マニアックな植物ネタのみなのに、(思ったより)たくさんの方々にご閲覧いただきまして感謝・感謝です!!
さて、
ロックウール培地とココ培地の水耕栽培で育てている「イセヒカリ」ですが、7月の一週目に出穂してから、いよいよ「登熟=とうじゅく」がすすんできました。
稲穂のなかのデンプンが固まってくると,重たくなって垂れてくるんだそうです。
まだ内部がブヨブヨの時の稲穂は、いっちばんスズメに食べられやすいそうです。やわらかくって食べやすいタイミングを知ってるそうで。
「生殖生長の登熟期」=「開花期後半の肥大期」とも言えます。
この、もう収穫まで何週もない!という時期には、とくに「ケイ酸」を吸わせると、チッ素を減らして食味を良くして、大きく引きしまったウマウマなお米に仕上がるんだそうで。
水溶性ケイ酸の効能は、いろんな作物で検証され、もはや疑うことなく多くのメリットが実証されてます。
これはペットボトル・ココ培地の水稲です。
コンスタントにケイ酸をあげてます。
葉っぱの一本一本がシダレたり広がったりせず、ピンッと立ってます。
ケイ酸が効いてると細胞がかたくなって病害虫にも強くなって、こんなふうにシュッとするそうです。
これはロックウール培地の水稲です。
葉っぱ各自がスキ勝手な方向へと広がってバッサバサ。マトマリというものがありません。
もうひとつの同じ水耕栽培システムの水稲たちも自分たちで立てないご様子。
ロックウール培地からのケイ酸では、やっぱし足りない様子です。
実を収穫する「なりもの野菜」では、生長期から開花期へ移行する時に肥料濃度をやや濃くするので、EC値をすこしづつ上げていきますよね。このEC値を濃くしていくタイミングで、ケイ酸をあげるのがいいようです。
収穫が近づくにつれて、よぶんなチッ素を燃やしてタンパク質やアミノ酸や脂肪酸なんかの割合をどんどん増やすことが、作物の大きさ・食味・糖度・品質をアップさせるコツなんですが、とくに生殖生長期からケイ酸資材をマンゾクに吸わせると、この効果が大きいそうです。
とはいえ、そもそも土壌じたいの50%もが「二酸化ケイ素=シリカ」でできているとも言われてますし「水晶」や「メノウ」もケイ素の鉱物です。そんなにフンダンにイッパイあるんだから、土で育てるときは、わざわざケイ酸資材なんかあげなくてもいいんじゃないか? となりそうなもんです。
水耕栽培専用の肥料や活力剤に使われる原料の条件は、「吸収性のよい水溶性のミネラルであること」と「植物があんまし好きじゃない塩素とかナトリウムとか、根傷みの原因になるアンモニアとかの余分な成分が多い原料はパスして、ムダな成分でEC値を上げない」などなどです。
つまりハヤイ話が「水耕栽培に向いてる肥料原料は、どうしても高くつくんだよな〜」なので、水耕栽培専用ではない液体肥料と比べると、ちょっとお値段が割高になるんですよね〜。
ハナシの流れには関係ありませんが、エアロ・ガーデンのパリグリーンです。
今回は、光の位置をちゃんと近づけたら「トウダチ」しませんでした。
ハナシはもどりますが、原料がちょっとお高めなのは「水溶性ケイ酸資材」も例外じゃなくて、地球にフンダンにある二酸化ケイ素は1700℃ちかい高温で一週間以上も加熱されて、やっとのことで蒸気になり、晴れて「水溶性ケイ酸」になれるそうです。これはちょっとDIYでは無理そうです。
そして土壌中の約50%をしめる二酸化ケイ素はク溶性で、根っこから出る根酸でジワジワ〜ッと溶かされて吸収されるんです。
いかにも硬そうな葉っぱや茎をしている稲・ススキなどのイネ科やスギナなどトクサ科はこれが得意なんですが、トマトはこの作業が苦手なんだそうで、植物によってケイ酸を吸うチカラがだいぶ変わるので、以前は「ケイ酸資材なんか効かねぇ!」と言われたこともあったそうです。
ということで、次回お目にかかるときは「イセヒカリ、収穫しました!」というトコロでしょうか・・・