも、よくあります。

日本だと「それは水耕栽培じゃないのに、ハイドロポニックスになるの〜???」と疑問を感じることが多いのですが、それもこれも、1960年代に米国で現代的なハイドロポニックス農法技術が始まって以来、ハイドロポニックスが定着するにつれて、ガーデナーのニーズや流行、資材や技術の進化のおかげで、ハイドロポニックス用システムや培地の種類が自然と増えていったためで、

「いったいどれをチョイスしたらいいか、数が多すぎてわからない!!!」と、頭を抱え込んでしまうほど多種多様なハイドロ・システムや培地や肥料たちの種類の多さは、欧米における「ハイドロポニックス市場」の円熟度を示していると言えます。(チラ見によると、2011年に発表された米国の施設栽培だけにかぎっても、ハイドロポニックスの市場規模は一年で500億円! パッと見では、日本のケータイコミックとおなじくらいの市場規模です。)

ということで、おウチでハイドロポニックスを楽しむうえで「 ハイドロ用のベース肥料って、3本にわかれてる3パートが昔からの定番だけど、最近じゃ2パートが増えてきてるし、1パートだけのベース肥料もあるなぁ。どれを選べばいいの??? 」というお悩みを抱えたことがあるおヒトは少なくないと感じています。

ちなみに、市販されているハイドロポニックス専用複合肥料は、マックスな前提をふまえてつくられます。その前提とは・・・

「多量/中量各要素の「 N,P,K,Ca,Mg,S」と、微量要素の「Fe,Cu,Mn,Mo,Zn,B,Co」ゼンブを、植物が必要な分だけ、吸えるバランスで配合しないと、カンペキな培養液を植物に与えることはできない。しかも、必須要素を適当に入れちゃえばいいんじゃなくって、結合しやすい必須要素どうしを別々のボトルに入れるか、結合しないようにするためのスペシャルなノウハウが必要になるんだよね〜・・・」です。

で、1パート、2パート、3パートのベース肥料のどれがいいのか結論から申し上げますと・・・「好み」です。


つれないようですが、究極のチョイス基準は、ホントに「好み」といか言いようがないのですが、欧米で一般的にいわれている、各パート肥料のメリット・デメリットに、個人的な感想を織りまぜつつ・・・



まずは、3パート肥料のメリットとデメリットです。











まさにハイドロポニックスの黎明期に考案された3パート肥料は、
「Old School Nutrients」とか「Old School Formula」なんて呼ばれたりもする定番中の定番スタイルです。

当時、ベース肥料を3本に分けた大きな理由のひとつが、「カルシウムと硫酸は、なにがなんでも分けなきゃならない」ということでした。カルシウムと硫酸が結合すると、なかなか溶けない難容性の「硫酸カルシウム」・・・つまり石膏ができてしまうからです。カルシウムは硫酸以外にもリン酸とも結合しやすく、イロイロ問題がおきやすいので、必須要素を3本に分けて流通させれば、店頭にならんでいる期間が長くっても、肥料成分どうしが固まる心配はないので、ガーデナーはすべての必須要素を確実に植物へ与えることができます。

その上、3パート肥料は配合比率を変えて培養液をつくるので、生長期から開花期まで、すべての植物の生長段階に対応できちゃいます。

また、肥料の知識があるヒトや、植物の過不足症状を読めるヒトなら、各ボトルの比率を独自にアレンジできたりと、カスタマイズ度が高いので、上級ガーデナー向きともいわれます。とはいえ、3パート肥料の原則は、メーカーの推奨どおりにpH値やEC値を管理することが最大の注意事項なので、それさえ守れば、もちろんビギナーでも使いこなせます。

なので、3パート肥料のメリットは、肥料の過不足症状が起きにくいことと(レシピを守っていれば)、カスタマイズ度が高いことと、ビギナーから熟練者まで対応できるってことです。

