2011年12月1日木曜日

これは楽しい! 「 炭酸水耕栽培 」その4

さて、川崎は、冷たい雨の日で12月がスタートしました。ストーブが恋しい寒さです。
前回までのカーボネーターで、大事なことを書き忘れましたが、カーボネーターでCO2を吹き込んでいる間、ペットボトルを軽く振りながらCO2ガスを入れると、 水に溶けやすくなります。そのあと半日〜1日くらい冷蔵庫で寝かせると、水にCO2がさらによく溶けて、つよい炭酸水ができます。

ということで、CO2レギュレーターでつくるペットボトル用カーボネーターの説明が、思いのほか長くなってしまったので、今回はやっとのことで「どうして炭酸水は、植物の生長を促進できるのか?」です。

CO2ガス、つまり二酸化炭素という気体を水に溶かすと・・・
「炭酸=H2CO3」と、「炭酸水素イオン=HCO3-」+「炭酸イオン=CO32-」という2つのイオンの形で、水中に溶け込んでいるそうですが、水に溶けきれなかったCO2は、外気にふれるとシュワシュワと泡になって逃げていきます。


炭酸水のなかの炭酸+炭酸水素イオン+炭酸イオンの3つには、pH値をほどよく調整してくれる緩衝作用(かんしょうさよう)や、リン酸をはじめ、「味と健康の決め手!!!」となる鉄、ホウ素、モリブデンetc・・・微量要素を根っこが吸収しやすくする作用があるので、肥料の効きをよくしてくれる効果があります。


水にCO2ガスを入れて、炭酸水にしたときのEC値とpH値のチガイです。
(浄水器に通した水道水にCO2ガスを吹き込んだだけの炭酸水です。。硬水タイプの天然発泡水や、重曹とクエン酸でつくった炭酸水は、ムダなナトリウムが入るのでハイドロにはNGです。市販されている炭酸水でハイドロに使えるのは、原料がCO2、水となっているものだけです。)
家庭用浄水器をとおした水道水のEC値は、0.17mS/cmでした。

ちなみに、数千円のロースペックな浄水器ですが、「オルトトリジン液」という塩素濃度を測れる液体でテストしたところ、塩素はちゃんと除去されていました。








この水道水に、CO2=二酸化炭素を吹き込んで炭酸水にしてみると・・・水道水炭酸水のEC値は、0.12mS/cmになり、CO2を入れる前よりも、0.05mS/cm下がりました。
関東は、カルシウムやマグネシウムをすこし含んでるので、炭酸と反応してEC値がさがったのかもしれません。





「炭酸入れたら、肥料が固まっちゃうじゃん!!!」と思いますが、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムは、酸性だとすぐ溶けるので、ベース肥料などを入れると酸性になるので、ちゃんと水溶性にもどります。
※写真を忘れましたが、試しにEC値がゼロのRO水(純水に近い水)でも、炭酸水をつくってみたらEC値があがりました。





そして次に、pH値の変化です。
浄水器をとおした水のpH値は7でした。













炭酸水にしてみると、pH値が4.2へと酸性になりました。














欧米のハイドロポニックス用資材には、数年前から培養液タンクにポトンといれて使うタイプの「CO2タブ」というものもあって、手軽に根っこからCO2を吸わせられる用品が定番となっていました。日本では販売されてるかどうかわかりませんが、アクアリウムの水草育成用にCO2タブに似た製品が販売されていると思います。(CO2タブは、塩類をつかってCO2を発生させるので、そのぶん肥料濃度を薄くする必要があるかもしれまん。)


というのも、海外では「炭酸水を植物にあたえると、生長促進効果が高い。」という研究結果や文献がすでにあったりもします。実際にその結果をテストした奇特な方もいらっしゃって、英語ですが、こちらでその詳細をみることができます。
http://scaf.i8.com/CO2RootAbsorption.html

