2023年8月23日水曜日

スーパー酷暑の夏。元気になった植物と、そうでない植物。

 まだまだウンザリする暑さがつづきますが、日差しとか、風の吹き方に夏の終わりを感じられるようになりました。

それにしても今年の夏は本当に暑かった! 「どんなに水やりをしても、キュウリがとことん育たない!!!  トマトが赤くならない!  こんなの初めてだ!」という声をよく耳にしました。

10年以上ここで育てているカスケードホップでさえ、立ち枯れに近い高温障害がでたのは初めてです。



毛花がまったく肥大せず、茶色く枯れてしまいました。


葉っぱが水不足になったせいで肥料濃度が高くなり、茶色く焼けてしまう現象が多く見られました。




近くにバラの鉢植えがあるホップは、ほぼ毎日水やりをしていたため、例年通りたくさんの毬花を実らせています。また、このあたりには使い終わったCANNA TERRA ポッティング・ミックス培土をいつも捨てているので、ホップの根元には保水力が非常に高いピートモスが堆積しています。今年のような酷暑では、土壌の保水力がどれだけ高いか、で家庭菜園の勝敗が決まります。



屋外の植物たちが苦戦している今年の夏、アフリカや東南アジア原産のコーデックスや多肉植物どもが、夏休みの間にクーラーのない室内で、オ・ド・ロ・キの生長を遂げていました。




GETしてから一年以上、ウンともスンとも変化しなかったステファニアがやっと芽吹きました。同時にGETしたステファニアは、とっくに丸々とした葉っぱを展開させていたので、「こっちはもう死んでるね。大きすぎる植木鉢に植えたりするから、いけないんだよ。」などと言われても「いやいや枯死したんなら、しぼんでくるはずだよ。塊根に張りがあるから、まだ望みはあるよ。」と半信半疑で言い返していた甲斐がありました。




栽培難易度マックスのブルゲリと、生長速度がおそいパキポディウム グラキリスが自分史上最速、最大に生長しました。



とはいえ、ここまで夏が暑くならないと、ガンガン生長しないかもしれないと思うと、やや気が遠くなりました。




2023年8月4日金曜日

CANNA マスタークラス “ 再循環式ハイドロポニック・システムについて ”

 信じられないほどの猛暑とともに、8月に突入です。


暑さがテッペンになる日中、猫たちはクーラーの効いた部屋でグッスリと寝ています。



CANNA マスタークラス・シリーズ
今回は不活性な培地と再循環式ハイドロポニック・システムについてです。


再循環式システムについてのについてのメリット、デメリットや具体的な栽培管理方法については、こちらで説明したことがあります。

季節にあわせて選ぶ、使う。ハイドロポニック・システムその3 再循環式ドリップシステム


暑い暑いといってはいても、そんなに悪いことばかりではありません、
今年の春に出たプロテアのツボミが開きました。数年前に半日陰で育てていた時は、もっとツボミがつきましたが、タバコガの幼虫に全て食われました。ギラギラとした日当たりの良い場所で管理した方が、食害を受けず無事開花するようです。




栽培難易度がかなり高いフペルジア。一番枯らしてしまいやすい冬さえ超えてしまえば、こっちのものです。水切れにさえ注意して、真夏は直射日光を避けてシダが育ちやすい環境においてあげれば、新たな葉が展開します。




「え〜と、どういうことかな?」
今年になってから、パパイヤを一度も食べていないにも関わらず、生ゴミを処理するためのミミズコンポストの箱から、パパイヤが生えてきました。




パパイヤの種は年越しするんですねぇ。このまま放置しておくと、あっというまに低木ほどの高さに生長してしまうし、実をつけても冬を越せるわけもないことも知っています。




ということで「え〜と、どういうことかな? どうしようかな?」という言葉しかでてきません。
ちなみに、生ゴミが分解されるミミズコンポストから勝手に生えてくる植物は、めちゃくちゃよく育ち、勝手に果実を実らせる、という事実を過去に経験したことがあります。







2023年7月26日水曜日

バラにつく害虫への天敵防除の花たちが咲きました。

暑い、口をついてまず出てくるのがこの言葉。

ギラギラとうんざりするほど強い日差しをさえぎってくれるレモン・ユーカリの涼しげな葉がそよいでいます。関東の冬を越せるくらいの耐寒性もあり、寒い時期には葉を全て落としてしまうので、窓を開けたい夏には日差し避けとなり、冬は日当たりを遮ることがありません。生長が早く、10cm足らずの苗が3年で1m以上に伸びてくれる丈夫さも魅力です。何よりシッカリレモンの香りがする葉っぱは、虫除けにもなり枝を切ってまとめてスワッグにして玄関やトイレにおいて重宝してます。