反面、いつでも3種類を揃えなくちゃいけないのと、3種類を混ぜて培養液をつくる手間が、ジャマくさく感じるおヒトもいるかと思います。なので、植物の世話が苦にならない几帳面なおヒト向きとも言えます。

個人的な感想は、3パートはNPKの比率を変えやすいので、いろんな種類の植物や品種に細かく対応ができるってことと、肥料各成分の働きを知れば知るほど3パートに魅力を感じるってことです。

・・・次回は、2パート肥料のメリット、デメリットについてです。

2012年2月20日月曜日

2月は、春への下準備。

今週水曜日は、「新月」です。植えかえをはじめ、挿し木とりや剪定に、ぴったしな週となりました。
その上、2月は庭木の「剪定」やら「元肥」をあげたりと、春に向けての準備が本格的にスタートする月でもあったりします。

バラは、花をいっぱいつけるために、半年以上経った枝を切って、新しい枝へと更新するんだそうで、だいたい9月と2月がメインの剪定タイミングといわれてます。
なかでも2月の剪定は、一年の中でもマストな作業なので、

新月も近いことだし・・・と、さっそく、バラの剪定をすませました・・・









バラの剪定については、サマザマザマな注意事項があるようなんですが、語れるほどのウデは、ありません。

しかしなにはさておき、切り口からバイキンが入らないように、枝をカットするハサミや刃物をキレイにキレイに洗剤で洗っておくことは大事ですよね。





2月の剪定では、もともとあった枝の高さを1/3くらいまで切り詰めることと、「こりゃ、後々ぜったい枝どうしが、ぶつかるな」的な方向に出ている枝とか、茶色くスカスカに枯れ込んだ枝とか、内側に伸びてる枝とか、そういう枝を切るようにするんだそうです。



枝の切り口には、植物にとって有用に働く菌資材をスプレーして、バンソコウがわりにしました。











ミニバラのコーヒーオベーションには、いっぱい新芽が出始めていました。

晴れた日には、もう春の気配を感じます。













室内栽培のイチゴには、とうとうアブラムシが出てきやがりました。あわてずさわがず、まずは、カルシウムを葉面スプレーして、しぱらく水やりを控えて培地の通気性をよくして、新しい根っこを伸ばしてみることにしました・・・4日後の今朝、アブラムシは減ってきました。










ほぼ、ゲリラ栽培のホップたちも、春に向けて新芽が動き出しました。

ビタリング用ホップのチヌークです。










アロマホップのセンテニアルです。

昨年はプランター栽培で、収穫がイマイチだったので、
今年は路地栽培で、がんばりたいなとおもってます。










そして、人気の高いアロマホップ、カスケードです。

ホップは、種ではなく地下の根っこ=根茎で繁殖していくのがベストです。










毎年3月に、地面の下に伸びてる根茎を15cmくらいにカットして、株分けするんだそうで。
お子ちゃま用のお箸みたいにササヤカな長さのホップの根茎が、たった半年で3メートルにも5メートルにも伸びるんですねぇ〜。すごい生命力です。



春じたくにいそがしいバラやホップと対照的に、


そろそろシーズン終了ぎみのミニトマトです。











もう成りづかれしてきました。


しかし、まるでオマケのように、またまたクレイジーなトマトが・・・








秋冬トマト、最後のクレイジートマト・・・
となりました。

2012年2月13日月曜日

挿し木ホワイトセージ「お根出たい日」

ちょうど一週間前の週末、クローンマシーンで発根処理中の「ホワイトセージ」の挿し木たちを見てみると・・・(ミスト式加湿器に、CO2ガスを吹き込んだ炭酸水を入れて、挿し木に炭酸水ミストをあてています。加湿器のタイプによっては、ヒューズが飛ぶのでおすすめはできません。)










おおっ!!!
発根しはじめました。

お根でとうございます。





ホワイト・セージの茎の外皮は、なんとも発根しにくそうな、頑固なかたさがあります。

その上、真冬の低温と、水中ポンプが不調で水が出ていないことに気がつかず発根するまで、3週間もかかりました。温度と水中ポンプ管理がちゃんとしてれば、もっと早く不定根が出てきていたと思われます。











