黒土、鹿沼土、腐葉土などの園芸用土のかわりに、水に溶かした肥料だけが養分となる「水耕栽培」は、「培養液のなかに、どれくらい根っこが吸える肥料があるのか?」が一番大切なポイントですよね。
以前にもちょこっと触れたとおり、日本の水道水はEC値がだいたい、60〜100ppm くらいで、水道管が傷まないようにpH値は7.0〜7.6程度になってるようです。なので欧米みたいな硬度のバラツキはあまりないので、日本の水道水で肥料メーカーの分量レシピ通りに培養液をつくれば、ほぼ問題ないと思います。
ただ! レシピも守ったうえで、培養液のpH値(=ペーハー・ピーエッチ)も、ちゃんと調整したほうがいいかもしれません。pH値というのは「水素イオンHが、どんだけあるの〜?」という意味です。
よく目にしますが、pH値によって肥料養分の溶けぐあいがこんなに変わるよ、という表です。
水耕栽培の培養液のpH値は、植物の種類によってすこし変わりますが、pH値5.5〜6.5の間がよいとなってます。それは、このpH値のレンジが一番ムラなく全部の肥料塩基が溶けてるからです。このpH値レンジを外れた状態が長いことつづくと、根っこが茶色く枯死したり細胞壁がペラペラになって病気や害虫が発生しやすくなります。
pH値を調整するには酸性のpHダウン剤とアルカリ性のpHアップ剤が必要です。
水耕栽培に向いてるpHダウン剤は、「硫酸・硝酸・リン酸」などの無機酸類で、pHアップ剤としては「水酸化カリ・炭酸カリ」とカリウム化合物がほとんどですが、「ケイ酸資材」とか「強アルカリ性の活力剤」でも Good だそうです。
重曹は身近なpHアップ剤ですが、
炭酸とナトリウムでできていて、
ナトリウムは植物がスキではないようなので、あまり使われていないようです。
そして、pH値を下げる酸性のものならなんでもpHダウン剤に使えるのかな? ということなんですが、残念ながら水耕栽培に関しては「NO!」なんだそうです。
いったいナゼでしょうか?・・・