とはいえ、植物の光合成運動のタイプには、いくつ種類があるので、すべての植物でテストできてるわけではないし、まだまだ研究段階ではあると思いますが、農業資材で定番となってる「マイクロナノバブル」のように、水分子を小さくしつつ「溶存酸素量をふやした」水が、植物の生長を促進しつつ肥料や農薬の使用量もへらせる・・・という効能と「炭酸水での栽培」は、よくにています。

水耕栽培の培養液は、だいたい1〜2週間ごとに、すべてチェンジがベリーベストですが、廃棄する時の培養液の中には、じつはわりと肥料塩類が残っちゃってるんですよね〜。なので炭酸水で培養液をつくって植物にあたえれば、水道水よりも肥料塩類がよく溶けるので、肥料成分の食べ残しがすくなくてムダが押さえられるし、ゴムチューブなんかの目詰まりも減らせるっちゅ〜ことになります。

しかも、水耕栽培で不足しがちな炭素の補給もできちゃうので、ムダに草丈がのびなくてすむし、チッ素もよく固定されるので病気や害虫にもつよくなります。
ちなみに、炭酸水の葉面スプレーやミスト加湿は、光が当たっている時だけOKです。夜になって光合成がストップすると、CO2はいらなくなります。

「炭酸水で農産物を育てる技術」は、日本でももう始まっていて、施設栽培の大型ハイドロポニックス・システムの培養液を炭酸ガスでpH調整する製品も、もう見つけられます。が、ホビーガーデニングの水耕栽培では、循環システムなどで培養液タンクに直接CO2を高圧で吹き込むシステムがまだないので、もしヨサゲな方法が見つかれば、そのうちまた紹介しようと思います。

私が炭酸水でテストできている栽培方法は、今のところ循環式システムとココ栽培とポッティングソイル栽培、そしてバラやラベンターなどの鉢植え栽培です。水耕栽培でメジャーな「エアレーション・システム」だと、曝気するので、あっという間に炭酸ガスが抜けてしまい、炭酸水の効果が薄いかもしれません。


ということで炭酸水を水耕栽培で使う場合、培養液をつくる時の水をCO2を吹き込んだ炭酸水にするか、葉面スプレーやミスト加湿器で炭酸水をつかうのが、今のところ手っ取りばやいんですが、炭酸水がとっても有効に効くタイミングがあって・・・

まず・・・ほかのどのタイミングでCO2施肥するよりも、挿し木とりと幼苗期の期間に、CO2濃度を1500ppmほどにキープするのが、イチバン効果があるといわれています。挿し木のときにCO2濃度が1500ppmくらいあると、もっとも発根数がおおく根量がふえて、その後も早く大きく育つという結果が「菊などの挿し木栽培」ででているそうです。挿し木や小さな苗のときなら、プロパゲーターなどフタがついてる育苗箱のなかに炭酸水をスプレーするか、CO2ガスを1500ppmほどまで入れてあげて2時間ほどキープするそうです。でも夜間の光が当たってないときは、カバーを開けて新鮮な空気のなかで管理するのがコツだそうです。

つぎに、生長期から開花期への移行時にも、効果があると思います。植物はCO2を固定する時に「リン」をつかうので、開花期へ移行する時には、炭酸水に「PK肥料」を薄めにいれてスプレーすると、CO2とチッ素の固定が促進されて、ヨサゲです。


炭酸水がいいのは、水耕栽培だけじゃなくって、例えば庭木がツボミをつけたときや、咲き終わったあとのお礼肥えのとき、固形の肥料といっしょに、たっぷりの炭酸水をあげると、庭木がしゃっきりしたり、またすぐにツボミがでてきたりします。

ということで、肥料や農薬がよく効くようになってムダが減らせて、たくさんオイシい収穫が楽しめてしまうかもしれない「炭酸水耕栽培」の提案でしたが、畑やプランターのおヤサイ、ハンギングのお花なんかにも、Goodなので、トライできるヒトには、おススメです。