それから約1週間後の今週末、発根した根っこたちが、どんどんどんどん伸びてきて、根量が増えました。茎の節の部分から、せっせと不定根が出てきているのが分かります。











3号鉢(約0.3L)サイズで、ポッティング・ミックス培土と植えつけることにしました。
植え込みや植えかえのときの注意点は、白く新しい根っこを傷つけないことです。

ポットの中央にくるように苗を片手で持ちながら、根っこのすき間を培土で埋めていくようなかんじで培土をホロホロと入れていくと、根っこを切ったり折ったりせずに植え込めます。


根っこのすき間が培土で埋まり、ポットいっぱいに培土を入れたら、指で培土の表面を軽く抑えて、培土と根っこをなじませました。

土と根っこをなじませることを土極め(つちぎめ)といったりもするそうです。








その後すかさず、

根の活力剤の養液(水温18℃〜22℃)で、

水やりをします。

これで、培土と根っこがさらになじみます。

水極めというそうです。







ポッティング・ミックス培土で育てる場合、ベース肥料でつくった培養液は、水やり3回に1回くらいのペースです。(幼苗期から生長期くらいまで)
水やり3回に2回はベース肥料なしにしますが、なるべく活力剤はあげたほうがいいです。そうすると、根っこがよく張るので、徒長せずがっしりコンパクトに育ち、病気にも強くなって優秀なプラントに育ちやすくなります。

・・・ハイドロポニックス用の活力剤には、肥料はほとんど入ってませんが、肥料の効きを助ける糖分や有機酸、ビタミンなどなどが入っているので、根っこにとっても培土にとってもGoodなのですが、ただの水道水ってのは、培土のなかでおきる反応などモロモロの都合で、思いのほか根っこにとって、ちょこっとストレスなんだそうで、徒長しやすくなったり成り疲れしやすくなるんだそうでっす。

2012年2月8日水曜日

炭酸水で、除菌消毒液!?

ふと気がつけば、インフルエンザの感染がものすごいイキオイで広がってます。そして、もうひとつコワいのが「冬の食中毒」といわれるノロウイルスだったりもします。

この恐るべきウイルスどもは、薬用ハンドソープやアルコールをつかっても、カンペキな殺菌がムズカしいそうで「だったら、どうしたらいいんだ!!!」と気が遠くなってしまいます。



そこで、ひつこく紹介してる自作カーボネーターを活用して、安心・安全性の高いお手軽殺菌水を作ってみました!!!
材料は、

炭酸水(CO2+水だけの)



ミルトン(次亜塩素炭酸ソーダ1%の消毒剤)

のみです。

こ・れ・だ・け。






除菌剤「ミルトン」は、哺乳瓶などベビー用品の殺菌剤としてメジャーなので、ママたちは、よくご存知ですよね。ミルトンには、「次亜塩素酸ソーダ(=次亜塩素酸ナトリウム)」が1%入ってるので、水道水で薄めただけでも、除菌効果はモチロンあるんです。

が、昨今の炭酸水ブームで、ワタシのようにイキオイあまって「自作カーボネーター」をつくってしまったおヒトには、ミルトンを炭酸水で薄めた「安心・安全・除菌効果もマックスで消臭効果もある次亜塩素酸除菌水」がおススメだったりします。(自己責任で・・・という「お願い」つきです。)


いままでは、次亜塩素酸ソーダに「塩酸」を加えた除菌水が、わりとメジャーで、このふたつを混ぜてできる除菌水は効果が高くて、食材を加工する工場などで除菌水として使われているようですが、塩酸 だとpH値が下がりすぎて、有毒なガスも発生する心配があるそうで・・・

そこで、近頃話題なのが、「塩酸」のかわりに「炭酸」で次亜塩素酸ソーダをうすめてできる、安全性・殺菌力・消臭力が高い次亜塩素酸水=HOCL」だそうです。この次亜塩素酸は、炭酸の弱酸性のpH範囲4〜6でできる除菌成分なんだそうです。

