作者であるカナダ人ジャーナリストのアダム・リース ゴウルナーさんが、いろんなめずらしい果物を味わうまでのエピソードや、フルーツ・フリークな人々の集まり「北アメリカ果物探検家協会」や「国際希少果実振興会」のスゴい度や、果物密輸業者、果物交配家、果物泥棒、果物警官そして果食主義者などなどとの交流をつづった本です。
この本を読むと、無性にフルーツが食べたくなります。パパイヤ、マンゴーはもちろんドリアンまでもが食べたくてしかたなくなりました。トロピカルフルーツは、産地で完熟を食べるのがなんといってもサイコーです。
が、産地に足を運んで、どんなにお金をつんで口にできない禁断のフルーツというものがあるそうです。
〜「 アムは自分のおへそから腰、太腿のあたりを円を描くようになぞりながら「淑女の果実」のことを知っているかと聞いてきた・・・
この果実はオオミヤシといって、あるカルトで崇拝の対象となっているのだが、インド洋のなかほどにあるセーシェル諸島のプララン島とキュリーズ島のみ自生し、現地ではココ・デ・メール(海のヤシ)とよばれている・・・
「淑女の果実」は実在するばかりか、植物界のなかでも群を抜いてセクシーな果実だった・・・
最初、彼は味見をするのは無理だといいはった。「ふたりとも撃ち殺されちまう。法律で禁じられてるんだから」〜
どうやら、この「オオミヤシ」っていうのは、世界一、大きくて重たくて熟すのに7年もかかってオイシくてイヤらしい絶滅危惧種なフルーツということだそうなんです。
オオミヤシは売買がキビシく禁止されているので密猟者や密売者が後を絶ちません。それでも年間でたった1769個のオオミヤシしか熟さないので、オオミヤシを密売したって生活はなりたたないほどだそうです。
日本では「オオミヤシ」または「フタゴヤシ」、学名は「Lodoicea maldivica」、英語では「Coco De Mer」とか「Double Coconut」と呼ばれているようです。
興味のあるヒトは、「オオミヤシ」、「フタゴヤシ」、「Coco De Mer」、「Double Coconut」でイメージサーチしてみてください・・・
オオミヤシの雄花・雌花なんてもう「秘宝館」の世界です。
ちなみに私の住む川崎には、ものすごいお祭りがあります・・・