毎年夏に悩まされるのがアオバハゴロモです。樹木が多い緑地から、飛んできてバラの茎や網戸を白いワタだらけにします。この害虫の天敵であるクサカゲロウが好むキャットニップが満開になりました。キャットニップは、猫が好きな植物であるだけでなく、蚊などの虫除け効果もあるので、水やりするたびに葉っぱが服に触れたあと家に入ると、猫どもの人気者にもなれます。また、花が少なくなる真夏のあいだは、ミツバチの貴重な蜜源植物でもあります。


そしてコナジラミなどの天敵益虫タバコカスミカメが好む花クレオメが咲きました。
根鉢が制限されると、あまり茎が分岐せず花数が少なくなってしまうので、地植えにすれば見ごたえのある花がたくさん咲きます。




ノリウツギはアジサイの仲間ですが、西洋アジサイの花の色があせてきたころに、きれいに咲きそろいました。花持ちがよく、和洋、カントリー、アーバン、どんなテイストの庭にあっても違和感なく見栄えするうえに、丈夫で育てやすく大好きです。陽が落ちた後、ガーデンライトの光を花に当てると、それはれは幻想的なランプシェードのようです。





さて、今月うんざりするほど続いた猛暑日のおかげで、今年の梅干しは仕上がりよくできました。手作りの梅干しは、どなたに差し上げても喜ばれ、あっというまになくなりますが、その後大量に残るのが「梅酢」です。梅のフルーティーな風味が強く、とてもおいしいのですが、とにかくしょっぱいので、毎日使っても使いきれず年ごとに冷蔵庫に眠る梅酢が増えていきます。




2023年7月14日金曜日

ビカクシダたちも、クーラーの効いた室内に避難。

 連日、35℃ごえの猛暑なんて、梅雨が明けてからにしてほしいのものです。

いくら発熱量がすくないLEDといえども、環境温度が35℃を超えてしまうと、吸収性の高いLEDの光を当てていては植物たちが光阻害を起こしてしまいます。

ということで、クーラーの効いた室内にビカクシダたちを避難させました。




それにしても昨年末にネットポットに定植したグランデ、あっというまにデカく育ちました。





ジム・キャリーが出演した、あの伝説のサタデー・ナイト・ライブの動画。いつも見ても笑えます。






2023年7月4日火曜日

CANNA マスタークラス “ COCO培地とハンド・ウォータリング ”

 

CANNA マスタークラスは、「培地の選びかた」シリーズのスタートです。

今回は、ハンド・ウォータリング(手で水やり)でのCOCO栽培について。




ココナッツの殻でできたココ培地は、100%天然素材であるオーガニック培地です。

'90年代に高温で加工してつくられるロックウール培地や、掘削による環境破壊が問題となっていたピートモスの代替として、1993年にココ培地が研究・開発されました。


ロックウールのように肥料成分がほぼ含まれていないので、培養液で肥料を与えるため、最適な肥料バランスを植物に与えられる正確さと、ピートモスよりもはるかに硬い植物繊維でできているため多孔質が長期間壊れにくく、保水性と通気性が長く保たれます。さらに使用後は土にすき込めば土壌をふっくらと改良し、ゆくゆくは腐植がすすみ、ロックウールと違って完全に土にかえるメリットがあります。

ひとくちにココ培地といってもハイドロポニックスに使えるココ培地は、ほんのひと握りです。

市販の安価なココ培地でハイドロポニック栽培をなさって、「うまく育たない、困った」、「このメーカーの肥料成分、以前と成分を変えてませんか?」というお悩み、ご質問を定期的にお受けしますが、農業資材専門店やホームセンターで売られている安価なココ培地の多くは、培養土や土壌にまぜこんで使う素材として製造、輸入、販売されているため、CANNA COCO培地と同じように使ってしまうと、塩害やカリウム過剰、カルシウムとマグネシウムの欠乏が起こり、葉っぱが黄色く変色し、ほとんど育ちません。