なので、pH値が4〜6の範囲にあれば、殺菌効果が変わりにくいので、「炭酸+ミルトン」で除菌水をつくったら、炭酸飲料が入っていた耐圧性のペットボトルなどに密閉しておけば、pH値がはずれるまでは保存ができてしまいそうですね。
この除菌水で、外出先から帰ってきたときに手を拭いたり、インフルエンザやノロウイルスにやられちゃった人の洗濯物とかを浸けたりしたら、しっかり除菌できるってことのようです。
(歯医者さんなどでは、口の中の除菌にも次亜塩素酸水が使われてますが、それは電解水で つくる次亜塩素酸水なので、ミルトンは食用ではないので、ウガイに使うのは、モチロンおすすめできません。)


ということで、使い古した「苔」だらけの「ハイドロボール」を「炭酸+ミルトン」の殺菌水で洗ってみました。














ミルトンの除菌成分の次亜塩素酸ソーダは、pH値で殺菌力のレベルが変わるそうで、pH値がだいたい4.5〜6.5の弱酸性にすると、殺菌パワーが6倍になるんだそうです。そのおかげでカビ・酵母・細菌・ウイルスなど幅広い雑菌の除菌効果があるそうです。


まずは、いつもの自作カーボネーターで、


炭酸水をつくりました。


水道水に炭酸ガスを入れただけの炭酸水のpH値は4でした。



・・・炭酸水のEC値は、0.1mS/cmでした。
次亜塩素酸ソーダを炭酸水に、どのくらい入れたらいいのか? ですが、50ppm〜200ppmの範囲になるようにしたらいいんだそうです。
除菌したいモノの汚れ度で、濃度を選んだらいいんだと思いますが、確実な除菌効果をねらって、ミルトン200ppmほどにします。





日常の手の消毒とか なら、50ppmでもOKかな?と思います。


ちなみに、このpH/ECメーターのEC値をppmに換算するにはEC値に500をかければ、完全にイコールではないそうですが、バックリOKだそうです。
↑の場合は、EC値 0.1 X 500 = 炭酸水は約50ppm

ミルトンは、次亜塩素酸ソーダ1%含有なので、200ppmの次亜塩素酸水1Lをつくるには、炭酸水0.02%濃度のミルトンをいれればOKなので・・・
「 炭酸水980ml + ミルトン 20ml 」で、「次亜塩素酸除菌水200ppm」が1Lできます。

とくに汚れがひどくないモノの除菌や、消臭、普段の手洗い用の「50ppm濃度の次亜塩素酸水」を作る場合は・・・「炭酸水995ml + ミルトン5ml 」 ですね。


ということで、炭酸水にミルトン200ppmを入れてみました。pH値が4.9くらいと、すこしあがりました。















そして、EC値は約0.57mS/cmに上がりました。もともとの炭酸水のEC値0.1を引くと0.57-0.1 =0.47 ←これに500をかけてppm値にしてみます。・・・約235ppmの次亜塩素酸水ができました。











そして苔だらけのハイドロボールを浸して、だいたい半日置いてみました。


正直、塩素臭はします。でも指でさわっても、ヌルヌルしなくて、数分で肌の塩素臭は消えてしまうように思いました。









半日後、ハイドロボールに生えていた青いコケは、キレイさっぱりいなくなりました。










ちなみに塩素臭は、まだ残っていて、このまますぐに使うのはデンジャラスかもしれません。

この次亜塩素酸水で、収穫後のハイドロシステムやポット、カビてしまったスポイト、剪定用バサミなどを消毒する場合は、念のため、塩素臭がしなくなるまで乾かすか、水道水でシッカリとゆすいでから使った方が、ベターだと思います。










翌日、ハイドロボールが乾いてきました。このハイドロボールも数日間しっかり乾かしてから使おうと思います・・・が、ハイドロボールの再利用は2〜3回が限度かな?と思います。















