2011年12月21日水曜日

エアロガーデンで炭酸水耕栽培!

以前に紹介した「 炭酸水耕栽培 」でしたが、炭酸水をつかって養液栽培をなさっている生産者さんによれば、「 炭酸水で養液栽培した野菜は、いつもよりオイシくなったよ! 」とのことです。

ということで、昼ゴハンの時たべるために育てている「 エアロ・ガーデン 」のサラダ菜にも、自作カーボネーターでCO2ガスを吹き込んだタイプの炭酸水でつくった培養液をあげています。ちなみにハイドロに使える炭酸水は、ナトリウムNGなので、CO2+水 だけのものがGOODです。市販の炭酸水には、硬水タイプの発泡水も多くEC値が高いので、ハイドロには向きません。

炭酸水培養液を追加するまえのサラダ菜「パリグリーン」です。












炭酸水培養液を足すまえの、
培養液のpH値は5.8で、水温は15.8℃でした。

水耕栽培の培養液のpH値は、だいたい5.5〜6.5の範囲でキープしたらベストです。
このpH値の範囲なら、肥料がムラなく溶けるので、根っこが吸うことができます。

炭酸水で、培養液をつくりました。

炭酸水にベース肥料を溶かすと、pH値は3.85になります。


15℃以下の冷たい水は、根毛をいためてしまうので、かならず20℃前後の水で炭酸水をつくってます。





炭酸水培養液を注ぎ足してみると、培養液全体のpH値は4.3、水温が19℃になりました。

パッと見、pH値が低いのですが、炭酸水のpH値は有機酸のpH値と同じく、「見かけのpH値」で、水分子や肥料塩類とドンドン反応したり、根っこにしみ込んだり、炭酸ガスになって消えてしまうので、数時間後にはだいたい適正なpH値5.5くらいで落ち着きます。





炭酸培養液のなかで、サラダ菜の根っこがシュワシュワと気持ちよさそうです。

さて、炭酸水培養液を足してから、


2〜3時間後の様子です。





まず、pH値が、6.15になって、

ベストなpH値のレンジ内へと、おさまりました。













炭酸水培養液を足すまえと、足したあとの写真を見くらべると、葉っぱが立ち上がってきてるのが、わかります。ささやかな変化ですが、葉っぱや茎がグッと立ち上がるのが、培養液を吸ってるかどうかのベストな目安です。



足すまえ・・・















↓足したあと・・・

・・・↑左はじっこの葉っぱの角度を見比べると、イチバン変化が分かりやすいと思います。

植物の「よい変化」は、こんな具合に、思いのほか地味でササヤカですが、


ちっちゃな「よい変化」を見逃さずに管理すると、たくさんオイシく収穫が楽しめると思います。







それからさらに、2時間後、すっかり夕方になりました。

「ココとソコ」といわないと分からないほどですが、
あたらしく出たばかりの新芽を中心に、さらに葉っぱの角度が立ってきてます。









そして、さらに数時間たって、日が暮れた頃です。もう様子は変化ありません。


















そして、この炭酸水ですが・・・
培養液をつくるときだけではなく、室内の観葉植物とか、ココ培地などのフラッシング用の水としてもGOODです。














手ぶれしちゃいましたが、今年の夏に根グサレから見事復活してくれた「モンステラ」にも、時々炭酸水をあげます。



炭酸水をドバドバッとあげてから、2日後の同一人物「モンステラ」。


ゲンキいっぱいに新芽を出してきます。











観葉植物や、パンジーにシクラメンやバラなどなど、鉢植えの花き類は、栽培期間が長いので、値段がちょっと高いけど即効性のある液体肥料よりも、お手ごろ感のある固形でつぶつぶ状の「緩効性肥料=かんこうせいひりょう」で育てることが多いと思います。

こういう固形の肥料は、pH値が中性の水道水や雨水にふれても溶けにくくて、植物が根から出すクエン酸などの有機酸にふれると、はじめて溶ける「ク溶性」肥料が多く含まれます。

「炭酸水」は弱い酸性なので、こういう固形の肥料をおだやかに溶かしてくれる効果も期待できます。 ただ、毎回炭酸水でをあげてると、肥料がすぐになくなって不足してしまうこともあるので、花のイキオイが落ちてきたときとか、果実を大きくしたいときとか元気がない時・・・など、たまにあげれば十分だと思います。











また、ココ培地をつかった養液栽培では、高いEC値の培養液や、継続してPK肥料をプラスした培養液が原因で、保肥性のあるココ培地には、カリウムや肥料塩類がたまりすぎて、EC値やpH値が外れてしまうこともあります。

←容器はコーラですが、中身は以前紹介した自作カーボネーターでつくった炭酸水です。







そんなときも水温を18℃〜22℃ほどにした炭酸水でココ培地を洗い流しています。ただの水や薄めの濃度の培養液をココ培地に流すこと「フラッシング」と言ったりします。


ココ培地のフラッシングのタイミングですが、一般的には栽培スタートから、だいたい1月ほど経ったら、月に一度ほどのペースでフラッシングといわれてます・・・

が、

まっっったく問題なく生長してるなら、べつにフラッシングする必要はありません。

コバエやウドンコ病、新芽の生長がストップしたときなどは、ココ培地のpH値や肥料バランスが崩れていることもあるので、ただの水またはベース肥料を、いつもの倍に希釈してpH値を5.8ほどに調整した薄めの培養液でフラッシングすると、ヨサゲです。






ということで、炭酸水を単独で植物にあげる場合は、水温を18℃〜22℃にしてあげてからあげるってことが、とっても大切です。



本来の炭酸水耕栽培の開発目的は、肥料塩類のイオン化を促進させて溶解度をあげることで、ムダな肥料施肥を抑えて、排液中の残留肥料をへらして環境負荷を低減させたり、肥料コストを削減しつつ、味も収穫量をあげる・・・という生産者さんの貴重な知恵から、うまれたものです。

なので、観葉植物やプランターのお花なんかには、あげられる範囲内で、たまぁ〜にあげるだけで十分だと思います。

欧米の水耕栽培のシーンには、まだまだいろんなワクワクするアイデアがあるので、水耕栽培が定着した日本でも、従来の常識にとらわれずに、斬新なアイデアにトライしていきたいと思ってます 。