2010年6月8日火曜日

陽のあたる場所

植物は、光を吸着できるタンパク質「フィトクロム」っていうのをもっていて、そのタンパク質で太陽があたってるかとか、太陽があたる長さとか、どんな色の光があたってるのかとかをじ〜っと見つめて生きているそうです。

植物は自分がちゃんと陽当たりのいいバショに、いられているのかどうかはもちろん、「光の波長」、つまり光の色にも好みがあるそうで、そんなことの判断を「フィトクロム」がおやりになってらっしゃるそうで。


さいきんの、わが家の「緑のカーテン、ホップ」の様子です。ゴーヤとかキュウリでも「緑のカーテン」試しましたが、強い光が好きな強光性の植物だと、いちばん生長してほしい時に柿の木の葉っぱがおいしげって日陰になるので、花もろくに咲かずラチがあきませんでした。
植物は「青と赤の光線」をよく吸収しますが、

それは光合成にいちばん有効だからです。

とくに「赤色の光線」は、植物にとってはなにかと大きな判断材料になるそうです。










「赤色の光線」は、どの植物にとっても、たくさん光合成ができる人気の波長です。太陽が直接葉っぱにあたってれば、「赤色の光線」はたくさんあたります。

が、

日陰だったり、ほかにライバルがまわりにいると葉っぱどうしが重なってしまって「赤色の光線」があんまりあたらなくなり「遠赤外線」ばっかしが葉っぱにあたるそうです。

そこで「遠赤外線」があたったときは、弱い光をたくさん吸収できる、いってみればISO感度の高い「フィトクロム」が活躍し、「赤色の光線」があたったときは、光感度の低い「フィトクロム」が活躍するんだそうです。

そしておどろきなのは、「高感度のフィトクロムも低感度のフィトクロムも同一人物」ってことです。
陽当たりがマバラな場合は、高感度・低感度の両方のフィトクロムが葉っぱでイッタリキタリしてます。










「赤色の光線」をよく吸う「フィトクロム」は「Pr型」と命名されていて、「赤色の光線」をうけると「Pfr型」に変身します。

その「Pfr型フィトクロム」は「赤外線」をよく吸うんですが「赤外線」をすうと「Pr型」にもどってしまうそうです。

短日植物と長日植物は、夜の長さでフロリゲンがつくられて花芽がつきます。(=光周性)

それで、この「Pr型」と「Pfr型」のどっちが夜間に葉っぱに多くあるかが、植物がフロリゲンをだすサインになるそうです。








フィトクロム」は暗い所ではぜ〜んぶが「Pr型」だそうです。

なので短日植物は、短日サイクルにしてても夜中に光(特に赤い光)があたると「Pfr型」が増えてフロリゲンがでなくなっちゃいますし、逆に長日植物は夜を長く短日処理してしまっても、夜の時間に一度だけ光をあてると「Pfr型」が増えて、花芽を形成するそうです。

そして、紫外線/可視光線/赤外線のぜんぶの光のなかでは、とくに「赤色の光線」と「赤外光線」は短日・長日の「光周性植物」の花芽形成をはじめ植物の生長にふか〜く関わりがあるということでした。

光を感じて発芽するレタスなど「光発芽種子」も「赤色の光線」でイチバン発芽しますが、「赤色のあとに赤外線」をあてちゃうと、発芽しなくなっちゃうそうです。これも「Pr型とPfr型フィトクロムのバランス」ってえ、ことになるそうです。

そんなことをアタマに思い浮かべながら、植物をそだてるランプを選んでみたらいろいろと実験できそうです。
植物をそだてるのに使われるランプの波長ですが、「蛍光灯」は赤外線がほとんどでないので長日植物では花芽がつきにくくて、「短日植物」は気にせず花が咲くそうです。
絶滅の危機にある「白熱灯」は「赤外線」が豊富なので長日植物の栽培に使うと、開花促進になるそうで、短日植物では反対に花が咲きにくくなるそうです。

LEDランプは、赤とか青とか紫外線とか赤外線とか、特定の波長をだすことに優れてるので、光の波長ごとの発芽や開花の違いの実験なんか、お子サマの夏休みの課題なんかにいいかがでしょうか?

短日・長日・中性、光がすきな植物なら、よく育つのは、やっぱり紫外線から赤外線まで太陽の光にちかい高圧ナトリウムランプ・・・なようです。

ワタシのウンチクはこれでマックスに限度です。
もっときちんと学術的なことが知りたいヒトは、こちらの本がおすすめです
(ワタシがGETしたときはマーケットプレイスで1円だったのに・・・スミマセン!!)