今回の炭酸水+ミルトンでつくる次亜塩素酸除菌水は、安心・安全性が高いそうですが、炭酸水をつくるのも、ミルトンを扱うのも、お子様には危険なので、自己責任がとれる大人のかた限定でおすすめです。

ちなみに、次亜塩素酸ソーダを炭酸で薄めると「有毒な塩素ガス=Cl2」を発生させなくてすむメリットもあるんだそうです。
「次亜塩素酸自体が安全!!!」といわれる理由は、人間は病原菌やウイルスから細胞を守るために、体内で次亜塩素酸を作ってるからだそうで、その上、短時間で消え去ってしまうので、金属への腐食性もほとんどないんだそうです。

「次亜塩素酸水」は、酪農業の現場でも「ウドンコ病や炭疽病、ベト病などカビ菌による病気や、家畜の感染菌駆除に使われています・・・が、植物の有用菌もいっしょに除菌してしまうので、病気が発生したときにのみ、次亜塩素酸水で消毒して、乾いた後に有用微生物資材を葉面スプレーしたほうがヨサゲですよね。

なによりカビ菌による病気の発生は、植物の栄養バランスが崩れている時に起こるので、植物がゲンキなら発生することはほとんどないと言われてます。 根っこを健康に保ったり、水やりの水温を18℃〜22℃くらいにしたり、湿度を40%〜70%にキープしたり、培養液を濃くしすぎないなどなど、最適な環境で管理していれば、ウドンコ病やハダニさえも発生しにくいです。

ということで、「自作カーボネーターを活用した安全なミルトン除菌水」のご紹介でした。
もっとキッチリした理屈が知りたいおヒトは、「次亜塩素炭酸水」とか「炭酸次亜水」とかで、ググってみてください。

2012年2月6日月曜日

室内栽培イチゴ狩り

室内栽培のイチゴたちのおかげで、

先週は「プチイチゴ狩り」が堪能できました。
今年の新苗たちになったランナーを出してくれた親株は、2年目の苗ですが、4cmくらいの果実を3つも実らせてくれました。

葉っぱが小さくて、この親株から出たランナーの子株も不調気味だったので、「ダメなやつ・・・」扱いしたのを激しくゴメンナサイでした。








とはいえ、葉っぱも根はりもイキオイがある親株からそだった子株の果実は、こんなにでかくなりました。↓














ベタな自慢ですが、計ってみたら5cmほど。










小さな花をツボミのうちに摘花(てきか)して、大きな花だけ残すようにするのも、大きなイチゴに育てる秘訣だそうです。

←イチゴの花房には、複数のツボミがつきますが、花房の一番最後のほうに「おまけです〜」的にでた、ちっちゃなちっちゃなツボミは、見つけ次第つんでしまって、大きめな花だけ残すようにしました。

摘花したツボミと、残した花をくらべると、大きさに差があります。ツボミの大きさは、まんま果実になった時の大きさに、つながるんだそうです。











植物にとって、花を咲かせて維持するのは、ものすんごい体力がいるので、イチゴを始め、リンゴとかミカンとか果実系の栽培では、見込みのうすい花や果実を間引いてしまう「摘花 or 摘果」をするんだそうで。




ところで、育ててるイチゴの苗は全部「あかねっ娘」なんですが、去年の親株からとれた、
↓右側の大きいイチゴの方が、色素が薄いピンクで、味も「桃」っぽさがあります。
↓左側が今年の新苗から穫れた「あかねっ娘」です。イチゴはランナーで増やした場合、カンペキなクローンなはずですが、培地とか肥料とか生育環境が違うと、出てくる特徴も変わるんでしょうか・・・?











それにしても室内イチゴ栽培をはじめてから、3年目。今回は「おウチでイチゴ狩り」が、ぽつぽつと楽しめそうです。

どんなに資材がそろっていても、やっぱし何度も試行錯誤しながら育ててみないと、「なんとかウマく育てる勘どころ」というのは身につかないものだなと、しみじみ思いました。