さて、今年も残りわずかとなりました。
つい先日には、野菜が巨大化する遺伝子がつきとめられたそうです。
http://www.asahi.com/science/update/1213/NGY201112130048.html
北米アラスカ州では、ジョン・エバンスさんによる巨大化した野菜たちの話題がよくピックアップされてきました。これまでのジョン・エバンスさんによる巨大野菜の画像は、こちらで見られます。
http://www.recordholders.org/en/records/vegetables.html
アラスカ州で巨大化した野菜が、たびたび収穫されるのは、アラスカの土壌に豊富にふくまれる海水由来の「中量・微量ミネラル」のおかげだときいたことがあります。ミネラルに豊富にありつけた野菜たちは、それらをもとに酵素をたくさん生合成して、チッ素の固定をガシガシ促進できるからだと聞きます。今回の名古屋大の研究結果から、アラスカに巨大野菜たちが育つ要因が、ハッキリするのかもしれませんが、わかりません。
さて、室内栽培のイチゴ「あかねっ娘」たちです。いよいよ果実の肥大がはじまりました。
弱々しかったマザープラント(親株)がつけてくれた果実は、思いのほかタクマシく肥大しています。
とってもビックリです。
今年の新苗のなかで、イチバン始めに花を咲かせたプラントも、ガンバってくれてます。
秋冬に、イチゴの室内栽培をはじめて、なんとか3年目。私のザンネンな脳みそでも、いい加減理解できたことは、「甘くて大きなイチゴを実らせるには、大きな葉っぱが大事で、大きな葉っぱを展開させるには、たっっっくさんの根っこを張らせることが大事で、たくさんの根っこを張らせるには、質のよい培土と肥料、そして大きめなポットで育てるといいね」です。
根っこの量が収穫量に比例するのは、トマトでもキュウリでも、同じことかと思います。
野外でゲリラ栽培のイチゴです。冬の寒さでカンペキに「ロゼット状」の冬眠に入ってます。野外で地植えすると、新たに根っこをのばせるスペースが豊富なので、酸素不足にはならない状態になると思います。虫には喰われましたが、ウドンコ病や炭疽病などには、ぜんぜんかかりません。
寒い冬を超すことができるイチゴなど越冬植物は、葉っぱや根っこの細胞のなかの「糖分濃度」を高くして・・・つまり糖分を細胞にためこんで低温でも凍らないようにして、防寒対策をしてるんだそうです。ロゼット状のイチゴは、まさに寒さ対策バッチシの構えになっていて、葉っぱをまるく茎をぺたっと地面にねかせて、すこしでも多くの光を吸収しようとするんだそうです。室内栽培のイチゴも、寒さが厳しくなっていくと、葉っぱがペタッと横に広がり気味になります。
室内栽培の「あかねっ娘」たちと同じ親株から育てた、いわば兄弟を野外でプランター栽培です。
室内で光・温度・CO2に恵まれながらヌクヌクとそだってる兄弟たちとちがって、葉っぱと茎がクタッと寝てます。
花を咲かせる気配は、まあっっったくありません。
ところで、蛍光灯タイプのグロウランプだと、室温が低すぎる時期となったので、室内栽培のイチゴたちの光をHPSランプ400Wへチェンジしました。
ランプから40cmくらいの位置が、ちょうどイチゴたちの茎頂部(トップ)で、「35000ルーメン」ほどです。
・・・電球が暗くなってきてます。ケチケチせずに、そろそろ交換せねばならない時期だと、頭では分かってます。
そして、植物の光合成運動には、目的が2種類あって、ひとつは「エネルギー」をつくる「明反応」、もうひとつは、そのエネルギーをつかって「水」と「CO2」から→「糖分」をつくる「暗反応」だそうです。
この「糖分」をつくるほうの「暗反応」ってのは、1950年代に米国のカルヴィンさんとベンソンさんが発見したので「カルビン回路」ともよばれるそうで、この「暗反応」は、光量さえ強ければいいんでなくて「温度」と「CO2濃度」で、大きく左右されるそうです。「糖分」は、プラントの健康から果実の糖度、収穫量まで大きく左右するので、この「暗反応」てのも、とっても大切になってきます。
そしてまた先日から、ひつこいほどに、ご紹介している「炭酸水耕栽培」ですが、「根っこからもCO2をすってたよ!!!」という結果は、カルビン回路でおなじみの「カルヴィンさん」と「ベンソンさん」と同じ実験方法で、とある学者さんが証明されたとのことです。
まず、根っこが吸えるCO2の量は、もちろんそれほど多くはないのですが、実際に吸っていたという結果がでたそうです。英語ですが、詳しくはリンク先で・・・
http://www.springerlink.com/content/x53wu314516711nj/
カルヴィンさんたちが、「植物は、大気中から吸ったCO2から「糖分」をつくってるよ・・・」をどうやって証明したのかという実験方法の成り立ちには、なんとも皮肉なストーリーがあります。
戦時中の米国は、核兵器開発専用の軍事施設で「核分裂で放射線がでるよ。核爆弾ってスゴいね」的な研究をしてたそうですが、戦争が終われば、当然あんまし使われなくなります。
その「核開発研究施設」は、一般の学者さんも解放されるようになったので、カルヴィンさんたちは、その施設の設備をつかって、「炭素=C6」の同位体である「放射性炭素=C14」ってのを植物に吸わせて、放射性炭素C14が「糖分,炭水化物」になっていくプロセスを確認できたってことだそうです。(放射性炭素C14は、普通?の炭素C6より圧倒的に数がすくなく、放射線をだすので、それが目印にできるんだそうで。)
この実験のおかげで、今では当たり前になってる「植物は、光合成でつくったエネルギーを使って、水とCO2から糖分をつくってる」が証明され、常識となったとのことです。
なるほど、「戦争は発明の母」といいますし、「戦争は最大の経済効果!!!」ともいいますが、「軍事関連の研究にたずさわっている学者さんが、みんな地球の環境問題に取り組めたら、地球の温暖化は3年で解決する」というヒトもいます。
「 搾取なきピースフルな経済発展と、核も戦争も存在しない地球 」を切に願いながら、2011年を閉めさせていただきます。
LOVE & PEACE :-)