2023年6月29日木曜日

真夏日に実感。SANlight LEDのすごさ

 暑さへの耐性が、ダダ下りする一方のお年頃です。

気温が30℃を超えても、いまだ室内栽培できているのは、ひとえに栽培専用LEDシステムのおかげです。なにしろ植物栽培ライトの主流がHPSランプだったころは、毎年5月の大型連休前に強制終了となっておりました。HPSランプをはじめとしたHIDランプは、エネルギーを光に変換する効率がとても低かったので電力のほとんどが熱に変わってしまうんですねぇ。


光と栽培専用ライトについて詳しくはこちらで :

〜 SANlight 2017〜 植物の都合で光を見てみる。

〜 SANlight 2017〜 植物の都合で光を見てみる。 その2


年中屋外で育てているビカクシダも、新たな貯水葉を展開し広げています。




思わず目をひく鮮やかなブルーのアジサイ、テマリ・テマリ。これから秋色に変化するのが楽しみです。





近頃、寝不足の原因はこの子です。この子の母猫のTNRもすませました。これから先住の兄弟猫たちと仲良くなれるよう、顔合わせをかさねていきます。








2023年6月16日金曜日

梅雨は勝手にいろいろ育つ・咲く季節

やっと晴れた! と思えば、逃れられない蒸し暑さがおそってきます。

雨で植物どもの手入れができない日が、ほんの2、3日続いただけで見て見ぬふりをしたくなるほど雑草どもが生いしげりやがる季節です。


水が好きなバラどもは、つぼみを次々に上げて返り咲きます。

 


ひん死状態だったブラック・ティー。5月にはあまり咲かず、今年初めての開花ピークです。


ブラック・ティーの葉ウラにはハナグモが住み着いてくれました。葉かきをしようと近づくと、葉のウラにシュタッッッッ!と隠れます。


「植えてよかった、植えといてよかった宿根草」のトップ10に入るロシアンセージ。
毎年夏のさかりに茎が茶色く枯死して、蒸れくさったかと思うと、翌年必ずビシバシ伸びて紫色の花を咲かせてくれます。


キング・プロテアの理想的な開花サイクルを今年はじめてよく理解できました。
株自体はわりと耐寒性が高いので、関東以西なら屋外で冬を越せますが、昨年の秋に出たツボミは先月茶色く枯れてしまいました。つい最近出たつぼみはグングン大きく肥大しているので、秋に出たツボミは冬の間に摘蕾(てきらい)しておくべきで、春以降に出たツボミだけ咲かせたほうがいいのだと思います。


西洋アジサイリ品種シティ・ラインシリーズのアムステルダム。肥料ぐいで、肥料をこまめに与えるほど、鮮やかにたくさん咲きます。去年は秋色アジサイを楽しむために晩秋まで咲かせていましたが、よく咲きます。3年以上同じ鉢のまま植え変えせず室内栽培で出る培養液の廃液をたまに薄めてあげているだけです。
鉢植えのアジサイは水切れが早いので、底面給水トレーがわりにラウンドソーサーを敷き、鉢底に水を溜めるようにしています。


「植えっぱなしでもコンパクトにまとまる寄せ植えに最適な宿根草」のトップ10に入ると今年わかった「キャッツテール」「ガウラ」「カレックス」のくみあわせ。なるべく手間もかけず、季節ごとの植えかえもせず、植えっぱなしでもだらしなく見えない寄せ植えこそ、アーバンガーデニングの目指すべき姿だと思います。




一方で、地植えでも放置厳禁だと思い知ったアーティーチョーク。2メートル近くそびえる草丈に咲く、花の群生はすさまじい存在感があります。


ルリタマアザミの花が上がってきました。これの花もあざやかな紫色に変わります。



蜜源植物のブッドレアは、咲きはじめの今時期にもっとも大きくて香りの強い花を咲かせます。晴れた日は、次から次にチョウチョや蜂がやってきます。お盆時期にも、たくさんのチョウチョがやってくるので「帰ってきた ご先祖様はどれかな?」状態になります。




「ひさし をかして おもや を とられる」というコトワザがあります。
親切にした恩を仇で返されるという意味ですが、このホップがまさにそれです。バラのためにセットしたオベリスクでしたが、いつの間にかツルバラは消え去り、チヌーク・ホップ棚にかわりました。



バラの代わりに、たくさん毬花をつけてくれたので、「まぁホップでもいいかな」と言い聞かせています。